校長室のひとりごと
校長室のひとりごと「金」
漢字一文字で世相を表す「今年の漢字」が昨日漢字能力検定協会により発表されました。京都清水寺の舞台で大筆で豪快に書き発表される、あれです。もうご存知の方も多いと思いますが、今年の漢字は「金」に決定しました。「金」はこれで5回目、過去には2021年、2016年、2012年、2000年も「金」が今年の漢字に選ばれました。と、ここで「金」の5回の共通点がお分かりですか。そうです、いずれも五輪イヤーで日本選手が活躍した年なんです。
この「今年の漢字」の始まりは1995年、その年の1月には阪神淡路大震災が発生したこともあり、漢字は「震」でした。「今年の漢字」をもとにその年を振り返ってみます。
1998年 毒入りカレー事件 「毒」
2001年 アメリカ同時多発テロ事件 「戦」
2002年 北朝鮮拉致被害者帰国 「帰」
2010年 記録的猛暑 「暑」
2015年 消費税引き上げ 「税」
2019年 新元号 令和 「令」
2020年 新型コロナ蔓延 「密」 という年がありました。
あと二週間で2025年の幕開けですね。来年はどんな一年になり、どんな漢字が「今年の漢字」に選ばれるのでしょうか。
校長室のひとりごと「鈴木貫太郎翁」
皆さんは「鈴木貫太郎」という名前をご存知でしょうか。
ここ野田市(関宿)の偉人として名前を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。「鈴木貫太郎(敬称は省略します)」は戦時下の1945年に総理大臣になり、終戦直後までの約4ヶ月間総理大臣を務め「戦争を終わらせた総理大臣」として知られています。この程度の知識しか私はありませんでしたが、やはり野田市に住み野田市で働く者として、今一度「鈴木貫太郎」のことを正しく知ろうと思い、鈴木貫太郎のお孫さんの著書を読むことにしました。「正しく知ろう」と書きましたが、この鈴木貫太郎がポツダム宣言の受諾を断ったから広島、長崎に原爆を落とされたのではないか、など史実に誤って伝わる部分もあるため「本当のところはどうなのか」という興味が湧いたためです。今回「祖父、鈴木貫太郎」というお孫さんの著書を読んでいます。家族として、そばで見てきたこと、家族しか知らないことなどが書かれた本のページが進むにつれて、改めて鈴木貫太郎の偉大さが伝わってきました。戦乱の中勃発した「ニ・ニ六事件」では実際に事件の標的の一人となり4発の銃弾を浴び、奇跡的に命を取り留めたこと、もともと海軍の軍人で多くの実績を上げてきたこと、そして何より「戦争継続だ」と軍部も国民までも欺き、昭和天皇との関係やお考えを悟り終戦への道を模索していたことなど、読めば読むほど、現代日本があるのも鈴木貫太郎のおかげであり、彼が長年望んでいたことなのだと感じました。
鈴木貫太郎記念館は現在修復中ですが、完成の折にはぜひ足を運びたいと思います。
校長室のひとりごと「過去から未来を探る」
羊の「ドリー」を覚えていますか?当時の最先端技術を結集させ1996年に誕生した羊のクローン「ドリー」です。このクローン羊の誕生は大きな話題となりました。それ以来遺伝子学は飛躍的に進み、今では実際にペットの犬のクローンを誕生させるなどの事例が報道されています。
ところで「絶滅した動物を現代に甦らせる」と言えば、映画の世界でCGを駆使しまるで本当に恐竜が蘇ったかのように描かれたりしています。「絶滅した動物を現代に甦らせる」、実際にそんな研究が進んでいることはあまり知られていませんが、地球温暖化により溶け始めた永久凍土の中からは様々な物が冷凍保存状態で発見されています。マンモスも良い保存状態で発見されていますが、そのマンモスの遺体のDNAを採取し「マンモス復活プロジェクト」なるものが進められているそうです。研究の進行度合いや、マンモスがいつ蘇るのかなどはまだ先の話ですが、近い将来動物園でマンモスが見られる日が来るかもしれません。
