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2024年5月の記事一覧

校長室のひとりごと「ごみゼロの日」

 今日5月30日は「ごみゼロの日」。野田市では26日(日)に江戸川クリーン作戦が行われましたが、全国各地で様々な形で「ごみゼロ」にちなんでクリーン作戦などが計画されていようです。
 この「ごみゼロの日」、始まりは1970年代、愛知県のある山岳会の「美しい山を守るために落ちているごみを見つけたら拾って持ち帰りましょう」という呼びかけが広まり、その後官民一体となって更に全国に広まり今日の「ごみゼロの日」に至っているそうです。
 当時は、自然の中に捨てられたゴミを拾いきれいな山、環境を維持することが目的でしたが、最近のゴミ事情は、そう単純な問題ではなくなっています。皆さんもご存じのとおり、2015年の国連サミットで全加盟国が合意した、持続可能な開発目標いわゆる「SDGs」について「何か学校としてできないか」「どうしたら生徒たちの意識が高まるか」私は常に考えています。そんなこともあり色々と調べを進めると「ゴミ問題」がやはり地球にとって喫緊の問題だと学びました。近年ファストフードでは、プラゴミを出さないためにストローなどを紙製品に変更したり、スーパーやコンビニでは袋を有料化が進んでいます。

 ちなみに、自然に放置されたゴミが自然に戻るには「ペーパータオルが3週間」「レジ袋が20年」「発泡スチロールが50年」「ペットボトルが400年」かかると言われています。また2050年の海はプラスティックゴミの数が、全海洋生物の数を上回るのではとも言われています。衝撃的な話です。もう少し身近な話として日本の1年間の食品ロスは「洋菓子が1905㌧」「パンは3468㌧」「豆腐が4148㌧」「乳製品に至っては6360㌧」とも言われています。(プール1杯分で約360㌧)
 「落ちているごみを拾おう」と始まった「ごみゼロの日」ですが、今では「ゴミの削減」「ゴミを出さない」ための活動に変化しつつあります。
 次の世代、またその次の世代にと美しい地球を引き継ぐために、一人一人ができることを続けることが大切なのだと改めて考えさせられました。

校長室のひとりごと「市内陸上大会」

 野田市総合公園陸上競技場において、野田市中学校陸上競技大会(以下、市内陸上大会)が本日開催されます。天候が心配されるところですが、これまで練習してきた成果を発揮し、自分の記録の更新を目指して頑張ってほしいと思います。
 市内陸上大会は、昭和25年の第1回大会開催から、今回で75回(令和2年度はコロナのため中止)を数える歴史と伝統ある大会です。今、HPをご覧になっている方の中にも出場した経験がある方もいらっしゃるかもしれませんね。
 先日、各種運動部の市内大会が行われましたが、この陸上大会は、陸上部という部活動単位の大会ではなく、どこの中学校も全校生徒の中から選手を選抜し、各種目にエントリーするという、個人の順位はもちろんですが、学校対抗戦の形式で行われてきました。
 過去74回の大会の歴史の中で本校は、昭和40年の第16回大会で女子優勝、昭和44年第20回大会で男女総合優勝、平成17年第56回大会で男子優勝という結果を残しています。
 そういえば、私が教員になりたてのころには、陸上大会だけではなく、市内体操競技大会、市内水泳大会も同様に行われていました。その頃は体操部や水泳部がある学校もありましたが、近年、これらの部活動はなくなり、体操競技も水泳もクラブチームが主の活動場所になっていることもあり、学校対抗の市内大会は行われなくなりました。
 今日、本校からは普段は陸上部以外で活動している選抜選手と陸上部員、併せて42名が参加しています。記録や順位ももちろん大切ですが、一人一人が納得のいく「走り」ができることを願っています。

