学校長の窓

学校長からのお話を掲載しています

平成25年度創立記念集会あいさつ

 みなさん、こんにちは。今日の創立記念集会にあたり、益子中学校の歴史について、少しお話をします。

 本校の創立は、昭和22年4月1日です。そして、4月28日に開校式を行いました。生徒のみなさんも知っているように、1945年(昭和20)8月15日に終戦を迎え、GHQ(アメリカ合衆国)の占領下に置かれました。急速に日本の民主化が始まり、その一つが「教育の民主化」でした。

 これまでの教育制度が大きく変わり、6・3・3・4制による教育制度改革が行われたのです。つまり、小学校は6年間、中学校・高等学校は3年間、そして大学は4年間という教育制度の下、新しい中学校が全国一斉につくられたわけです。ですから、小学校の創立記念日と異なり、中学校はみな同じ時期に創立されたことになります。益子中学校は、今年で65回目の誕生日を迎えました。

 益子中学校のこの長い歴史を振り返ってみますと、昭和25年4月15日には、木村まさる氏作詞、菅野浩和氏作曲の校歌が制定されました。また、昭和28年3月17日には校旗が樹立され、学校のシンボルが整いました。いよいよ学校に勢いが出始めたころです。

 そして、昭和48年2月28日には新校舎が竣工され、みなさんが入っている教室や特別教室などが完成しました。このころは「栃木県に益子中あり」と言われるほど、文武両道にわたる輝かしい活躍が見られ、県内に益子中学校の名声がとどろきわたりました。

 また、平成9年には創立50周年記念式典を行い、さらに平成19年には創立60周年記念講演会を実施し、保護者の皆様、後援会の皆様、そして地域の皆様とともに、益子中学校の発展をお祝いしています。

 さて、本日は創立記念にあたり、講師として 大山正樹 様にお願いをいたしました。大山様は、益子中学校の第二黄金期といわれる、昭和51年度の卒業生です。

 現在、大山燃料店を経営され、益子町消防団長としても御活躍されています。また、本校の元PTA副会長として、PTA行事はもとより、本校教育活動全般にわたり御支援、御協力をいただきました。本日は大変お忙しい中、お出でいただき、誠にありがとうございます。

 本日の大山様のお話は、生徒のみなさんにとって、益子中学校を見つめ直す良い機会になることと思います。そして、みなさんが本校生徒としての誇りや自信につながることを願っています。しっかりとお話を聞いて、これからの自分づくり、自分探しにぜひ役立ててほしいと思います。
 それでは、大山様よろしくお願いいたします。

平成25年度PTA総会あいさつ

 保護者の皆様、こんにちは。校長の岡でございます。本日は大変お忙しい中、御出席をいただきありがとうございます。また、日頃より本校教育に対し御理解と御協力をいただき、改めて感謝を申し上げます。
 生徒たちは、明るく元気なあいさつができます。そして、礼儀正しく、落ち着いた学校生活を送っていて、とても頼もしく感じています。私は、毎日、何回か各教室をまわり、生徒たちとの会話を楽しんでいます。朝、1年生の教室に入り「おはようございます。」と大きな声であいさつをすると、ある生徒が「校長先生はおもしろいですね。」と話しかけてくれます。「まだ、1週間も経っていないのに、私の正体を見抜いて、君もスゴイね。」と言葉を返すと、「校長先生の全体がおもしろい。」と言うのです。私という人間に関心をもって接してくれる生徒たちが、限りなく愛しいと思います。
 学校は、生徒が主役です。学校は、本来楽しい場所でなければなりません。そのためにも、潤いがあって、語らいができるよう、教師と生徒との信頼関係を深めていかなければならないと思います。さて、先週1週間を振り返ってみますと、入学式をはじめ、対面式、部活動紹介、交通安全教室などが矢継ぎ早にありましたが、生徒たちの取り組む態度は実にすばらしく、学校全体が活気にあふれています。本当にうれしい限りです。
 それでは、この場をお借りいたしまして、大きく2点についてお話をさせていただきます。第1点は本校の学校経営の概要について、もう1点はは部活動削減についてでございます。
 まず、本校の学校経営の概要について御説明いたします。各学年の保護者会資料の表紙の裏面をご覧ください。「2 校訓」をご覧ください。
 本校には、校訓として「聖心」があります。これは平成16年4月1日に、第19代校長 仲田直敏 先生のもとで制定されたものです。本校は古くから「聖が丘」と呼ばれていることから、「聖の心」、つまり「聖心」と定めたわけです。「聖」とは「優れた人」のことです。そして、「聖心」とは「優れた人を目指し、日々努力する心」のことです。この校訓は、本校生徒と職員の心の支えとなっています。この校訓の制定に伴い、学校教育目標も改められました。
 「3 学校教育目標」をご覧ください。
 ・自ら学ぶ生徒・・・学力(知育)にかかわるもの
 ・心豊かな生徒・・・徳育にかかわるもの
 ・たくましく生きる生徒・・・健康(体育)にかかわるもの
 ・郷土を愛する生徒・・・郷土愛にかかわるもの
  これら4つの教育目標を実現する生徒の姿として、「4 目指す生徒像」を設定しております。また、昨年度新たに、「5 目指す学校像」を設定しました。ご覧ください。4つございますが、そのうちの2つについてお話します。

