校長室から
令和6年9月2日 2学期始業式 校長の話
7月から夏休み中の部活動では、どの会場に行っても「楽しく、一生懸命」に取り組む姿を見ることができて、多くの感動を得ました。運動部では、自分の力を発揮できた人、悔しさを味わった人。吹奏楽部や合唱部のコンクール、演劇部の公演、パソコン部の発表会等、一生懸命にやったからこそ感じられることがあったでしょう。部活動以外でも、英語スピーチコンテストや広島平和派遣の人たちも良い経験、学びになったと思います。
皆さんは、パリオリンピック・パラリンピックは見ましたか?オリンピックでも、甲子園でも、葛南大会の試合でも、気になった瞬間があります。それは、「タイム」です。試合の途中にタイムをかけてベンチに集まったり、野球のマウンドに集まったりします。何のためでしょう。さあ、周りの人と10秒間、話し合ってください。きっとバレーやバスケ、野球部員は答えられたと思います。その目的は、「嫌な流れを断ち切り、具体的な対策、作戦を共有する」ということです。バレーボールで、相手のサービスエースが連続で決まったり、バスケで3ポイントシュートを決められたり、相手に傾いた流れ、押されているムードを切って、具体的な対策・作戦を確認します。長尾先生もそういう場面で、すかさず「タイム」をかけていました。私の質問は、「みんなそれを理解していますか?」。もちろん試合に出ている人は大丈夫ですよね?ベンチやスタンドにいる下級生は、わかっていますか?更に言うと、「やばい」と思ったら自分達で「タイム」を取ることができますか? 顧問の先生に、「タイムとってください」と言えますか?
ある卒業生の話をします。一昨年の夏の葛南野球大会準決勝。顧問の先生たちがベンチに入れなくなり、急遽、私と他の先生が入りました。1点リードの6回表、エラーにフォアボールでピンチになり、悪い流れを断ち切ろうと思ってタイムをとり、ベンチからA君という選手がマウンドに行きました。効果むなしく、次のバッターにヒットを打たれ、逆転されてしまいました。すると、Aくんが「もう一回タイムをとってください」と直訴してきました。私も久々の監督代行で、もう一回タイムを取ることは直ぐに思いつきませんでした。言われて、ハッとしました。そして、もう一度タイムをとり、A君がマウンドに向かい、対策を確認しました。結果、次のバッターでダブルプレーを取り、ピンチを脱しました。7回裏最終回、同点に追いついた我孫子中が押せ押せムード。バッターが初球をサヨナラヒット!翌日の決勝戦には顧問の先生が復帰して、見事に優勝しました。私はA君に救われました。多分、私の教員人生の中でも思い出深い一つになるでしょう。その時の野球部の強さは、控えの選手が「タイムをとってくれ」と言えるくらい試合の流れをわかっているということです。
皆さんはどうですか?試合の流れ、なぜタイムか、顧問の先生の指示は何なのか、相手どう防ごうとしているのか、わかっていますか?私は時々、いろいろな部のベンチやスタンドで、「先生の言っていることわかる?」と訊くことがあります。「わかります」という子もいれば、「わかりません」と答える人もいます。「わかりません」のまま上達するでしょうか。「上級生になってから」では遅くないですか。わからなかったら、友達や先輩に尋ねるべきです。そういうお喋りが重要です。
授業も同じです。わからなければ、授業中に尋ねるのです。先生は一人しかいませんから、友達に訊きます。「後で」では、できるようになりません。我孫子中では、互いに教え合う、学び合うことを積極的に取り入れて行こうとしています。実際、いろいろな教科の授業で、人と相談したり、自分の考えを書いたりする授業になってきていると思います。それは、これからの未来を生きていく生徒の皆に必要な力を身に付けて欲しいからです。その力は、いつもの「自律」と「協働」です。自律は自分で考え、判断して、行動することです。しかし、「一人で考えろ」ということではありません。協働により、相談したり、意見を聴いたり、新たな考えを生み出したりして、自分の判断と行動に生かします。この2つの力はセットで相乗効果を生みます。我孫子中では、授業でも部活動でも、全ての学校生活を通してこの2つの力をつけていきたいと考えています。皆さんもこの2つを意識して、学校生活を送ってください。
最後にもう一つ。教えてもらったり、助けてもらったりしたら、何て言いますか?そう、「ありがとう」。一番言われて嬉しい感謝の言葉です。「感謝の気持ち」は人として最も価値のあるものです。「ありがとう」が言える人は素晴らしいと思います。そして、「ありがとう」と言われる行動をしている人も素晴らしいと思います。いろいろな場面で「ありがとう」が聞こえることを期待しています。
我孫子中の「あ」は、ありがとうの「あ」です。いつも真剣に話を聴いてくれて、ありがとう。そして、校長の話が終わると拍手してくれて、ありがとう。でも、教師の話に拍手は要りません。生徒が、友達が、頑張って発言したことに、賞賛とねぎらいの拍手を送ってください。
令和6年4月5日 1学期始業式 校長の話
いよいよ今日から令和6年度が始まりました。2年生・3年生の皆さん、進級おめでとうございます。
2年生は、1年生が入学すると先輩になります。1年前のことを思い出し、いろいろなことを優しく教えてあげてください。3年生は最上級生。学校行事や部活動をリードして、我孫子中学校の顔となっていきます。大いに期待しています。
さて、私からは、今年1年間心に留めてほしい、心掛けてほしい「3つの気持ち」について話します。
この3つを心掛けることで、友達関係がより良くなったり、自分を成長させたりすることにつながります。
まず、一つ目は「違いを認める」ということです。ここまで聞いて、去年と同じ話だと思った3年生いますか?大切なことだから再び話します。2年生は1年前の始業式に出ていないから、この話は聞いていません。
一つ目は「違いを認める」。人はそれぞれ違う気持ちや考えを持っています。当然、自分と意見が合わない人がいます。それは、当たり前のことととらえましょう。そこで「対話」が必要になります。対話することでお互いの違いや立場を理解し、考えが変わったり、もっと良い考えを生み出したりすることができます。
二つ目は、「広い心で接する」ということです。具体的には、他の人の欠点を責め立てないこと、謝った人を許しましょう、ということです。誰だって失敗をします。やろうとしてもできないこともあります。また、時には悪いことをする人もいるかもしれません。しかし、心からの「ごめんなさい」があったら、許しましょう。逆に、悪いことをしたら素直に謝りましょう。
三つ目は、「自分事として取り組む」ということです。難しい言葉で「主体性」と言います。自分には関係ないと思わず、自分の事として考え、行動するということです。自分の部活に課題はありませんか。これから始まる新しい学級で課題が見つかるかもしれません。いや、きっと問題は起こるでしょう。先生がなんとかしてくれる、ではなく、自分達で課題に気づき、改善しようとすること、それが「自分事」です。友達関係のいざこざも相手のせいにせず、自分達で解決しようとすることです。
ここまでは、去年と同じ話です。ここからは違います。
2・3年生とも、この後に新クラス編成が発表されます。ドキドキしますね。シミュレーションします。発表されて、自分のクラスとメンバーがわかりました。しかし、よく知っている子がいません。担任が決まりました。なんだか話しにくそうな人です。家に帰って家族に言います。「最悪~」。ここからが運命の分かれ道です。「来週行きたくないなぁ」となるか、「まあなんとかなるでしょう」。どっちの気持ちになるか、ではなく、どっちの気持ちにするか、で大きく変わってきます。
先日、転出したある先生が、我々職員に最後の挨拶で次のように話しました。
「私は柏市で生まれ育ち、柏の教員になりたかったんです。でも、我孫子の教員になりました。『正直、なんでだ
よー』と思いました。しかし、我孫子中で5年間勤務して、今は最初の学校が我孫子中で本当に良かったと思っています。」
