ほごログ(文化財課ブログ)

タグ:くらしのうつりかわり

【出張授業】令和5年度でばりぃ資料館を振り返る

コロナ禍により小学校の団体見学が見込めなくなった年にはじまった「でばりぃ資料館」。おかげさまで、今年度は市内9校、10件のご依頼をいただき、無事終えることができました。

画像:川辺小学校のプレゼント

各校の様子については、「ほごログ」で紹介してきたところです。上のメダルは川辺小学校の皆さんからいただいたものです。今回は、お礼の紹介も含めて、今後のために、今年度の「でばりぃ資料館」を振り返りたいと思います。

「でばりぃ資料館」は、郷土資料館に様々な事情で出向けない子どもたちに、資料館にいるのと同じように学習・体験してもらうことをコンセプトにしています。ただ、資料館のすべてのモノを持っていくことはできませんので、普段ケースに入っている資料を触ったり、体験してもらい、春日部の昔を身近に感じてもらえるようにしています。

授業や体験の内容については、小学校の先生方のオファーに可能な限り応えるよう努めていますが、主要な単元は第3学年の社会科「くらしのうつりかわり」です。メニューは、昔の家庭の道具、昔のまち、昔の農業、昔の学校、昔の遊びを柱に立てていますが、オファーは道具、まちの移り変わりが多く、次に学校、農業に集中する傾向にあります。農業については、市街地化が進んだ学校では、カットされる傾向があるようですし、総合的な学習で稲作体験をする学校もあるようなので、「でばりぃ資料館」では敢えてカットされているようです。

先生、そして子どもたちから人気があるのが、昔の家庭の道具。とくに、手回し洗濯機やダイヤル式の黒電話が強く印象にのこるようです。いずれも、自分でまわして動かす、というのが身体的に初めての体験となるため、印象に残るようです。

また、昔の農業のメニューでは、千歯こきをつかった稲の脱穀体験を必ず実施しています。これは稲の本数の都合で全員が体験できるものではないのですが、見学する子どもたちから歓声があがるほど、人気の体験メニューです。「でばりぃ資料館」では、さらに籾摺りの体験をメニューにくわえ、自由時間に籾から玄米にする作業、玄米から白米にする作業を体験してもらっています。これも身体を動かす体験なので、人気です。

昔の学校については、石板、昔の教科書、給食の食器・献立表などを用意し、説明、子どもたちにみたり、さわったりしてもらっています。道具が動いたり、何かできたりする道具とは違い、どちらかといえば、見る・触る体験になるため、なかなか子どもたちの印象に残りにくい模様。ただ、今年度は、3年生の国語の教材「ちいちゃんのかげおくり」を意識して、戦前の子どもたちの暮らしと道具を「ちいちゃんの時代」のモノ・コトと説明してみました。そうした話をすると、戦争の悲惨さについて学んでいた子どもたちは、真剣な面持ちで話を聞いてくれているようでした。また、年度の途中から、小学生の集合写真をパネルにして持参したところ、子どもたちのなかには、昔の小学生の姿や服装をじっくり観察する子も見受けられました。祖父母や父母の世代の子どもたちが自分たちとどんな風に違うのか、興味をもつ子もいたようです。

昔のまちについては、1960年代の空中写真をラミネートにした大きなシートを敷いて、子どもたちに見てもらっています。しかし、地図の見方がまだ覚束ない3年生にとっては少し難しいようです。ただ、自分の学校があるのか、自分の家があるのか、身近なショッピングモールは60年代にあったのか、などわかりやすい問いを立てることで、学校・地区の様子のうつりかわりを考えてくれているようでした。アンケートに「クイズをやってほしい」と書いてくれる子が散見されるのも、「クイズ」がとっつきやすいということなのかもしれません。

今年度、担当者は、昔の学校・昔のまちについて説明する機会が多かったのですが、手回し洗濯機や黒電話、千歯こきに人気負けした印象を強く抱きました。何が面白く感じるのかは人それぞれですが、昔の学校・まちについても、身体をつかって体験・学習できるような方法をもっと鍛えていかなければならないと考えています。これは今後の課題としたいと思っています。