  まず、「生徒が行きたい学校」として、「潤いがあり、語らいのできる学校」を目指したいと思います。生徒同士、生徒と教師が安心して語らいができ、居心地感のある学校にしていきたいと考えています。昨年度から「魅力ある学校づくり」に取り組んでおりますが、いわゆる「不登校の未然防止」の研究です。本校では、毎年20名を超える不登校生徒がおりましたが、お陰様で、昨年度は8名に激減いたしました。今年度はさらにその半減を目指し、一人ひとりが「学校が楽しくてたまらない」という学舎にしていきたいと思います。

  次に、「保護者が通わせたい学校」として、「生徒一人一人の育ちが大切にされ、磨かれ、鍛えられる学校」を目指したいと思います。学校の最大の使命は、「確かな学力」を保証することにあります。生徒の学びや育ちを保証し、情緒や知性を磨き、体を鍛えられるような学校にしたいと思います。

 続いて、「6 学校経営方針」をご覧ください。
 今年度も、教育的瞬間を的確にとらえ、一人一人の生徒に行き届いた指導、規律ある中での温かい指導を行い、生徒の健全な自尊感情を高め、自己確立や自己実現を図るとともに、生徒の伸び代を広げ、充実感と感動のある教育を推進したいと考えております。(共感・共汗・共歓の学校)
 「7 目指す教師像」については、日々の教育活動に当たり、私たち教師が行動指針となるものでございます。これらの教師像を目指し、生徒たちのために努めてまいりたいと思います。

 次に、部活動削減について、今後の方向性についてお話しいたします。現在、本校には運動部・文化部を合わせて13の部活動があります。部活動の数では、郡内中学校で2番目となる多くの部活動を有しています。部活動の数については、各学年の学級数を考慮し検討をしなければなりません。それは、学級数に応じて教員の数が決まっているからです。

 本年度の1年生については、1月下旬まで4学級という見込みでした。ところが、実際には益子中学校への入学者が10名弱減少し、ついに3学級となってしまいました。3学級になったことで、教員も1名減となりました。今後、生徒数の減少は避けられません。それに伴い、教員も減少することになります。これらのことを念頭におき、早急に部活動削減の方向を示す時期がまいりました。
 本来なら平成25年度から削減の方向性を示すところでありましたが、新1年生への入学前の説明ができませんでしたので、今年度は今まで通り13の部活動を開設いたします。
しかし、平成26年度は「待ったなし」の状況ですので、2つの部活動を募集停止したいと考えております。今後、1年間かけてじっくりと検討し、現在の小学校6年生にも、入学説明会の折りに説明できるよう、準備をしていきたいと考えています。
 どうぞ保護者の皆様には、部活動削減についての御理解と御協力をよろしくお願いいたします。