さあ、この先生は誰でしょう? そう、上川先生です。英語の先生だから、英語のことわざでこう言うでしょう。
Home is where you make it. その気になれば、そこが我が家だ
日本にも同じような諺があります。その通り、「住めば都」です。「どんなところでも住み慣れるとそこが居心地よく感じられる」ということです。
みんなが居心地よいクラスになるかは、皆さん次第です。そして、誰一人取り残さず、みんなが安心して生活するためには、先ほどの3つの心掛け必要です。
「違いを認める」「広い心で接する」「自分事として取り組む」。これから1年間、この3つについて、心にとめて生活して欲しいと思います。
令和6年3月13日 令和5年度 第77回卒業式 校長式辞
式 辞
柔らかな春の日差しに、校庭の木々の芽も膨らみ始め、自然の息吹を感じる頃となりました。
本日は、我孫子市副市長、青木 章 様、我孫子市教育委員会教育委員、新山訓代 様 はじめ、御来賓の皆様、そして、多くの保護者の皆様のご列席をいただき、第77回卒業証書授与式を行えることは、この上ない喜びです。
3年生の皆さん、卒業おめでとうございます。
今、卒業証書を受け取り、どんな思いを抱いているでしょうか?その卒業証書は、学校で様々なことを学んだ証です。たとえ学校に来られなくても、いろいろ考えたり、悩んだりした3年間の証です。
さて、卒業生の皆さんに尋ねます。中学校の3年間で、得たもの、手に入れたもの中で一番価値のあるものは何ですか。毎日受けた授業。その授業を通じて身に付けた新しい知識や技能でしょうか。初めて本格的に取組んだスポーツや文化活動。その部活動で培った体力やあきらめない気持ちでしょうか。
こう答える人もいるでしょう。3年間で得た最も価値のあるもの、それは「友達です」と。
昨年の11月から、3年生全員と面接を行いました。自分の長所や得意教科、趣味、卒業後の進路等を話す中で、友達に感謝しているという生徒が多くいました。
「友達に励まされて、合唱の声がだんだん大きく出せるようになりました」。「友達がいたから部活動を最後まで続けることができました」。
人間は弱い生き物で、苦しいことや苦手なことから逃げたくなります。でも友達と一緒なら頑張ることができます。みんなで決めた目標ならば、努力することもできます。先生に怒られるよりも、友達に励ましてもらった方がずっとやる気が出ることは間違いありません。
校長面接で、こう言っている人もいました。「友達に教えてもらって問題が解けました」。「勉強を僕がわかるように教えてくれました」。学校は、教室は、みんなで学習するところで、先生からだけでなく友達から教えてもらうことはとても大切な学び方です。私も仕事をする中でわからないことを他の先生達に訊きます。いろいろな人の意見を聴いて、考えて判断することもしばしばです。人に尋ねることは、自分で考えることにつながります。
3年生は卒業して、それぞれの道(路)に進みます。我孫子中には、小学校が同じだったり、この周辺に住んでいて価値観が似ていたり、あなたのことを知っている、理解してくれる人が多くいました。しかし、進学する高校は全く知らない人ばかり、我孫子を離れる、千葉県を離れる人もいます。きっと雰囲気も違うでしょう。そして、考え方や価値観が違う人と関わる機会が多くなります。戸惑うこともあるでしょう。しかし、初めての人、自分とちょっと違う人との出会いを恐れないでください。違う価値観の人と付き合うことは、自分の窓を開いて、広い世界を知るチャンスです。「人はこんなふうに考えるのか」「あの人の見方は全く違うな」「すごい経験談で驚いた」等、たくさんの刺激を得ることができます。また、相手の話に心動かされた時は、「自分はここに感動する人間だったのか」という発見もあります。人と話すことは相手を知ることでもあり、今まで知らなかった自分自身を知ることにもなります。
そこで大切なのは、「他人は自分とは違う」という認識です。だから、相手を否定せずに、歩み寄ることもしてみてください。違う価値観に触れることから新しい発想も生まれます。
私の友達観も話しておきましょう。私は、誠実に向き合ってくれる人はみんな友達だと思っています。我孫子中の先生達はもちろん、PTA役員の方々、失礼ながら来賓の方々も。相手の方はそう思ってないかもしれませんが、私が思うことは自由です。友達が少ないと悩んでいる人がいたら、私のように一方的に友達だと思っていれば、悩みは軽減します。
更に言えば、生徒の皆さんにも友達の感覚を持っています。もちろん、教師と生徒という立場や役割の違いはあります。でも、互いに尊重できる関係においては友達です。今日は、教師として生徒を祝福する気持ちと、友達と別れる寂しい気持ちが入り混じっています。
皆さんには、本校で学んだことを生かして欲しいと願っています。数年後にいろいろな職業に就くでしょう。しかし、人工知能AIの普及によって将来的に無くなる職業もあると言われています。校長面接では、料理人になりたい、保育士になりたい、医療系の仕事に就きたい、という目標を語る人が多くいました。また、人の役に立つ仕事がしたいという人も多くいました。これらの仕事はAIに奪われることはないと思います。料理も保育も医療も、人の役に立つ仕事も、相手のことを考えて、人と関わる仕事だからです。友達と話すこと、人から学ぶこと、時に気持ちがすれ違っても、人と関わる良い経験になります。それは、仕事でなくても、豊かな人生を送ることにつながると思います。
ちなみに、教師の仕事も学習を教えるばかりでなく、児童生徒の人間的な成長に関わる仕事であり、AIにはできません。この中から、我孫子市内の小中学校の教師になる人が現れる期待もしています。
地球上に80億人以上の人がいる中で、皆さんと共に過ごしたことは奇跡であり、出会いに感謝します。またいつか会いましょう。それまで元気で
保護者の皆様、お子様のご卒業、誠におめでとうございます。これまでの本校の教育活動への、ご理解とご協力に深く感謝致します。
結びになりますが、卒業生がそれぞれの幸せの形を自分の力で見つけることを、そして、ご家族のご健康とご多幸をお祈りして、式辞と致します。
令和6年3月13日 我孫子市立我孫子中学校 校長 鈴木与志実
令和6年1月9日 3学期始業式 校長の話
改めまして、皆さん新年おめでとうございます。
皆さんと会えて、たいへん嬉しく思います。元日から石川県能登半島で最大震度7という巨大地震がありました。多くの方が亡くなり、今も数万人が避難生活を送っています。日本は地震大国で、ここでもいつ巨大地震が起きるかもしれません。こうして、生徒の皆さんと先生達が無事に再会できたことは、たいへん「有難い」ことです。
地震や津波、火事の映像を見ていると心が痛み、気持ちが落ち込んできます。「新年、おめでとう」と言って良いのかさえ、迷っていました。しかし、1月3日、お笑い芸人のやす子さんのコメントを聞き、考え直すことができました。やす子さんは元自衛隊員であり、災害派遣の経験もあるかもしれません。「私たちができることは何?」の質問に、次のように答えました。
「日常を送れる方はいつも通り日常を楽しむことですかね。あとは募金とかでしょうか。自家用車で支援に行くと 道が混み、緊急車両の邪魔で助かる命も助からなくなるので、今みんながいる場所で精いっぱい生きるのが大切かも」。
それでは、亡くなられた方のご冥福を祈り、黙とうを捧げたいと思います。
2つ目の話です。
新年が始まりました。元旦に目標を立てたでしょうか?私は新しい学校目標を考えました。今までは、「社会の変化に主体的に対応し…」から始まりましたが、全く逆に、みんなが社会を変えるという意味にしました。これは皆さんへの提案です。「『より良い未来を創る人』の育成」。3年生の皆さん、もう関係ないと思わないでください。卒業した後のメッセージでもあります。世界は大きく変わっています。例えば、気候変動。昨年の夏は地球沸騰と言われる程暑くなりました。この傾向は続き、2030年までに具体的な対策をしないと気候変動の暴走を止められなくなると言われています。各地で紛争は続き、世界平和も達成されていません。地震や台風等、自然災害への対策も必要でしょう。上の世代がつくった社会に合わせるのではなく、皆さんの世代がより良い未来の社会を創っていって欲しい、そのための力を身に付けて欲しいと強く思っています。
