ほごログ(文化財課ブログ)

タグ:スタンプ

#納涼 ミュージアム #スタンプラリー

暑い日が続きますね。暑い日は、お近くの博物館に涼みに。そして、ぜひご家族で近隣の博物館巡りをしてはいかがでしょうか。 #博物館 #かすかべプラスワン #クールオアシス #夏休み

画像:スタンプラリー台紙

7月15日から始まった「彩の国東部・北部ミュージアムスタンプラリー」は、春日部市郷土資料館を含む博物館24館園のスタンプラリー。中学生以下の方のみ参加可で、スタンプ3つ集めれば粗品。6つ集めればオリジナル埴輪貯金箱をプレゼント。最西端は神川町から、最南端は三郷市まで24館園が参加しています。24館園のなかには、まちのクールオアシスとして協力している博物館もありますので、涼みながら、各地域の特色を知り、学べます。 

スタンプの台紙はこちらからR5_埼博連スタンプラリー台紙.pdfダウンロード・ご利用できます。春日部市郷土資料館は、多種多様なスタンプを用意していますが、台紙におすのは1つまでなのでご注意を。

 

事業名:彩の国東部・北部ミュージアムスタンプラリー

主催:埼玉県博物館連絡協議会東・北部地域連絡協議会

期間:令和5年7月15日(土)から10月1日(日)景品がなくなり次第終了

参加加盟館園:埼玉県東・北部の博物館24館園

対象:中学生以下の方

【海外の方にも大人気!】 #クレヨンしんちゃん 春日部スタンプ巡り

春日部市観光協会の企画で「クレヨンしんちゃん春日部スタンプ巡り」を実施しています。郷土資料館を含む、市内施設にの「クレヨンしんちゃん」のスタンプを押して楽しむものです。 #かすかべプラスワン

写真:スタンプ巡りの台紙

郷土資料館では、これまで、企画展示などに合わせて、しんちゃん、しんちゃんの家族のオリジナルスタンプを作ってきたところでした。このような形で活用いただき、担当者としてうれしい限りです。

かわいらしいオリジナルの台紙をご用意いただいたので、これが好評の模様。はじまってから早速、市外の方、海外の方が大勢いらっしゃっています。みなさん、スタンプをおして喜んで、館を後にされました。先日はタイご出身の20代の女性グループがいらっしゃいました。通常の郷土資料館では、あまりない客層です。おそるべし「クレヨンしんちゃん」。

「クレヨンしんちゃん」は世界各国で翻訳されているそうで、とくに、中国、台湾、韓国で人気があるそうです。呼び方も様々で、中国語では「蜡笔小新」(ラービーシャオシン)、韓国語では「짱구는 못말려」(チャングヌン モンマルリョ)、タイ語では「เครยอนชินจัง」(クレヨンシンチャン)などなど。韓国版のしんちゃん一家は、ソウルに住んでいる設定なんだとか。日本人一般の「しんちゃんといえば春日部」というイメージは、作品がグローバル展開するなかで、ガラパゴス的思考に陥ってしまったともいえそうです。けれども、韓国の首都ソウルとして描かれても、春日部の風景は見劣りしないということでしょうか。なんとも複雑。いずれにしても、海外版のクレヨンしんちゃんのなかで「春日部」がどのように扱われているのか、今後検討する余地がありそうです。

オリジナルの台紙は、郷土資料館や、ぷらっとかすかべなどで配布しています。景品は今のところありませんが、スタンプを押した台紙が記念になること間違いなし。春日部にお越しの折、ぜひ記念に押して回ってください。

博物館スタンプラリー始まりました

埼玉県博物館連絡協議会東・北部ブロックの事業「彩の国東部・北部ミュージアムスタンプラリー」が始まりました。 #博物館 #スタンプラリー #かすかべプラスワン

画像:スタンプラリー台紙

春日部市郷土資料館を含む、埼玉県東部・北部の博物館施設を6館(または3館)まわって各館のスタンプを集めると、豪華な景品(特製の埴輪貯金箱)がもらえます。

対象は、中学生以下の方。期間は11月30日(水)までですが、景品がなくなり次第終了になりますのでご注意を。

スタンプの台紙はこちらからR4埼博連スタンプラリー台紙.pdfダウンロードできます。

春日部市郷土資料館では、クレヨンしんちゃんのスタンプや伝説のゴボウのスタンプをはじめ、多種多様なスタンプを用意していますが、台紙におすのは1つまででよろしくお願いします。