「でばりぃ資料館」を依頼していただいた学校には、「たんけんシート」という学習シートを事前に配布しました。シートの問題を解きながら、学習してもらうもので、「くらしのうつりかわり」の学習に少しは寄与できたように思いますが、わかりづらい箇所もあるので、学校の先生の要望を踏まえて、少しずつ改善していきたいと考えています。子どもたちは「ギガスクール」により、一人一台タブレット端末を使っています。「たんけんシート」的なものも、タブレットで使えたり、見れたりできるとよいなと思いますが、今後研究が必要です。

 

「でばりぃ資料館」が増える一方、昔と変わらず、団体見学として利用していただく学校もあります。団体見学では「くらしのうつりかわり」展を中心に説明をし、数名の方に千歯こきの体験をしてもらっています。「でばりぃ資料館」では触れることのできる資料がガラスケースに入ってしまっているため、昔の道具などの印象は薄いようです。

しかし、団体見学の小学生たちをみていると、竪穴住居模型や粕壁宿町並模型、昔のおもちゃなどの体験コーナーなど様々な資料に興味をひき、社会科の学習単元以外の学習機会にもなっているようです。また、団体見学に来てくれた子どもたちは、週末などにご家族を連れてもう一度見に来てくれる場合が多いようです。団体見学には、子どもたちの興味関心を広げるメリットがあり、郷土資料館としてもリピーターの獲得のために良いのですが、学校は「でばりぃ資料館」を選択する傾向にあります。されど「でばりぃ資料館」は、所詮「出前」です。郷土資料館の全てをお届けできるわけではありません。団体見学をみて、今後は、「でばりぃ資料館」で出会った子どもたちに郷土資料館に来てもらう取り組みを構築する必要があると確信しました。これも来年度の課題とします。

来年度の備忘ため、課題や所感を長々と書きましたが、博物館と学校教育(博学連携)も取り組んでみるとなかなか奥が深いなぁと思う次第です。学校の先生方からの要望を汲み上げながら、郷土資料館は、今後も春日部でしかできない学びを子どもたちに提供できるよう、精進してまいります。

粕壁小学校の3年生が郷土資料館を見学しました

令和6年3月1日(金)に粕壁小学校の3年生が郷土資料館を見学しました。

この日は、企画展示室の「くらしのうつりかわり」展を中心として“昔の生活の様子”を学び、残りの時間を自由時間にして館内全体を見学してもらいました。

 

企画展示室での解説風景

企画展示室での昔の生活の解説時には、昔の炊事や洗濯などは手作業によるものが多いことから、児童からも「たいへんだねぇ~」という声が。
時間の流れが速く、複雑化した現代では何事も機械に頼らなければならず、昔と同じ作業をして生活することはとても難しいことでしょう。

 千歯扱き体験!

千歯扱き(せんばこき)を使った脱穀は各クラス代表5人に体験してもらいました。
体験の光景を眺める児童の中には“自分もやりたかった~”と残念がる子も普段は多いのですが、「やりたいけどがまん!!」と自分を律する子がいたのには驚きでした!えらい!

 

昔の粕壁小の机と椅子を体感

桐箪笥 開けるとそこには・・・

自由見学の時間では、かつて粕壁小学校で使っていた机や椅子などに腰掛ける児童や、桐箪笥に興味を持つ児童の姿が!実はこの桐たんすの中にも資料やクイズか仕掛けられていて、発見した児童は楽しそうにチャレンジしていました♪

 

ちなみに粕壁小は1~4時間目を利用して、1クラスずつ入れ替わりで見学するスタイルでの実施でした。というのも、粕壁小学校と郷土資料館(教育センター)は隣に位置しており、校内で教室移動をするのとさほど変わらない速さで来られてしまうからです!
お家が近い児童も多く、郷土資料館に来たことのある子もほかの学校と比べて多いようです。「この前来た!」と言ってくる子もいるほど!
せっかく近くにある郷土資料館です。これからもたくさん遊びに来てくださいね♪

八木崎小学校の3年生が郷土資料館を見学しました

令和6年2月16日(金)に八木崎小学校の3年生が郷土資料館を見学しました。

 

今日は校外学習ということで、強風の中、30分くらい歩いて郷土資料館まで来てくれました!