 最後になりますが、お子様の教育にとって大切なことは、何と言っても、学級担任との信頼関係です。心配なことなどありましたら、どんな些細なことでも結構ですので、学級担任に気軽にご相談ください。本校の職員は、常に、3S「スマイル・サービス・スピード」を合い言葉に、全力で指導にあたりますので、1年間どうぞよろしくお願いいたします。

平成25年度対面式あいさつ

 みなさん、こんにちは。昨日、平成25年度入学式を盛大に挙行することができました。106名の1年生のみなさんの姿がきらきらと輝き、大変うれしく思いました。今日で、中学校生活2日目を迎えました。まだ緊張していることでしょう。でも、益子中学校の1年生になった喜びとうれしさと「しっかりがんばるぞ」という充実感を味わい、中学生としての確かな手応えを感じているに違いありません。

 さて、本日の対面式は、1年生のみなさんが益子中の生徒として、第一歩を踏み出す大切な日です。本日の対面式に当たり、2つのことをお話しします。

 1つ目は、「早く中学校生活に慣れてほしい」ということです。そのためにも、学級・学年・全校へと会話を広げ、友達をたくさん作ってください。益子中学校の生徒は、昼休みに外でよく遊びます。とても行動的です。1年生のみなさんも、自分のよさやもち味を発揮し、より積極的に、より行動的に学校生活を送ってください。

 2つ目は、「益子中の生徒としての自覚をもってほしい」ということです。2・3年生のみなさんが、先輩として手本を示してくれます。例えば、明るく元気なあいさつの仕方、大きな返事の仕方、自転車の正しい乗り方、率先して行う清掃や給食配膳の仕方、部活動への真剣な取り組み方など、益子中の生徒としての心構えを教えてくれます。しっかりと学び、実践してください。
 全校生徒は387名です。みなさんが学校の主役として、新たな益子中学校の文化を創り上げていきます。正に、一人一人が学校の代表です。一人一人がきらりと輝き、学校を動かしていきましょう。

 最後に、この対面式を行うに当たり、事前準備をしっかりとしてくれた生徒会役員のみなさんに感謝し、あいさつとします。

平成25年度入学式 式辞

  木々の緑が柔らかな色合いを見せ、春爛漫の今日の佳き日に、益子町長 大塚朋之 様、益子町議会副議長 黒子秀夫 様をはじめ、多数の御来賓の皆様の御臨席と、保護者の皆様の御列席を賜り、ここに平成25年度入学式を、盛大に挙行できますことは、誠に喜ばしい限りであります。御多用の中、御臨席賜りました御来賓の皆様に、心より御礼申し上げます。誠にありがとうございます。
  新入生のみなさん、入学おめでとうございます。みなさんの入学を心から歓迎いたします。
  ただ今、呼名のとき、106名のみなさん一人ひとりが、緊張の中にも「益子中学校の1年生」としての新たな決意が感じられました。大変うれしく思います。
  みなさんは、今日この日から、伝統と歴史のある益子中学校の生徒となりました。新しい学校、新しい学級、新しい先生、新しい友達、何もかも新しい中で、それぞれの出会いをどうぞ大切にしていってください。
   さて、本校には、これからの中学校生活の3年間、みなさんの心の拠り所となる「校訓」があります。それは「聖心」です。「聖心」とは「優れた人を目指し、日々努力する心」です。みなさんは、この校訓「聖心」を深く心に刻み、新しい可能性に挑戦し、努力する人になってほしいと思います。
 それでは、中学校生活の出発にあたり、この3年間をどのように過ごしていったらよいか、二つのことをお話しします。
一つ目は「一日一日を積み重ね、大事にしてほしい」ということです。この3年間の千日余りは、実は「一日一日」の積み重ねなのです。この「一日一日」を、どれだけみなさんが大事にできるかということに、中学校生活はかかっています。毎日の授業、学校行事、部活動、家庭学習、友達との交わり、その一つ一つを大切にしていってください。長いようで短い中学校生活、自分のこれからの基礎を形作る大切な時期であり、大切なところです。どうぞ、毎日を大切に進んでいってください。
  二つ目は「失敗を恐れず、自分の意志でいろいろなことにチャレンジしてほしい」ということです。「失敗は成功のもと」ということわざがあります。失敗の中にこそ、失敗のヒントがあるのだから、くよくよしないで頑張れ、という意味です。失敗は決して怖がるものではないのです。また、「自分の意志」でというのは、自分で考え、自分で責任をとるつもりで、ということです。周りの反応を見て、みんながそうだから、自分も同じにしておこう。自分だけ目立つのはいやだから、みんなとそろえておこう。
  みなさんは、これまでこんな考え方をしたことはありませんか。みなさんは中学生です。自分の考えをしっかりともっていれば、たとえ少数でも毅然とした行動がとれるのだと思います。益子中の生徒として、自分の意見をもち、それを堂々と述べ、実行し、そして責任をもってほしいと思います。
   次に、2・3年生にお願いがあります。新入生は、新しい生活に入る期待や喜びと同時に、不安でいっぱいです。早く学校生活に慣れるよう、先輩として、新入生のよき相談相手となってください。
  ここで、保護者の皆様に申し上げます。本日はお子様の御入学、誠におめでとうございます。12年間、慈しみ育て、今日の日を迎えられた、保護者の皆様のお喜びには、計り知れないものがあろうかと思います。私ども教職員は、皆様の御期待に応えるべく、誠心誠意、最大の努力を傾け、教育活動を行ってまいりたいと思います。保護者の皆様の本校教育への御理解と御支援を賜りますようお願い申し上げます。
   結びに、新入生のみなさんが、本校に学ぶ誇りと自覚をもち、活躍できることを期待し、式辞といたします。