企画展・来館記念オリジナルスタンプ

宮内庁との共催展「明治天皇と春日部」にオリジナルスタンプが登場。その名も伝説の「梅田ごぼう」スタンプ! #かすかべプラスワン #梅田ごぼう #在来種 #ゴボウ

梅田ごぼうは、知る人ぞ知る、春日部固有の在来野菜。栽培が盛んだった市内の梅田地区の地名を冠したゴボウです。市内の梅田女體神社に御買上の記念碑があり、それもあってか地元では、大正天皇が即位されたときに皇室に献上されたことで知られています。太いごぼうの一種で、江戸時代の農書や料理書にも登場します(これについては後日紹介します)。

地元の方にお話を聞くと、梅田地区は砂地だったため、ごぼう栽培に適してたとか。平成13~14年ごろまでは市内で栽培されていたそうですが、栽培・収穫に手間がかかることから、市内の農家での栽培は断絶してしまいました。その後、復活に向けて地元の農家の方や埼玉県の農林部局が尽力しましたが、種を入手することができず、復活はできなかったと聞いています。ですから「幻のごぼう」と言われることもあります。現在は、市内の農家の方が、近似する品種の大浦ごぼうの種を播種し、春日部太ゴボウ、梅田うまみゴボウというブランド名で売り出しています。厳密には従来の梅田ごぼうではなく、大浦ごぼう系であるとのこと。煮ると柔らかく香りがよいのは同じですが、形は大浦ごぼうとも少し違ったと聞いています。

今回の展示では、梅田ごぼうの献上に関する新出の資料が並び、歴史のなかの梅田ごぼうのことが、少しずつですがわかってきました。写真をはじめ、ごぼうの挿絵、それから「梅田牛蒡」と記された書類などなど見出すことができました。これらの資料を集約して、かつては春日部を代表する野菜だった伝説のゴボウ「梅田ごぼう」をスタンプにしました。下の画像はその案内です。

画像:スタンプ案内

どんなスタンプの柄なのかは、展示会場で捺してみてください。たぶんゴボウのスタンプは、かなりレアなのではないでしょうか。資料館の職員にも好評です。

 

1 展示会名 明治天皇と春日部~巡幸・御猟場・梅田ごぼう~

2 主  催 宮内庁・春日部市・春日部市教育委員会

3 会  期 令和4年7月20日(水)~9月4日(日)(休館日:月曜日、祝日)

4 開館時間 午前9時~午後4時45分

5 入  館 料 無料

6 会  場 春日部市郷土資料館(住所:〒344-0062 春日部市粕壁東 3-2-15(春日部市教育センター内))

【近隣館の紹介】 #白岡市 生涯学習センター #歴史資料展示室

先日、他市町との打ち合わせのため、白岡市生涯学習センター歴史資料展示室にお邪魔しました。繰り返しいいますが、当館のような小さな館は、近隣の博物館さんと助け合い、支え合いながら日々運営しています。今回は近隣館の白岡市生涯学習センター歴史資料展示室さんを紹介してみたいと思います。

白岡市生涯学習センター歴史資料展示室は、生涯学習や地域コミュニティ・文化創造の拠点として、図書館機能、生涯学習機能、そして資料館機能を備える複合施設・白岡市生涯学習センター(愛称「こもれびの森」)内に平成30年10月に開館した施設です。

 写真:こもれびの森外観

歴史資料展示室では、地域文化財の調査・研究に基づく収集・保存・管理・活用を包括的に行い、さらに白岡市の歴史や伝統文化を発信、次代へ継承するため、旧石器時代から現代までの白岡のあゆみを常時展示しています。