その一つが、やはり「自律」です。自分で考えて、判断して、行動する。
もう一つも毎度おなじみ「協働」です。人はみんな違い、考えは一人ひとり違います。その違いを乗り越えて、共通の目的や目標に向かって協力する。
難しいようですが、そんなことはありません。具体例を挙げます。
「自律」の具体例…
〇 委員会や係の仕事、掃除等、自分のやるべきことを確実に行う。
〇 この問題わからないから教えて、と友達に尋ねる。頼られたら、もちろん教える。
〇トラブルは自分達で解決する。もちろん相談は受けますし、いじめは許しません。ただし、先生や親がいつもなん
とかしてくれると思わないことです。卒業したら、我々は傍にいません。今、学んでください。
「協働」の具体例…
〇お互いの違いと存在を認め、誰とでも生活できる。
〇グループやペア学習で、お互いの考えを聴き合う。
〇A案とB案が対立したら、妥協できるA-2案やどちらも損をしないC案で合意する。
このように、誰一人外すことなく、みんなが生活できる学級・学校を創ろうとすることが大切です。それを学校外にも広げれば、日本は過ごしやすい国になります。もっと大きく広がれば世界平和に繋がるでしょう。私は本気で、皆さんに未来を託そうと思って、提案しています。考えや意見があれば、ぜひください。
最後に3つ目の話です。
2学期の終業式では、表彰が多くあり、予定以上に時間がかかりました。これも、みんなが部活等、いろいろな活動に一生懸命に取り組んだ成果です。3年生の代だけでなく、2年生に主軸が移った新人戦でも、多くの部が活躍しました。たとえ、県大会に出場しなくても、市内大会で1回戦を勝った、試合に出られるようになった、苦手なサーブが入るようになった、タイムを縮めた等、一人ひとりに成長があったと思います。それこそ、努力したことの証です。
私も夏の総体からいろいろな部の応援に行きました。千葉県内各地だけでなく、県外遠くも行きましたが、一生懸命な姿にいつも感動し、試合展開にわくわく・ドキドキしました。ただし、みんなはお互いの試合や発表会などを見ていないことがとても残念です。そこで、友達がどんな感じだったのか、少し写真や動画で紹介します。新年のスタートにあたり、お互いに元気やエネルギーをもらえたら良いと思います。
【スライド上映】
令和5年12月4日 2学期末保護者会 全体会 校長挨拶
本日は、保護者会への出席、ありがとうございます。
また、日頃よりの本校教育活動へのご理解・ご協力に感謝いたします。
2学期を振り返ると、まず9月16日に予定された体育祭でしたが、体調不良の生徒が多いために延期しました。結果的に多くの3年生が参加できるようになったことが一番良かったと思っています。また、10日間延期したことで猛暑が少し和らぎ、熱中症になる生徒が無かったことは幸いでした。16日より後の土日には部活動の多くの大会が計画されていたことで体育祭が平日開催になり、参観できなかった保護者の方には申し訳ありませんでした。
なお、地球規模の気候変動の影響で、来年度以降も猛烈な暑さが予想されます。生徒の安全と健康を優先に考える と、今年のように9月下旬の平日開催も一つの案と考えています。雨天順延の場合も給食対応できること等から近隣市でも平日開催の学校が増えており、本校も検討していることをご理解願います。
10月のPTAバザーでは、3年目のキッチン・カーだけでなく、社会福祉協議会等の販売も復活しました。役員やボランティアの方々の運営に感謝します。この日の午前中は、授業参観に加え、初めて「自由研究発表会」を実施しました。1学期に計画し、夏休み等に探求した自由研究について各クラス3人の代表生徒が発表しました。教科もいろいろ個性豊かな探求学習について、学年を越えて学び合うことができました。午後は、昨年に引き続き「アビ☆フェス 生徒発表会」を開催しました。演劇部や吹奏楽部、合唱部、特設合唱団、英語スピーチ、そして100年に一度のチャンスで本校に回ってきた北方領土視察事業の報告、他にも有志の生徒が特技のダンスや歌を披露しました。また、「我孫子三小健康クラブ」に『ペタンク体験』を依頼し、地域の方々とふれあう機会ともなりました。これらは、自分から手を挙げた生徒スタッフがPTAや外部団体と協力して運営する新しい学びの形態となっています。
11月には合唱コンクールが柏市民文化会館で行われ、ステージ上で美しいハーモニーを響かせました。特に3年生の歌声は、どのクラスが最優秀賞になってもおかしくない程のレベルの高さでした。
このように、どの活動にも生徒が「楽しく、一生懸命に取り組む」ところが、本校の素晴らしい点です。昨日は、演劇部が市の「平和の集い」において上演し、戦争のむなしさや平和の尊さを伝えました。涙を流す市民の方もいました。
陸上部が全国大会や関東大会に進み、東葛駅伝優勝や昨日の関東駅伝で準優勝、野球部の県新人戦3位、女子剣道部が県新人ベスト8等、多くの部が成果を上げています。上位大会に進めば、費用がかかります。また、バスケットボール部のユニフォームの規定変更により、今までの物が使えないということも起きています。これらにより生徒活動後援会費が当初の予算では足りなくなり、急遽寄付を集めることになりました。皆様のご理解ご協力に感謝いたします。
さて、3年生は卒業まで約4カ月足らず、進路選択が迫ってきています。いろいろな高校や就職など進む道は別々ですが、我孫子中で学び、経験したことを生かして欲しいと思います。
2年生は、新生徒会役員や委員会が決まり、学校の中心としての活動が始まっています。3年生に向けて一人ひとりの成長に大きな期待をしています。
1年生は入学から8カ月が経ち、中学校のリズムに上手く対応できた子もいれば、学習や生活、友人関係において悩んでいる生徒もいると思います。いじめや暴力等は絶対に許しませんが、成長過程の生徒の集まりである学級や部活等で問題が起きるのは、むしろ普通です。そこで悩み、対話し、気持ちを伝え合うことを通して問題解決するプロセスこそ学校における学びです。「トラブルを解決するのは先生ではなく生徒自身である」を前提に進めます。もちろん、必要に応じて教師も関わって参ります。
学校の教育活動や教師の指導について、ご理解願いますが、確かめたいことなどありましたら直接に学級担任や部活顧問に連絡願います。それが難しい場合は、学年主任や生徒指導主任、養護教諭、心の相談員、スクールカウンセラー、管理職でも結構です。子供達の成長を支えるパートナーとして共に考えていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
最後に、日頃に来校された折り、校内で生徒からさわやかな挨拶は受けているでしょうか。学校評価が始まっています。厳しく挨拶などを評価してください。
この後の学級懇談もよろしくお願いします。
令和5年9月1日 2学期始業式 校長の話
7月から夏休み中の部活動では、「楽しく、一生懸命」に取り組む姿がどの会場でも見ることができ、とても嬉しく感じました。運動部では、自分の力を発揮できた人、悔しさを味わった人もいたでしょう。パソコン部の発表会、演劇部の公演、吹奏楽部や合唱部のコンクール等でも、一生懸命にやったからこそ感じられることがありました。
部活動以外でも、英語スピーチコンテスト出場者、平和派遣で広島市を訪問した2人、北方領土視察派遣により北海道で学んできた4人も良い経験になったと思います
今日から始まる2学期、皆さんに充実した日々を送って欲しいと思っています。授業で学び合い、行事を自分達でつくり、生徒会活動を盛り上げ、部活動を楽しく。友達や先輩・後輩と活動することが多くなります。そこで大切なのが、「コミュニケーション」の力です。コミュニケーションとは「気持ちや考えを伝え合うこと。情報を受け取り合うこと」。会話や対話を交わすことです。良いことには「いいね」「凄いね」と認め、讃える。「こうやったら上手くいくのでは」とアドバイスする、「次はできるよ」と励ます、「ありがとう」や「ごめんね」等の声を掛け合うことです。
