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カテゴリ:郷土資料館

第70回企画展示「都鳥が見た古代」開催のお知らせ

7月20日から夏季展示「都鳥が見た古代ー埼玉県東部地区の奈良時代・平安時代」を開催します。

この展示では、埼玉県東部地区15市町からなる東部地区文化財担当者会と共催し、春日部市を中心に埼玉県東部地区の奈良時代・平安時代の遺跡から、当時の人々の暮らしを探ります。

 

春日部市郷土資料館 第70回企画展示

東部地区文化財担当者会40周年記念リレー展示「都鳥が見た古代ー埼玉県東部地区の奈良時代・平安時代」

会期:令和6年7月20日(土)から9月1日(日)

開館時間:午前9時から午後4時45分

休館日:毎週月曜日・祝日

会場:春日部市郷土資料館(春日部市粕壁東3-2-15・048-763-2455)

共催:東部地区文化財担当者会

ポスター 

「都鳥が見た古代」チラシ(PDF:1.5MB)

 

(関連イベント)

●東部地区文化財担当者会40周年記念リレー講演会「考古学から埼玉県東部地区の奈良時代・平安時代を考える」

埼玉県東部地区の奈良時代・平安時代の遺跡や資料について、東部地区文化財担当者会考古部会のメンバーが報告します。

講師:鬼塚知典(春日部市)、守屋健吾(杉戸町)、篠田泰輔(行田市)、杉山和徳(白岡市)、関絵美(八潮市)、油布憲昭(幸手市)

日時:9月1日(日)13:30から17:00

場所:教育センター視聴覚ホール

定員:100人(申込順)

費用:無料

申し込み:7月10日(水)から電話(048-763-2455)、直接、電子申請

 

●展示解説講座「春日部の奈良時代・平安時代」

春日部市の奈良時代・平安時代の遺跡を中心に、郷土資料館学芸員が解説します。

講師:郷土資料館学芸員

日時:7月28日(日)10:00から12:00

場所:教育センター視聴覚研修室

定員:50人(申込順)

費用:無料

申し込み:7月10日(水)から電話(048-763-2455)、直接、電子申請

文字が刻まれている紡錘車

 

●ミュージアムトーク

企画展示会場で郷土資料館学芸員が展示解説を行います。

日時:7月20日(土)、8月15日(木)、8月25日(日)各日10:30~、15:00~(30分程度)

場所:郷土資料館企画展示室

費用:無料

申し込み:不要

人口急増時代の春日部ゆかりの資料

現在、開催中の企画展「まちをみつめて50年」の展示資料を少し紹介。今回は春日部市の人口がぐーんと上がった昭和40年ごろの資料。 #かすかべプラスワン

企画展では、昭和29年(1954)の(旧)春日部市の誕生から、現在の市庁舎が誕生するまでの市政のあゆみを、ギュギュっと紹介しています。なかでも春日部にとって、大きな転機となったのは昭和40年初頭。埼玉県で国民体育大会が開催され、駅西口の風景が大きくかわり、また、武里団地が造成され、市内に1万人規模の街が造られ、春日部の風景は大きくかわっていったのです。

当時の状況を物語る資料は無いかと、収蔵庫から探して並べたのが、下の資料。

画像:資料展示風景

 手前の大畑小学校の表札は、大畑小学校が平成15年に閉校したときに収集したもの。大畑小学校は、武里団地の中に昭和41年(1966)に開校した小学校で、春日部市にとって、初めての新設小学校でした。団地の中にあるということからわかるように、武里団地が造成され、入居がはじまり、団地の子どもたちが通った小学校なのです。

奥のお人形と、ネズミとアヒルの壁掛けレリーフは、武里診療所旧蔵の資料。閉所した平成7年に収集したものです。武里診療所は、市立病院の出張所として昭和41年に武里団地内に設置されました。これらの資料は団地の子どもたちをあやすため置かれ、飾られたのでしょう。ネズミとアヒルは、世界的に著名なキャラクター。しかし、ちょっと顔が変?診療所設置当時のものか定かではありませんが、昔は類似品や海賊版があふれている時代。ライセンス品ではないのかもしれません。