校長室のひとりごと「SNSの恐ろしさ」

 若者たちは、不特定多数の相手だったり、複数人でグループを作ってSNS等でメッセージのやりとりしています。次のメッセージのやり取りをご覧ください。

A「何時にどこに行けば良いの?」 B「なんでくんの?」
 これは、休みの日にみんなで遊ぶ約束をしていた友達同士のやり取りです。これがトラブルの原因となりトラブルに発展してしまいました。理由がおわかりでしょうか。Aは確認の意味で集合時間と場所を尋ねます。良くあることです。Bは歩きなのか自転車なのか、それともバスなのか手段を尋ねたつもりです。しかし、Bからの返信を見たAは、「なんで?ってお前から誘ったんだろうよ」と怒り始めけんかに発展してしまいました。
 二つ目の事例です。
C「今日はゴメンね」 D「もういいよ」
 仲良しの女子小学生同士のやり取りです。学校で些細なケンカをしてしまって互いに帰宅後のことです。きつく言い過ぎたと思ったCは仲直りしようとメッセージを送りました。Dは少ししてからメッセージに気付き「もう怒ってないよ!」の意味で「もういいよ」と返信しましたが、Cはすぐに返信がなく不安な思いを巡らせ返ってきたのが「もういいよ」。怒っている口調の「もういいよ」〇〇ちゃんなんてもう知らない!の意味に捉えてしまい気まずい日々が続いてしまいました。
 三つ目の事例です。
E「〇〇って□▽くんに似てない?」  F「そうかな?少しは似てるかも」  G「オモシロいね」
H「おもしろくない」…
 これは女子数人のグループでのチャットです。EとFとGの3人で他愛もない会話をしていると、同じグループ内のHがチャットに入ってきました。それ以外にも同じグループには何人かいますが、そのE、F、G以外の女の子たちにあてて「ねえねえ面白いよ、ね、面白くない?」とHはメッセージを送ったつもりでしたが、「?」をつけ忘れたばかりに、E、F、Gは「つまらない」の意味で受け取ってしまい、Hはそのグループから退会されてしまいました。

 SNSのレスポンスの良さが故に、きちんと文章にせず一言二言で瞬時にやりとりするため、こんな勘違いですらトラブルに発展してしまいます。これらの事例を参考に、お子さんをトラブルから守るためにも、ご家庭で一緒に考える時間を作ってほしいと思います。

校長室のひとりごと「開幕まで2ヶ月」

 7月26日のパリ五輪開会式まであと2カ月となりました。各競技の選考会も大詰めにきています。今から日本チームの活躍が楽しみですね。
 記憶に新しい前回の東京五輪では、野球・ソフトボールが北京大会以来の復活となり、空手(公開競技)、スケートボード、スポーツクライミング、サーフィン、BMXなどの新種目として採用されました。今回のパリ五輪では「ブレイキン(ブレイクダンス)」が新たに採用されるそうですが、野球・ソフトボール、空手は不採用となってしまいました。
 1896年に第1回近代オリンピックがギリシャのアテネで開催されてから今回のパリ大会で128年、時代の流れとともにオリンピックも随分と様変わりしてきました。その様変わりの一つに「実施種目」が挙げられます。もともとオリンピックのモットー「より速く、より高く、より強く」は、より優れた卓越性を追求しベストを尽くすというオリンピアンの価値を示す言葉ですが、近年その考えも随分と変化してきています。その背景には「五輪の商業化」や「時代の変化」などによる価値観の変化などがあります。前回の東京大会も例外ではなく、五輪開催には莫大な金銭が動きます。その莫大な金銭を回収するためには、どちらかといえばコテコテの昭和の体育会系の競技だけではなく、レクリエーション的というか、遊び感覚の「ストリート系」スポーツを好む子どもや若い世代を取り込む必要があるようです。ちなみに新種目の採用案には「チェス」「スカッシュ」「eスポーツ」なども議論の対象になっているそうです。
 スポーツを通した人格形成と世界平和という基本理念も時代の流れや社会の変化に伴い、
潮流との調和をとりながらの開催が、これからの持続可能なオリンピックへの進化には必要なのでしょう。

校長室のひとりごと「校則の改定」

 『人間誰しもが「自由に生きる権利」を有しています。憲法の基本的人権の尊重でも様々な自由が記されていることからも裏付けられます。しかし自由だからと思うままに行動して良いかは別問題です。混んでいるからと行列に割り込んだり、急いでいるからと赤信号で渡って良いかといえばそうではありません。みんなが安心して自由に生活するために社会のルールやマナーが存在するからです。
 「自由」に似て「勝手」という言葉がありますが、似ているようで正反対の意味を持ちます。「勝手」でわがままな言動は、周囲の人に迷惑をかけたり嫌な思いをさせてしまいます。一方「自由」な言動は、そもそも社会のルール・マナーを尊重しているため、誰にも迷惑をかけず、嫌な思いをさせることもありません。無人島でない限り「互いの自由」を尊重するためにルールやマナーが存在するのです。
 スポーツにもルールがありますが、用具の進歩など取り巻く環境の変化に伴い、選手の安全のため、ルールが加わったり複雑化していきます。自由の範囲が狭まると、「これなら大丈夫だろう」と抜け道を探す選手も出てきてしまいます。人間の心理として、ルールが細かければ細かいほど抜け道や隙間を探し、つまり先端の葉っぱや枝先ばかりを見つめ、太い幹や一本の木、森全体が目に入らなくなってしまいます。
 「校則」も同様です。一人一人の生徒が自由で安全に学校生活を送るためには一定のルールが必要です。しかし時代の流れや社会の変化に伴い、付け加えられ、細分化し複雑になったルールでは、校則本来の意味から離れてしまい「枝や木を見て森を見ず」、冷静な判断力を見失いがちです。それが今回の「校則の改定」の理由です。
 これから生活する中で疑問も出てくるかもしれません。その時には、先端の葉っぱや枝先だけではなく、冷静に一本の木、そして森全体を見渡して見てください。
 244名全員にとって居心地がよく自由で安心できる学校になると良いですね。』

