ほごログ(文化財課ブログ)

タグ:鉄道高架

【 #常設展 ミニ展示】 #東武鉄道 開業前夜の #春日部駅 前

常設展示の近代のコーナーの展示替えをしました。 #かすかべプラスワン

テーマは、題して「東武鉄道ができる直前の春日部駅周辺」です。

写真:展示風景

現在、春日部駅周辺は鉄道高架工事の真っ最中。最近では、東武スカイツリーラインの古い登りホームの土台の解体工事が進み、さら地になってきています。おそらく、ホームの土台は、大谷石で築かれたもので、東武鉄道開業当初からのホームだったものとみられます。東武鉄道が明治32年(1899)に開業してから、駅周辺は駅前の市街地として開発されていきました。

下の画像は、昭和8年(1933)の粕壁町字内出の耕地図です。駅舎の所在する土地の名称は内出。線路が横断し、耕地を分断するかたちで鉄道が敷設され、駅の東側(現在の東口)は市街地化され、停車場道(現ブロンズ通り)をはじめとする駅と旧日光道中の町並みをつなぐ道が整然と区画されています。反対に、西口側は細長い土地割りの田畑ばかりで、道も細い畦道であったことがわかります。

画像:昭和8年(1933)の駅周辺耕地図

その後、昭和46年(1971)12月には西口改札が開設され、農地が区画整備され、西口も市街地化していくことになり、今日に至ります。「鉄道で春日部の町(街)が分断されている」とよく言いますが、歴史的にとらえれば、そもそも町は東口側だけであり、高度経済成長期に東口の開発が飽和状態になり、西口側に市街地を広げていったため、「分断」されたようになってしまった、というように理解すべきでしょう。鉄道「分断」の問題は、現在の問題ではなく、高度経済成長期に生起していた、春日部市にとって古くて新しい問題なのです。

さて、駅が開設される以前の駅前の様子は、おそらく田んぼや畑であったことは、江戸時代の粕壁宿の時代の資料などで明らかですが、これまで街路や土地割りの様子などは、よくわかっていませんでした。

今回、展示した資料は、粕壁町の字内出の耕地絵図です。資料の年紀は明治35年(1902)ですが、描かれた内容は、東武鉄道が敷設される以前の状況のようです。最近、市民の方からご寄贈いただいた、近代の粕壁町の商家資料群から見出されたものです。

この絵図を先の昭和8年の絵図と比較してみると、私たちが当たり前にみている駅前もまた、当時は粕壁町のはずれにあり、街路や土地割りは、駅開業後に造成されたことが明らかになります。詳細は展示で。

駅ができ、駅前が造成され、西口ができ、西口に市街地が広がり、そして今「分断」を解消するための鉄道高架が始まる。粕壁の字内出の土地に刻まれた駅前の歴史を、ぜひ展示室でご覧ください。

桜川小学校の3年生が郷土資料館を見学しました

令和6年10月18日(金)に桜川小学校の3年生が郷土資料館を見学しました。

 

今日は楽しい社会科見学の日だそうです!市役所新庁舎、郷土資料館、豊野工業団地(バスの中から見学)、折原果樹園と1日かけて回るとのことで、大喜びの様子♪

 

郷土資料館では、常設展示室、企画展示室、鉄道高架PR展示室を紹介しました。
常設展示室では、縄文時代の竪穴建物の模型や、江戸時代の粕壁宿の模型をみながら学芸委の解説を聞きました。

常設展示室見学風景

縄文時代の人は何を食べていたのか、どういう暮らしをしていたのか、模型の中にある食材や道具などから探っていきました。
衣服がシカなどの動物の皮で作られていることなど知らないことがいっぱいでしたね!

