令和の輝跡
花香百里、人香万里
花は香りで物を言う。
春の花は強い香りをあたりに振りまき、
ハチやチョウ、花見に訪れる行楽客を誘惑する。
香の魅力は、遠くまで広がる。
香り高い花の匂いは、風に乗って百里先まで届く。
だから花香百里という。
だが、花の香りがいくら強いとはいえ、奥ゆかしい人の香気に勝るものはない。
人情的な深みのある人は、重みのある香りを残す。
近くにいるときにはわからない。
香りの持ち主がその場を離れるころ、その人だけの香気、
人香が感じられるものだ。
人の香気は恋しさと同じく、万里の先に達する。
だから人香万里というのだ。
『言葉の温度』 イ・ギジュ著(米津篤八訳)
今日はあいにくの雨模様でした。
こんな日は、そしてこんな時だからこそ「読書」を!