 昨日の生徒総会での「校則改定」を受け、総会の最後に校長として話した言葉を紹介しました。

校長室のひとりごと「地球温暖化」

 長期予報では、6月、7月、8月は今年も平年より暑く、猛暑・酷暑となる日が多いそうです。生徒たちの熱中症の心配からか、日頃から「地球温暖化」「気候変動」という言葉に敏感に反応してしまいます。
「地球温暖化」「気候変動」で思い浮かぶのは「京都議定書」です。1992年京都で開催された地球温暖化防止会議では、先進国の二酸化炭素など温室効果ガスの排出量の削減目標が定められました。これを「京都議定書」と呼んでいます。そして、その続編とも言えるのが「パリ協定」です。パリ協定は2015年国連において気候変動問題に関する国際的な枠組みが採択されました。その枠組みとは「2020年以降の気温上昇を産業革命以前に比べ+2℃より低く保つ」という世界共通の長期目標です。
 いつものように新聞に目を通していると「パリ協定の目標超過」という見出しが飛び込んできました。記事を読むと「2023年の北半球の気温が、過去2000年で過去最高だったと英科学雑誌で発表された」ということです。更に読み進むと「1850年から1900年頃の産業革命の平均気温に比べ2.07℃上回ってしまい、既に「パリ協定」の世界共通の長期目標を上回った」ということです。
 記事を読みながら一つの疑問が浮かびました。「過去2000年の気温」をどうやって計ったのか?なんでわかったのか?という点です。実は記事を更に読み進めると「実際の測定と気温に応じて変わる木の年輪から推計した」と書かれていました。
 地球温暖化等、気候変動により、近年地球上は大規模な山火事、溶け始めた氷河による海面上昇、熱波と干ばつ、ゲリラ豪雨など、甚大な被害が各国で発生しています。子供や孫、その先の世代にまで青く美しい地球を残すために、自分にも何かできないか、と思いを巡らせるばかりです。

校長室のひとりごと「スマートグラス」

 「脱・学歴社会」と言われ久しくなりますが、海外には「超」がつくくらいの大学受験での競争激化が著しい国もあります。競争が激化している国の大学受験では、何とか合格しようと、時には外壁を登って窓から受験生に合図を送ったり、イヤホンをつけスマホで外部とやり取りするなど不正行為もデジタル化しています。その不正は度々日本でもニュースになるため皆さんも映像で見たことがあるのではないでしょうか。
 先日、日本でも大学受験で驚くような不正行為について報じられました。不正行為に使われたのは「スマートグラス」、メガネ型のIT機器で、そのカメラ機能を悪用し、スマホ経由で問題用紙の画像を不特定多数にSNSで配信し、正答を教えてもらおうとしたそうです。
「スマートグラスなんて厄介なものを作ったから…」なんて安易に考えてしまいましたが、調べてみたところ、そもそも「スマートグラス」には悪用されたカメラ機能だけではなく、メガネのレンズがモニターとして情報を得ることができるなど、様々な分野での活用が進んでいます。例えば、遠隔で現場の作業を指示したり、図面を見たり、映画や観劇、会議などで瞬時に多言語で字幕表示を、また職人の手先の作業をモニターに写したり、そして何より、会話を聴力障碍者へ瞬時に言語化しモニターとしてレンズに写したりと、スマートグラスで便利になったり助けられたりとIT機器の技術発展は著しいことを改めて感じました。
 スマートグラスはもとより、技術の進歩は我々の生活を便利に、そして豊かにしてくれる手助けをしていますが、その機器を使用する人間側の問題はこれからも考えていかなくてはならないと感じました。