では、コミュニケーションの第一歩は何でしょうか?そう、挨拶ですね。挨拶は目的・ゴールではありません。目を合わせて挨拶することは相手の存在を認めること、相手を尊重(リスペクト)する態度の1番目です。
体育祭では本校独自の賞『さわやか杯』があり、相手よりも先に、笑顔で、大きな声で挨拶をした団に賞を与えます。ここで、皆さんに問います。挨拶で順位をつけることに疑問を感じる人はいないでしょうか?実は私、昨年4月に我孫子中に赴任してきて疑問に思いました。しかし、「これをきっかけに挨拶を盛んにしようという取り組み」と説明されて、やってみようかという気持ちに変わりました。ただし、この賞をとることもゴールではありません。体育祭が終わった後でもさわやかな挨拶が続いていることが望ましい姿であり、それが目指すべきゴールです。
私は、教育委員会で働いていた期間がありました。いろいろな小中学校を訪問する機会があり、主に授業を見学しましたが、授業以外で児童生徒と挨拶も交わしました。よく挨拶する学校とそうでもない学校があるのが実態です。児童生徒がその学校の先生に挨拶するのは、当たり前でしょう。教育委員会のような外部の訪問者、保護者、工事業者の人、高校の校長先生もよく訪れます。そんな外部の方々にさわやかな挨拶ができて本物だと思います。実は私の中で、よく挨拶できる学校ランキングがありました。我孫子中は、市内6校中、…残念ながら1位ではありませんでした。では、1位の学校はどんな挨拶をするか。その中学校の生徒は視野が広く、あいさつに迷いがありません。私が訪問して駐車場で車を降りると、10m以上離れたその学校の生徒が私の存在に気づき、大きな声で挨拶をくれました。私がどこの誰かなんで関係ない、学校に来た人はみんな関係者だから迷わず挨拶をするのです。もちろん廊下ですれ違う子も迷わずあいさつしてくれました。
これと似たことを今年の県大会で応援に行った時も経験しました。たまたま近くにいた学校の生徒が迷わず私に挨拶してくれました。さすが県大会出場校だと感心しました。「視野が広く、迷いなく挨拶ができる。」は、本校が目指すべき挨拶の姿、レベルではないでしょうか?
私はさらに友達同士の挨拶が重要だと思っています。互いの存在を認め、相手を尊重することになります。友達同士ですから、「おはよー」とか「おーす」「やあ」「よう」など、いろいろでしょう。まずは挨拶、そして会話へとコミュニケーションは進みます。さらに授業において、「ここがわからないから教えて」「いいよ」という会話が盛んに行われるようになると、コミュニケーションは益々深まっていくのではないでしょうか。
もちろん、今年の体育祭では『さわやか杯』を決めます。しかし、いつか「校長先生、我孫子中の体育祭に『さわやか杯』は必要ないです。皆いつでもさわやかな挨拶できますから。」と皆さんから意見が出ることを期待しています。
令和5年7月20日 1学期終業式 校長式辞
今日は3つの話をします。
①1学期の振り返りと夏休みの課題
1年生の皆さん、中学校生活の始まりはどうだったでしょうか?小学校に比べ、学習内容が難しく、量も多くなって、大変だった人もいたでしょう。担任や教科の先生からこう言われました。「到達度テストを振り返り、教科書やワークを活用して復習するように」。ぜひ、いろいろな勉強の方法を試してみてください。自分は耳から聞く方が理解できるか、文字を読む方が良いのか、文字を書いて覚えるのか、声に出すと入るタイプなのか等、自分に合った学習のや り方を見つける。それが、入学式で話した「自律」のひとつです。
2年生は部活動において、多くの部で新チームが始まります。部活動は生徒中心の自治活動です。先ずはどんな部活動を目指すのか、どこに向かうのか、活動目標をみんなで立てることが大切です。それが、部活動における「自律」の第一歩です。我孫中生の良さである「楽しく、一生懸命に取り組む」ところを大切にして欲しいと思います。
3年生の皆さんは、いよいよ自分の進路に向き合う時がやってきます。「あわてず、あせらず、諦めず」。勉強するに遅すぎるということはありません。高校入学はゴールではなく、どんな高校生活を送るかが大切です。その先に大学や就職があります。今後、知識を増やすだけでなく、学級の一員として何ができるか、委員会や行事において自分が何を為すかも大切です。なぜなら、社会(高校・大学・仕事)は、自分で学ぶ人、自律した人を求めています。面接において、それを相手に話せるような生活、生き方をしてください。
だからこそ、我孫子中の重点目標は「自律」と「協働」であり、その力を備えることを目指しています。
さて、夏休みの宿題で、一番大変なのは「自由研究」かもしれません。1学期の間に教科やテーマを決めて計画してきた「探求学習」に取り組みましょう。夏休み明けには学級で発表会を行います。自分が探求したことはあなたが一番詳しい「博士ちゃん」です。自信を持って友達に伝えて欲しいと思います。また、各学級で選ばれた3人は、10月14日の学習参観の時に、他のクラスの人や学年、保護者の皆さんに発表する機会を作ります。優れた発表を見ることは素晴らしい勉強になります。なお、進め方やまとめ方に悩んだ時は、学校に来ている先生達に相談しましょう。
夏休みにもう一つやって欲しいこと、それは「読書」です。読書は心を豊かにします。主人公の体験を自分が疑似体験して楽しむことができます。これは、人間だけが持っている素晴らしい特殊能力です。そして、自分だったらこうしようと考えることで、自分の感情をコントロールできることに繋がります。
②2学期前半の見通し
先ず、9月16日(土)に体育祭が行われます。生徒みんなが楽しめる体育祭になることを願っています。
そして、10月14日(土)のPTAバザーの午前中は「自由研究発表会」、午後はアビ☆フェス(生徒発表会)です。皆さんの趣味や特技を披露し、個性を発揮して我孫子中にエネルギーと楽しさを与えることを期待しています。昨年度は女子のダンスが多かったのですが、男子の出演に期待しています。2学期に入ったらすぐに、出演者と運営スタッフを受け付けます。運営も自分達の手で行う所が大きな特徴、やりがいです。夏休み中に仲間を集めたり、練習したり、お家の人を説得したりしてください。質問や相談がある場合は、校長室まで来てください。
③部活動へのエール
去る6月30日の部活動壮行会では、特に3年生を全校で応援しました。大会会場に応援に行くと、我孫子中の選手が全力で、真剣に競技する姿が見られ、感動しました。県大会出場を決めた選手やチームもあれば、引退が決まった3年生もいます。しばらく休んで考えて、次のステージ、高校で何かに熱中して頑張って欲しいと思います。
これから本番を迎える部活動もあります。野球やバスケットボールの大会、合唱部や吹奏楽部のコンクール、パソコン部や演劇部の発表会、科学部の科学作品展と続きます。活躍を期待しています。
それでは、明日からの夏休み、交通安全や水の事故などに注意して充実した42日間にしてください。
令和5年7月3日 1学期末保護者会 全体会 校長の話
本日は、学期末保護者会への出席、ありがとうございます。
また、日頃より本校教育活動へのご理解・ご協力に感謝いたします。
早いもので、1学期もあと2週間あまりになりました。3年生にとって部活動の集大成である大会やコンクール、発表会、作品展などが迫っています。ぜひ、日頃の活動の成果を十分に発揮することを期待しています。
学習面では、6月に行われた到達度テストを振り返り、夏休みに復習を行って2学期に備えて欲しいという話がこの後の学級懇談会であると思います。また、昨年度まで理科の自由研究を夏休みの課題としていましたが、今年度から理科だけでなく全教科に拡大します。自分で教科を選び、課題を決め、検証して、まとめる。9月当初には各学級で発表会を行います。これは「探求学習」と言われるもので、1学期の間に授業の発展や調べてみたいことを探しながら計画を立ててきました。教科もテーマも伝え方も自己決定、「自律」の力を育てたいと考えます。もちろん、教員も助言しますし、友達にアドバイスをもらう等、「協働」の力を発揮して欲しいと思います。