約60年ほど前の生活から現在に至るまでの「くらしのうつりかわり」についての学習がメインということで、今企画展示室の「くらしのうつりかわり~なつかしの暮らしの道具~」展の解説とともに、資料館内にある模型を中心とした解説も併せて行いました。

 

竪穴式住居模型の見学風景

まずは竪穴式住居の模型を見ながら、約5000年前の縄文時代の生活について解説です。

郷土資料館に入ると目に飛び込んでくるのが、縄文時代の竪穴式住居!子どもたちからも「リアルだ・・・」という声が漏れてきます(笑)

竪穴式住居の中には、「木の実」「魚」「貝」などの当時食べていたものや、「炉(ろ)」「土器」など生活道具が見て取れます。ちなみにこの土器の中で煮られているのは「かき」です。現在でも食卓に並ぶものが5000年前も食べられていることは大きな発見だったようです!

 

粕壁宿模型の見学風景

続いては日光道中粕壁宿の模型を見ながら、約200年前の春日部について解説です。

日光道中は江戸時代に日本橋から日光に向かうために作られた道です。その宿場の一つとして作られたのが粕壁宿。おかげで春日部に“まち”ができたんですね!

 

企画展示室での解説風景

そして企画展示室では、約60年前の生活についての解説をしました。

洗濯板やアイロンなど、現在は電気で動くものも、当時は手作業であったり、電気以外の動力(炭など)を使用していました。

手作業の一つとして、千歯扱き(せんばこき)を使った脱穀の体験もしてもらいました!

 

戦時中の絵手紙を読む子どもたち

クロックノールで遊ぶ子どもたち

自由見学の時間には、たくさんの展示と遊べるおもちゃなどで、存分に資料館を満喫している様子!

今日はたくさんの“昔”を学ぶことができましたね♪

 

今日は風が強くて歩いてくるのが大変だったかもしれませんが、郷土資料館は土日も開館しています(祝日は休館)ので天気のいい日にまた遊びに来てください!

【出張授業】でばりぃ資料館in幸松小学校

令和6年2月7日(水)に幸松小学校に出向き、第3学年の児童に向けて「でばりぃ資料館」を開催しました。

 

3クラスが「昔の家の道具」「昔の農業」「昔の学校の道具・60年前の春日部」の各テーマに分かれた教室に代わる代わる訪れ、見学や体験を行いました。

今回は図書室・理科室・郷土資料室を使用しましたが、図書室・理科室はいつもと違う風景に、また郷土資料室はめったに入ることのない教室なので、子どもたちは新鮮な気持ちだったのではないでしょうか!

 

図書室での解説風景

カタカナから始まる教科書を見学

「昔の学校の道具・60年前の春日部」の解説をする図書室では、昔の学校の教科書やランドセル、給食の道具などを観察し、直接手で触れてみることで現在との違いを感じてもらいました。

 教科書の大きさが違うことや、昔はひらがなより先にカタカナを学んでいたことなど、知らないことがいっぱいです!

 

郷土資料室での解説風景

人気の手回し洗濯機

「昔の家の道具」を紹介する郷土資料室では、見たこともない道具がズラリ!

手回し洗濯機や羽釜、電気釜など持参していったものを中心に解説をしましたが、郷土資料室にはでばりぃ資料館で使用する車には乗りきらないような大きな民具や資料もあり、部屋全体が展示室の状態です♪

本来なら昨年12月の“幸松っ子くらぶ”で郷土資料室を利用し、「郷土カルタすごろく」をする予定でしたが、残念ながら中止となってしまいました。

やってみると意外と盛り上がる「郷土カルタすごろく」!令和6年度の幸松っ子くらぶで遊べるかもしれないので、そのときはぜひ参加してみてくださいね♪

 