校長室のひとりごと「人を育てる」

 我々教員の最も本質的で大切な仕事、それは人を育てることです。人を育てるうえで多くの教員が「生徒が思ったように動いてくれない」と悩むものです。人にはそれぞれの意思があり、様々な価値観があるため簡単にはいきません。経験の少ない教員は、何とか生徒たちをコントロールしようと躍起になり、うまくいかないばかりか互いにストレスをためてしまいます。一方経験豊かな教員が同じように指示を出すと、サッと生徒たちが動いてくれます。一見同じことしかしていないようでも、実は見えないところで「種をまき」、しっかりと「水をあげている」ものです。
 教員は生徒たちに話をする機会がたくさんあります。例えば毎日の「帰りの会」では必ず最後に担任の先生が話をします。経験の少ない先生は「あれも話さなくては…」「この連絡を忘れないように…」とメモした内容を必死に伝えます。言い方を変えれば教員の都合で一方的に話してしまい時間が過ぎてしまいます。経験豊かな先生は、4月からコツコツと「こんな生徒になってほしい」など考えや願いを語り、その考えや願いを生徒と共有しようとします。これが「種まき」です。また休み時間など、他愛もない雑談から上手に生徒たちの思っていること、考えていることを聞き出します。そして会話の節々に「すごいね!」「さすがだね!」と相槌を入れたりします。これが「水やり」です。こうしたコミュニケーションの積み重ねが根を張り、信頼関係のつぼみをつけ、互いに相手のことを理解し、どうしてほしいのか、どうするべきなのかを自然に考え、自分から動こうとするため、同じ指示を同じように出しても結果は違ってくるものです。
 足掛け4年のコロナ禍では、こうした「種まき」「水やり」も行動制限があり十分にできない時期が続きました。
コロナ禍が明け1年。今は職員室という畑に種をまき、時間を見つけ若い先生方に水をあげている毎日です。

校長室のひとりごと「英語検定」

 市内大会も終わり、来月の定期テストに向け取り組みを始める時期となりました。ところで高校入試の合否の判断基準は一般的に受験当日の「入試の得点」「面接等の得点」それに、これまでの「内申点」です。受験する学校により、これらの占める割合は異なります。意外と知られていないのが「内申点」です。私立の入試での推薦基準も、この「内申点」で決まる学校がほとんどです。知っているようで、はっきりわからない内申点ですが、簡単に言えば「内申点とは通知票の各教科の数字の合計」です。各教科5段階評定の9教科ですから、オール5で「45点」、3年間なら「135点」となります。また高校によって、その他の活動実績を点数化し加算しています。例えば、生徒会(委員会)活動や部活動の実績、展覧会等での表彰、英語検定などの各種検定などが加算され「内申点」となるわけです。

 先日、文部科学省が「2023年度英語教育実施状況調査」の結果を公表しました。この調査は、中学校であれば中学卒業レベルの英語検定3級取得、または3級相当の人数を、高校であれば、高校卒業レベルの英語検定準2級取得、または準2級相当の人数を調査するものです。調査結果は、それぞれの人数を%で示し、中学、高校とも前年度を上回り、中学では英検3級以上、3級相当が50.0%、高校では準2級以上、準2級相当が50.6%だったそうで、どちらも過半数に達したそうです。
 グローバルな時代に必要な資質として挙げられる「コミュニケーション能力」「英語力」の客観的な物差しとなる「英語検定」がこれまで以上に注目を集めそうです。
 2025年度の実施は断念されたようですが、大学入学共通テストの英語を、英語検定など民間のテストのスコアを採用することが検討されていることからも、より生きた英語力を身に着けた人材を求めているということなのでしょう。
 今年度も本校を会場として3回の英語検定を予定しています。多くの生徒が受験し合格を目指してほしいと思います。

校長室のひとりごと「目的と目標」

 校長が言うのも変な話ですが、中学校というのは、やたらと「目標」とか「目的」という言葉が登場します。「学校目標」「学年目標」「学級目標」「今日の目標」「この活動の目的は」・・・
 「目標」や「目的」がたくさんあることが悪いことではありませんが、きちんと整理しておく必要があるでしょう。
 「目標」と似ている言葉に「目的」という言葉がありますが、まずはこの「目標」と「目的」の違いを明確にしましょう。登山を例にとれば「目的」は山頂、つまりゴールです。それに対して「目標」は山頂に至るまでの数々の通過点で「よし、今日は8合目まで登ろう!」というのが、今日の「目標」というわけです。また「長生きする」ことが「目的」であれば、「毎日10,000歩、歩こう」というのが「目標」であり、いつしか目標の10,000歩が15,000歩に変わっても問題ありません。
 次に順番です。「目的」と「目標」は順番が大切です。「目標」を積み重ねた先に「目的」があるのではなく、まず目指すべきゴール「目的」を決め、その「目的」にたどり着くまでの段階的なステップ、それが「目標」であり、随時設定してゆくことになります。
 「目標」は「目的」を達成するための手段ともいえるので、漠然とした「長生きする」という「目的」に対して「目標」はより具体的に「毎日」とか「10,000歩」などと明確なものが良いでしょう。
 実際に日々生活している中で「目的」「目標」を意識するにも、この二つには違いがあります。大きな「目的」を達成するために設定する「目標」は自分の置かれた様々な状況を考えて設定する必要があるのに対して、「目的」は考えるのではなく、思い出すという意識です。つまり闇雲に「10,000歩」歩くより、「長生きするために!」と思い出しながら意識することが目的達成により近づけるのではないでしょうか。
 何だか整理してきたつもりが、かえって混乱させてしまったような気もしますが、口に出す出さないは別にして、皆さん「目的」を持ちましょう。そして、そのための手段として「目標」を設定し行動に起こしてみませんか。毎日にハリが出てくると思います。

