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校長室のひとりごと

校長室のひとりごと「パリ五輪(その2)」

 連日パラリンピックの日本選手の活躍が報じられています。4年に一度のスポーツの祭典、選手たちには、大いに楽しんでほしいと思います。
 パリ五輪は開会式をセーヌ川で、パラリンピックではコンコルド広場などで行うなどパリの街並みが印象的ですが、一方で「メイン会場」となる陸上競技場の映像を見る機会が少ないように感じています。前回の東京五輪での国立競技場にあたるメイン会場「スタッド・ド・フランス」は陸上競技の映像以外では、ほとんど目にすることがありませんが、実は画期的な工夫がなされています。
 陸上競技場といえば周囲を大きなスタンドに囲まれ、中央のフィールドは一面緑の芝生。そしてフィールドとスタンドの間には陸上競技の400mトラック、全天候型のタータンに真っ白なラインでレーンが区切られています。では、陸上の400mトラック(地面)は何色をイメージしますか?日本の国立競技場のようなレンガ色を思い浮かべるでしょう。昔の競技場は茶褐色の「人工土アンツーカー」が主流で、1964年の東京五輪の国立競技場もこのアンツーカーでした。その後1968年メキシコ五輪で現在のようなタータンが採用され陸上競技場の主流になりましたが、「人工土アンツーカー」の名残で世界中多くの陸上競技場はレンガ色のタータンを使用しています。
 今回のパリ五輪、パラリンピック会場「スタッド・ド・フランス」の400mトラックは見慣れたレンガ色ではなく「紫色」です。実はリオ五輪でも「ブルータータン(青色)」が採用されましたが、紫色はこのパリが初めてです。一般的に赤色は「緊張を高め闘争心を煽り興奮させる効果」があるとされていますが、青(紫)色には「緊張を和らげ集中力を向上させる効果」があるそうです。多くの競技場を経験している陸上選手でも「紫色」は初めてなので、一層集中力が増し、好記録を期待しての「紫色」だそうです。
 パリ五輪陸上競技では、棒高跳びで世界新記録が、男子100mでは、決勝を走った全員が9秒台という好記録が生まれたのも「紫色」の効果かもしれませんね。 
「スタッド・ド・フランス」の映像が映った際には注目してみてください。