理科室での解説風景

簡易版籾摺り体験

「昔の農業」を紹介する理科室では、主に昔の米作りと体験を。

昔はどのようにして稲の状態からみんなが食べる白米にしていたのか、その過程を体験を通して学びました。

3年生ともなると体を動かすことが大好き!理科室に入るや否や「あれやりたい!」という元気な声が聞こえてきます♪

千歯扱き(せんばこき)を使った脱穀体験や、自由時間には簡易的な籾摺り(もみすり)・米つきなども行い、様々な体験ができたことで満足してくれた様子です。

 

幸松小学校からは毎年のようにでばりぃ資料館のご依頼をいただきます。次年度の3年生の先生に引き継いでもらえている様子。ありがたい限りです!

3年生だけでなく、他の学年でもご相談いただければ随時出張いたしますので是非ご連絡

ください!

武里西小学校のみなさんから見学の感想をいただきました

10月31日に、郷土資料館を見学した武里西小学校の3年生のみなさんから、来館の感想を掲示できる形でいただきました。見学の様子はこちら

郷土資料館出口の外に掲示していますので、ごらんください。

武里西小学校のみなさん、ありがとうございました。

武里西小学校感想

みなさんからは次のような感想をお寄せいただきました。

・お手玉がおもしろかった。

・縄文時代のくらしに興味を持った。

・むかしも家がちゃんとあった。

・縄文時代の本物のがいこつがあった。

・江戸時代は自転車や自動車がなかった。

・電気のない生活をイメージできた。

・ダイヤル式電話が気になった。

 

このほかに、「また行きたい」と書いてくれた人もいました。

ぜひ、ご家族とやお友達とまたいらしてください。

武里西小学校第3学年が郷土資料館を見学しました

令和5年10月31日(火)に武里西小学校第3学年が郷土資料館を見学しました。

 

今日は楽しい社会科見学のようです♪

最初に羽子板屋さんを見学してから、徒歩で資料館に来てくれました。

 

企画展示室での学習風景

企画展示室では、まだ電気が普及しきっていなかった時代の家庭の道具や、農具、勉強道具について職員から解説を受けました。

また、千歯扱き(せんばこき)を使った、脱穀体験もしてもらいました。

千歯扱き体験

脱穀の時、手にプツプツとした感触が伝わり、「楽しかった」「気持ちよかった」という感想が聞かれました。

 

常設展示室での学習風景

常設展示室では竪穴式住居の中をのぞき、職員の質問に答えながら、縄文時代の生活を学びました。

 

自由見学①

自由見学②

自由見学の時間にはおもちゃコーナーがやはり人気です!

また、今年資料館で寄贈を受けた3人用そろばんなども、その珍しさから人だかりができていました!

自由見学③

そんな中、昔の学校給食で使われていた資料や、、、

自由見学④

桐たんすに興味を持つこだわり派も!

 

入館前からワクワクが隠し切れない様子だった武里西小の児童たち♪もっと時間がほしそうだった子もチラホラ。

郷土資料館は土日も開館しているので、ぜひまた遊びに来てください!

 

「くらしのうつりかわり-なつかしのくらしの道具展-」は、令和6年2月25日(日)まで開催しています。

お子様からご年配の方まで楽しんでいただける展示になっていますので、皆さまぜひご来館ください!

#蔵出し 懐かしい写真も展示(くらしのうつりかわり展)

10月3日(火)より、小学校地域学習展「くらしのうつりかわり」展を開催します。

展示では、約60年前の春日部の写真や道具を展示します。小学校第3学年の社会科単元に対応したものであり、また、大人の方には懐かしく感じていただける内容となっています。

今回は、テレビモニターを活用して、昭和45年(1970)前後の春日部市域の写真をスライドショーで紹介します。今回、はじめて公開する写真もたくさん用意しました。たとえばこんな写真。

写真:昭和45年春日部駅前

昭和45年の春日部駅前(現東口)です。改札を出た正面にはお蕎麦屋さんがあったそうです。当時は、西口の開設がまだされておらず、文字通り春日部の玄関口であった頃の写真といえるでしょう。