校長室のひとりごと「スポーツと爪」

 いよいよ市内大会です。この雨で野球、サッカーは開始が遅れるようですが、どの部活動も頑張ってほしいと思います。
 もともと私は体育教師で、実際に自分でも多くのスポーツをやってきました。そんなこともありスポーツに関する蘊蓄(うんちく)は、意外にあると自負しています。そんな蘊蓄(うんちく)の中から、今日は「爪」について書いてみようと思います。
 一流のアスリートでない限り、さほど意識することはないと思いますが、実は「スポーツと爪」は、競技パフォーマンスに大きく影響する間柄なのです。スポーツの基本的な動作「走る」「跳ぶ」「投げる」「掴む」を考えれば爪の重要さを想像できるのではないでしょうか。走るときに地面を蹴る足の指の圧力に耐えるのが足の爪です。野球のピッチャーが大きな力をボールに伝えるのも指先です。その指先の圧力に爪が負けると、爪が割れ、途中交代となってしまいます。また、柔道やクライミングなど掴む動作もやはり指先、爪が大切です。仮に指先より爪が長ければ、相手を掴むときに引っ掛かり、場合によっては爪がはがれてしまったり、相手を傷つけたりしてしいます。
 近年、単に爪の長さを整えるだけではなく、丈夫で割れにくい爪を保つために、爪のケアが注目されています。ハンドクリームやオイルなどで乾燥を防ぎ、割れにくくしたり、スポーツ、種目の特性によって、または指によって一本一本爪の形にこだわっている選手も少なくありません。競技の特性によって、指に沿って丸く整えたり、逆に丸めず直線的に揃えたり、利き手、利き足とそうでない手足と長さを変えたりと、爪にこだわりを持っている選手は少なくありません。
ご年配の方は、スポーツと爪と言えば、1984年のロサンゼルス、1988年のソウル五輪で活躍した陸上短距離のフローレンス・ジョイナー選手の綺麗に伸ばし飾った手の爪を思い出す方もいるのではないでしょうか。(これは別の意味のこだわりですが…)
 TV等でスポーツ観戦をする際に、少しだけ「爪」を意識してみませんか。

校長室のひとりごと「運動部の大会」

 明日、明後日と各運動部活動の野田市内大会が行われます。
 運動部活動の大会は、主に今回の市内大会、夏の葛北大会、1.2年生の秋の葛北新人大会、各競技団体の連盟や協会主催の選抜大会が種目ごとに行われます。主力となる3年生にとっては、夏の葛北大会が目標で、その前哨戦となるのが今回の市内大会で、直接上の大会にはつながりませんが、結果が夏の葛北大会のシード権に反映されたりします。日頃の練習の成果を発揮できるよう頑張ってほしいと思います。
 さて、夏の葛北大会について少し紹介します。正式には「千葉県中学校総合体育大会」の葛北支部予選を「葛北大会」と呼んでいます。葛北支部とは、野田市と流山市で構成され野田市11中学校、流山市10中学校が所属しています。この葛北大会で勝ち残れば、予選突破となり「千葉県総合体育大会」に葛北支部代表として出場することができます。いわゆる県大会出場です。その県大会でも勝ち残れば、8月に行われる関東大会や全国大会に千葉県代表として出場できるという一連の大きな大会のスタートが葛北大会というわけです。
 「中学校総合体育大会予選」は全国各県でほぼ同時期に開催され「全国中学校総合体育大会」いわゆる全国大会を頂点とした一連の大会が、中学生にとって一番規模の大きな大会となります。また、7月の葛北大会から8月下旬の全国大会までの一連の大会で、負けたら3年生は事実上部活動から退き、今度は受験生として気持ちを切り替え「進路開択」を新たな目標に生活することになります。
 市内大会の主力は主に2.3年生ですが、1年生にとっても入部し始めての公式大会となります。試合に、応援に、サポートにと一人一人目標をもって明日、明後日の大会に臨んでほしいと思います。