この「マンモス復活プロジェクト」は、単に甦らせることだけが目的ではなく、現在絶滅の危機にある他の動物の絶滅防止、氷河期に生息した生きたマンモスを調べることで、気候変動に関する研究を進めるといった、その先を見据えているそうです。絶滅したマンモスが地球を救う救世主になる日は遠くないかもしれませんね。
校長室のひとりごと「探究の種を探す」
昨日に続き探究学習について、具体的にはどういう学習なのか幾つか例を挙げてみます。ある女子高生たちは先輩たちから引き継いだものも加えた40万枚以上の撮影した雲の写真をもとに探究学習を進めました。雲の形や種類、組み合わせによって天気が予想できる、という結果を受け全国総合文化祭の自然科学部門で文部科学大臣賞に輝きました。誰しもが一度は空を見上げたことがある「雲」、この女子高生たちも同様です。ただ色々な雲の形や種類に興味を持ち「何でだろう」という「探究の種」を見つけたことが探究の実をつけたのです。
他にも、「地域の特産物を全国に広めるにはどうすれば良いか」「空き家問題」「地球温暖化」「シャッター商店街からの脱出」「スズメの急激な減少理由」「お祭りの衰退化」「AIの効果的な活用」などなど大人でも感心してしまうほどの身近な「探究の種」を見つけ探究の木を育てた例がたくさんあります。また実際に空き家問題について、自治体や不動産屋さんと連携し「高校生カフェ」をオープンしたという「探究の実」をつけた例もあります。
本校でも「野田市の活性化」「今後の豆バス」「防災と高齢化」など素晴らしい探究学習が続いています。
こういった身近な課題を解決する力が、これからの社会に求められる「生きる力」だということでしょう。
校長室のひとりごと「探究学習」
中学校では、国語や数学などの各教科の学習以外に「総合的な学習の時間」という授業があります。この「総合的な学習の時間」中学1年生は年間50時間、2、3年生は年間70時間(週2時間)割り当てられています。これまでどこの学校でも手探りで進めてきたというのが実際のところですが、昨今の技術革新や少子化、雇用体系の変化、価値観の多様化などの背景から、改めて「総合的な学習の時間」が注目を集めています。「総合的な学習の時間」は言い換えると「探究学習」であり、予測不能なこの時代、自分と社会をつなぐ上で重要な資質や能力を培うものです。高等学校では今この探究学習に一層力を入れています。大学の入試方法も変化し、この「探究」の成果を評価する「総合型選抜」を実施する大学も増えてきていることからも伺えます。
探究とは、興味や関心を突き詰めていくことですが、仮にこの興味関心を「探究の種」とします。この種に水をやり、時には肥料をあげることで芽が出て「探究の木」が育ちます。この水や肥料に当たるのが「書籍やインターネット、これまで学んできたこと」などです。そして探究を進めることで「探究の木」は大きく逞しく育ち結果として「探究の実」をつけるわけです。この一連の学習が探究学習ですが、仮に木が思うように育たず実をつけなくてもそれはそれで良いのです。大切なのは「探究の種」を探し、その種をまき「探究の木」を育てようとすることです。
言葉では簡単ですが、いざとなると「どの種にしようか?」でつまづいてしまうところが、この探究学習の難しいところです。
校長室のひとりごと「お茶会を・・・」
かれこれ数十年続けている毎朝のルーティンがあります。それは毎朝起きて一番にコーヒーをたて、朝のニュースを見ながらゆっくりとそのコーヒーを2杯飲むことです。別にコーヒー通ではありませんが、仮に朝早くから用事がある日でも、このコーヒーを飲む至福の時間を逆算し早起きするようにしています。そんなコーヒーについて気になる記事を見つけました。