そして、赤ちゃんの人形。目や髪がクリンとしていて、欧米系の顔つきのようにもみえます。ちょっと苦しそうな体勢で座らせているのは、背中を見ていただきたいため。

画像:赤ちゃん人形の背中

背中には「小児科」の文字が。これで、間違いなく診療所で使われていたものであるといえましょう。

いずれも、春日部市の人口が急増したときの資料です。人口の増加はグラフや年表にすれば一目でわかりますが、このような当時のモノからも、当時の世相や雰囲気を感じることができるのではないでしょうか。

展示は、7月7日まで。6月30日には展示解説講座も開催します。ぜひご覧ください。

#常設展 #プチ展示替

郷土資料館の常設展をプチ展示替しました。 #かすかべプラスワン

展示替したのは、毎度おなじみ、展示室の奥の奥の古文書展示のコーナー。

画像:展示ケース

長らく、江戸川開削に関する古文書を展示していましたが、訳あって撤収する必要があり、近年、ご寄贈いただいた市内の不動院野の旧家に伝わる高札を展示しました。

この高札、慶応4年(1868)3月に太政官の名で出されたもの。日本史でも習う(はず)の「五榜の掲示」の一つです。

内容は、キリスト教などを禁止するもの。江戸幕府以来のキリシタン制禁の政策がそのまま踏襲されたものを示す高札です。

面白いのは、この高札の左隅に釘で打ち付けられた穴(写真の赤の矢印)があること。そして打ち付けられた木札(木片といったほうがよいか)も一緒に伝わっていることです。

画像:木札

なぜだか、写真が縦になってしまいましたが、木札には、明治5年(1872)正月付で、埼玉県の名があります。高札の旨を守ることと墨で書かれたもので、内容は何てことないのですが、高札に打ち付けられた木札、珍しいかもしれません。高札はずっしり重い堅木であるのに対し、埼玉県の木札は簡素な杉の木ってところも面白いです。

資料を受領しに、旧家にお邪魔した折り、市内に高札が「まだ」あったことに驚き、またこの珍しい?木札にさらに驚いた記憶があります。

ぜひご覧ください。

5月の近隣博物館・資料館の考古学情報

5月の近隣博物館・資料館の考古学情報をお届けします。(毎月28日ごろに掲載します。)

見学の際は、休館日等、よくご確認の上お出かけください。

(展示会_閉会日順)

・6月2日(日)まで 松戸市立博物館 「たてたて あなあなー竪穴建物の世界」

・6月9日(日)まで  富士見市立資料館水子貝塚資料館難波田城資料館 「ひらいた 考古館」

・6月23日(日)まで 栃木県立博物館 「栃木の遺跡」

・6月30日(日)まで 栃木県埋蔵文化財センター 「古代の瓦が伝えること」

・6月30日(日)まで 佐野市郷土博物館 「佐野の遺跡」

・7月7日(日)まで 宮代町郷土資料館 「土器でみる一万年 宮代と縄文」

・7月11日(木)まで 武蔵野ふるさと歴史館(武蔵野市) 「旧石器時代の井の頭池周辺―武蔵野市発掘調査成果報告―」

・7月15日(月・祝)まで 幸手市郷土資料館「幸手と杉戸の古墳時代~下総台地の集落と墓~」

・9月1日(日)まで 粕川歴史民俗資料館(前橋市) 「発掘された銅銭ー前橋市内の一括出土銭ー」

・6月8日(土)~7月15日(月・祝)まで 千葉県立中央博物館「発掘された日本列島2024」

 

(遺跡発表会)

・6月22日(土) 千葉県立中央博物館 「発掘された関東の遺跡2024」 要事前申し込み(6月7日〆切)

 

(現地説明会)

・7月20日(土) 台東区教育委員会 「北稲荷町遺跡(旧下谷小学校地点)遺跡発掘調査現場見学会」要事前申し込み(6月14日〆切)

 

*春日部市郷土資料館では「まちをみつめて50年~旧市庁舎と市政のあゆみ」を開催中です

みゅーじあむとーくを開催しました

5月25日、現在開催中の企画展「まちをみつめて50年」の展示解説を実施しました。

今回の企画展は、ざっくり言えば、旧市庁舎ができてから、閉庁するまでの春日部市政の歩みを紹介するもの。扱う出来事は最近のことで、郷土資料館の展示としては異例の極めて現代史的な内容です。