 

企画展示室見学風景

企画展示室では、約80年くらい前の民具について解説を受けました。
現在、企画展示室では「くらしのうつりかわり」展を開催しており、多くの民具が展示されています。
今年は、「むかしのどうぐ人気投票」を行っており、児童たちにも任意で参加してもらいました。それが功を奏してか、投票のために道具の名前に注目する子もチラホラ。普段は民具の外見だけに注目する子が多いのですが、参加型になると展示の見方も変わるようです

 

鉄道高架PR展示室見学風景

鉄道高架PR展示室では、県鉄道高架建設事務所の職員の方に解説をしていただきました。
鉄道の高架化は、鉄道を高い位置に設置して暮らしを便利にする事業です。いわゆる“開かずの踏切”が春日部にも存在しており、児童たちもその存在は知っている様子。そういった身近な問題の解決から、駅周辺の活性化など児童の視点からもわかりやすく解説してもらいました。

モニター釘付けの児童

自由見学の時間には、モニターに釘付けになる児童の姿も(笑)

 

今日は雨が降ったりやんだりとはっきりしないお天気ですが、きっとどんな天気でも楽しめてしまうでしょう!
そんな風に思わせてくれる、元気いっぱいの桜川小3年生でした!
ぜひまた来てください♪

武里南小学校の3年生が郷土資料館を見学しました

令和6年9月12日(木)に武里南小学校の3年生が郷土資料館を見学しました。

武里南小3年生集合!

 

例年10月から開催の企画展「くらしのうつりかわり」展に合わせて来館してくれる学校が多く、その時は常設展示室と企画展示室を見学してもらうのですが、現在企画展示室は準備中です。
そこで、今回は常設展示室と“鉄道高架PR展示室”を見学しもらうことに!

鉄道高架PR展示室見学風景

鉄道高架PR展示室では、将来の春日部駅をイメージした模型や、平成28年に市内の小学生たちが作った粕壁宿の模型などを見学しました。
約10年後に鉄道高架が完了することを知ったこどもたちからは、「もうすぐ大人じゃん!」との声が!まさに、今日見学に来たみんなが新成人となる18歳、19歳の時代ですね!
これからみんなが活躍していく時代に春日部も変わっていくんです!

 

常設展示室見学風景

常設展示室では、縄文時代の竪穴建物や、粕壁宿の模型を見学しながら、学芸員から説明を受けました。

磨製石斧を持ってみる

自由時間には特別に竪穴建物内の磨製石斧(ませいせきふ)なども触ってもらいました!

自由見学の時間

自由見学の時間2

 

実をいうと、武里南小は本来別のところに行く予定だったのですが、急遽予定が変更となり、訪問先として郷土資料館を選んでくれたとのこと!
武里南小にはでばりぃ資料館で伺ったことがあるのですが、なかなか資料館に見学にくることが難しいようでしたので、今回は丁度良い機会になりました!
今年度もでばりぃ資料館の依頼をいただいているので、今度はこちらから伺います!
武里南小3年生のみなさん、またお会いしましょう!

【どこにあるかわかるかな?】目指せ資料館ハンター!

埼玉県鉄道高架建設事務所と郷土資料館が協力して、
令和6年4月1日(月)に、教育センター1Fに鉄道高架PR展示室を開設しました。

教育センターに入って、エレベーターやお手洗いを抜けたガラス扉の先に展示室があります。

以前は教育委員会の執務室として使われていた空間です。

ちょっと分かりにくい場所ですが、勇気をもって入ってみてください(笑)
鉄道高架PR展示室
展示室には駅周辺の古写真のみならず、粕壁宿のペーパークラフト模型や、古利根公園橋、鉄道高架事業の駅周辺の模型なども展示してあります。

 

そこで!
郷土資料館・鉄道高架PR展示室をよりじっくり味わってもらうために、こんなプリントを作成してみました。
「目指せ資料館ハンター!」
プリント
写っている写真は、郷土資料館もしくは鉄道高架PR展示室内に設置された模型の一部分をズームアップしたもので、その場所を探してもらうというゲーム感覚で楽しんでいただけるプリントです!
写真の中に含まれる色や特徴など、様々なものを手掛かりにぜひ探してみてくださいね!

 

郷土資料館写真

鉄道高架PR展示室写真
プリントは郷土資料館内に設置してありますのでご自由にお取りいただき、挑戦してみてください♪