2021年6月の記事一覧
大人になる No23
【 夢をかなえる ④ ~自分を信頼する~ 】
自分で考えて人生を選ぶ時には勇気がいるものです。その勇気はどうやって持てばいいのでしょうか?私は、まずは自分を信じることから始まると思います。自分には、自分だけの良さがあり、それをみんなが求め、必要としているはずです。音楽でも美術でも文学でも、名作を生み出した人の多くは、若い頃、君と同じような不安を抱えていたに違いありません。スポーツでプロとして活躍した人も同じです。でも彼らは、認めてくれる人がいないときでも、自分を信じ、目標に向かってまっすぐに進んだからこそ道が拓けたのです。君は、いままで自分に自信が持てず、いつも大事なところで弱気になったり、積極性を発揮できなかったりを繰り返してきたのではないだろうか。人は君のことを、謙虚で優しい人なんて言ってくれるかもしれません。確かに、人との付き合いでは、謙虚であることが必要なこともあります。しかし、自分の人生を選択するような大事な場面では、それではうまくいかないことの方が多いと思います。そういう時は、自分がうまくできた時のことを思い出し、自信を持とう。例えば、みんなの前で、うまく発表できたこととか、職場体験で小さな子供たちに慕われたこととか、思い切って先生に反論したら先生もわかってくれたときのことなど。自分の得意なことや良いところに気持ちを集中させていると、それだけで自分を信頼する気持ちが高まってくる。それだけで自分を好きになり、自分を信じるための土台が、自然に君の中に築かれていくのです。 つづく (6月7日 校長)
大人になる No22
【 夢をかなえる ③ ~成功って何だろう~ 】
成功にはどんなイメージを持っていますか…。お金をたくさん持っている人のことでしょうか?権力を手にしたかで成功を測る人もいるのでしょうか。成功するということは、友達をたくさん作ることかもしれない。何かをつくり出したり、好きなスポーツを学校を卒業後も続けることかもしれない好きなことをやっている人は、絶対的に幸せだと私は断言する。私は教員になり、日曜日の夜や月曜日の朝に憂鬱な気持ちになったことは一度もない。毎日、明日はどんなことを朝の会で話そうか、授業ではどんな取り組みをしようか、陸上部の練習メニューは何にしようかと考え、明日もやるぞ!という気持ちでいました。今の時代の働き方には合わないが、土日も毎週部活動をやり、お盆休み返上で全国大会のためにグランドに立った。年末年始も駅伝(当時は1月の中旬に県大会が行われていた)の練習でグランドに立ったが、それが苦痛だとは一切感じなかった。校長になった今も、仕事を生きがいにする気持ちは少しも変わらない。充実した日々を学校で送っている大変幸せな人間だとつくづく思う。諸君も好きなことが職業につながったら最高だと思います。人は、真剣に打ち込むものを持っていると充実感が得られます。また友達をたくさん持っている人は、分かち合う喜びを知ることができます。つまり成功はお金では測れないと私は思います。自分が人の役に立てるということを実感したり、自分の知っていることや感じた喜びを誰かと共有したりすることが成功なのではないだろうかと私は考える。いまあるものをかけがえのないものだと感謝する人もいる。そんなシンプルな生き方もある。どれだけお金や物を持っているかなんて大事なことじゃない。そんなことを望む必要もない。健康でシンプルでスッキリした人生を送ることができたら、それも成功の1つの形だと思います。成功とは何かを決めるのは君自身の心です。成功に決まった形があるという考えは、もう捨てた方がいい。 つづく(6月4日 校長)
大人になる No21
【 夢をかなえる ② ~中学校卒業後の第一歩は…~ 】
今日は3年生の生徒、保護者合同の進路学習会を行いました。3年生の生徒諸君は、あと10ヶ月後には、小、中学校9年間を共に過ごしてきた仲間と別れ、それぞれの人生の第一歩を踏み出すのです。どの方向に一歩を踏み出すのかは、人それぞれ…。多くの者は、高等学校に進学するのでしょう。そこで、どの高校に進学するのかが当面の考えなければならない課題となります。考えるときに参考とする高校の特徴は、通学距離や時間であったり、入学試験を勝ち抜くための自分の学力との関係であったり、3年後の進学先や就職先であったり、やりたい部活動の有無や活動状況も気になることでしょう。気をつけなければならないことの1つは、いわゆる学力テストの偏差値だけで高校を決めることです。同じ位の偏差値の高校でも、見学会や説明会、体験入学に参加してみると、それぞれの特徴があって、雰囲気は全く違うことも少なくありません。これは人間と同じで、人間も学力テストの偏差値が同じ2人がいても、顔も性格も、体つきも、雰囲気も皆それぞれ違いますよね。ですから、学校の特徴をよく調べる必要があるのです。また、県立か私立かなど設置者の違いにより学費なども違ってきます。