学校長の窓

1. 『立志記念文集』に寄せて「夢実現に向けた努力を始めよう」

投稿日時: 2013/03/11 益子中学校
   立志の時を迎えた2年生のみなさん、おめでとうございます。志とは自らの志を立て、その実現に向けた努力を始めることです。人間は、ただ何となく毎日を過ごしているだけでは、自分の存在感が薄れ、自分を見失いがちなります。そうならないためには、自分は何を目指して生きているのかという、将来の目標や生きる意義を見つけることがとても大切です。
  この立志の時にあたり、自分が向かう目的を見つけ、将来への方向性を見定めて、自分を支える土台の基礎を築いてほしいと思います。そして自分の志を立てること、つまり「自分軸」を明確にすることで、「よく生きよう」とする意欲が生まれてくるのです。平成17年「心のノート」でメジャーデビューしたシンガー・ソングライターの大野靖之さんは、「夢は口に出した瞬間から叶う」と言っています。
  彼は、アーティストを目指していた高校生のとき、乳がんで病中だった母親を亡くしました。闘病中にもかかわらず、自分を励まし支えてくれた母親に感謝し、中途半端な生き方を変えようと決意したと言います。その後、彼は後悔の念を振り払うように、アルバム「命歌」リリースし、路上ライブを始めます。やがて、ある中学校教諭の目にとまったことがきっかけとなり、全国の学校を回り学校ライブが始まりました。以来、ホスピスや児童養護施設などを訪ね「命」や「家族」テーマにした歌を歌い続けています。彼の歌は、人間が生きていくための「大切なもの」に気付かせてくれます。
  これからみなさんが大人へと成長していく段階において、これからの時期こそが、精神的にも肉体的にも大きく成長する時期です。また、社会にも自分の責任が問われることになります。
  これからの人生では、困難なことや失敗することもたくさんあると思います。様々な経験を積む中で、自分を磨き、たくましい人間になってほしいと思います。そして、自分の決めた志をいつも胸に抱き、前向きに、正々堂々と人生を歩んでほしいと思います。
  最後に、私の好きな言葉、ドイツの文学者ヘルマン=ヘッセ言葉を贈ります。
   すべての人間の生活は、自分自身へと向かう道である。
  自分自身を求めて真剣に生きれば、失敗したり挫折したりしたときには、それだけ苦しみも大きいと言えます。しかし、自分なりに全力で努力したならば、それは懸命に生きた証しであり、後悔することはないでしょう。その体験は、自分自身へと向かう人生の長い道のりの一歩であるからです。    
   みなさんが自分の夢実現に向けた努力を続け、その夢が叶うことを願っています。