昭和45年は、現在の春日部市庁舎が完成間近の年でした。

写真:昭和45年建設中の市庁舎

現在の市庁舎が完成したのは、昭和46年(1971)のこと。そののち、春日部駅に西口が開設されます。写真は、西口開設前の写真。

写真:昭和46年7月春日部駅西口側

西口改札の開設後、何もなかった土地が、だんだん、いや急激に開発されていくことになるのです。

写真:昭和47年駅前通り

現在の市庁舎の完成の昭和45年ごろ、市庁舎の建設からはじまって、春日部駅と駅周辺が大きくかわり、春日部の市街地が急激に変化しました。くしくも、春日部も、先日、新しい市庁舎の工事が竣工し、駅前は高架工事のさなかです。今、まさに春日部は新たなまちづくりの転機を迎えているのかもしれません。

ともかく、懐かしくもあり、知らない人は驚くかもしれない、蔵出しの写真を用意していますので、ぜひご覧ください。スライドの写真は、少しずつ増やしていく予定です。

展示名:第40回小学校地域学習展「くらしのうつりかわり~なつかしのくらしの道具展~」

会 期:令和5年10月3日(火)~令和6年2月25日(日) 月曜・祝日・年末年始は休館

会 場:郷土資料館企画展示室(春日部市粕壁東3-2-15 教育センター1階)

 

緑小学校、郷土資料館を見学!

2月7日(火)緑小3年生のみなさんが郷土資料館を見学しました。 #かすかべプラスワン

 写真:竪穴住居

社会科見学として、郷土資料館、消防署東分署を見学。

資料館では、縄文時代の竪穴住居のくらし、江戸時代の日光道中宿場町、そして、およそ60年前のくらし・まちのうつりかわりについて、学びました。

 写真:せんばこきの説明

自由時間には、昔のおもちゃコーナーで遊んだり、展示資料の昔の生活道具をメモしたり、スケッチしたり、はたまた60年前の航空写真をのぞき込んで、緑小学校や自宅を探していたりしました。

 写真:民具スケッチ

写真:航空写真をのぞく

見学時間が限られており、少しあわただしかったですが、十分に楽しめたでしょうか。「たくさんメモを書けた」と話してくれる子もいました。楽しかった人も、物足りなかった人も、土日も郷土資料館は開いています。週末にまた会おう。

【出張授業】でばりぃ資料館in幸松小学校

令和5年2月3日(金)に幸松小学校に出向き、第3学年の児童に向けて「でばりぃ資料館」を開催しました。

 

今回は幸松ルーム・理科室・図書室を使用し、それぞれ「昔の家の道具」「昔の農業」「60年前の春日部・学校」のテーマに分けて行いました。

教室で受ける授業とは異なり、3クラスが入れ替わりながら3部屋を訪れる形式なので、児童のウキウキした気持ちが伝わってきました(笑)

 

幸松ルーム授業風景①幸松ルーム授業風景②

昔の家の道具の解説は幸松ルームで。

幸松ルームには郷土資料室として多くの民具が設置されており、昔の家の道具だけでなく、各種解説パネル、農家で使われていた道具など、お宝がたくさん!実物に触れることで学びを深めていってください!

 

理科室授業風景①理科室授業風景②

理科室では昔の農業、特に米作りについてです。

昔と今、機械化される前と後の米作りの様子について比較しながら学習しました。さらに昔の米作り作業の一部を疑似体験し、体を使って印象に残るような経験を積んでもらえるような授業にしてあります♪

 

図書室授業風景①図書室風景②

図書室では60年前の春日部や学校の様子について。

昔の春日部の様子を写した大きな航空写真を見てもらい、当時の春日部市域の様子や、幸松小学校の位置、周辺の様子などを観察しました。また、昔の学校で使われていた勉強道具と今自分たちが使っている勉強道具を比較したり、当時の子供の等身大イラストなどを利用して背比べをして楽しく学びました!