 写真:展示室遠景

展示室は小さいながらも、各時代を象徴する重要な資料が展示されています。資料保存の観点から、複製品も多いのですが、複製と言われなければ気づかないほど精巧なレプリカが多く、見劣りはしません。むしろ、見栄えのする立体物が多いので見応えがあります。

近世史を専門とする紹介者が気になるのは、新井白石ゆかりの資料。新井白石といえば、江戸時代6代将軍家宣のもとで侍講として辣腕をふるった歴史上著名な学者です。

彼は、はじめ甲府藩主徳川綱豊(のちの6代将軍家宣)の侍講でしたが、綱豊が将軍綱吉の養子となるや、幕府の直臣に取り立てられ、宝永6年(1709)7月に武蔵国埼玉郡野牛村(現白岡市野牛地区)などを知行所として与えられました。その後、加増をうけ、新たな知行地を与えられる一方、当初の領地であった武蔵国比企郡の地を返上し、その代わりに相給支配(他の領主と分割支配)されていた野牛村の全てを領することになりました。著書「折りたく柴の記」には「ここにおいて、野牛一村の地ことごとく我領となりたり」と綴っていることから、白石の野牛村への強い思いがうかがえます。新井家は以後、野牛村を知行としたため、地域とゆかりが深く、白石の肖像画をはじめ、ゆかりの品が地元に伝わっています。また、新田開発のために掘削した堀を地元では「殿様堀」とか「白石(様)堀」と呼び、領地である野牛村の発展に力を注いだ白石の事蹟を伝えています。近代には白石公顕彰会が組織され、白石の命日にあたる5月19日には毎年、白石の肖像画を掲げ、報恩供養が営まれたそうです。

白石は、犬公方こと5代将軍綱吉時代の悪政を粛正した優れた政治家と評価されます。将軍の側用人間部詮房のもと、白石が政治のブレーンとなって提言した一連の政策は「正徳の治」と称され、白石の思想性に特色づけられています。武家諸法度を全文改定したり、朝鮮からの国書に将軍を「日本国王」と記すようにさせてたり、個人的には一癖ある人のイメージです。

少し春日部の話題に引き付けて言えば、正徳6年(1716)4月15日、日光海道・甲州海道を「海」がないから、日光道中・甲州道中と表記すべきというが法令が令達されました。理にはかなっているのですが、いちゃもんです。以後、公式には「日光道中」の表記が使用されますが、実際は地域に伝わる古文書では「日光海道」と表記する文書も散見されます。この「海道」表記に関する法令については、詳しい政策決定過程は明らかにされておりませんが、文書の表記などにこだわった、当時の政治のブレーン白石が関わっていた可能性が想像されます。知識や能力もあり、体系的で理にかなってはいるのですが、ちょっとうるさい感じ。でも、野牛の地を豊かにするために熱意をもって領民を統治したことが、後世に伝えられ、今も白岡ゆかりの偉人とされていますので、この考え改めなければなりませんかね。彼の著書「折りたく柴の記」を読み直してみようと思わせる展示です。

展示室には、「新井白石の肖像画」をモチーフにした来館記念スタンプが用意されています。ありがたい「白石様」をお持ち帰りいただけます。人物の肖像画があるってうらやましいです!

 画像:白石のスタンプ

毎月第3土曜日には、「ハンズオン・デー」として学芸員による解説をまじえながら、実際に資料に触れるイベントが開催されているそうです。展示室目当てでなくとも、図書館などの利用者も訪れ、大変にぎわうとか。

展示や普及事業のみならず、見習いたい点がもう一つあります。それは、研究紀要を年次刊行していること。学芸員や有識者の方が、白岡の資料に向き合って調査研究した成果が満載です。調査研究があって、はじめて展示・活用ができるお手本のような取り組みです。当館を含め、『紀要』を発行していない県内の地域博物館も見習わなければなりません。

そうした重厚な調査研究に裏打ちされた歴史資料展示室、ぜひ刮目ください。