今は各世帯の収入に応じて、補助金が出る制度がありますので、私立イコールお金がかかるという時代ではなくなってきています(私が担任をしていた時代は、三者面談をすると、「うちは私立に行かせるお金がないから、県立一本勝負で!」というご家庭も少なからずありました)。私が一番大切にしてほしいと思う進学先の決め方は、将来の自分を考え、そこから逆算して人生を考え、中学校卒業までたどり、どんな学校に進むことが必要なのかを考えるというものです。例えば、私のように学校の教員になりたいと思う者は、大学で教員になるための勉強をして、教員免許状を取得する必要があります。その上で、各県の教員採用試験を受験し、合格すると先生として学校で働くことができるのです。よって、大学選びは教員免許状が取れる大学を選ぶ必要があります。また、高校選びは、そのような大学に進学実績のある高校を選ぶことが将来の夢をかなえることに近づくというわけです。これから生徒諸君は、まず自分自身を見つめ、考え、悩んでください。そして、保護者や担任をはじめとする先生方と話し合うことも必要です。幼い時とは違い、将来のことを考えることは、楽しみより不安が多いものです。しかし、その不安をゲームをすることでごまかしたり、逃げたりしていては、一歩も夢に近づくことはできません。君は一人じゃない!仲間やまわりの人と一緒に、人生を切り拓くためにがんばっていこう。(6月3日 校長)
大人になる No20
【 夢をかなえる ① ~世界は変化している~ 】
世界は刻々と変化している。いままでの常識や価値観はもちろん、人々のモラル(道徳観やマナー)も変わってきた。古い価値観にとらわれずに、新しい考え方で生きようとしている人は増えているけど、そこにはまだ困難がつきまとっている。技術が進歩して、人々は瞬時に色々な人とコミュニケーションできるようになった。昔は手を伸ばしても届かなかったのに、いまは世界がすぐそこにある。しかし、それゆえに大量に流れ込んでくる情報に圧倒されて、自分を見失ってしまう危険性もある。また、男も女も、若者も定年退職後の人も、誰もが色々な生き方があることを知って、自分なりに人生を選びたいと考えるようになった。いつの時代も若い人の多くは、自分を反抗的な人間だと思い、保護者や先生の言う真面目な生き方は嫌だと思うものだ。でも、どうしたら自分なりの生き方ができるのかわからなくて、悩んでいる若者もいるだろう。人生を決断する時は勇気がいる。一歩踏み出してみても、すぐに成功するとは限らない。選ぶ仕事によっては、長い間下積みをしたり、知識や技術を学んだりしなければならない。失敗すれば多くのものを失う可能性だってある。きっと多くの保護者や先生方は、昔ながらの考えに立って、君に意見するだろう。ときには、保護者が勧めるとおりに生きた方がいいように思えたりすることもある。自分らしく生きてみたいと思うけれど、保護者の期待にこたえたいという気持ちだってある。そこで、一度立ち止まって考えてみよう。君にとっての成功とか幸せとは、いったい何なのか…。つづく (6月2日 校長)
大人になる No19
【 自分を好きになろう 】
6月になりました。今日は天気が良くて、とても気持ちがいいですね。5月は、体育祭や中間テストなどをがんばった生徒の姿をたくさん見ることができました。また、5月にがんばり切れなかった生徒もいたかもしれません。でも大丈夫!今日からまた新たに自分づくりをしていこう。さて、自分を好きになるということは、大人にとっても、子どもにとっても、難しいことですよね。どうして私は、こんな容姿なのだろうとか、どうして僕は、友達とうまくやれないのだろうとか、どうして自分は勉強ができないのだろうとか…。生活の中で、いつもそんなふうに自分のマイナス点ばかり数えあげ、ため息をついていませんか…。特に中学生くらいの年頃だと、自分と他人を比較して、背が高い・低いとか、足が速い・遅いとか、絵が上手・下手とか、テストの点数を比べたりしがちですよね。でも諸君には、他人と自分を比較して、落ち込んだり、優越感に浸ったりするような生き方、考え方ではなく、かけがえのない自分を認め、好きになり、だからこそ自分を高めるための努力をし、そして同時に他人も同様にかけがえのない存在であることを認め、大切にできる人になってほしい。ここで、自分を好きになり、自分をかけがえのない存在と感じることを、英語では、Self-esteem(セルフエスティーム)といいます。日本語では聞き慣れませんが、自尊感情といいます。しかし、私達はともするとSelf-esteemを感じることのないまま、Powerlessness(パワーレスネス)つまり、無力感ばかりを感じ、自分の価値がわからなくなってしまうことが少なくありません。自分の感情を抑えることなく主張し、その上で相手をも尊重するという考えや行動をアサーションといいます。ありのままの自分や他人を認め、自分の中にある力を信じて、1つ1つの出来事に対処していくための方法です。社会の中の様々な問題やゆがみを解決する糸口は、まずは、とにかく自分を好きになることが第一歩なのかなと思います。(6月1日 校長)