このところの空気の乾燥で星が綺麗に見えますね。ちょうど今は三日月の隣に金星がよく見えます。
ところでコーヒーやお茶は成分には発がんを抑制したり、血中コレステロールを低下させ、虫歯を防ぐなど多くの作用がこれまで知られてきました。抗酸化・抗炎症作用があり、動脈硬化などの予防に良いとされている「ポリフェノール」、一般に赤ワインやチョコレートが有名ですが、日本人のポリフェノール摂取源で一番多いのがコーヒー、次いでお茶だそうです。1日に3から4杯ほどコーヒーを飲む人は、1杯未満の人に比べ循環器疾患、糖尿病、死亡リスクが低いことが分かっているそうです。
また、高齢者2万4千人を対象にお茶の摂取量と対人交流の多さ、残っている歯の本数を調査したところ、お茶を4杯以上飲む人は飲まない人に比べ平均1、6本歯が多く残っており、1ヶ月に10人以上の知人に会う人は、誰にも会わない人に比べ2、6本多く残っているという結果が発表されています。
私の場合は、毎朝一人でコーヒーを味わっているのですが、これらの記事によるといわゆる「お茶会」と呼ばれるような何人かで集まり、コーヒーやお茶を会話と共に楽しむことが健康につながるということでしょう。
校長室のひとりごと「学校もデジタル化」
近年、学校もデジタル化が進んでいます。子ども達は「GIGAスクール構想」による一人一台端末を活用した授業に日々取り組んでいます。また授業以外の場面でも業務のスリム化を目指し先生方の仕事もデジタル化が進んでいます。学校から家庭への配布物や欠席連絡なども、デジタル配信サービスを利用し直接配信するなど以前と変化しています。
こういったデジタル化により、保護者から「困る」という声を聞くことがあります。以前は当たり前だった「連絡網」の存在です。個人情報保護の観点で「連絡網」を作っていない学校がほとんどです。学校から急な連絡があれば、連絡網の先頭の家庭に連絡し、家庭から家庭へと電話連絡していましたが、今は学校から、学年、学級などの特定のグループへの一斉にデジタル配信を直接家庭にしているため家庭と家庭のつながりの希薄化は否めません。何より我が子の学級に誰がいるのかさえ親はわからない状況です。最近は子どもが直接スマホで連絡を取り合うため親は「誰とどこへ」行ったのかわかりません。仮に「◯◯くんの家」と言って出ていったとしても、仲の良い「ママ友」ならともかく、基本的に親同士は連絡先を互いに知りません。昔は「息子がお世話になっているみたいで…」「いいえこちらこそいつも仲良くしていただいて、もう直ぐ帰しますのでご心配なさらずに」なんて連絡網で探し固定電話に架電することで家庭同志、親同士の関係を築いてたものです。現在連絡先はほとんど携帯電話、子供同士の連絡もスマホや携帯電話。結果として親同士の関係に変化が生じているのかもしれません。
校長室のひとりごと「お酢を飲む?」
突然ですが、皆さんは「柔軟性」がある方ですか?柔軟性と言ってもなぞなぞに強いなど脳や考え方の柔軟性ではなく、いわゆる体前屈など身体的な柔軟性です。幼い頃からありとあらゆるスポーツに挑戦してきた私にとって「柔軟性」は大きな課題でした。スポーツ選手にしては体が硬かったので「お酢を飲めば柔軟性が増す」なんて都市伝説に頼り実際に何度か試してみたりもしました。もちろん変化は認められず、挙げ句の果てには「体は硬い方が跳ね返りが強く瞬発力系のスポーツには向いている」などの、これまた都市伝説に食いつき安心したりと… 一流になれなかったのはそんな精神的甘さだったかもしれませんね。