 *野田市中学校陸上競技大会(陸上部+選抜生徒)は5月29日に行われます。

校長室のひとりごと「オーロラ」

 ニュース等でご存じかと思いますが、11日夜から12日未明にかけて北海道や青森県、石川県でオーロラが観測されたそうです。オーロラと言えば、北極や南極に近い高緯度の地域でしか見られないものかと思っていましたが、今回は日本や中国、ドイツ、メキシコなど比較的緯度の低い地域でも観測されたとニュースになっていました。
インターネットで詳しく調べてみると、太陽から発せられたプラズマが、北極圏や南極圏の地球の強い磁場に届いたときに、大気中の酸素や窒素などの原子と反応して様々な色を発したものがオーロラだそうです。一般的にオーロラといえば強い磁場の北極圏、北欧、アラスカやカナダなどを思い浮かべるのはそのためだそうです。
 しかし、今回は太陽の表面で起こる爆発現象「太陽フレア」が最大級且つ連続して発生したため、通常より強く早くプラズマが地球に届き、地球上の磁気が大きく乱れた結果、日本をはじめ通常より低緯度の各地域で、オーロラが発生し観測されたということです。
 専門家は、この太陽表面の爆発「太陽フレア」により、人工衛星に障害が起きたり、GPSの精度が落ちることも考えられると話しています。
 中世の欧州などでは、オーロラが赤や紫の光を発することから「血」を連想させ不吉なことが起こる前兆とされていた時代もあったそうですが、今では神秘的なオーロラ見たさに冬の北極圏などへのツアー旅行も珍しくありません。
 20数年前ですが、ノルウェーのリレハンメルで一度だけオーロラを見たことがあります。とっさにカメラのシャッターを切りましたが、当時のデジカメ性能では、肉眼で見えていても画像として記録することはできず悔しい思いをしたものです。
まだまだ未知数で神秘的なオーロラ、もう一度この目で、そして画像に残したいと思っています。

校長室のひとりごと「朝食」

 皆さんは今朝、何を食べましたか? 朝食について書いてみようと思います。
 朝食は大切だと言われます。朝食には「お腹が空いたから」というよりも、睡眠中に低下した体温を上昇させ、一日の始まりに脳や身体的機能のウォーミングアップのために大切だと言われています。朝食を抜いてしまうと、寝起きのエネルギー代謝が低い状態が午前中いっぱい続いてしまい仕事の能率や勉強の集中力も上がりません。そこで朝食をとることで脳や全身に血流を促し体温を上げ、体内のリズムを整えてくれるわけです。
 学校ではことあるごとに「朝ご飯を食べよう」と指導しているのもこのためです。
 では、エネルギーを効率よく摂取し、体温を上昇させるためには何を食べればよいのでしょうか。
 まず、一日に必要なエネルギーを摂取するということから「お米やパン」などの炭水化物は外せないでしょう。体温上昇の観点からは「乳製品や納豆・豆腐、肉、魚」などのたんぱく質、そして脳の活性化を促す「野菜や果物」などのビタミン、ミネラルが理想だそうです。
 そういえばホテルなどの朝食の定番(?)、和食なら「ご飯に味噌汁、焼き魚に納豆、玉子焼き」、洋食なら「パンにベーコン、スクランブルエッグ、フルーツ一切れ、ヨーグルト、牛乳」を思い浮かべますが、和食洋食どちらも「理」に適った定番メニューがバランスの良い朝食だったわけです。
 ちなみに、朝食の消化には2~3時間かかると言われていますので、活動開始時間に合わせて上手に朝食をとる習慣を身に着けたいものですね。

校長室のひとりごと「進路選択」

 今年度一回目の土曜授業の今日、3年生生徒と保護者対象に「上級学校説明会」「第1回進路保護者会」を行います。
 3年生は義務教育を終えるため、その後の進路は本人や家庭の希望次第です。せっかく受験に合格し、晴れて入学した高校を辞めてしまう、いわゆる中途退学者の割合は、毎年約2~3%を推移しており。その中退者の多くは高校1年生だそうです。「高校でもがんばれよ!」と送り出している中学校としては複雑な思いです。中途退学の主な理由は「こんなはずではなかった」「勉強がついていけない」「思っていたのと違う」などが上位を占めています。
 進級したばかりで「進路」とは早いように思われがちですが、丁寧に時間をかけ進路指導を進め、受験を自分事として捉え受験校を選択させることで、有意義な高校生活が送れるのであればと、今日の上級学校説明会・進路保護者会となったわけです。
 実際に多くの私立高校の出願手続きは12月中です。受験校を決定するのが11月の三者面談ですから約半年後のことです。夏休みには多くの学校の説明会等に参加し、校訓や特徴、雰囲気や印象などを肌で感じながら、選択を絞っていくことになります。
 今日の上級学校説明会では、高校の先生をお招きし、中学校との違いや高校入学後の生活、高校卒業後の進路のことなど上級学校全般についてお話をいただきます。続く進路保護者会では、実際に入試に関するスケジュール、書類や手続きの進め方などを説明します。生徒たちに少しでも早く受験生としての自覚を持ち、受験モードに切り替え生活することをねらいとしています。
 長い人生、高校受験は通過点に過ぎません。受験生は季節が進めば進むほど視野が狭くなりがちです。目的は決して「合格」ではありません。高校生活の3年間をどう過ごすかが大切です。我々大人はアドバイスできますが、本人に代わって受験や高校に通うことはもちろんできません。受験するのも、通学するのも、3年間過ごすのも、その先の進路や長い人生も本人にしかできないことです。
 今日の上級学校説明会、進路保護者会をきっかけとして、自分の将来をじっくりと考え、そして自分に合った、自分が通いたいと思う学校選びをしてくれることを願うばかりです。