さて、3年間続いた感染症への対応が変わり、通常の教育活動ができるようになってきました。5月には2年生の「自然体験学習」、6月には3年生の「古都体験学習」が2泊3日で実施されました。どちらも天候に恵まれて計画通りに進み、大きなけがや病気等が無かったことは、本当に喜ばしいことでした。1年生の郊外学習でも一緒に歩き、私が一番感じたのは、やはり我孫中生の優しさです。これは、本校の宝です。優しい気持ちが根底にあることで、学習も友達関係も部活動もお互いに協力したり、励まし合ったりすることができます。それを十分に生かして、子供達が持つ資質・能力を伸ばすことができるかどうかは、私たち教師の指導力にかかっています。そのために、我々教師は、常に授業改善と生徒理解に努め、研修することが義務付けられています。
しかし、ここで大きな課題があります。中学校教師の長時間労働問題です。これは、教師の心身の健康だけでなく、子供たちにも大きな影響を与えます。疲れた顔の先生、イライラした先生に教わっても楽しくありません。教材研究する時間的余裕がなければ、授業を改善しようがありません。そこで、学校の働き方改革については着実に実行して参ります。部活動についても、6月に我孫子市のガイドラインが改定され、活動時間が短くなりました。これで運動部が弱くなってしまう、ではなく、工夫するチャンスと捉え、生徒達が自治活動としてより主体的に取組む等、多くの学びを得る機会としていきたいと考えます。教師に余裕ができた時間は、授業改善等、教育の質を向上すること、生徒の表情に気づく心の余裕等、生徒指導を充実させていきたいと考えますので、保護者の皆様のご理解をお願いします。
もう一つ話します。
学校でのいじめや差別は絶対にゆるされません。しかし、毎日の学校生活を送る中で、友達とぶつかったり、嫌な思いをしたりすることはあるでしょう。他人と生活するのですから当然とも言えます。また、教師との関係が上手くいかなることもあるでしょう。その時は、「嫌だ」という気持ちをその場で伝えたり、すぐに教師等に相談するようにしていくこと、その後は対話により解決の道を探ることが重要だと考えています。生徒間の問題は生徒同士で、学校内のことは学校で、その問題の大小に応じて教師が関わっていくことが大切です。
もちろん、子供達がお家の人に相談したり、不満や愚痴を言ったりすること、そのような親子関係があることはとても良いことです。もし、「私の方もこんなことをしたのが悪いんだけど」という子がいたら、自分を客観的に見ることができるたいへん立派な子です。お家の方は、まずは共感しつつ、「じゃあ、担任の先生にこう聞いてみたら」、「顧問の先生はこう言いたかったんじゃないの」、「お友達は何て言ってるの?」等、アドバイスをしてもらえると助かります。学校で起きたことは、当事者同士が対話しなければ解決には至りません。それでも、学校の対応や教師の指導、発言の意図がわからない場合は、直接学校に連絡をお願いします。そんな連絡をすると、「うちの子が特別に見られて不利になる」と心配される保護者の方がいますが、全くそんなことはありません。そこは、学校を、教師を信じてください。
「直接、学級担任や顧問に」が難しければ、学年主任や教務主任、生徒指導主任、養護教諭、心の相談員、スクールカウンセラー、教頭、校長でも結構です。もし、学校側に落ち度がある場合、私共は誠意を込めて謝ります。生徒にも、自分が悪いなら謝るように指導しているので当然のことです。教師も成長過程の人間です。判断を間違えることや至らないこと、配慮が足りないこともあるでしょう。しかし、反省し、次に生かし、教師としての成長につなげることはお約束します。
今後とも、ご理解・ご協力をお願いします。
令和5年6月30日 部活動壮行会 校長の話
3年生の決意がよく伝わってきました。私も他の先生たちも、下級生の皆も、特に3年生に目指す目標を達成して欲しいという願いは一緒です。
1・2年生もいるので、私の思いを聞いてください。
よく球技では、試合の中にハーフタイムやイニングの間があります。みんなは顧問の前に集まってきて、作戦について確認したりします。まずは自分が、自分達が感じたことを話して、何が課題か、どう対策するか、対話をして欲しい。顧問からのアドバイスはその後だと思います。試合を行っているのは皆さんです。相手のプレーや審判の特長等、 選手だからこそ感じられる「感性」を働かせてください。また、試合に出ていない人達は、客観的に気付いたことをアドバイスしてください。それがチーム全体で戦うということです。
あの5番は今日スリーポイント当たってるから誰々が早めにチェックに行けとか、ピッチャーは高めで誘ってくるからそれに手を出さないとか、今日の審判はドリブルをとるから気をつけようとか。相手チームはこの作戦で来ているから、こうゆう対策をしようとか。自分達で対話をして、その他に何かあったら顧問から生徒だけでは気が付かない観点でアドバイスをもらいます。
1・2年生、新チームになった頃は練習や試合でも顧問の先生からいろいろ細かく教えてもらうけれど、いつまでも教えられてばかり、指示を受けるばかりから段々と脱却してください。対話ができるチームは間違いなく強くなります。市のガイドラインの変更に伴い、部活動時間が減ってきている現在、強いチームを作る一つのヒントです。
3年生にとっては、今さら言われても、という人もいるかもしれませんが、あと数週間でも、明日の練習試合から、今日の練習・活動から心掛けてください。これは球技でなくても、運動部でなくても同じことです。感じたことを話す、そしてみんなで対話する。それが部活動で学ぶべき最も大切なことの一つです。
スポーツ、音楽や演劇、科学、コンピュータ等は、一生の趣味になります。活動を通じて多くの友達をつくることもできて、人生をより豊かにします。大会で負けることや引退は、ひとつの区切りに過ぎず、高校や大人になっても、興味をもったものに取り組んで欲しいと思います。そして、感じたことを話す、みんなと対話する。中学校の部活動は、一生涯にわたるスポーツや音楽等文化活動との長い付き合いの始まりです。
とは言え、今の仲間や顧問の先生と一緒に活動できるのはあとわずかです。友達や顧問の先生がいなかったら、活動はできませんでした。お互いに感謝です。残された時間を大切に楽しんでください。
令和5年4月6日 1学期始業式 校長の話 「3つの気持ち」
いよいよ今日から新年度、令和5年度が始まりました。2年生・3年生の皆さん、進級おめでとうございます。2年生は、1年生が入学すると先輩になります。1年前のことを思い出し、いろいろなことを優しく教えてあげてください。3年生は最上級生になりました。学校行事や部活動をリードして、我孫子中学校の顔となっていきます。大いに期待しています。2・3年生とも、この後に新クラス編成が発表されます。ドキドキしていると思いますが、その前に私の話を聞いてください。
さて、私からは、今年1年間心に留めて、心掛けてほしい「3つの気持ち」について話します。この3つを心掛けることで、友達関係がより良くなったり、自分を成長させたりすることにつながります。
まず、一つ目は「違いを認める」ということです。ここまで聞いて、去年と同じ話だと思った3年生いますか?ご い!よく覚えていますね。そう、1年前と同じ話をします。大切なことだから再び話します。2年生は1年前の始業式に出ていないから、この話は初めてです。
一つ目は「違いを認める」。人はそれぞれ違う気持ちや考えを持っています。当然、自分と意見が合わない人がいます。それは、当たり前のことととらえましょう。そこで「対話」が必要になります。対話することでお互いの違いや立場を理解し、考えが変わったり、もっと良い考えを生み出したりすることができます。
