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2025年12月の記事一覧

校長室のひとりごと「次期学習指導要領」

 以前も話題にしたことがありますが、学校は文部科学省が定める「学習指導要領」と呼ばれる教育課程の基準に基づき日々教育活動を行っています。これは日本全国どの学校でも一定の水準の教育が受けられるようにと、各教科で教える内容や目標などが示されており、概ね10年ごとに改訂されています。現在の中学校学習指導要領は平成30年に改訂されたもので「社会に開かれた教育課程」「主体的・対話的で深い学び」「カリキュラムマネジメント」と大きく3つのポイントが掲げられています。本校でもこの3つのポイントの実現を目指し日々教育活動に当たっているところです。ところで既に次期学習指導要領改訂に向け文科省の各分科会において細かい内容の検討が進められています。道徳部会では10代の若者が巻き込まれるケースが少なくない「闇バイト」問題について検討を進めているそうです。また、生成AI(人工知能)の発達に伴い「フェイクニュース」問題を取り上げ、SNSが普及する社会の中での関わり方などが盛り込まれるよう検討が進んでいます。

 よく「先生ってあれもこれもと大変だよね」と言われることがあります。確かに教員の多忙化という言葉も近年では当たり前に聞かれます。現代社会では加速度的に変化が著しく、前述のように時代や社会に即した指導内容が増えてきます。しかし代わりに減らすということはほとんどありません。これも先生方が忙しい原因の一つかもしれません。

校長室のひとりごと「プラマイゼロ?」

 世の中便利になると、それまでの何かを失っているように思えてなりません。例えば、自動車のナビゲーションがまだない時代は、運転しながら道路地図を膝に置き、信号待ちの寸暇を惜しんで進行方向に地図を合わせるようにひっくり返したり、曲がる場所を忘れないように交差点の名前を何度も繰り返しながらドライブしていたものです。そうして道を覚えていたように思います。今はナビに目的地をセットすれば画面を見なくても音声案内で目的地まで連れて行ってくれます。おかげでさっぱり道を覚えなくなりました。

 私はTVのニュース、情報番組、新聞、インターネットなどで様々な情報を仕入れています。最近の機器の進化もありインターネットには自動検索機能があり興味があるであろう情報をAIが予想し、次から次へと関連する情報を提供してくれます。例えば教育関係であれば、次から次へと新たな教育関係の情報の見出しが示されるため、教育関係で深掘りすることはできても、教育に関係のない未知の分野の情報に寄り道することが難しくなっているように感じます。情報が偏らないようアナログな新聞などもすすんで読むようにしています。

 数年前にテレビを買い換えました。別に映らなくなったわけではありません。付属のリモコンが壊れてしまったのです。家電量販店に行けばメーカーや機種に合う互換性のあるリモコンが売っていますが、どれも直近10年前後の機種にしか対応していません。電源や選局などはTV本体の裏から操作できるものの、それ以外の操作はリモコンでしかできず、やむなくテレビを買い換えました。ソファに座ったままで操作ができるリモコンは便利なのですが、いざというときに困ってしまいました。

校長室のひとりごと「今時はピッ!」

 師走に入り、めっきり冷え込むようになってきました。夏の「猛暑」「酷暑」の記憶はいつのまにか薄れてきています。野田市の中学校の体育館にエアコン(空調)を設置するための工事が始まっています。今年度と来年度に分け市内全ての中学校の体育館にエアコン設置が完了見込みです。もちろん「暑いから」なわけですが、中学校の体育館は災害や有事の際に避難所になることを考慮し、まずは中学校に設置だそうです。このように体育館にエアコン設置の動きは全国的に広まっており、既に設置が完了している市町村も少なくありません。「真夏の避難所」ということで、エアコンだけではなく飲料水の自動販売機を校内に設置している学校も増えています。高校や私学ならまだしも、さすがに公立の中学校に飲料水の自動販売機、古い考えの私には違和感があります。真夏に避難所としての水分補給という面ではありがたい限りですが、日常生活の中で中学生が利用するのかどうか、自治体によって判断が分かれているようです。日常的に中学生が使用している学校は、昼休みや放課後の部活動前後など自由に利用しているそうです。教員として一番気になるのはお金の管理です。既に自販機を設置し生徒が自由に利用できる学校は、今時はお金ではなくスマホで「ピッ!」と決済しているので金銭のトラブルの心配はないと話しています。「なるほど~」と納得しつつも、スマホを自由に持ってきて、生徒が自分で管理しているということに、驚きと頭の中の整理が追いついていない自分に気がつきました。

校長室のひとりごと「いったい何時?」

 日常の会話の中で、我が子たち(既に成人)と話がかみ合わないことがあります。どちらが悪いのかおかしいのか・・・というより昭和世代の私と若者ではそもそも認識が違うようです。先日「今何時?」と尋ねられ「12時10分前」と答えました。これを読んでいる皆さん、いったい何時だと思いますか?時計の針は11時50分を指していたので、私は「12時10分前」と答えたのですが、最近の若者は、12時10分前とは「12時10分の前」つまり12時7.8分だと認識するようです。屁理屈の多い我が子達だけかと思えば、どうやら最近の若者に多い認識の傾向だそうです。また「1,000円弱」とはいくら位を思い浮かべますか?私は980円位を思い浮かべますが、若者は「1,100円位」と思い浮かべる人も少なくないとか。なぜ1,100円かというと「1,000円」と「弱」を別々に考え、双方を足して1,100円と認識しているそうです。日頃から若返った先生方や中学生相手の仕事なだけに、相手の常識や認識を考慮することが大切だと感じました。

 日曜日、街中で会合があり妻に車で送ってもらいました。到着して車を降りる際に「お迎えは何時?」と聞かれ、「2時10分前頃」と答えました。しかし1時50分になってもお迎えは来ません。結局2時7.8分頃迎えに来てくれました。「まさか妻までも令和にアップデートか?」と思った瞬間「ゴメンうっかり忘れてた」という一言。お迎えが遅れたことの腹立たしさより、時間の認識が昭和世代で良かったと感じました。

校長室のひとりごと「便利だけどお節介」

 12月に入ると今年1年間を振り返るような様々なイベントが行われたりランキングなどが発表され、年末の一つの風物詩になっています。先日ノミネートされた新語や流行語の中から昨日「2025新語・流行語大賞」が発表されました。見事(?)年間大賞に輝いたのは「働いて働いて働いて働いて働いてまいります」という高市総理の自民党総裁就任演説の一節でした。インパクトありましたもんね。せっかくなので他のトップ10も紹介しましょう。「トランプ関税」「国宝(観た)」「二季」「エッホエッホ」「古古古米」「ミャクミャク」「緊急猟銃/熊被害」「戦後80年/昭和100年」「オールドメディア」でした。また審査員特別賞として「ミスタープロ野球」、受賞者は巨人軍の終身名誉監督の長嶋茂雄さんと発表されました。

 同様にこの時期気になるのが清水寺で発表される「今年の漢字」です。「ところで今年の漢字の発表はいつだろう」と検索すると12月12日「漢字の日」に発表されると書かれていました。そして驚いたことに「今年の漢字発表はいつ?」と検索しただけなのに、AIによる予想が表示されました。「米」「熊」「万」「暑」などの漢字が予想されており、何だかうれしい反面、発表当日の楽しみが少し減ってしまったかのような微妙な感覚でした。実際のところAI予想の中から今年の漢字が選ばれるのでしょうか。