前置きが長くなりましたが「体が柔軟な人より硬い人の方が死亡リスクが高い」と、あるブラジルの調査の結果をスポーツ医学専門誌を通して発表しました。調査は46歳から65歳までの男女を対象に、肩や膝など関節の可動域を点数化したもので、13年余りの追跡調査も行ったそうです。その結果ですが、男女ともに体が硬い人グループは体の柔軟な人グループよりも死亡リスクが高く、女性では⒋78倍、男性で⒈87倍のリスクだそうです。
この調査では、調査対象者が途中から運動を始め柔軟性を高めたり、そもそも個人差もあるため、まだまだ調査は道半ばだと言われています。
ケガの予防ということであれば、体が硬い人より柔軟な人の方がリスクは少ないのは確かです。今後も「お酢を飲む」のではなく日々のストレッチなど柔軟性を高めていこうと思いました。
校長室のひとりごと「闇バイト」
首都圏で相次いでいる闇バイトによる強盗事件が後を絶ちません。治安が良いと言われてきた日本の世の中はどうなってしまったのでしょうか。こう連日のように近隣での強盗事件の報道があれば他人事でいられず、恐怖すら感じずにはいられません。「強盗殺人、強盗傷害致死」事件のように金銭が絡み人の命を殺めてしまった場合「死刑もしくわ無期懲役」、殺人や致死でなくても「強盗傷害」であれば最低でも「懲役6年以上」という量刑です。それを知っての犯行なのでしょうか。
実際に闇バイトによる住居侵入未遂事件で逮捕起訴されたある女性被告がインタビューに応じた記事を読みました。「彼氏とお揃いの物を買ったり旅行に行ったりするお金が欲しかった」と動機を語り、SNSで闇バイトに応募し事件当日まで内容は知らされず、当日になって初対面の共犯者と落ち合い主犯格からSNSで指示を受けたそうです。この女性被告は「被害者に癒えることのない傷を負わせてしまい悔やんでも悔やみきれない」と、また「SNSに頼らないで。メッセージが来てもボタンを絶対に押さないで。ボタンひとつで人生が変わる」「過去に戻れるなら誰かに相談すれば良かった」と警鐘を鳴らすと共に後悔の念を語っています。
今回インタビューを受けたことについて「自分が話すことで闇バイトに手を染める人が減って欲しかった」と語っています。
そもそも怪しいSNSに誰も反応せず応募する人がいなくなれば闇バイト自体がなくなるはず、子供まで一人一台スマホを持つ時代だからこその犯罪なのかもしれませんね。
校長室のひとりごと「師走」
いよいよ12月、2024令和6年も残すところあと1ヶ月。野田市の学校は二学期制のため、学期末ではありませんが、それでも「師走」我々教師も忙しくなってきます。
ところで、日本は四季があり、その季節でしか味わえない食材を生かした「旬」の料理という伝統が残っています。例えば新年の「おせち料理」「お雑煮」もその良い例です。長い歴史で育まれてきた和食の文化は、その地域に密着した料理で特に「お雑煮」は地域によって様々です。例えば、皆さんのご家庭ではお雑煮に入れるお餅、丸ですか四角ですか?味付けは味噌ですか?醤油ですか?それとも魚などの出汁ですか?
少し調べてみると関東以北のお雑煮は「角餅で醤油味」が多いようですが、北海道は「角餅で味噌味」が多いようです。一方西日本は「丸餅で薄味のだし汁」が多いようです。珍しい(?)地域の例として九州や四国の一部では、お餅の中にあんこが入っているお餅を使っているそうです。それ以外にも、鶏肉やかまぼこなど、その土地土地で海の幸の具を入れたり、山の幸の具を入れたりと長い日本列島だけに、実に様々です。
日本のお正月とは、親戚一同本家や実家に集まり、新年の挨拶を交わし、子どもたちには「お年玉」を渡し、大人達は「お屠蘇(とそ)」で無病息災を願い、子ども達は「コマ回し」「羽つき」などで遊ぶ。そして「初詣」に出かけ帰ってくると「おせち料理」や「お雑煮」を食べる…
忘れ去れる前に今こそ子ども世代、孫世代にも引き継ぎたい日本の伝統文化だと思いませんか?