ほごログ(文化財課ブログ)

タグ:駄菓子屋

【体験ワークショップ】発泡スチロールひこうきをつくろう!

3月20日(日)に体験ワークショップを開催します。

体験ワークショップでは、蓄音機の上演と昔のおもちゃづくりをします。

今回つくる昔のおもちゃは「発泡スチロールひこうき」です。

 

発泡スチロールひこうき写真

昔、近所の駄菓子屋に発泡スチロール製のかるーいひこうき、売っていませんでしたか?

今回は食品トレイを利用して、そのおもちゃを再現してみました。

 

駄菓子屋も少なくなってきた昨今ですから、今の子はなかなか見る機会も少ないのではないでしょうか。

懐かしの文化を伝える郷土資料館で、一緒に作ってみましょう♪

 

申し込み不要、おもちゃの材料も資料館で用意しております!

当日の午前10時30分と午後2時からの計2回開催しますので、お時間までに郷土資料館にお越しください!

 

【体験ワークショップ】

日時:令和4年3月20日(日)午前10時30分~・午後2時~

場所:春日部市郷土資料館(春日部市粕壁東3-2-15)

内容:蓄音機の上演

   昔のおもちゃづくり(発泡スチロールひこうき)

費用:無料

申込:不要(開催時間までに郷土資料館におこしください)

※新型コロナウイルス感染防止のため、参加者多数の場合、人数制限をさせていただく場合がございます。当日はマスクを着用いただき、体調が優れない場合は参加をお控えください。

【展示】なつかしい町の駄菓子屋(資料編)

開催中の「くらしのうつりかわり」展では、少し昔の駄菓子屋について紹介しています。昔の駄菓子屋については資料が遺りにくいため謎が多いのです。

以前、店舗・店先について紹介しましたので、今回は展示資料について紹介します。

展示資料は、以前ご寄贈いただいたもので、昭和40年~50年代の駄菓子屋で売っていたおもちゃ類です。少し懐かしい感じで、販売された状態で残っているのは珍しいと思います。

展示資料は、いくつかあるのですが、今回紹介するのは、「テレビ人気者かるた」です。当時子どもたちに人気のあったテレビの主人公や登場人物が描かれています。札は自分で切り取るタイプで、バラバラにならずに残っています。

画像:テレビ人気者かるた(全体)

絵札をみると、おばけのQ太郎、サイボーグ009、バットマン、ウルトラマンなどが描かれています。多色刷りですが、色が重なっており、出来栄えはそれほどよくありません。「著作権」や「商標」といった権利関係もあいまいだった当時ならではの製品、いわゆる海賊版であり、コンプライアンスが浸透している現代日本では製作するのは困難であると思われます。

画像:カルタ絵札部分

読み札もあり、たとえば「お」は「おばQのはねつき」、「く」は「くにんめのゆうしゃサイボーグ009」といった具合です。以下、上の画像は「やーっペギラのしゅうげき」(ウルトラQ)、「えーいとばかりおのふるワタリ」(大忍術映画ワタリ)、「てきとたたかう遊星仮面」(遊星仮面)、「あなたのおなまえなんざんす」(オバQ)、「みをまもるバットマンカー」(バットマン)、「しょうちゃんのせてそらのさんぽ」(オバQ)、「ひとよんで遊星仮面」(遊星仮面)です。読み札が5・7・5にもなっていないのが特徴的です。

上記のキャラクターやジャングル大帝や鉄人28号などは、1980年代生まれの職員でも分かったのですが、そのほかのキャラクターについてはよくわかりませんでした。そこで読み札に登場するキャラクターを調べてみたところ、カルタは次の作品から構成されていることがわかりました。

  • 鉄人28号 1963年~66年
  • オバケのQ太郎 1965年~67年
  • 遊星仮面 1966年~67年
  • ジャングル大帝 1965年~67年
  • サイボーグ009 1966年(劇場版)
  • 怪鳥人間バットマン(実写) 1966年
  • ウルトラQ(特撮) 1966年
  • ウルトラマン(特撮) 1966年~67年
  • 忍者部隊月光(実写) 1964年~66年
  • 大忍術映画ワタリ(特撮) 1966年
  • マグマ大使(特撮) 1966年~67年

以上から、この「テレビ人気者かるた」は、1967年(昭和45年)ごろに制作されたものではないかと考えられます。

ただ、よくわからなかったのが、「のたうつ カネロン おさえつけ」の札で、ウルトラマンらしきヒーローが角の生えた怪獣を押さえつけている絵札があります。ウルトラQにはガメロンやカネゴンが登場するようですが、ウルトラマンには「カネロン」という怪獣は登場しないようです。

それから、「うちゅうにんじゃ ハチコン隊長」の札です、おそらく「忍者部隊月光」に関連したものだろうと考えられますが、作品を見たわけではないので残念ながら「ハチコン隊長」なる者が何者なのかわかりませんでした。ご存じの方がいらっしゃいましたら、教えてください。

いずれにしても、作品をよく知らない大人が、リサーチをきちんとせずに付け焼刃で作ったのだろうと想像されます。当時の子どもたちは、このカルタをどのように受け止めていたのでしょうか。

子どもたちの社交場である駄菓子屋の歴史は大変遺りにくいものです。先日の講演会でも、粕壁の駄菓子屋についてお話しがありましたが、子どものころの記憶は曖昧でわからなくなってしまいます。

