ほごログ(文化財課ブログ)

カテゴリ:郷土資料館

博物館実習1日目

本日から博物館実習が始まりました。初日ですので、午前は館長からご挨拶を頂き、学芸員の鬼塚さんから施設の説明を聞きました。

その後、施設内を案内して頂きました。燻蒸室や収蔵庫を見せて頂きました。私は収蔵庫や燻蒸室を実際に見たのは初めてだったため、資料の保存の仕方などがよくわかりました。最後に展示室の案内をして頂き、展示物の解説をしてくださりました。

写真:展示室の見学

午後からは、最初にディスカッションを行いました。内容は「資料館について」「学芸員資格を取った理由」などです。実習生一人一人意見が出てきたのでお互いの考えがよくわかりました。
次に、資料館が実際に所有している資料を使って、その取扱いを学びました。取り扱った資料は、壺形の土器と巻子、掛け軸です。巻子と掛け軸は学校の授業で取扱いの仕方は教わっていたのでそれなりに扱えていたのではないかと思います。しかし、土器は初めて扱ったので少々苦戦してしまいました。今後のためにもよく復習しておきたいと思います。
 写真:弥生土器の梱包

写真:掛け軸の取り扱い

(令和元年度 博物館実習生)

「元祖!成金 鈴木久五郎」を開催します

8月16日(金)ミュージアムトークの情報を更新しました。
7月23日(火)より、第61回企画展示「元祖!成金 鈴木久五郎ー鈴久を生んだ商いのまち春日部」展を開催します。
鈴木久五郎(すずききゅうごろう・1877年生、1943年没))、通称「鈴久(すずきゅう)」は、春日部市八丁目出身の実業家です。「元祖成金」とも称された鈴木久五郎のゆかりの資料を展示し、「鈴久」の実像に迫ります。

会期:令和元年7月23日(火)~9月8日(日)

休館日:7月29日(月)、8月5日(月)、8月11日(祝日)、8月12日(月・振替休日)、8月19日(月)、8月24日(土)12時以降、8月25日(日)、8月26日(月)、9月2日(月)
*8月24日(土)12時以降、8月25日(日)は、教育センターが埼玉県知事選挙の投票所となるため休館します。


会場:郷土資料館 企画展示室(春日部市粕壁東3-2-15 教育センター1階)

観覧料:無料

<関連イベント>
●企画展示記念講演会「成金鈴木久五郎の時代」
水村 典弘(みずむら のりひろ)さん(埼玉大学経済学部教授)を招き、明治・大正時代に成金や現代の経営倫理などについて、分かりやすくお話しいただきます。


日時:令和元年8月31日(土曜日)午後2時~午後4時(午後1時30分開場予定)

会場:春日部市教育センター 2階視聴覚ホール

定員:100人(申し込み順)

申し込み方法:直接、または電話で郷土資料館にお申し込みください。

●「元祖!成金鈴木久五郎」展ミュージアムトークー好評につき回数を増やしました

企画展示(第61回)「元祖!成金鈴木久五郎-鈴久を生んだ商いのまち春日部」の展示資料について担当の学芸員が解説します。


日時
令和元年7月24日(水曜日)
令和元年8月10日(土曜日)
令和元年8月16日(金曜日)
令和元年8月22日(木曜日)

令和元年9月1日(日曜日)

いずれも午前10時30分~、 午後3時~(各30分程度)

会場:郷土資料館 企画展示室

申し込み:不要。直接ご来館ください。

元祖!成金鈴木久五郎展チラシ元祖!成金 鈴木久五郎展リーフレットPDF(407KB)

「指定文化財でめぐる春日部」展示ガイド

第60回企画展示「指定文化財でめぐる春日部」は7月7日に、無事終了いたしました。
ご来館いただいた皆様、誠にありがとうございました。
会場で配布しておりました「指定文化財でめぐる春日部展示ガイド」をPDFにて掲載いたします。どうぞご利用ください。
指定文化財でめぐる春日部展示ガイドPDF