 

幸松小学校は教育センターとさほど遠くない距離に位置しているためか、児童の中には郷土資料館に来たことがある子もちらほら。昔のおもちゃや楽しめる企画を用意してますので、ぜひお友達を誘って来てみたくださいね♪

 

学校の先生方にもご好評をいただいております“でばりぃ資料館”!第3学年だけでなく、日程、内容などご相談いただければ、各学年対応いたします。これからもぜひ、郷土資料館をご活用ください!

内牧小学校の3年生が郷土資料館を見学しました

令和4年10月26日(水)に内牧小学校の3年生が郷土資料館を見学しました。

 

郷土資料館見学風景

今日は社会科地域学習と総合的な学習の時間を組み合わせ、郷土資料館だけではなく、伝統工芸の桐箱づくりの見学、日光道中の道しるべの見学なども含めた充実の学習のようです!

 

千歯扱き体験写真

郷土資料館では常設展示の竪穴住居や日光道中の模型を見ながら学芸員の解説に耳を傾け、

企画展示室では「くらしのうつりかわり~なつかしのくらしの道具展~」を見学し、千歯扱きを使った脱穀体験を行いました。

 

館内自由見学風景

自由見学の時間には館内スタンプラリーや手作りおもちゃコーナーで遊ぶ姿が、なんとも楽しそうで印象的でした。

特別に兜を被らせてもらう子も♪

兜被り体験

カブトをかぶっとる!

 

今の小学3年生は、コロナの影響で入学当初から学校の休校や、校外学習の中止など大きな影響を受けてきた世代です。

そのようなこともあってか、資料館の展示やスタンプ、おもちゃなどに目を輝かせ、「楽しい♪」「おもしろーい!」という声が響いているように感じました。

 

これからもみんなが楽しく、安心して郷土資料館に来てもらえるように努めていきたいと思います。ぜひまた来てくださいね!

【展示】なつかしい町の駄菓子屋(資料編)

開催中の「くらしのうつりかわり」展では、少し昔の駄菓子屋について紹介しています。昔の駄菓子屋については資料が遺りにくいため謎が多いのです。

以前、店舗・店先について紹介しましたので、今回は展示資料について紹介します。

展示資料は、以前ご寄贈いただいたもので、昭和40年~50年代の駄菓子屋で売っていたおもちゃ類です。少し懐かしい感じで、販売された状態で残っているのは珍しいと思います。

展示資料は、いくつかあるのですが、今回紹介するのは、「テレビ人気者かるた」です。当時子どもたちに人気のあったテレビの主人公や登場人物が描かれています。札は自分で切り取るタイプで、バラバラにならずに残っています。

画像:テレビ人気者かるた(全体)

絵札をみると、おばけのQ太郎、サイボーグ009、バットマン、ウルトラマンなどが描かれています。多色刷りですが、色が重なっており、出来栄えはそれほどよくありません。「著作権」や「商標」といった権利関係もあいまいだった当時ならではの製品、いわゆる海賊版であり、コンプライアンスが浸透している現代日本では製作するのは困難であると思われます。

画像:カルタ絵札部分

読み札もあり、たとえば「お」は「おばQのはねつき」、「く」は「くにんめのゆうしゃサイボーグ009」といった具合です。以下、上の画像は「やーっペギラのしゅうげき」(ウルトラQ)、「えーいとばかりおのふるワタリ」(大忍術映画ワタリ)、「てきとたたかう遊星仮面」(遊星仮面)、「あなたのおなまえなんざんす」(オバQ)、「みをまもるバットマンカー」(バットマン)、「しょうちゃんのせてそらのさんぽ」(オバQ)、「ひとよんで遊星仮面」(遊星仮面)です。読み札が5・7・5にもなっていないのが特徴的です。

上記のキャラクターやジャングル大帝や鉄人28号などは、1980年代生まれの職員でも分かったのですが、そのほかのキャラクターについてはよくわかりませんでした。そこで読み札に登場するキャラクターを調べてみたところ、カルタは次の作品から構成されていることがわかりました。