二つ目は、「広い心で接する」ということです。具体的には、他の人の欠点を責め立てないこと、謝った人を許しましょう、ということです。誰だって失敗をします。やろうとしてもできないこともあります。また、時には悪いことをする人もいるかもしれません。しかし、心からの「ごめんなさい」があったら、許しましょう。逆に、悪いことをしたら素直に謝りましょう。
三つ目は、「自分事として取り組む」ということです。難しい言葉で「主体性」と言います。自分には関係ないと思わず、行動するということです。自分の部活に課題はありませんか。これから始まる新しい学級で問題が見つかるかもしれません。いや、きっと問題は起こるでしょう。先生がなんとかしてくれる、ではなく、自分達で課題に気づき、改善しようとすることは学校で学ぶ大切な学習です。友達関係のいざこざも相手のせいにせず、自分達で解決しようとも大人になる上で大切な学びです。
ここまでは、去年と同じです。ここから先があります。
問題が起きて困ってしまう時、子供でも大人でも次の4つの行動パターンを起こします。
①我慢する ②気分転換する ③問題を解決しようとする ④人に相談する
皆さんはどれが良いと思いますか?訊きますから手を挙げてください。何回挙げても結構です。
実はどれも正解です。
①我慢する…そういう時もありますね。小さい問題の時や言ってもしょうがない時。でも、小さい我慢も積み重なると大きなストレスになります。②気分転換する…体を動かして汗をかいたり、音楽を聴いたりして気が紛れますね。でも、問題が解決したわけじゃないんです。だから、本格的に解決を目指すなら③と④の組み合わせです。
自分一人で解決できそうなものは、どんな順番でどんなやり方でやるか考えて解決を図ります。しかし、それで解決できなかったり、はじめから自分一人では解決できそうになかったりする時は人に相談しましょう。人に訊くことは恥ずかしいことではありません。私はすぐに教頭先生や他の先生に相談します。すると、良いアドバイスをもらえたり、私には考え付かなかったアイデアをもらえたりします。パッと、視界が明るく開ける感じがします。
皆さんは誰に相談しますか? 家族ですか?隣の友達のも相談できます。そして、周りに立っている多くの先生に相談してください。担任の先生でなくてもいいんです。副担任の先生、隣のクラスの先生、部活顧問の先生、相談室の山本先生、保健室の先生や教頭先生、もちろん私でも構いません。皆さんより少し長く生きていて、いろいろな経験をしているので、アドバイスはできると思います。それで、問題解決への道筋が見えたら、とても良いことだと思います。ただし、解決に向けて行動するのはあなた自身です。自分で、自分達で最終解決しなければなりません。それも、「自分事として取り組む」ということです。
「違いを認める」「広い心で接する」「自分事として取り組む」。これから1年間、この3つについて、心にとめて生活して欲しいと思います。
修了式
今、代表生徒に修了証書を渡しました。
それぞれ、1年間の学習を修めたことを証します。これで、1年生は2年生へ、2年生は3年生に進級できます。おめでどうございます。
さて、明日からの春休み、各学年、ワークなどの課題が出ています。理解しているかチェックして、できなかった問題をできるようにしてから新年度を迎えて欲しいと思います。
私の本音を言います。宿題ややり残しの課題はなるべく無しにしたいと思っています。しかし、家庭学習をしなくて良いということではありません。自分で考えて、自分のやり方で必要な家庭学習を行うように「自律して欲しい」と思っています。宿題をこなしているだけでは、残念ながら、学力はあまり伸びないことが多いからです。
さて、今日の修了式で、二つの話をします。一つ目。
3月10日、卒業式予行の日を思い出してください。次の日が、東日本大震災から12年になるということで、地震や津波で亡くなった多くの方の御霊に黙とうを捧げました。翌3月11日にはWBC侍ジャパンの試合があり、「佐々木朗希(ろうき)」投手が好投して勝利しました。実は、佐々木選手は12年前の津波で父親と祖父母を亡くしています。その命日に、日本代表としてマウンドに登ったことは偶然でしょうか?佐々木選手は3年前の新型コロナ感染拡大による全国の学校の休校中に、新聞を通じて子供達にメッセージを送っています。読みます。『休校中の君へ』
「やることがない、与えられることがない時に、自分で考えてやることが求められる。すごく良い機会になる。その時の方が、野球も勉強も伸びる。」
佐々木選手は、小学校3年生の時に東日本大震災で学校が閉鎖されて、しばらく勉強ができなかったり、大好きな野球ができなかった経験をしています。高校は甲子園を狙うような強豪校からの誘いを全部断り、練習時間が短い地元の高校を選び、自分で考えて工夫して練習をしました。それらの経験が、昨年、史上最年少20歳にして完全試合を達成し、3日前のWBC準決勝メキシコでも好投、いずれはアメリカメジャーリーグでの活躍が期待されるような成長に繋がったのかもしれません。メッセージの一部を変えて、もう一度皆さんに伝えます。『我孫子中生へ』
「与えられない時こそ、自分で考えてやることが求められる。その方が、スポーツも勉強も伸びる。」
明日からの春休みです。皆さんが自分で考えて、自主的に学習したり、部活動をしたり、読書をしたり、お家の手伝いをしたりすることを期待しています。
二つ目の話です。
4月から、本校の「個別支援学級」の名前が、『つつじ学級』に変わります。つつじは我孫子市の花であり、本校の356号線沿いにもピンクの花をつけ、通学・通勤の方の目を楽しませています。つつじの花言葉には、「努力」や「節度」といった意味があります。我孫子中にピッタリです。
なお、「いずみ学級」の名称はそのままで変わりません。泉が湧き出るオアシスのような居心地の良いクラスを目指す、という意味があります。私は、いずみ学級だけでなく、すべての教室が、泉が湧き出るオアシスのような、誰もが過ごしやすいクラスになって欲しいと願っています。
それでは、4月6日に元気な挨拶、明るい笑顔で会いましょう。
式辞
柔らかな春の日差しに、校庭の木々の芽も膨らみ始め、自然の息吹を感じる頃となりました。
本日は、我孫子市副市長・青木章様、我孫子市教育委員会教育委員・新山訓代様、そして、保護者の皆様のご列席をいただき、第76回卒業証書授与式を挙行できますことはこの上ない喜びです。
さて、3年生の皆さん、卒業おめでとうございます。今、卒業証書を受け取り、どんな思いを抱いているでしょうか?その卒業証書は学校で様々なことを学んだ証です。学校に来られなくても、いろいろ考えたり、迷ったり、悩んだりした3年間の証です。
思い出します。5月の古都体験学習で訪れた京都・奈良。金閣寺のきらびやかさや東大寺大仏殿の圧倒的な大きさ。しかし、私は観光客の少なさに驚きました。以前ならば、日本人だけでなく外国人で混雑する神社・仏閣を待つことなくじっくりと拝観することができました。静かな三十三間堂で千手観音像にじっと見入る女子生徒の横顔、それを優しく見守る男子生徒の姿が印象的でした。現在は違います。清水寺の参道はすれ違うことも困難な程混み合っています。皆さんの訪れたあの季節だけが空いていたのです。晴天にも恵まれました。新型コロナウイルス感染拡大によって、大変なことばかりが強調されますが、幸運なこともあったのです。
とはいえ、日常生活は、様々な制約や急な変更も要求されました。その度、みなさんは臨機応変に対応してきました。やるかやらないか、行くか行かないか、自分で決めなければならない場面、我慢しなければならないことも沢山あったでしょう。
11月から12月にかけて、3年生全員と面談を行いました。面接試験が有る無しに関わらず、面談をしたことで、一人ひとりに輝く個性があることを改めて感じました。自分の長所を理解し、趣味や特技を持ち、友達とのつき合い方などにしっかりとした自分の考えを持っていました。この世代は可哀そうな世代じゃない。臨機応変に対応できる柔軟性と強い個性を持つ、たくましい生徒達、それが皆さんの特徴です。これからのアフターコロナの世界において、ひときわ輝く世代になると確信しています。