平成25年度第1学期始業式 式辞


 春爛漫の美しい季節を迎えました。山に入り、耳を澄ますとウグイスの鳴き声が聞こえ、心を和ませてくれます。本日、ここに平成25年度第1学期始業式を迎えることができ、大変うれしく思います。

 みなさんは、今日の日を心待ちにしていたことと思います。そして、上級学年に進級した喜びとうれしさで、胸を大きくふくらませていることでしょう。誰にも平等に与えられている、これから始まる1年間という月日を、どのように過ごせるか。それは、みなさん一人一人の至誠・忍耐・努力にかかっています。

 さて、平成25年度のスタートにあたり、みなさんに3つのことをお話します。
 一つ目は、「伸び代」を広げてほしいということです。そのためには、しっかりと目標を立て、努力することが大切です。目標なくして、努力することはできません。自分のよさを出し惜しみせず、「自分という人間」を輝きだせるよう、「前へ」「前へ」と心を奮い立たせてください。

 二つ目は、「学ぶ心」を大切にしてほしいということです。文豪吉川英治の『宮本武蔵』という小説の中に、「我以外皆我師」という言葉があります。自分以外の、人でも物でも皆、自分に何かを教えてくれる先生だという意味です。親から、友達から、学校の先生から、自然から、いろいろなことを吸収し学んで成長します。
ところが、いつのまにか『学ぶ心』を忘れ、友達の欠点を指摘したり、先生への尊敬心を忘れ、愛称で呼んだりすることがあります。すべての人から、学べるということを忘れないでください。

 三つ目は、常に最高の「あいさつ」や「返事」を心掛けてほしいということです。みなさんと交わす「あいさつ」は、楽しさを倍増させてくれます。また、授業中のみなさんの「返事」は、授業に活気を与えます。その場にふさわしい「あいさつ」や「返事」、心のこもった「あいさつ」や「返事」を率先して行い、潤いと活力のある学校生活を送っていきましょう。

 今日は、いよいよ新入生を迎えます。全校生徒は387名になります。みなさん一人一人が努力し、力を発揮しようとすれば、益子中はますます輝きを増してくるでしょう。みなさんの活躍を期待しています。終わります。