  • 鉄人28号 1963年~66年
  • オバケのQ太郎 1965年~67年
  • 遊星仮面 1966年~67年
  • ジャングル大帝 1965年~67年
  • サイボーグ009 1966年(劇場版)
  • 怪鳥人間バットマン(実写) 1966年
  • ウルトラQ(特撮) 1966年
  • ウルトラマン(特撮) 1966年~67年
  • 忍者部隊月光(実写) 1964年~66年
  • 大忍術映画ワタリ(特撮) 1966年
  • マグマ大使(特撮) 1966年~67年

以上から、この「テレビ人気者かるた」は、1967年(昭和45年)ごろに制作されたものではないかと考えられます。

ただ、よくわからなかったのが、「のたうつ カネロン おさえつけ」の札で、ウルトラマンらしきヒーローが角の生えた怪獣を押さえつけている絵札があります。ウルトラQにはガメロンやカネゴンが登場するようですが、ウルトラマンには「カネロン」という怪獣は登場しないようです。

それから、「うちゅうにんじゃ ハチコン隊長」の札です、おそらく「忍者部隊月光」に関連したものだろうと考えられますが、作品を見たわけではないので残念ながら「ハチコン隊長」なる者が何者なのかわかりませんでした。ご存じの方がいらっしゃいましたら、教えてください。

いずれにしても、作品をよく知らない大人が、リサーチをきちんとせずに付け焼刃で作ったのだろうと想像されます。当時の子どもたちは、このカルタをどのように受け止めていたのでしょうか。

子どもたちの社交場である駄菓子屋の歴史は大変遺りにくいものです。先日の講演会でも、粕壁の駄菓子屋についてお話しがありましたが、子どものころの記憶は曖昧でわからなくなってしまいます。

展示資料から、昭和40年代の駄菓子屋を囲む子どもたちの情景を読み取ってみるのも面白いのではないでしょうか。おすすめの資料ですので、ぜひご覧ください。

【展示】なつかしい町の駄菓子屋(店頭編)

「くらしのうつりかわり」展は、少し昔の町やくらしを紹介しています。今回は、展示のみどころの一つでもある、新たに設けた一コーナー「こどもたちの社交場~駄菓子屋のきおく」の展示資料を紹介します。

今回、昭和31年(1956)生まれの粕壁地区の方に、子どもの頃によく通った駄菓子屋の店頭のイラスト(描き下ろしです)を提供いただきました。昭和30年代の粕壁には、いくつもの駄菓子屋があったそうです。

画像:駄菓子屋のイラスト

イラストは、現在の粕壁東1丁目3-18付近にあった「はっとりや」(服部屋)という駄菓子屋です。

入り口はガラス戸が4枚、床はコンクリートの三和土(たたき)。正面のガラス戸の戸棚にはプラモデルが並び、背の低い台には様々な駄菓子が並んでいます。間口奥行きともに2間程度の広さで子供の頃にはとても広く感じたといいます。

よく買った駄菓子は、「ピンク色の麩菓子」「赤いニンジン型の袋に入ったポン菓子」「真っ赤な大根の酢漬け」「きなこ棒」「串に刺した薄っぺらな鈴カステラ」「酢漬けイカ」「試験管に入ったヨーグルトっぽいやつ(竹串で食べる)」「風船ガム」など。夏には「アイス」「かき氷」「ところてん」を食べたそうです。私は世代が違いますが、「赤いニンジン型の袋に入ったポン菓子」「真っ赤な大根の酢漬け」「きなこ棒」「ヨーグルトっぽいやつ(竹串で食べる)」を食べた記憶があります。世代を超える駄菓子も少なくないようです。

玩具類では、「凧」「紙飛行機」「ゴム動力のプロペラ飛行機」「縄跳びの縄」「カラーボール」「銀玉鉄砲」「ゴムパチンコ」「パース」「コマ」「ベイゴマ」「花火類」があったそうです。「パース」というのは、春日部のあたりでは「めんこ」のことを指します(以前紹介したことがあります)。「はっとりや」では、他の駄菓子屋にはないプラモデルも売っており、初めて買ってもらったプラモデルはレーシングカーでとてもうれしかったそうですが、自分では組み立てられず、お父さんに作ってもらったそうです。いい思い出ですね。