そんな皆さんの卒業にあたり、一つの言葉を伝えます。「至誠(しせい)」。きわめて誠実なこと、まごころです。そして、「至誠通天(至誠天に通ず)」。誠の心を尽くして行動すれば、いつか天に通じて認められる、という意味です。これは、江戸時代末期の長州藩、今の山口県で塾を開いていた吉田松陰という人が塾生に説いた言葉です。この塾から初代総理大臣、伊藤博文や高杉晋作など、世の中を変えた多くの人材が輩出されています。誠実に何をするか?それは当たり前の事でもよいのです。例えば、あいさつです。掃除です。毎日の授業です。家のお手伝いです。返事をすることです。花に水をあげることです。そして、何のためにやるか、という目的が重要です。「自らあいさつすることで、相手を尊重し、積極的な自分をつくる」というように目的を自分で決めて、徹底して取り組むことが大切です。
3年生の保健委員の子が言いました。「保健委員会の仕事は目立たないけれど大切な仕事です」。その目的は、「クラスのみんなの健康を守るため」。そんな思いで日々の自分の役割・仕事を誠実に行うこと、それも「至誠」です。
私には何の才能も特技もありませんが、継続して自分の仕事に真剣に取り組み、ボランティア活動も続けてきました。それが私の「至誠」です。結果、いろいろな人達と知り合い、人生が豊かになりました。そして、我孫子中学校に赴任して皆さんと出会うことができました。私の思いは天に通じました。「ありがとう」という気持ちでいっぱいです。
思い出します。11月の合唱コンクール、3年生の美しい歌声に感動しながら、歌詞の一部を書き取りました。
「ぼくらの別れを誰かが出会いと呼んだ」。「信じることは生きる源」。
卒業式は別れの日ですが、これからたくさんの人との出会いが待っています。新しい友や先生と話し、学び、様々な楽しい経験を積んで大きく成長していくことを私は信じています。それでも迷うこと、苦しい時もあるでしょう。時々、空を見上げてください。
「同じ空の下、どこかで僕たちはいつもつながっている」。
我孫子中の友達も同じ空の下で、迷いながらも頑張っています。私も、先生達も、時々空を見上げて、皆さんにYELLを贈りたいと思います。
保護者の皆様、お子様のご卒業、誠におめでとうございます。これまでの本校の教育活動への、ご理解とご協力に深く感謝します。
結びになりますが、卒業生がそれぞれの幸せを自分の力で見つけることを、そして、ご家族のご健康とご多幸をお祈りして、式辞と致します。
令和5年3月15日
我孫子市立我孫子中学校
校長 鈴木 与志実
小中一貫
「小中一貫の日」 校長の挨拶
今日の「小中一貫の日」に、我孫子中学校に来てくれて、とても嬉しく思います。
さて、4月からいよいよ中学生です。もう制服の準備などをしましたか? 本校では、3年前に制服が男女共通のブレザーの形に変わりました。そして、来年は通学バックも縦型に変わったり、体操服に紺色のTシャツが加わったり、学校生活の決まり事も変わってきています。もちろん校則はありますが、あれダメ、これダメというのではなく、自分で考えるということを大切にしていきます。難しい言葉ですが、中学校では「自律」を目指しています。「自分で考えて、自分で決めて、自分で行動する」。ということです。もちろん未だ子供ですから「自分で考えて、決めて、行動する」と間違えることもあります。大人だって、私だって間違えます。失敗から学ぶことも大切な学習であり、大切な経験です。皆さんにも、3年間の中学校生活でこの「自律の力」を身に付けて欲しいと願っています。
中学校の学習や生活にいろいろな不安があるかもしれませんが、小学校6年間で積み上げてきた力があれば、大丈夫です。小学校ではリーダーとして活躍してきた6年生が入ってきて7年生になると思って接しますので、活躍を大いに期待しています。
ただし、学習する場所も友達も先生も変わるので、その面では一旦リセットです。他の小学校、二小、三小、高野山小だけでなく、市内の他の小学校や千葉県外から来る子もいます。そして、クラスだけでなく、部活の友達、先輩達というように交友関係が広がります。さらに、学級担任だけでなく、教科担任や部活動の担当の先生等、中学校では、新しく広い人間関係を作っていってください。きっと、気が合う友達や頼れる先生がいるはずです。
もしかしたら、先輩が怖いとか、いじめられるとか、ネガティブな噂があるかもしれません。昔はそういうことがあったかもしれませんが、今の先輩はみんな優しく接してくれますので、安心してください。何かあったら、味方になってくれる人はたくさんいますので、頼ってください。
今日は、1年生の授業を見学しました。そして、これから2年生が我孫子中の生活を紹介するので、少しでも不安が解消されれば良いと思っています。
それでは、4月11日の入学式で、皆さんに会えることを在校生も先生達も楽しみにしています。
3学期 始業式
明けましておめでとうございます。
充実した冬休みを過ごすことはできたでしょうか。
1月2日・3日にテレビ放送された箱根駅伝に我孫子中の卒業生の二人、M君とS君が今年も出場しました。特に4年生のM君は東洋大学のキャプテンとして一番苦しい山登りの5区を走りました。
また、一昨日の銚子駅伝大会に本校駅伝部が出場し、Aチームが優勝、Bチームも6位入賞という素晴らしい結果でした。新年、在校生も卒業生も頑張っていることを嬉しく思います。
さて、2学期の終業式に、「1月1日元旦に目標を立てましょう」という話をしました。皆さん、実行しましたね。私はいつも同じで、「教師として学び続ける」。私が学び続けなければ、皆に「勉強しろ」と言えません。また、校長として、我孫子中学校をこういう学校にしたい、という目標も立てましたが、それは後で話します。
目標を立てた後、近所の神社でおみくじを引きました。今年こそ「大吉」という思いで引いたら、「末吉」。吉の中で一番下です。こう書いてありました。『強いてしようとすると思わぬ災いにあいます。つつしんで事を行え』。
その時、私は思いました。
「我孫子中学校をこういう学校にしたいなんて、私だけの思いを目標として生徒の皆に押し付けてはいけない。だから、みんなに聞いてもらって、理解を得よう、共感してくる人もいるだろう。」と。当たり前ですが、学校の主役、主人公は皆さんです。まずは、私の願いとして話をしようということです。
校長としての私の願いは、「一人ひとりにとって、過ごしやすく、学びが実感できる学校」です。具体的にイメージを伝えます。
先ず、「一人ひとりにとって過ごしやすいとは…」
もちろん、過ごしやすいというのは自宅の過ごしやすさとは違います。皆が自由気ままにふるまったら、過ごしやすくなくなってしまいます。
・一部の子が辛い思いをしていない。
・自分で、自分達で決める自由度が多い。
・ 体も心も傷つけられる心配がなく、安心して生活できる。
・お互いが尊重され、思ったことが話せる。
・ 挑戦や失敗が許されるし、間違ってもやり直せる。
・仲間に入りたい時は入れるし、一人でいたいことも認められる。
・ずるいことをする人がいないので、まじめな人が報われる。
次に、「一人ひとりに学びの実感があるというのは…」
・今日の授業で学んでいることが、先生の指導や友達の手助けも借りながらわかる。
・ 「なるほど~」「わかった」という瞬間がある。
・ 自分と違う友達の意見を聞いて、考えが広がる。
・振り返って、自分が理解したこと、もっと調べたいこと、さらなる疑問が自覚できる。
・友達と勉強したり、部活動したりが楽しかったと思える。
・先輩や友達の良い点を見習うことができる。
・今日も頑張ったなと思える。
そんな学校になって欲しいという校長としての願いですが、本校に合っている、本校ならできると感じています。なぜなら、我孫子中には「優しい子が多いこと」や「楽しく一生懸命に取り組むことができる」という素晴らしい長所があるからです。
以上、私の願いを理解してくれますか?共感してくれますか?
