タグ:常設展示
#常設展 #展示替 しました #奥の細道 #松尾芭蕉
常設展の「粕壁宿と町の人びと」のコーナーの展示資料を入れ替えました。 #かすかべプラスワン
ご存じの通り、松尾芭蕉は、紀行文「奥の細道」を執筆するために、元禄2年(1689) 3月27日の明け方、江戸深川を出立し、弟子の河合曽良(かわい そら)とともに春日部に宿泊しています。
日光道中や宿場町の町歩き、散策をされる方のなかには、芭蕉の足跡をたどって、街道を踏破されている方もおり、芭蕉と春日部(粕壁)の関わりを詳しく知りたい方が多く、芭蕉に関する展示やガイダンスは非常にニーズが高いものとなっています。
郷土資料館では、芭蕉の図像(肖像)や様々な彼の作品(版本)を所蔵していますが、肝心の芭蕉の代表的な紀行文「奥の細道」がありませんでした。「奥の細道」には、春日部(粕壁)は登場しませんが、日光道中や宿場町の歴史を紹介する当館の常設展示に、芭蕉の紹介や「奥の細道」を展示することは、長年の課題となっていました。
今回、複製本を入手することが叶い、念願の「奥の細道」を展示することになりました。地方文書ばかりで散漫な展示ですが、展示がギュッと引き締まった感じがして、春日部の歴史がより立体的になりました(※個人の意見です)。
ぜひご覧ください。
武里南小学校の3年生が郷土資料館を見学しました
令和6年9月12日(木)に武里南小学校の3年生が郷土資料館を見学しました。
例年10月から開催の企画展「くらしのうつりかわり」展に合わせて来館してくれる学校が多く、その時は常設展示室と企画展示室を見学してもらうのですが、現在企画展示室は準備中です。
そこで、今回は常設展示室と“鉄道高架PR展示室”を見学しもらうことに!
鉄道高架PR展示室では、将来の春日部駅をイメージした模型や、平成28年に市内の小学生たちが作った粕壁宿の模型などを見学しました。
約10年後に鉄道高架が完了することを知ったこどもたちからは、「もうすぐ大人じゃん!」との声が!まさに、今日見学に来たみんなが新成人となる18歳、19歳の時代ですね!
これからみんなが活躍していく時代に春日部も変わっていくんです!
常設展示室では、縄文時代の竪穴建物や、粕壁宿の模型を見学しながら、学芸員から説明を受けました。
自由時間には特別に竪穴建物内の磨製石斧(ませいせきふ)なども触ってもらいました!
実をいうと、武里南小は本来別のところに行く予定だったのですが、急遽予定が変更となり、訪問先として郷土資料館を選んでくれたとのこと!
武里南小にはでばりぃ資料館で伺ったことがあるのですが、なかなか資料館に見学にくることが難しいようでしたので、今回は丁度良い機会になりました!
今年度もでばりぃ資料館の依頼をいただいているので、今度はこちらから伺います!
武里南小3年生のみなさん、またお会いしましょう!
#展示替 100年前の春日部夏祭り
週末は、夏の恒例 #春日部夏祭り というわけで、常設展の一部を展示替しました。 #かすかべプラスワン
といっても、せま~いので、ケース一つ分です。企画展示の展示替えもあり、急遽、スペースができたので、構想と準備は半日、という突貫展示です。
春日部夏祭りは、もともと、粕壁宿(町)の牛頭天王社(八坂神社)の祭礼を起源とします(詳しくは以前の記事参照)。古くは江戸時代の記録もありますが、資料館収蔵品には、大正10年(1921)の古写真や記録があり、すでに知られている写真絵葉書も一同に会します。そして、初公開の資料も。
この写真は、大正10年の上町の子どもたちの集合写真です。みな、着飾って、女の子は化粧をしています。
上町の「油米」「永庄」「厚見本店」などの半纏を着た保護者(?)が後方に立っており、粕壁町を代表とする上町の商家の子息たちのようです。初公開です。
夏季の期間には展示していますので、夏祭りを楽しむ方(事後・楽しんだ方)は要チェック。資料館に涼みに来たついでにご覧ください。
#常設展 #プチ展示替
郷土資料館の常設展をプチ展示替しました。 #かすかべプラスワン
展示替したのは、毎度おなじみ、展示室の奥の奥の古文書展示のコーナー。
長らく、江戸川開削に関する古文書を展示していましたが、訳あって撤収する必要があり、近年、ご寄贈いただいた市内の不動院野の旧家に伝わる高札を展示しました。
この高札、慶応4年(1868)3月に太政官の名で出されたもの。日本史でも習う(はず)の「五榜の掲示」の一つです。
内容は、キリスト教などを禁止するもの。江戸幕府以来のキリシタン制禁の政策がそのまま踏襲されたものを示す高札です。
面白いのは、この高札の左隅に釘で打ち付けられた穴(写真の赤の矢印)があること。そして打ち付けられた木札(木片といったほうがよいか)も一緒に伝わっていることです。
なぜだか、写真が縦になってしまいましたが、木札には、明治5年(1872)正月付で、埼玉県の名があります。高札の旨を守ることと墨で書かれたもので、内容は何てことないのですが、高札に打ち付けられた木札、珍しいかもしれません。高札はずっしり重い堅木であるのに対し、埼玉県の木札は簡素な杉の木ってところも面白いです。
資料を受領しに、旧家にお邪魔した折り、市内に高札が「まだ」あったことに驚き、またこの珍しい?木札にさらに驚いた記憶があります。
ぜひご覧ください。
展示替の裏話
絶賛、市指定有形文化財「北条氏政の感状」を常設展示に出展中ですが、その裏話をちょこっと。 #かすかべプラスワン #博物館の裏話 #博物館の裏事情
展示のきっかけは、市の広報誌の「かすかべ今昔絵巻」の記事でした。入稿時の文章の末尾は「郷土資料館でもパネルで紹介しています」的な文章でしたが、せっかくだから「期間限定で」原本を出しちゃおう、というノリで今回の出品に至りました。こうして、郷土資料館は日々かわってゆくのです。
もう一つ。今回出品したものがあるということは、それと引替えに展示から撤収したものもあるということです。
北条氏政の感状を入れたケースには、もともと江戸時代の道中双六(レプリカ)が展示されていました。双六は残そうということになり、別のケースへ。双六を展示したケースに入っていた粕壁宿の絵図(レプリカ)が押し出されることになりました。粕壁宿の絵図(レプリカ)は、長く展示していたもので、粕壁宿の推定復元模型のジオラマと比較してみていただこうと、展示していたものです。日光道中粕壁宿を一見できる良質な資料なので惜しいのですが、仕方ありません。
ところで、資料(レプリカ)を回収したところ、うっすらと長方形の跡が!
展示では、くずし字の文字を解読したキャプションを資料の上においていたのですが、長い年月展示していたたため、キャプションのの跡がついてしまったようです。照明は紫外線カットのフィルター付きのもの、LEDライトを当てているのですが、レプリカとはいえ、印刷物の一種ですから、長い時間照明を当てていると色落ちしてしまうのですね。
資料館にいらっしゃるお客様から、たまに「展示室が暗い」「もっと明るくならないのか」とご意見をいただくこともあります。展示を見やすくすることは大事なのですが、私たちの努めは、資料を後世に伝えるということでもあります。今回の例で明らかなように、光に曝されると、目視できませんが資料は傷んでしまうのです。観覧される皆様もその旨、ご理解いただけると幸いです。