画像:みゅーじあむとーく(午前)

いらっしゃった方にも、はじめにお断りしましたが、今回の企画展は広報かすかべをたどりながら準備しているので、当時の様子や詳しいことがわからなかったり、最近の出来事を評価するにも難しく、至らない部分も多いです。ご参集いただいた市民の皆さんには、そうした点を様々にご教示、ご感想をいただけました。

珍しいのでは!?とご感想いただいたのが、こちらの資料。

画像:ナンバープレート

昔、市が軽自動車(軽車両)に交付したナンバープレートです。

法令ができた昭和33年以降のものであるようですが、残念ながら、いつ頃のどんな車両につけていたものなのか、広報かすかべでは辿れません。自動車にお詳しい方がいらっしゃいましたら、教えていただけると幸いです。

写真:みゅーじあむとーく(午後)

企画展は、いつもと時代の守備範囲が違う内容なので、お越しになる方がいらっしゃるのか、当日までわかりませんでしたが、お集まりいただいた方々は常連の方もいれば、はじめてお話しする方にもお越しいただき、写真の通り、そこそこ盛況のうちに終えることができました。また、知らなかったことをご教示いただけたので、担当者にとっても有意義な時間を過ごせました。

展示は7月7日まで。6月30日には展示解説講座も予定していますので、ぜひご観覧・ご参加いただけますと幸いです。

「さようなら二代目 #春日部市役所 」配布中

本日より、企画展「まちをみつめて50年~旧庁舎と市政のあゆみ~」展(7月7日まで)が始まりました。春日部市の旧庁舎の閉庁を記念した企画展示です。 #かすかべプラスワン

展示は、昭和29年(1954)に(旧)春日部市が誕生してから、旧庁舎(二代目市役所)が閉庁するまでの、春日部市の歩みを様々な資料を展示して紹介するものです。旧庁舎が完成するのが昭和46年(1971)1月のことですので、旧庁舎は春日部市政の大半と月日を過ごしてきました。とくに、春日部のまちが駅の西側に広がり、「近代的な都市」へと歩みを進めていく、その市政・まちづくりの中枢にもありましたので、近代的な発展を遂げた市にとって象徴的な建造物ともいえるでしょうか。この旧庁舎(二代目市役所)が昨年12月閉庁したことを記念し、展示を企画するにあたり、今回、「さようなら二代目春日部市役所」と題するリーフレットを作成しました。

画像:展示リーフレット

一見、地味ですが、そこそここだわっています。

タイトルの「さようなら二代目春日部市役所」の「春日部市役所」の文字は、旧庁舎の玄関に掲げている「春日部市役所」の文字をトレースしています。建築に明るい人に言わせれば、この文字のレタリングが近代建築の風合いを遺しているとか。浅学ながら、旧庁舎は、いわゆる「モダニズム建築」と「ポストモダニズム建築」の狭間に置かれた建造物なのだろうと思います。文字も結構ですが、専門家の方には、まずは建物自体の建築史的な建物の評価をしていただきたいものです。

表紙の写真は、落成当時に「新市庁舎完成記念特集号」として発行された「広報かすかべ」の表紙です。新庁舎の完成が市にとって重要な出来事であったことがうかがえます。展示室では複製版をご覧いただけるようにしていますので、気になる方はぜひご来館ください。

背景は旧庁舎のタイルの画像となっています。リーフレットを開くと、見開きの背景は旧庁舎の内装のタイルの画像だったりもします。

このリーフレットは、ご来館いただいた方に無料で配布しています。旧庁舎や春日部市政をふりかえる機会にしていただければ幸いです。

 

展示名:企画展示(第69回)「まちをみつめて50年~旧庁舎と市政のあゆみ~」

会 期:令和6年5月18日(土)~7月7日(日)

会 場:春日部市郷土資料館 企画展示室

入 場:無料

関連事業

・展示解説講座「広報かすかべにみる市政のあゆみ」

 と き:令和6年6月30日(日)10時~12時

 ところ:教育センター

 申込み:郷土資料館に直接、電話、電子申請

・みゅーじあむとーく(学芸員による展示解説)

 と き:5月25日(土)10時30分~、15時~

 ところ:郷土資料館 企画展示室

関連記事

「#春日部市役所 よ、さようなら(写真でみる現庁舎)」(2023年12月23日)

