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2024年5月の記事一覧

校長室のひとりごと「ごみゼロの日」

 今日5月30日は「ごみゼロの日」。野田市では26日(日)に江戸川クリーン作戦が行われましたが、全国各地で様々な形で「ごみゼロ」にちなんでクリーン作戦などが計画されていようです。
 この「ごみゼロの日」、始まりは1970年代、愛知県のある山岳会の「美しい山を守るために落ちているごみを見つけたら拾って持ち帰りましょう」という呼びかけが広まり、その後官民一体となって更に全国に広まり今日の「ごみゼロの日」に至っているそうです。
 当時は、自然の中に捨てられたゴミを拾いきれいな山、環境を維持することが目的でしたが、最近のゴミ事情は、そう単純な問題ではなくなっています。皆さんもご存じのとおり、2015年の国連サミットで全加盟国が合意した、持続可能な開発目標いわゆる「SDGs」について「何か学校としてできないか」「どうしたら生徒たちの意識が高まるか」私は常に考えています。そんなこともあり色々と調べを進めると「ゴミ問題」がやはり地球にとって喫緊の問題だと学びました。近年ファストフードでは、プラゴミを出さないためにストローなどを紙製品に変更したり、スーパーやコンビニでは袋を有料化が進んでいます。

 ちなみに、自然に放置されたゴミが自然に戻るには「ペーパータオルが3週間」「レジ袋が20年」「発泡スチロールが50年」「ペットボトルが400年」かかると言われています。また2050年の海はプラスティックゴミの数が、全海洋生物の数を上回るのではとも言われています。衝撃的な話です。もう少し身近な話として日本の1年間の食品ロスは「洋菓子が1905㌧」「パンは3468㌧」「豆腐が4148㌧」「乳製品に至っては6360㌧」とも言われています。(プール1杯分で約360㌧)
 「落ちているごみを拾おう」と始まった「ごみゼロの日」ですが、今では「ゴミの削減」「ゴミを出さない」ための活動に変化しつつあります。
 次の世代、またその次の世代にと美しい地球を引き継ぐために、一人一人ができることを続けることが大切なのだと改めて考えさせられました。

校長室のひとりごと「市内陸上大会」

 野田市総合公園陸上競技場において、野田市中学校陸上競技大会(以下、市内陸上大会)が本日開催されます。天候が心配されるところですが、これまで練習してきた成果を発揮し、自分の記録の更新を目指して頑張ってほしいと思います。
 市内陸上大会は、昭和25年の第1回大会開催から、今回で75回(令和2年度はコロナのため中止)を数える歴史と伝統ある大会です。今、HPをご覧になっている方の中にも出場した経験がある方もいらっしゃるかもしれませんね。
 先日、各種運動部の市内大会が行われましたが、この陸上大会は、陸上部という部活動単位の大会ではなく、どこの中学校も全校生徒の中から選手を選抜し、各種目にエントリーするという、個人の順位はもちろんですが、学校対抗戦の形式で行われてきました。
 過去74回の大会の歴史の中で本校は、昭和40年の第16回大会で女子優勝、昭和44年第20回大会で男女総合優勝、平成17年第56回大会で男子優勝という結果を残しています。
 そういえば、私が教員になりたてのころには、陸上大会だけではなく、市内体操競技大会、市内水泳大会も同様に行われていました。その頃は体操部や水泳部がある学校もありましたが、近年、これらの部活動はなくなり、体操競技も水泳もクラブチームが主の活動場所になっていることもあり、学校対抗の市内大会は行われなくなりました。
 今日、本校からは普段は陸上部以外で活動している選抜選手と陸上部員、併せて42名が参加しています。記録や順位ももちろん大切ですが、一人一人が納得のいく「走り」ができることを願っています。

校長室のひとりごと「SNSの恐ろしさ」

 若者たちは、不特定多数の相手だったり、複数人でグループを作ってSNS等でメッセージのやりとりしています。次のメッセージのやり取りをご覧ください。

A「何時にどこに行けば良いの?」 B「なんでくんの?」
 これは、休みの日にみんなで遊ぶ約束をしていた友達同士のやり取りです。これがトラブルの原因となりトラブルに発展してしまいました。理由がおわかりでしょうか。Aは確認の意味で集合時間と場所を尋ねます。良くあることです。Bは歩きなのか自転車なのか、それともバスなのか手段を尋ねたつもりです。しかし、Bからの返信を見たAは、「なんで?ってお前から誘ったんだろうよ」と怒り始めけんかに発展してしまいました。
 二つ目の事例です。
C「今日はゴメンね」 D「もういいよ」
 仲良しの女子小学生同士のやり取りです。学校で些細なケンカをしてしまって互いに帰宅後のことです。きつく言い過ぎたと思ったCは仲直りしようとメッセージを送りました。Dは少ししてからメッセージに気付き「もう怒ってないよ!」の意味で「もういいよ」と返信しましたが、Cはすぐに返信がなく不安な思いを巡らせ返ってきたのが「もういいよ」。怒っている口調の「もういいよ」〇〇ちゃんなんてもう知らない!の意味に捉えてしまい気まずい日々が続いてしまいました。
 三つ目の事例です。
E「〇〇って□▽くんに似てない?」  F「そうかな?少しは似てるかも」  G「オモシロいね」
H「おもしろくない」…
 これは女子数人のグループでのチャットです。EとFとGの3人で他愛もない会話をしていると、同じグループ内のHがチャットに入ってきました。それ以外にも同じグループには何人かいますが、そのE、F、G以外の女の子たちにあてて「ねえねえ面白いよ、ね、面白くない?」とHはメッセージを送ったつもりでしたが、「?」をつけ忘れたばかりに、E、F、Gは「つまらない」の意味で受け取ってしまい、Hはそのグループから退会されてしまいました。

