校長室のひとりごと
校長室のひとりごと「淡水生物も…」
歳をとると「昔は…」なんて昔話をしているものです。若い頃は、そんな昔話をするおじさんの話を「面倒くさいな」などと聞き流していましたが、まさか自分が得意げに昔話をする日が来るとは…
話を戻しますが、私が子どもの頃は、江戸川にハゼ釣りに行ったり、用水路に四つ手網を仕掛け、タナゴやクチボソ、ドジョウなどを捕まえたり、田んぼでメダカやザリガニを捕まえたりしていたものです。それから半世紀も経てば環境も変化し、何より危険な水辺も減ってきたように感じます。
この度「国際自然保護連合」が淡水生物を地球規模で調査し、その結果が公表されました。それによれば、私が捕まえて遊んでいたような、いわゆる淡水生物の¼が深刻な絶滅の危機にあるようです。原因は様々でしょうが、一つはより生命力の強い外来種の増加による生態系の変化、そしてもう一つは河川や水田周辺の整備による環境の変化があげられています。
以前、スズメなど野鳥の絶滅の危機について書きましたが、野鳥の餌となる淡水生物の減少が関係しているのだろうと思います。
校長室のひとりごと「風化させない」
千葉県私立高校入試の集中日です。本校からも32名の3年生がそれぞれの高等学校の入試に行っています。実力を発揮し全員に合格してほしいと願っています。
ちょうど30年前の1995年の今日1月17日午前5時46分、阪神淡路大震災が発生しました。当時は今日と同じように多くの3年生が受験当日、3年生の担任だった私は早朝から最寄駅で受験生にエールを送り学校に戻ると、職員室の空気がいつもと違っていました。職員室のテレビには、まるで映画でも見ているかのような悲惨な街の映像と地震を知らせるニュース速報が繰り返し流れていたことをはっきりと覚えています。目に飛び込んだ映像は、とても日本、いや神戸の現状だとは受け入れられないものでした。あの日は、一日中職員室のテレビはつけっぱなし、時間が経つにつれ次々に新しい映像が流れてきました。高架の高速道路は崩れ、今にも落ちそうなバス、脱線した通勤電車、家もビルもみな崩れあちらこちらから煙と炎が立ち上がる上空からの映像・・・
犠牲となった6434人の中には、受験に行くはずだった多くの受験生もいたことを知りました。神戸では30年経った今も「午前5時46分57秒(地震の時刻)」で止まったままの時計が、無言の語り部となり見る人の心に風化させないよう訴えかけています。
あれから30年、今日の受験という日を無事に迎えられたこと、それ自体が幸せなことだと感じる今日1月17日です。
この週末は全国で大学入試共通テストが行われます。がんばれ受験生!
校長室のひとりごと「おじさんの特徴?」
若者のSNSによるトラブルは一向に減少しません。年末の全校集会の「校長先生の話」ではスライドを流しながらSNS、インターネット社会の特徴や恐ろしさなどを全校生徒に話しました。これまでも学年や学級で注意を呼びかけてはいるのですが、生徒達は一般的な話として聞き流しているせいなのか、相変わらずトラブルが続いているため、全校に向け私が話すことにしました。
私自身も、SNS(チャット機能)を活用しますが、生徒たちのトラブルとは違う意味で気をつけています。先日ドキッととする記事を見つけました。「直したいおじさん、おばさんの特徴」というSNS、特にチャット機能に関する指摘です。記事によると…
① 絵文字をやたらたくさん使う
② 文章がとにかく長く読みたくない
③ 延々に終わらないラリー
④ 「ヨ」「ネ」など文末にカタカナを使う
⑤ スタンプ乱用
だそうです。おじさん代表(?)の私などは「別に良いじゃん!」と思いますが、受け取った側のZ世代には「重く」感じてしまうようです。 気をつけます…
校長室のひとりごと「インフルエンザ」
ここ数年コロナに対する予防が徹底されてきたため、あまり意識していなかったインフルエンザですが、今年はコロナよりもインフルエンザに脅威に感じています。ご存知の通り年末年始も含め晴天続きで空気が乾燥しきっています。このような天候も手伝ってかインフルエンザの流行が広まっており、統計開始以来最悪の流行だそうです。本校では、まだ学級閉鎖などの措置を取るほどの流行はありませんが、いずれ流行の波が来ることでしょう。
今週からの千葉県の私立高校の入試を皮切りに、本格的な受験シーズンを迎えます。また2月はじめには2年生のスキー林間が予定されているなど生徒達にとって特に大事な時期でもあります。本校では各教室に加湿器を置くなどしていますが、まずは一人一人が感染症対策を徹底するよう指導しています。
ところで、本校にはいませんが巷では受験前に、元気にも関わらず欠席する生徒がとかく話題になります。コロナ禍では「心配だから…」はわからなくはありませんが、中には学校を休んで昼間から塾に通っているという例もあるようです。義務教育である中学校の校長という立場では、何とも複雑なものです。
まずは、学校でできる感染症対策と個人でできる感染症対策の双方の徹底が必要だということでしょう。
校長室のひとりごと「タロとジロ」
「南極物語」をご存知でしょうか。そうです、南極観測隊が南極での移動の犬ぞりを引くための樺太犬と観測隊との感動の実話です。時は1957年、第一次越冬隊と15頭の樺太犬は昭和基地を拠点に様々な活動をしていましたが、天候を含め様々なアクシデントに見舞われてしまい何とか隊員達は帰国できましたが、15頭の樺太犬は無人の昭和基地に置き去りにせざるおえませんでした。すぐに第二次越冬隊が入れ替わり南極に行くはずでしたが、天候は回復せず第二次越冬は中止となってしまった。極寒の南極昭和基地に餌もなく鎖に繋がれた15頭の樺太犬達の多くは力尽きてしまいました。結局、第三次越冬隊が昭和基地に入ったのは1年後のこと。第三次越冬隊には、第一次も犬係を務めた隊員も同行し昭和基地にたどり着きました。犬係の隊員が目にしたのは鎖に繋がれたまま息絶えた数頭の樺太犬の姿でした。残りの数頭は自力で鎖を抜けさまよった末に息絶えてしまったのだろうと落胆していた犬係の隊員のもとに、遠くの丘から二頭の樺太犬が隊員目がけて走り寄って1年ぶりに奇跡の再会を果たし、その二頭が「タロとジロ」だったという話です。その犬係の隊員と「タロとジロ」が奇跡の再開を果たしたのが、1959年の今日、1月14日だったことから今日は「タロとジロ」の日と制定されました。