ほごログ(文化財課ブログ)

タグ:学芸員の仕事

#忙しい人向け 明治天皇と春日部 #まとめ #すごろく

宮内庁との共催展「明治天皇と春日部」展では、 #忙しい人のため #急いでいる人のために まとめすごろくを制作し、展示しています。 #双六 #かすかべプラスワン

画像:まとめすごろく

このオリジナルすごろくは、「明治天皇と春日部」のエッセンスを明治天皇の巡幸の行程になぞらえて通覧するもので、展示主要テーマの巡幸、御猟場、献上品について、近代の皇室と春日部市域・埼玉県東部地域の関係を紹介するために作りました。また、宮内庁の方との展示の調査・準備の過程の思い出や裏話も双六のマスに込めています。

展示をご覧いただいて、「小難しくてわかんないよ」「文書ばかりで難しい」と感じた方にも、展示の主要テーマをわかりやすく、そして楽しくお伝えしたく、頑張ってつくってみました。もちろん、すごろくとしても楽しく遊んでいただけます。

ミュージアムトークの時に、展示の骨子を説明するために配布しようと考えていますが、ご興味のあるかたはこちらからダウンロードできます。共催展まとめすごろく.pdf

先日、小学生の女の子が早速、遊んでくれていました。

写真:すごろくで遊ぶ女の子

マスの文字を読みながら遊んでくれていたので、制作者として嬉しかったので、写真を撮らせてもらいました。

サイコロは今のところ用意していませんが、展示の裏側もわかる、すごろく。忙しい人におすすめです。

「明治天皇と春日部」展の展示設営が始まりました

7月20日(水)を初日とする「明治天皇と春日部」展の資料陳列の作業が始まりました。今回は、共催展示なので、宮内庁宮内公文書館の皆さんと協力しながら進めています。「展示なんてただ並べるだけでしょ」と思った方、違いますよ。 #博物館 #学芸員

資料は、一つずつ丁寧に梱包されておりますので、まず、それを一つずつ開梱(かいこん)するところから始まります。

写真:開梱作業

資料は薄葉紙(うすようし・うすばがみ)という品物を梱包するときにつかう専用の紙で梱包してあります。開梱しながら、資料の状態を確かめ、資料の性格を踏まえ、どのように展示したらよいのかを考えて、陳列するのです。上の写真は開梱の様子です。

資料の形状や状態を鑑みながら、資料に負荷・負担がかからないように、ケアしながら、資料を並べます。

下の写真は、冊子状の資料の下にあてがう、通称「マクラ」を製作しているところです。分厚い冊子を開いて展示すると、開いた箇所に負荷をかけることになります。そこで、冊子が水平になるように「マクラ」をあてがい、負荷がかからないようにするのです。マクラづくりは、展示現場でないと高さや大きさがわからないので、その場で製作するのです。

写真:マクラづくり

大きな博物館であれば、ゆったり陳列できますが、春日部市郷土資料館は、小さな博物館なので、どれだけ見栄えよく陳列できるかが勝負です。宮内庁宮内公文書館の皆さんも、これまでの展示経験から、ギッチリ並べて見せる派のようで、その意味では当館のやり方と親和的でした。下の写真は絵図を展示しているところです。展示台にどれだけのせられるかを確認しています。また、見栄えとともに、地震などへの対応、資料保護などの点にも注意します。なお、美術館では、作品をじっくり鑑賞していただくため、高さや位置に気を配りながら、一点一点の作品間の距離を適度に保つような展示法をとります。このように展示会のテーマ・内容や展示する資料・作品の違いによって、展示の方法は異なってきます。

絵図の展示

展示作業初日の今日は、宮内庁さんの展示技術や展示哲学に接し、また、こちらからも展示技術や哲学を伝え、刺激的な一日となりました。このように「あーでもない」「こーでもない」と話し合いながら、試行錯誤して、展示設営作業を進めています。果たして会期までに間に合うのでしょうか。