ほごログ(文化財課ブログ)

タグ:ミニ展示

#特別天然記念物 #牛島のフジ を取り巻く地域の歴史を知る

 令和4年4月30日、展示解説講座「深堀り!牛島のフジ」を開催しました。この講座は5月1日まで開催のミニ展示「NSNM牛島のフジ」展について、より理解を深めていただくための講座です。大型連休真っただ中にも関わらず、多くの皆さまにご参加いただきました。 #藤のまち春日部

写真:講座の風景

講座では、牛島のフジをとりまく地域の歴史を様々な資料からたどるものでした。自然のものと考えられがちな天然記念物は、実は学術的・科学的な価値づけによって存在するのではなく、地域の歴史や暮らしと密接にかかわりながら、その価値づけがされています(と考えるべきです)。

そこで、牛島のフジをめぐる、明治から昭和初期の新聞、紀行文、観光案内などを読みながら、観光客や地元の人々がいかに藤に関わっていたのか、その歴史的な展開を考えてみました。資料は10頁に及び、文字数もかなり分量がありましたので、講師の当方は2時間もたないかなと不安でしたが、楽しんで、理解を深めていただけたようです。

参加者の皆さんからは、「一本の木にここまで深い歴史があったことは知らなかった」「藤の季節は過ぎたので、また来年、牛島のフジをぜひ見に行きたいと思います」など感想をいただきました。

まち全体で「フジ」を盛り上げるのはもっともなことですが、その本丸たる牛島のフジももっと盛り上げていくことが、歴史ある藤の木を後世に伝え、藤のまち春日部をブランディングしてくことになるのだと思います。と、こんな話は、藤の季節の前に話をすればよかったなと少し反省しました。

今年の藤の季節は終わりました。また来年、見事な花を咲かせ、明治・大正・昭和の文化人を楽しませたように、私たちをも楽しませてくれるよう願っています。

#牛島のフジ のミュージアムトーク

4月13日、春のミニ企画展示「NSNM牛島のフジ」展のミュージアムトークを開催しました。平日にもかかわらず、多くの方にお越しいただきました。 #かすかべプラスワン #牛島の藤

写真:会場の様子

ミュージアムトークは、展示室内で展示や資料の見どころを担当の学芸員が解説するものです。

今回は、新出資料や新たに分かったことを中心に、牛島のフジの歴史について解説しました。とりわけ、昭和5年刊『世界一藤のかすかべ』の挿絵の地図に注目し、これをたどりながら、当時の牛島のフジ観覧の行程について詳しく説明しました。この行程については、かつて博物館実習生が資料紹介を準備するなかで発見したものでもあります。詳しくは、移行したての資料紹介ページをご覧ください。

午前の部・午後の部ともに熱心な方々から質問や様々なご意見をいただきました。新たな藤グルメの開発や、資料館のミュージアムグッツのアイデア、『世界一藤のかすかべ』の行程を実際に巡るツアーなどなど。春日部の藤の魅力は、尽きるところありません。

写真:展示室の様子

藤花園さんのホームページによると、4月20日ごろから牛島のフジは見ごろを迎えるそうです。

ミュージアムトークのなかでもお話ししましたが、牛島のフジの歴史はオンリーワン。この歴史こそが牛島のフジが国の特別天然記念物たる由縁でもありますし、ほかのどんな立派な藤棚もかなわない点だと思います。

春日部が世界に誇る、この藤を後世に伝えていくためにも、藤の季節には、ぜひたくさんの皆さんに観覧していただきたいです。

ミュージアムトークは、4月24日(日)10:30~、15:00~も開催予定です。

また、詳しい牛島のフジの歴史は、4月30日(土)10~12時の展示解説講座「深堀り!牛島のフジ」で、史料をねちねちと読んで「深堀り」したいと思っています。

あわせて、ご参加ください。

#企画展 #渋沢栄一 もみた春日部の藤

#春日部市郷土資料館 では、令和3年4月13日(火)~5月2日(日)まで、ミニ展示(企画展)「渋沢栄一もみた春日部の藤」展を開催します。 #かすかべプラスワン

画像:ポスター

チラシはこちら(2.8MB)

市の広報誌4月号の「かすかべ今昔絵巻」でも、大河ドラマ「青天を衝け」の主人公渋沢栄一が明治45年(1912)4月28日に牛島のフジを鑑賞したことを紹介しましたが、実は意外と知られていなかったことなので、驚いた方も多いのではないでしょうか。

渋沢だけでなく、跡見花蹊(あとみ かけい・跡見学園創始者)、清浦圭吾(きようら けいご・内閣総理大臣)、徳川昭武(とくがわ あきたけ・徳川慶喜実弟)、田山花袋(たやま かたい・小説家)など、近現代の著名な政治家や文化人も牛島のフジに訪れています。昭武は渋沢とパリに渡欧した人物としても知られていますよね。

この展示では、春日部のフジをめぐる歴史、そして、現代のまちづくりの歴史について紹介します。実は令和2年4月に開催できなかった展示のリバイバルでもありますが、その後、資料調査を進め、内容は少しバージョンアップしています。

今年は、コロナウイルスの影響により、藤まつり、藤テラスといった大型イベントが中止になっています。感染症対策に十分気を付けていただきながら、ご来館いただき、渋沢の足跡や郷土の歴史文化をお楽しみいただければ幸いです。

 

会期:令和3年4月13日(火)~5月2日(日) 開館時間は9:00~16:45

会場:春日部市郷土資料館 企画展示室(教育センター内)

入館料:無料

休館日:月曜日・祝日

関連イベント:4月17日(土)・25日(日)にミュージアムトーク(展示解説)を開催します。両日とも10:30~、15:00~(30分程度。申込不要)

<ご注意ください>

 *新型コロナウイルス感染対策のため、皆さまの入館時にお名前と、連絡先のご記入をお願いしております。

 **展示室内の入館者数の制限(30名程度)をしております。

 ***今後の新型コロナウイルス感染症拡大の動向によっては、展示・イベントが延期・中止となる場合があります。

    市ホームページ、市教育委員会ホームページ、ほごログ等でお知らせします。