 SNSのレスポンスの良さが故に、きちんと文章にせず一言二言で瞬時にやりとりするため、こんな勘違いですらトラブルに発展してしまいます。これらの事例を参考に、お子さんをトラブルから守るためにも、ご家庭で一緒に考える時間を作ってほしいと思います。

校長室のひとりごと「開幕まで2ヶ月」

 7月26日のパリ五輪開会式まであと2カ月となりました。各競技の選考会も大詰めにきています。今から日本チームの活躍が楽しみですね。
 記憶に新しい前回の東京五輪では、野球・ソフトボールが北京大会以来の復活となり、空手(公開競技)、スケートボード、スポーツクライミング、サーフィン、BMXなどの新種目として採用されました。今回のパリ五輪では「ブレイキン(ブレイクダンス)」が新たに採用されるそうですが、野球・ソフトボール、空手は不採用となってしまいました。
 1896年に第1回近代オリンピックがギリシャのアテネで開催されてから今回のパリ大会で128年、時代の流れとともにオリンピックも随分と様変わりしてきました。その様変わりの一つに「実施種目」が挙げられます。もともとオリンピックのモットー「より速く、より高く、より強く」は、より優れた卓越性を追求しベストを尽くすというオリンピアンの価値を示す言葉ですが、近年その考えも随分と変化してきています。その背景には「五輪の商業化」や「時代の変化」などによる価値観の変化などがあります。前回の東京大会も例外ではなく、五輪開催には莫大な金銭が動きます。その莫大な金銭を回収するためには、どちらかといえばコテコテの昭和の体育会系の競技だけではなく、レクリエーション的というか、遊び感覚の「ストリート系」スポーツを好む子どもや若い世代を取り込む必要があるようです。ちなみに新種目の採用案には「チェス」「スカッシュ」「eスポーツ」なども議論の対象になっているそうです。
 スポーツを通した人格形成と世界平和という基本理念も時代の流れや社会の変化に伴い、
潮流との調和をとりながらの開催が、これからの持続可能なオリンピックへの進化には必要なのでしょう。

校長室のひとりごと「校則の改定」

 『人間誰しもが「自由に生きる権利」を有しています。憲法の基本的人権の尊重でも様々な自由が記されていることからも裏付けられます。しかし自由だからと思うままに行動して良いかは別問題です。混んでいるからと行列に割り込んだり、急いでいるからと赤信号で渡って良いかといえばそうではありません。みんなが安心して自由に生活するために社会のルールやマナーが存在するからです。
 「自由」に似て「勝手」という言葉がありますが、似ているようで正反対の意味を持ちます。「勝手」でわがままな言動は、周囲の人に迷惑をかけたり嫌な思いをさせてしまいます。一方「自由」な言動は、そもそも社会のルール・マナーを尊重しているため、誰にも迷惑をかけず、嫌な思いをさせることもありません。無人島でない限り「互いの自由」を尊重するためにルールやマナーが存在するのです。
 スポーツにもルールがありますが、用具の進歩など取り巻く環境の変化に伴い、選手の安全のため、ルールが加わったり複雑化していきます。自由の範囲が狭まると、「これなら大丈夫だろう」と抜け道を探す選手も出てきてしまいます。人間の心理として、ルールが細かければ細かいほど抜け道や隙間を探し、つまり先端の葉っぱや枝先ばかりを見つめ、太い幹や一本の木、森全体が目に入らなくなってしまいます。
 「校則」も同様です。一人一人の生徒が自由で安全に学校生活を送るためには一定のルールが必要です。しかし時代の流れや社会の変化に伴い、付け加えられ、細分化し複雑になったルールでは、校則本来の意味から離れてしまい「枝や木を見て森を見ず」、冷静な判断力を見失いがちです。それが今回の「校則の改定」の理由です。
 これから生活する中で疑問も出てくるかもしれません。その時には、先端の葉っぱや枝先だけではなく、冷静に一本の木、そして森全体を見渡して見てください。
 244名全員にとって居心地がよく自由で安心できる学校になると良いですね。』

 昨日の生徒総会での「校則改定」を受け、総会の最後に校長として話した言葉を紹介しました。