駄菓子屋は、大人が立ち入らない「こどもたちの社交場」であり、写真や記録に残ることは稀です。このイラストは、写真などの資料に頼らず、子どもの頃の記憶を呼び起こして、本当に細部まで緻密に丁寧に描いたものです。もちろん絵心がなければここまで描けませんが、よく憶えているなぁと、ただただ感心するばかりです。「はっとりや」以外にも、展示では「たまや」「あいざわ」「やまざきや」のイラストも紹介しています。ぜひご覧ください。

次回は、駄菓子屋で販売されていた懐かしの玩具(展示中)について紹介します。お楽しみに。

明るく楽しく懐かしく

令和3年10月12日(火)市内の高齢者施設の方々が郷土資料館を見学されました。

今日は午前中が小学校の団体、午後が高齢者施設の団体と幅広い年齢層の皆様にご来館いただいきました!

 

くらしのうつりかわり展解説

昔の生活道具をご覧になり、白黒テレビをみて「これはダイヤルが取れちゃうんだよ~」という声がきこえたり、展示物に表記された年代をみて「俺の生まれた年だ」とおっしゃる方もいたりと、昔を思い出して賑わっていました!

宿場模型解説

他にも、宿場の模型をみて「江戸博みたいだな」とおっしゃる方や、なつかしのおもちゃ「けん玉」で遊ぶ方もいらっしゃり、本来予定していた見学時間を上回るくらい楽しんでいただけたようです。

 

郷土資料館はデイサービスなど、高齢者施設の方々の見学も歓迎しています。換気や消毒などの感染対策を行ったうえで、団体見学のご希望もお待ちしておりますので、ぜひご相談ください。

 

懐かしい暮らしで元気に

11月8日(日)市内の高齢者施設の方々が #春日部市郷土資料館 を見学されました。 #かすかべプラスワン

みなさん、高度経済成長前後の生活道具をご覧になって、「若いころちゃぶ台を使っていた」とか「炭を使って、アイロンを使った」など、昔のことを懐かしんでお楽しみいただけたようです。

写真:高齢者施設の方々

郷土資料館はデイサービスなど、高齢者施設の方々の見学も歓迎しています。

なお、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、入館は一度に30人程度までとさせていただいております。団体でご見学を希望される場合は、事前にご相談いただければ幸いです。

【はじまりました】「くらしのうつりかわりーなつかしい昔の道具」展

令和2年10月6日(火)より、小学校地域学習展(第37回)「くらしのうつりかわりーなつかしい昔の道具展」がはじまりました。

この展示では、今から約60年前の、道具やくらしの変化、そしてまちのうつりかわりを紹介するものです。小学校第3学年の社会科地域学習単元に対応した内容になっていますので、お子様でも楽しく学べる内容になっています。ご家族でぜひご利用ください。大人の方は、昔を懐かしんでいただける内容として、お楽しみいただけます。

画像:展示のポスター

この展示会は、毎年恒例なのですが、コロナ禍にあってハンズオン展示が難しいということもあり、今回は大幅に展示物や陳列方法を見直してみました。

担当者のおすすめは、新設した「切手と収蔵品でたどる20世紀」のコーナーです。

写真:展示資料

平成11年・12年に発売された20世紀デザイン切手を軸に、切手の図柄に描かれるゆかりの収蔵品を合わせて並べてみました。しかし、数万点はくだらない当館の収蔵品でも、昭和40・50年代の資料は乏しく、頭を悩ませました。

そこで、粕壁のレコード店に駆け込み、当時流行したレコードを捜し、陳列することにしました。ピンク・レディー「UFO」、ささきいさお「宇宙戦艦ヤマト」、山口百恵「秋桜」などがそれです。担当者は同時代を知りませんが、レコードジャケットの風合いが懐かしさを醸し出していると思います。そのほかにも、時代を象徴する出来事にゆかりの資料を展示していますので、ぜひご覧ください。

 

展示名:小学校地域学習展(第37回)「くらしのうつりかわりーなつかしい昔の道具展」 

会期:令和2年10月6日(火)~令和3年3月21日(日)

休館日:月曜日・祝日・年末年始

入館料:無料