校長室のひとりごと
校長室のひとりごと「歌声活動」
8:10になると「おはようございます」と校舎中に元気な挨拶が響きます。そしてどの教室からも合唱、歌声が聞こえてきます。
学級の歌声活動は、音楽の授業でも合唱団の練習でもありません。上手にこしたことはありませんが、それを目的としているわけではありません。「人間関係づくり」「学級づくり」が目的で、その手段の一つとして歌声活動に取り組んでいます。生徒たちは、9月に行われる「合唱コンクール」での最優秀賞が大きな目的になります。
1曲の合唱を仕上げるには時間もかかります。何より紆余曲折、様々な人間模様、ドラマが繰り広げられます。選曲から始まり「どの曲が良いですか?」「何でも良いよ」「ちゃんと考えなよ!」てな具合です。曲が決まればパート練習。各パートで歌えるようになればいよいよ合唱です。ここでも「アルト聞こえないからもっと声出して!」「男子、地声だからもっときれいな声で…」などと指揮者やリーダーが指示します。するとだいたい「こうですか?」と変な声でちゃかす男子がいたりします。「もうちゃんとやってよ!」なんていうのが良くあるパターンです。見かねて担任が一言申したり…それでもコンクール前になれば、どの学級も最後の仕上げ、他の学級と交歓会(練習試合)で自分たちの出来栄えを客観的に捉え、そこから更に追い込みです。
コンクール当日は、どの学級も甲乙つけがたい合唱を披露します。みんなこれまでの取り組みに「やり切った感」を感じ、賞はともかく、学級としてみんなで一つのことをやり切った「達成感」、そして「次こそ」という気持ちで後の学校生活を送ることができるわけです。
合唱を仕上げるには音程はもちろん、呼吸、姿勢、視線、気持ち、抑揚、指揮、伴奏など多くのことを合わせる必要があります。日々の歌声活動で様々な「合わせよう」が、互いの人間関係、学級の団結力が高めてくれるのです。
時間がかかる面倒なことを「業務改善」という都合の良い便利な言葉で片づけたり、行事の精選といって子供たちの成長にとって意味のある行事を削る風潮があります。
本校では今後も歌声活動、合唱コンクールを続けていきたいと考えています。