校長室のひとりごと「宇宙木材プロジェクト」

 先日何の気なしにラジオをつけ車を走らせていると、「エッ?」と耳を疑うような話が飛び込んできました。「宇宙木材プロジェクト」という話です。更に聞いてみれば、国際宇宙ステーション(ISS)の接合部に木材部品を使用し、10か月間の実証実験を終えた木材の部品が無事に地球に帰還したというのです。私のような素人考えでは宇宙に関連する部品は、特別な頑丈な金属が当たり前という先入観を持っていましたが、この実験は、宇宙という酸素や水分がない空間だからこそ木材は劣化が少なく、今後の宇宙開発に有効ではないか、という京都大学の学生の発想だそうです。
先日、月探査「アルテミス計画」の話題に触れたばかりですが、ここでも日本の技術力の高さが浮き彫りになった形です。実験は京都大学と住友林業が進めてきたもので、実際に地球に帰還した木材部品を検証したところ、木材に割れやひび、反りなどの劣化は認められず、温度差や放射線など地球とはけた違いに過酷な宇宙空間での影響もほとんど受けていなかったそうです。
 京都大学では、この実証実験をもとに開発した「木製の人工衛星」の打ち上げを計画しているそうです。役目を終えた人工衛星は宇宙ゴミとなりますが、木材であれば大気圏突入時に燃え尽きるなど環境にやさしいことや、電波を通す木材は、従来の金属性のように外部アンテナをつける必要がないこと、そして何より宇宙への移住を想定した場合の、コスト低減や活用が未知数で宇宙開発の可能性を広がると期待しているということです。

 これからの時代、このように既存の知識や学力だけではなく、新たな発想で新たなものを作り出す力が一層必要になってくるのだと実感しました。 人類が月や火星で木造建築の家に住む日はそんなに遠いことではなさそうですね。

校長室のひとりごと「五月病」

 最大10連休のゴールデンウィークはいかがお過ごしでしたか。私は自宅の庭の手入れや掃除、洗車したりとのんびりと過ごしました。本校はもちろん、多くの中学生はこの時期に行われる運動部の大会などに参加していたようです。
 「五月病」という言葉をご存じでしょうか。よく使われる言葉ですが、病名ではなく俗称です。一般的に入学や就職など年度の切り替えに伴い生活環境が変化し、緊張やストレスを抱えながら頑張ってきた1カ月、そしてGWで一気にその緊張やストレスから解放されたことから起こる、倦怠感や疲労感、睡眠障害、食欲不振、無気力などの精神的・身体的なSOSが現れることがあり、これを一般的に「五月病」と呼んでいます。
 今年はコロナ禍後初めてのGWで、どこへ行っても人、人、人。天気にも恵まれ真夏のような気温と日差しで暑い日が続きましたが、連休が明けると一転、雨模様が続いています。何となく気が滅入ってしまいそうです。例年以上に「五月病」が心配です。
 何やら「退職代行業者」はこの連休明けは例年の2倍近い依頼があり大忙しだと報道されていたことも気になります。学生も「五月病」をきっかけに学校を休みがちになり、欠席が続いてしまい… という生徒もいるものです。昔は「気合が足りないんだよ!」なんて軽視されがちでしたが、長く続くようなら医師の診断を受けることも必要です。また、そこまででなくても、この時期は意識的に「しっかり睡眠をとる」「適度に運動する」「食事(特に朝食)をとる」など、いつも以上に規則正しい生活習慣を意識することで改善されるそうです。  
 新緑豊かで清々しい五月、健康に気を付け生活したいものですね。