旧市庁舎の池

企画展「まちをみつめて50年」では、昨年12月に閉庁した旧市庁舎(二代目市庁舎)にスポットをあて、市政のあゆみを紹介しています。 #かすかべプラスワン

写真:竣工直後の二代目市庁舎

上の写真は、竣工直後の二代目市庁舎。鳥瞰の写真で周囲の様子もわかる、大変貴重な写真です。先日、市役所内の担当部署から移管されたものです。あたりに田んぼの形跡があるように、二代目市庁舎は、昭和46年(1971)1月落成し、田園のなかからひとり、近代化していく春日部の町の有り様を見守ってきたといえるでしょう。

そんな、たくましさすら感じられる二代目市庁舎について、いろいろと調べているうちに「昔はこうなっていたのかぁ」と、小さな発見がありました。実は、池があったのです。

池はなんと、正面玄関の階段の脇です。スロープになっている段差を利用して、そこを池にしていたようです。図面でも池があることは確認できていたのですが、半信半疑。しかし、下の写真(昭和49年)を発見し、確信にかわりました。

写真:昭和49年市役所玄関前の池

この池、現在は植栽が植えられ、当時の面影は残っていません。いつ、どのような理由から池が植栽に変えられたのか、現時点では不明です。

へぇ~、と思った次第です。

【どこにあるかわかるかな?】目指せ資料館ハンター!

埼玉県鉄道高架建設事務所と郷土資料館が協力して、
令和6年4月1日(月)に、教育センター1Fに鉄道高架PR展示室を開設しました。

教育センターに入って、エレベーターやお手洗いを抜けたガラス扉の先に展示室があります。

以前は教育委員会の執務室として使われていた空間です。

ちょっと分かりにくい場所ですが、勇気をもって入ってみてください(笑)
鉄道高架PR展示室
展示室には駅周辺の古写真のみならず、粕壁宿のペーパークラフト模型や、古利根公園橋、鉄道高架事業の駅周辺の模型なども展示してあります。

 

そこで!
郷土資料館・鉄道高架PR展示室をよりじっくり味わってもらうために、こんなプリントを作成してみました。
「目指せ資料館ハンター!」
プリント
写っている写真は、郷土資料館もしくは鉄道高架PR展示室内に設置された模型の一部分をズームアップしたもので、その場所を探してもらうというゲーム感覚で楽しんでいただけるプリントです!
写真の中に含まれる色や特徴など、様々なものを手掛かりにぜひ探してみてくださいね!

 

郷土資料館写真

鉄道高架PR展示室写真
プリントは郷土資料館内に設置してありますのでご自由にお取りいただき、挑戦してみてください♪

#企画展 「まちをみつめて50年」準備中

GWが明け、5月18日(土)から始まる企画展示「まちをみうめて50年~旧庁舎と市政のあゆみ~」の設営が本格化してきました。 #かすかべプラスワン

今回の企画展では、昨年12月に閉庁した旧市庁舎にスポットをあて、その旧市庁舎が誕生し、閉庁するまでの市政のあゆみを紹介するものです。

旧市庁舎が落成したのは、昭和46年(1971)1月。閉庁するまで53年間、春日部市政とともに歩んできました。そんな長い期間の市政をくまなく紹介するのは、せま~い郷土資料館では不可能ですから、今回は、市制の周年事業や特徴的な取り組みを中心に紹介する予定です。市制40周年の「かすかびあん」も登場予定。

初日まで、あと1週間。毎度ながら、果たして間に合うのでしょうか。

画像:企画展示チラシ

展示名:企画展示(第69回)「まちをみつめて50年~旧庁舎と市政のあゆみ~」

会 期:令和6年5月18日(土)~7月7日(日)

会 場:春日部市郷土資料館 企画展示室

入 場:無料

関連事業

・展示解説講座「広報かすかべにみる市政のあゆみ」

 と き:令和6年6月30日(日)10時~12時

 ところ:教育センター

 申込み:郷土資料館に直接、電話、電子申請

・みゅーじあむとーく(学芸員による展示解説)

 と き:5月25日(土)10時30分~、15時~

 ところ:郷土資料館 企画展示室