平成24年度修業式 式辞

   暖かさが日ごとに増し、私たちの聖が丘にも、桜便りが届きそうな季節となりました。本日、ここに平成24年度最後の授業の日、修業式を迎えることができ、大変うれしく思います。

   ただ今、第1学年代表、第2学年代表の生徒に修了証書を授与しました。この修了証書というのは、みなさんがその学年で勉強することを全部修了したことを証明するものです。そして、それと同時に、4月からは上級学年に進級してもよいことを証明するものです。全員に終了証書を渡すことができましたので、全員進級することができます。おめでとうございます。

   さて、2年に進級する133名のみなさんは、学校生活にも慣れ、4月には新入生を迎え、中学生活にやりがいを感じ、中堅学年として充実した生活を送ることのできる学年です。また、3年に進級する147名のみなさんは、最上級生であるという自覚の下、希望と抱負をもって中学校生活の最終学年を送ることのできる学年です。そして、進路選択という意志決定を迫られる、重大な選択の時を迎えることになります。

    「人は目標があるから頑張れる。夢があるから輝いていられる。」という言葉があります。目標に向かって挑戦し、目標に向かって一生懸命努力する。そのような心構えをもって、4月を迎えてほしいと思います。

  ここで、みなさんに春休み中の宿題を出します。でも、提出してもらうことはありません。心で考える宿題です。それは、進級にあたって大きな目標を立てるということです。平成25年度1年間かけて取り組む「チャレンジ目標」です。「伸び代を広げるチャレンジ目標」をぜひ立ててください。「英検○級合格」「○○で県大会出場」「○○大会優勝」「読書100冊突破」など、取り組むことがはっきりした目標を立てましょう。4月からいよいよスタート。みなさんの活躍を期待しています。

  この後、学級活動の時間に、担任の先生から通知表が手渡されます。1年間の努力の成果と今後の課題を確認してください。そして、家に帰ったら、この1年間をしっかりと振り返りましょう。

   最後に、明日から春休みに入ります。くれぐれも交通事故等にあわないよう安全な生活に心掛けてください。それでは、4月8日の始業式に笑顔で会いましょう。終わります。

第10回朝会講話「東日本大震災発生から2年を迎えて」

   みなさん、おはようございます。
  一昨日、東日本大震災発生から2年を迎えました。あの日のことを誰も忘れることはできません。2011年3月11日、午後2時46分に大地震が発生しました。戦後最悪の自然災害となりました。
  3月8日現在で、この大震災で亡くなられた方は1万5881人、行方不明者は2668人、そして、震災関連で亡くなられた方は2303人です。多くの尊い命が奪われました。ここで、みなさんと共に犠牲となられた方々の御冥福をお祈りしたいと思います。それでは、黙祷を捧げましょう。(1分間の黙祷)
  卒業した3年生のみなさんが1年生のとき、被災された東北地方の岩手・宮城・福島各県の中学生に「空はつながっていますから、元気を出して、がんばってください。」と、励ましの手紙を書きました。その後、その御礼の手紙も届きました。
  今日は、一昨日届いた葉書を紹介したいと思います。被災地である岩手県陸前高田市立小友中学校3年 石川麗乃 さんからの葉書です。

     前略
          震災から、もうすぐ2年が経ちます。
          益子中学校の皆様のご支援のおかげで、小友中学校に再び笑顔があふれるようになりました。
          2011年3月11日、小友中学校と小友町は、大きな傷を負いました。
          でも、今は日本中、そして世界中の方々の応援で明るさを取り戻し、私たちは毎日楽しく過ごしています。
          小友中学校は、3月末に閉校することになりました。
     たくさんの方々からいただいた「元気」と「心」を忘れずに、
          最後まで誇りをもって小友中学校の歴史に幕を閉じたいと思っています。
          この2年間の経験を未来に生かすために、私たちは一歩一歩前に進んでいきます。
          益子中学校の皆様、本当にありがとうございました。
                                                                                                                     早々