校長室のひとりごと「当たり前のありがたさ」

 新型コロナウイルス感染症の扱いが2類から5類に引き下げられ、ちょうど一年になります。
 足掛け4年にわたるコロナ禍明けのこの一年間で「当たり前のことが、実は当たり前ではなかった」ことに気づかされました。それまで当たり前だった様々な活動が学校ではできなくなりました。「給食の団欒やおかわり」「体育祭などの行事」「合唱や合奏」「部活動や各種大会」「グループでの話し合い活動」、更には常に学校中に溢れる「子供たちの笑顔や笑い声」… 中学校では、このどれもが当たり前で、お盆や正月などの年中行事のように、時期になれば準備をはじめ行事を行う、といった具合でした。三十年以上もこうしたサイクルで生活してきた私は、こんな日が来るとは思いもせず、戸惑いは大きく衝撃的でした。
 病気になって初めて「健康のありがたさ」がわかるように、当たり前にあったものは、失われるまで「あること」「ありがたさ」に気づかないものです。
 コロナの影響で全国一斉休校の時期には、「学習の保障」という観点でリモートで授業を行っていました。しかし、学校で学ぶことは学習以外にもたくさんあります。コロナ禍で失った当たり前を取り戻しつつありますが、一年たった今でも完全な「当たり前」には戻れず、どこか違和感が残っているような気がします。
 校舎に響く「おはようございます」や学級の歌声、給食や休み時間の笑い声など、今は「当たり前のありがたさ」を噛み締めている毎日です。
あれから一年という節目に、改めて子供たちにとって「当たり前」にしたいこと、させたいことを精査していこうと思います。

校長室のひとりごと「アルテミス計画」

 大幅なコスト低減を目指す新世代型のH3ロケット2号機の打ち上げ成功など我が国でも宇宙開発、宇宙ビジネスが急激に進んでいます。
 TVから流れるアポロ11号が月面に着陸し、アームストロング船長らが宇宙服で月面を跳ぶように歩く姿は、子どもながらに衝撃的でした。船長らが月面に星条旗を掲げる様子を何回も何回も絵に描き、宇宙への憧れを深めていたものです。
 アポロ計画から約半世紀、現在「アルテミス計画」が進行しています。この「アルテミス計画」は、米国を中心に欧州や日本も参加する月探査の国際プロジェクトで、JAXAのほか多数の日本企業も参画しています。月面基地の建設には清水建設や鹿島建設が、月上空の周回有人基地は三菱重工業が担当するなど、私も日本人というだけで誇らしく思います。またJAXA、トヨタ、ブリジストンが共同開発中の月面探査車は、宇宙服なしで生活しながら月面の広範囲を移動できるキャンピングカーのような探査車の開発を進めているそうです。そんな高い日本の技術力が認められ、2名の日本人宇宙飛行士が月面に立つ計画だとも先月発表されました。
 アポロの月面着陸をTVで見ていた幼少の頃に思い描いていた、漠然とした宇宙への興味や憧れ、勝手に想像していた月で人類が生活する、そんな未来は、すぐそこまで来ていると改めて驚かさられます。
 アルテミス計画には将来的な火星への有人探査のベース基地づくりという側面もあるようです…
 とてつもなく広大で、簡単に行くことができないからこそ神秘的で想像を膨らませてきた「宇宙」、近い将来その想像が現実の映像として地球に届く日も遠くなさそうですね。

校長室のひとりごと「OECD(経済開発協力機構)」

 明日からGW後半に入りますが、この期間に岸田総理はフランスなど3か国へ訪問するようです。今回のフランス訪問ではOECD(経済開発協力機構)会議での「生成AIの国際的ルールづくりの必要性」について基調講演するそうです。特に政治に興味があるわけではありませんが、このニュースはストレートに耳に入ってきました。というのも「OECD(経済開発協力機構)」という単語が理由です。実は日本の学校教育とOECDは深い関係にあります。OECDが概ね3年ごとに進めている国際的な学習到達度に関する調査(PISA調査)には日本を含む81の国と地域が参加しています。この調査は、義務教育修了段階の15歳が対象で「数学的リテラシー」「科学的リテラシー」「読解リテラシー」の3分野について調査します。前回は2022年に実施され、全3分野において低迷していた2018年調査を上回り、2022年調査で日本は各分野トップレベルの結果でした。
 文部科学省も調査結果には注目しており、順位はもとより日本の義務教育の成果や課題を分析し、10年に一度改定される「学習指導要領」や「教育施策」などにこれまでも反映されています。例えば「GIGAスクール構想」です。2015年実施のPISA調査では、日本の学生はスマホやPCなどの使用頻度は世界的にトップレベルだが、内容は動画やメール、SNSが中心で、他国の若者の主な使用内容である「学習への活用」はほとんどない、という結果でした。このような背景から「GIGAスクール構想」義務教育児童生徒への一人一台端末が急速に配備され現在に至っています。
 OECDのPISA調査、次回は2025年、現中学3年生世代が対象です。調査結果に注目していきたいと思います。
 その前に、今日の「生成AIの国際的なルールづくり」に関する岸田総理の基調講演にも注目ですね。