指定文化財でめぐる春日部展示ガイド(pdf 751KB)


展示最終日には、2回のギャラリートークを実施いたしました。
ご質問いただいた中で、間違えてお答えした部分がございますので、正しいお答えをこちらに掲載し、お詫びいたします。

「西金野井香取神社領朱印状」に関連して、「朱印と黒印のちがい」についてご質問をいただきました。
徳川将軍代々の「朱印」は、10万石未満の領主の所領認定や特定大寺院以外の寺社領地の認定などで用いられました。なお10万石以上の領主の所領認定には、花押が使用されていました。
対して「黒印」は朱印を押す朱印状よりも簡易な文書に使われたようです 。使い分けについてははっきりしていない部分もありますが、朱印の方が黒印より相手に対してより丁寧であると考えられています。(『岩波 日本史辞典』1999)

ギャラリートーク

千葉大学の学生さんが来ました!

7月6日(土)博物館実習の授業の一環で、千葉大学の学生たち9名が春日部市郷土資料館に来ました。

午前は、館の概要・特徴を案内したのち、体験ワークショップ(記事は午後の部)に参加し、子どもたちと一緒にブンブンゴマを製作しました。コマを回せた人と回せなかった人がいたようです。結構難しいですよね。

午後は、館蔵の資料整理にご協力いただきました。未整理の文書箱を開梱して、資料の概要調査の調書を作成してもらいました。

写真:作業の様子

写真:作業の様子

今回整理した資料は、市内の商家からいただいた明治時代から昭和50年ごろまでの文書群です。われわれ職員も初めてみる資料がザクザク。春日部の近現代史は、まだまだ深められそうです。
みなさんも各自の関心で興味深く資料を拝見されていたようなのでした。
引率された先生をはじめ、学生のみなさん、お疲れさまでした。
学芸員の卵のみなさんにとって、有意義な時間になりましたでしょうか。

指定文化財の古文書ー指定文化財でめぐる春日部

本日7月7日まで、第60回企画展示「指定文化財でめぐる春日部」開催中です。

今回の「指定文化財でめぐる春日部」で展示している指定文化財の古文書をご紹介します。

「北条氏政の感状(ほうじょううじまさのかんじょう)」
永禄12年(1569)3月14日に北条氏政から春日部の多田新十郎に、戦功を賞して与えられたものです。
北条氏政感状

「西金野井香取神社領朱印状(にしかなのいかとりじんじゃりょうしゅいんじょう)」
徳川将軍家から与えられた神社の10石の土地を保証するための文書です。天正19年の徳川家康をはじめ、歴代の朱印状12通が伝わっています。
徳川吉宗の朱印状
8代将軍徳川吉宗の朱印状

「小流寺縁起(しょうりゅうじえんぎ)」
小流寺に伝わる縁起で、江戸川開削の基本資料として評価されています。
小流寺縁起

「長久記(ちょうきゅうき)」
西宝珠花村の旧家、芝田家に伝来する古文書で、文化11年(1814)から大正11年(1925)までの約100年間、代々の当主によって書き継がれたものです。
長久記

「粕壁宿検地帳(かすかべじゅくけんちちょう)」
江戸時代の粕壁宿の耕地や屋敷地を測量した際に作られ、元禄10年(1697)の検地帳5冊のほか、その後の新田開発に関わる検地帳が残されています。
粕壁宿検地帳
寛永6年(1629)の検地帳

また、展示している指定文化財の歴史資料をご紹介します。

「西金野井香取神社の棟札(にしかなのいかとりじんじゃのむなふだ)」
徳治元年(1306)に破損した香取神社の板屋根を修理したという内容が書かれたものです。徳治元年から神社が存在していたことなどを伝えます。
香取神社の棟札

いずれも、中世から近世の春日部の人々が残した貴重な記録です。この機会にぜひご覧ください。皆さまのご来館をお待ちしております。