飯中 Now
大人になる No26
【 中学生には夏がよく似合う 】
明日は学校総合スポーツ大会の集中日です。今日はその初日として、東中学校を会場に水泳の大会が行われています。中高生にとっての部活動とは、授業だけではなかなか身に付かないこと、例えば健康で力強く生きるための体力やどんなことにも負けない強い心、また、授業だけでは学びきれないこと、例えば礼儀、感謝の心、友情などを学ぶ青春の活動です。運動部の3年生にとっては、この学校総合スポーツ大会をもって、中学校の部活動を引退することになります。私は個人的には、引退ではなく、進路を切り拓くための準備(主に勉強)を優先するため、活動を停止しているに過ぎないと思っています。以前、私が鷲宮中学校で陸上部の顧問をしているときに、3人とも入れ替わりで陸上部で活動した3兄弟がいました。上の兄が在学中に小学生だった弟たちも小学生ながらグランドで一緒に走っていました。彼らは、3年生の夏の最後の大会が終わっても、正式な大会には出場権がないにもかかわらず、3月31日まで毎日部活動に参加し、後輩たちと練習をしていました。卒業後も大会が終わると必ず結果の報告をしてくれました。数年後には、東京マラソンで優勝し、その時も結果報告の電話をくれました。公務員ランナーと呼ばれた川内選手です。彼らは部活動を理由に勉強ができないようなことは当時の顧問(私)に許されていませんでしたので、勉強も手を抜かずにやりましたし、それ以上に陸上競技に打ち込む魂があったのです。飯沼中の生徒諸君はどうですか…。中学生には夏がよく似合います。日焼けした顔、さわやかな汗、真剣な表情、そして美しい涙…。3年生の生徒諸君、明日は全てを出し切り、悔いの残らない試合をしてほしい。そして後輩達は、その姿を心に焼き付け、先輩方を越えられるよう、今後さらにがんばってほしい。(6月11日 校長)
大人になる No25
【 また1つ大人に近づきました 】
今日は、年に1度の生徒総会。生徒総会とは一体何でしょうか。担任の先生から説明はあったでしょうか…。私は本当の名称は、生徒会総会だと思っているのですが、生徒総会とは、生徒会の総会です。人は1人では生きてはいけませんよね。人が複数で生活するところには、ルールというものが存在します。また、複数の人の集まり(組織といいます)には、役割分担があったり、みんなのために使う目的でお金を集めたりします。そして年に1度(多くの組織は4月や5月)、総会という全員の集まる会議を開き、代表の役員から、昨年度はこういう活動をしました。みなさんから集めたお金はこういう使い方をしました、という報告を受けます。次に、今年度はこういう活動を予定しています、また、お金はこういうことで使う予定ですと説明を受けます。これらの報告や説明を聞き、会員全員でそれでいいかを考え、多数決を取ります(承認するといいます)。総会に関する一連の流れは、職場の総会でも、地域の自治会の総会でも同じです。先生方も春日部市の先生方の総会とPTA総会など職場に関する総会を毎年4、5月に行います。今日は生徒会の総会だったわけですが、生徒会の会員である生徒諸君一人一人が、より良い学校生活にするためによく話し合いに参加していたと思います。なお、今年度は新型コロナウイルスの影響で、体育館ではなく、zoomを使っての各クラスでのリモートによる総会となり、また議案の承認についても、Google foamによる議決となりました。若い人たちの適応性は目を見張るものがあると感じました。飯沼中の生徒達は今日、大人になるための経験を1つ重ねました。
次に、今日は3年生の家庭科の授業を教育委員会の先生方が参観に来ました。内容は、収入と支出を具体的に想定して、1ヶ月の生活の仕方を考えるという授業でした。自分が中学校時代にこのような内容の授業を受けた記憶がないなぁと思い返してみたところ、校長先生の中学時代は、男子が技術、女子が家庭科と男女に分かれて習っていたのです。つまり、私は家庭科を中学校で習っていなかったのです(体育も男女で別修でした)。今日は、毎月かかる生活費の一覧表から、家計簿のようなものを作っていくと、どの生徒も感想で述べていましたが、「無駄遣いをしてはいけない」、「こんなに毎月学校や塾の費用がかかっているとは思わなかった」、「貯金も大切」、「親に感謝」などの感想を持ったようです。このような実生活に即した学びも大人になる上で必要なことです。飯沼中は、生徒諸君が大人になるための学び舎なのです。(6月10日 校長)
今日の飯沼中
大人になる No24
【 夢をかなえる ~素晴らしい人生~ 】
せっかくの人生なんだから、素晴らしい人生にしたいですよね。そのためには、自分が必要としているものを、ためらわず自分自身に与えよう。与えると言っても、ただ待ち続けているだけではダメです。積極的に自分で行動を起こそう。それは知識を得ることだったり、経験を重ねることだったり、資格を取ることだったり、そして前向きな心や体力であるかもしれない。植物が日の光や水を得て成長し花を咲かせるのと同じで、君が人生の花を咲かせるために必要なものを自分で考え、自分に与えよう。疲れたら休んだっていいんです。いつでも身体や心の声に耳を傾けよう。人と比べる必要もないのです。いつでも前向きに考えるよう心がけよう。つらいことがあったら、我慢するのではなく、自分で行動して何とかすること。もし、自分の力で解決できないときは、遠慮せずに周りに助けを求めよう。幸せになるんだと心に決めて、心の中にイメージを持ち続けていれば、夢は必ず実現できる。 つづく(6月8日 校長)
大人になる No23
【 夢をかなえる ④ ~自分を信頼する~ 】
自分で考えて人生を選ぶ時には勇気がいるものです。その勇気はどうやって持てばいいのでしょうか?私は、まずは自分を信じることから始まると思います。自分には、自分だけの良さがあり、それをみんなが求め、必要としているはずです。音楽でも美術でも文学でも、名作を生み出した人の多くは、若い頃、君と同じような不安を抱えていたに違いありません。スポーツでプロとして活躍した人も同じです。でも彼らは、認めてくれる人がいないときでも、自分を信じ、目標に向かってまっすぐに進んだからこそ道が拓けたのです。君は、いままで自分に自信が持てず、いつも大事なところで弱気になったり、積極性を発揮できなかったりを繰り返してきたのではないだろうか。人は君のことを、謙虚で優しい人なんて言ってくれるかもしれません。確かに、人との付き合いでは、謙虚であることが必要なこともあります。しかし、自分の人生を選択するような大事な場面では、それではうまくいかないことの方が多いと思います。そういう時は、自分がうまくできた時のことを思い出し、自信を持とう。例えば、みんなの前で、うまく発表できたこととか、職場体験で小さな子供たちに慕われたこととか、思い切って先生に反論したら先生もわかってくれたときのことなど。自分の得意なことや良いところに気持ちを集中させていると、それだけで自分を信頼する気持ちが高まってくる。それだけで自分を好きになり、自分を信じるための土台が、自然に君の中に築かれていくのです。 つづく (6月7日 校長)