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市場之祭文写『新編図録春日部の歴史』からのご紹介40

今回は、戦国時代、市が開かれるときに修験者(しゅげんじゃ)が市の繁栄を祈祷(きとう)するために、神前で読み上げた「市場之祭文(いちばのさいもん)」をご紹介します。
延文6年(1361)の奥付がある「市場之祭文」には、応永22年(1415)に追記で武蔵、下総にかけての33か所の市の開催地が書かれています。
この中に「下総州春日部郷市祭成之」とあり、春日部でも市が開かれていたことがわかります。市域の周辺では、現在のさいたま市岩槻区内に推定される「末田市」、「かゝさねかふ道いち」、「ふち宿市」、「くほ宿市」、宮代町内に推定される「久米原市」、「須賀市」、白岡市内に推定される「野田市」などがあげられます。
また、開催地の33か所は、戦国時代、岩付太田氏の勢力圏にあったとする説もあります。

「市場之祭文写」『武州文書』国立公文書館内閣文庫
「川と陸の道」『新編 図録 春日部の歴史』60ページ

市場之祭文
「市場之祭文」の市開催地
赤枠内には「下総州春日部郷市祭成之」の記載がみられます。