  人間には、生きるために忘れることが必要なこともあります。 しかし、忘れぬ努力が必要なことがあります。亡き人への悲しみは、癒えることはありません。今だに苦しい生活を余儀なくされている、多くの方々がいます。また、課題は山積して復興の歩みは遅いと言わざるを得ません。
  風化が心配されている今こそ、日常を取り戻せない人々がまだいる現実を直視したいと思います。そして、私たちは日頃の避難訓練がいかに大切かを学び、この教訓を決して忘れてはならないと思います。
   終わります。

『生徒会誌』第53号に寄せて「発想を変えよう」

  2012年12月10日、スウェーデン・ストックホルムのコンサートホールでノーベル賞授賞式が開催され、山中伸弥京都大学教授がカール16世グスタフ国王からメダルと賞状を授与されました。ノーベル医学・生理学賞は、1987年に利根川進教授が受賞して以来2回目、実に25年ぶりの快挙です。
  山中教授の受賞理由及び貢献は、4つの遺伝子を導入することで成熟した細胞の運命を初期化し、多分化能を有する人工の多能性幹細胞(iPS細胞)を作成することが可能であることを発見したことにあります。山中教授が創りだしたiPS細胞により、脊髄損傷や肝硬変などの組織や臓器が機能不全に至った患者に対する再生医療の現実化や、アルツハイマー等の難病に対する創薬開発の加速化が大いに期待されています。今回のノーベル賞は、開発から六年というスピード受賞となりました。
  その一方で、これまで始末に困る厄介なものとして捨てられていたものが、いま脚光を浴びています。それはカニの甲羅です。カニと言えば、おいしい身を食べるもの、あるいはカニミソとして味わう、というようにもっぱら食べるものというイメージがあります。ところが、今までゴミとして捨てられていたカニの甲羅が、意外なところで人間と繋がるのです。それは、やはり再生医療の分野であり、手術用に使う縫合糸や火傷の治療に利用する人口皮膚として、注目を集めているのです。
  カニの甲羅には、アミノ酸多糖類のセルロースであるキチンという成分がたくさん含まれていて、このキチンを取り出し原料とすることで、カニの甲羅は見事に生まれ変わりました。キチンで縫合糸を作ると、人体がもっている酵素がこの糸を分解してしまうため、抜糸の必要がなくなります。また、火傷治療としての人工皮膚は、キチンがもっていると言われる傷を治す力を利用しているのです。つまり、キチンという成分に目を向けたことで、カニの甲羅は人間にとって役立つものに変身したのです。ノーベル賞受賞とはなりませんが、すばらしい発見だと思います。
  この発見は、私たちに示唆を与えてくれます。それは「発想を変えなさい」「考え方を変えなさい」「ゼロから考え直しなさい」ということです。まさに、スティーブ・ジョブズの言葉「Think different」です。従来の考え方に固執せず、現状に拘らず、新しい発想で物事を変えていくことが、生徒会に求められていることだと思います。
  自分が生徒会を変えられると本気で信じる人たちこそが、本当に生徒会を変えることができるのです。生徒会が新しい学校文化を創出する原動力となり、また学校生活に潤いと感動を与えてくれる牽引力となって、魅力ある学校生活を実現させてほしいと願っています。

『卒業記念文集』に寄せて「希望に向かって雄々しく飛び立とう」

 卒業おめでとうございます。小学校から一緒だった仲間とも別れ、それぞれが新しい進路へと歩んでいく節目の時を迎えました。3年間の中学校生活で自分の伸び代をどれだけ広げられたか、自分自身を振り返る時でもあるでしょう。益子中学校の卒業生として、希望に向かって雄々しく飛び立っていくみなさんに、はなむけの言葉を贈ります。

◇「自分なりの美しい花を咲かそう」
  四季折々に咲く自然の花は、その置かれた場所で美しさを表現しています。色や形の美しさもあれば、人を引き寄せる香の美しさもあります。大切なことは、その置かれた場所で咲くために努力することです。みなさんも自分の居場所を固め、様々なことに力の限りを尽くし、自分なりの美しい花を咲かせて欲しいと思います。