展示資料から、昭和40年代の駄菓子屋を囲む子どもたちの情景を読み取ってみるのも面白いのではないでしょうか。おすすめの資料ですので、ぜひご覧ください。

【歴史文化講演会募集開始】11/28昭和五輪のころの粕壁と粕壁の駄菓子屋

以前お知らせしました11/28(日)開催の歴史文化講演会「昭和五輪のころの粕壁と粕壁の駄菓子屋」の参加応募受付を開始しております。

お申し込みは郷土資料館に、直接、またはお電話のほか、市役所の電子申請システムでもお申込みいただけます。電子申請の利用は定員(50名)に達するまで、申込期間内24時間可能です。ぜひご利用ください。なお、11/16現在、20名程度のお申し込みを頂いております。

春日部市郷土資料館歴史文化講演会「昭和五輪のころの粕壁と粕壁の駄菓子屋」
講師:大川明弘氏 山口俊一氏
日時:令和3年11月28日(日)10時~12時
会場:春日部市教育センター2F視聴覚ホール
定員:50名(申込順)
申込受付:11月16日(火)8:30~(定員になり次第受付を終了します。)

ご来場の際はマスクの着用をお願いいたします。また発熱などの風邪症状があるときは、ご来場をご遠慮ください。今後のコロナウイルス感染症の状況により、予定が変更されることもあります。

11/28に歴史文化講演会を開催します

春日部駅東口(昭和32年)

春日部駅東口(昭和37年・1962年、広報かすかべ古写真・かすかべデジタル写真館

 11月28日(日)午前10時から、歴史文化講演会を開催します。

講師は、粕壁出身の大川明弘先生、山口俊一先生です。今回は「昭和五輪のころの粕壁と粕壁の駄菓子屋」と題し、大川先生には、昭和39年東京オリンピックのころを中心とした粕壁の様子を写真とともに、山口俊一先生には、かつてたくさんあった粕壁地区の駄菓子屋について、イラストともにご紹介いただきます。

山口先生の駄菓子屋のイラストは、現在開催中のくらしのうつりかわり展で展示しています。くらしのうつりかわり展は、少し昔の町やくらしを紹介しています。

大川先生、山口先生は、ここ数年、近現代の粕壁地区の調査を継続的に進められています。調査の成果は、先日開催した桐に関する展示など、郷土資料館の活動に大いに役立っています。

粕壁のなつかしい、楽しいお話になると思います。ご参加をお待ちしております。

 

春日部市郷土資料館歴史文化講演会「昭和五輪のころの粕壁と粕壁の駄菓子屋」
講師:大川明弘氏 山口俊一氏
日時:令和3年11月28日(日)10時~12時
会場:春日部市教育センター2F視聴覚ホール
定員:50名(申込順)
申込受付:11月16日(火)8:30~(定員になり次第受付を終了します)

お申し込みは郷土資料館に、直接、またはお電話か、市役所の電子申請システムでもお申込みいただけます。

ご来場の際はマスクの着用をお願いいたします。また発熱などの風邪症状があるときは、ご来場をご遠慮ください。今後のコロナウイルス感染症の状況により、予定が変更されることもあります。

 

【展示】なつかしい町の駄菓子屋(店頭編)

「くらしのうつりかわり」展は、少し昔の町やくらしを紹介しています。今回は、展示のみどころの一つでもある、新たに設けた一コーナー「こどもたちの社交場~駄菓子屋のきおく」の展示資料を紹介します。

今回、昭和31年(1956)生まれの粕壁地区の方に、子どもの頃によく通った駄菓子屋の店頭のイラスト(描き下ろしです)を提供いただきました。昭和30年代の粕壁には、いくつもの駄菓子屋があったそうです。

画像:駄菓子屋のイラスト

イラストは、現在の粕壁東1丁目3-18付近にあった「はっとりや」(服部屋)という駄菓子屋です。

入り口はガラス戸が4枚、床はコンクリートの三和土(たたき)。正面のガラス戸の戸棚にはプラモデルが並び、背の低い台には様々な駄菓子が並んでいます。間口奥行きともに2間程度の広さで子供の頃にはとても広く感じたといいます。

よく買った駄菓子は、「ピンク色の麩菓子」「赤いニンジン型の袋に入ったポン菓子」「真っ赤な大根の酢漬け」「きなこ棒」「串に刺した薄っぺらな鈴カステラ」「酢漬けイカ」「試験管に入ったヨーグルトっぽいやつ(竹串で食べる)」「風船ガム」など。夏には「アイス」「かき氷」「ところてん」を食べたそうです。私は世代が違いますが、「赤いニンジン型の袋に入ったポン菓子」「真っ赤な大根の酢漬け」「きなこ棒」「ヨーグルトっぽいやつ(竹串で食べる)」を食べた記憶があります。世代を超える駄菓子も少なくないようです。

玩具類では、「凧」「紙飛行機」「ゴム動力のプロペラ飛行機」「縄跳びの縄」「カラーボール」「銀玉鉄砲」「ゴムパチンコ」「パース」「コマ」「ベイゴマ」「花火類」があったそうです。「パース」というのは、春日部のあたりでは「めんこ」のことを指します(以前紹介したことがあります)。「はっとりや」では、他の駄菓子屋にはないプラモデルも売っており、初めて買ってもらったプラモデルはレーシングカーでとてもうれしかったそうですが、自分では組み立てられず、お父さんに作ってもらったそうです。いい思い出ですね。

駄菓子屋は、大人が立ち入らない「こどもたちの社交場」であり、写真や記録に残ることは稀です。このイラストは、写真などの資料に頼らず、子どもの頃の記憶を呼び起こして、本当に細部まで緻密に丁寧に描いたものです。もちろん絵心がなければここまで描けませんが、よく憶えているなぁと、ただただ感心するばかりです。「はっとりや」以外にも、展示では「たまや」「あいざわ」「やまざきや」のイラストも紹介しています。ぜひご覧ください。

次回は、駄菓子屋で販売されていた懐かしの玩具(展示中)について紹介します。お楽しみに。