◇「前向きな気持ちで生きていこう」
   誰でも、自分に自信がもてなかったり、劣等感にさいなまれたりすることがあります。でも、自分を含め、人は誰でも人間らしいよさをもっています。自分だけが弱いのではありません。自分を奮い立たせ、夢や希望など喜びのある生き方を見いだしてほしいと思います。マイナスをブラスに変えることができるのは、人間だけがもっている能力です。ぜひ自分を信じ、前向きな気持ちで頑張ってください。

◇「笑顔を大切に生きていこう」
  人間である限り、いつも心が平穏であるはずはありません。心ない人の言動に傷つき、思うようにいかない物事に心騒がせ、笑顔でいることが難しいこともあります。でも笑顔には、物事をうまく進めていくことができる不思議な力があります。それは、チャームポイントとしての笑顔から、他人への思いやりとしての笑顔に質を変えたときに現れるのです。笑顔は、お金を払う必要のない安いものですが、相手にとっては、非常な価値をもつものなのです。まさに、笑顔は人生のパスポートです。笑顔を絶やさず接していきましょう。

◇「本気(木)という一本の木を育てていこう」
  この一本の木は、勉強や部活動など、どんなときでも本気で取り組めば、大きく育っていきます。本気で取り組めば、自分の伸び代を広げることもできます。ですから、厳しいことやつらいことにも逃げないで、どんどん挑戦していってほしいと思います。本気でやれば、大抵のことはできます。

   みなさんの今後の活躍をお祈りしています。

『立志記念文集』に寄せて「夢実現に向けた努力を始めよう」

   立志の時を迎えた2年生のみなさん、おめでとうございます。志とは自らの志を立て、その実現に向けた努力を始めることです。人間は、ただ何となく毎日を過ごしているだけでは、自分の存在感が薄れ、自分を見失いがちなります。そうならないためには、自分は何を目指して生きているのかという、将来の目標や生きる意義を見つけることがとても大切です。
  この立志の時にあたり、自分が向かう目的を見つけ、将来への方向性を見定めて、自分を支える土台の基礎を築いてほしいと思います。そして自分の志を立てること、つまり「自分軸」を明確にすることで、「よく生きよう」とする意欲が生まれてくるのです。平成17年「心のノート」でメジャーデビューしたシンガー・ソングライターの大野靖之さんは、「夢は口に出した瞬間から叶う」と言っています。
  彼は、アーティストを目指していた高校生のとき、乳がんで病中だった母親を亡くしました。闘病中にもかかわらず、自分を励まし支えてくれた母親に感謝し、中途半端な生き方を変えようと決意したと言います。その後、彼は後悔の念を振り払うように、アルバム「命歌」リリースし、路上ライブを始めます。やがて、ある中学校教諭の目にとまったことがきっかけとなり、全国の学校を回り学校ライブが始まりました。以来、ホスピスや児童養護施設などを訪ね「命」や「家族」テーマにした歌を歌い続けています。彼の歌は、人間が生きていくための「大切なもの」に気付かせてくれます。
  これからみなさんが大人へと成長していく段階において、これからの時期こそが、精神的にも肉体的にも大きく成長する時期です。また、社会にも自分の責任が問われることになります。
  これからの人生では、困難なことや失敗することもたくさんあると思います。様々な経験を積む中で、自分を磨き、たくましい人間になってほしいと思います。そして、自分の決めた志をいつも胸に抱き、前向きに、正々堂々と人生を歩んでほしいと思います。
  最後に、私の好きな言葉、ドイツの文学者ヘルマン=ヘッセ言葉を贈ります。
   すべての人間の生活は、自分自身へと向かう道である。
  自分自身を求めて真剣に生きれば、失敗したり挫折したりしたときには、それだけ苦しみも大きいと言えます。しかし、自分なりに全力で努力したならば、それは懸命に生きた証しであり、後悔することはないでしょう。その体験は、自分自身へと向かう人生の長い道のりの一歩であるからです。    
   みなさんが自分の夢実現に向けた努力を続け、その夢が叶うことを願っています。