学校をつくる主体は、生徒の皆さんです。そして、学校を作っている単位は、学級です。ぜひ、皆さんの学級においても「一人ひとりにとって、過ごしやすく、学びが実感できる学級」であることを期待しています。
3学期はまとめの時期と言われます。私が考えるまとめとは、自分で、自分達でできることが多くなっていると実感できることです。一緒に頑張りましょう。
2学期終業式
2学期は、9月の体育祭から始まり、アビ☆フェス、合唱コンクール等の行事に、楽しんで一生懸命に取り組む姿が見られました。
あと8日で2022年、寅年の令和4年も終わります。1月1日を元日、特に午前中を「元旦」と言います。昔から「1年の計は元旦にあり」と言い、まずは目標を立てなさいという教えです。ぜひ決意を込めて、午前早くに目標を立ててください。3年生は進路の目標になる人も多いかと思いますが、入口だけでなく、新しい進路先で何をするか、わくわくしながら目標を立てて欲しいと思います。
現在3年生の一人ひとりと面談をしています。3年生の人柄が少しわかって、話すことがとても楽しく感じます。「趣味はありますか?」に対して「読書」を挙げる人が、思った以上にいます。もちろん小説等を読む人も多いのですが、マンガを挙げる人もいます。私も小学生の頃からマンガ好きなので、今日は、マンガやアニメの名言・名台詞から大切なことを伝えたいと思います。今年の振り返りと来年の目標に生かしてください。
特に1年生に伝えたいこと。
名探偵コナンからの名言・名台詞です。
主人公コナン君が少年探偵団の2人の口喧嘩を
止めるためにかけた言葉です。
「一度口から出しちまった言葉は、もう元には戻せねーんだぞ…
言葉は刃物なんだ。使い方を間違えると、やっかいな凶器になる…
言葉のすれ違いで一生の友達を失うこともあるんだ…」
人は感情的になると、心にもない言葉を発して相手を傷つけてしまいがちです。たった一言が相手と深い溝を作ってしまうこともあります。
しかし、私は絶対に取り返しがつかないことだとは思いません。言われた子が「今のは傷ついたよ」、周りの子が「それは言い過ぎでしょ」等と伝えることができて、本人が素直に反省できれば…。ぜひ、寛容な広い心で次のチャンスをください。
このように、直接の会話なら、悲しみや怒りの感情を伝えることで修復することは可能だと思います。難しいのは、SNS等、ネット上の言葉です。相手の顔も口調も伝わってきませんし、文字は消せません。より慎重な会話が求められます。大事なことは直接話すことを大切にしてください。
次に、特に2年生に伝えたい名言、名セリフ。
ONE PIECEより、サンジの台詞。
「誰にでもできる事とできねェ事がある
お前にできねェ事はおれがやる
おれにできねェ事をお前がやれ!!!」
できることとできないことは人によって違います。それが個性です。何でもできるように見える人でも苦手としていることはあります。自分に自信がない人、あなたにも必ず長所があります。学級や部活動、家庭内、地域において、あなたの出番は必ずあります。縁の下の力持ちだってとても重要な役割です。自分の良い部分を見つけて、自分らしく活躍することを目指しましょう。
最後に3年生に伝えたい名言、名セリフ。
MAJOR(メジャー)より、主人公・茂野吾郎(しげのごろう)
の台詞です。
「他人(ひと)にやらされてた練習を、
努力とは言わねぇだろ」
本当の努力とは、自分の成長のために知識やスキルを磨くことで、他人に強制されたものではありません。毎日、受験勉強をやっているのになかなか成果が出せないと悩んでいるとき、本当に自分からやっているか、自分に問いかけて欲しいと思います。人生で最も勉強に集中する時期は、今かもしれません。この経験はきっと生きてきます。どうせやるなら嫌々ではなく、あなたの人生の糧になるように前向きに取り組んで欲しいと思います。私は高校の時に友達から「どうせやるんだろ。だったら自分からやれよ」と言われて、頭を殴られた気がしました。この友達は私の神です。
マンガやアニメからも学ぶことはたくさんあります。皆の好きなマンガや小説等、お友達に伝えたり、私に教えてください。3年生の中には文庫本を貸してくれた人もいました。ありがとう。
読書にいそしむも良し、自分でよく考えて、有意義な冬休みを過ごしてください。
2学期末 保護者会より
2学期を振り返ると、新型コロナウイルス第7波が収まった9月に体育祭が行われました。応援団や実行委員を中心に、楽しく、一生懸命に取り組む生徒の姿が見られました。
10月のPTAバザーでは、今年もキッチンカーを楽しむことができました。役員やボランティアの方々に感謝します。その日の午後には、アビ☆フェスと銘打ち、生徒発表会を開催しました。演劇部や合唱部、英語スピーチ等の他にも有志の生徒が特技のダンスや歌で個性を発揮したり、クイズ大会でアビ中クイズ王を決定したりしました。これらは、自分から手を挙げた生徒スタッフが運営し、PTAや外部団体と協力して行うという新しい学びの形に挑戦するものでした。生徒スタッフが自主性を発揮してやり遂げたと評価しています。
そして、11月には合唱コンクールが柏市民文化会館で行われ、ステージ上で美しいハーモニーを響かせました。特に3年生の歌声は、どのクラスが最優秀賞になってもおかしくない程のレベルの高さでした。現在、3年生の一人ひとりと面接を行っていますが、「賞を取れなかったことは悔しいですが、自分達の合唱はできました。」と言う生徒が多いことが、取り組みの素晴らしさを物語っていると思います。
このように、「生徒が行事に、楽しく、一生懸命に取り組むところ」も本校の自慢できる点です。
ただし、このような行事で大きな教育的効果が得られるのは、普段の学習と日常の生活がしっかりと行われていることが前提です。我々教師が、もちろん生徒達自身もそれを理解して日々生活することが重要だと考えます。
さて、3年生は卒業まで約4カ月、進路選択が迫ってきています。いろいろな高校や就職など進む道は別々ですが、そこでどんな生き方をするかが大切であり、我孫子中で学び、経験したことを生かして欲しいと思います。
2年生は、新生徒会役員や委員会が決まり、学校の中心としての活動が始まっています。部活動の新人戦ではその成果も出始めており、3年生に向けて一人ひとりの成長に大きな期待をしています。
1年生は入学から8カ月経ち、中学校のリズムに上手く対応できた子もいれば、学習や生活、友人関係において少し悩んでいる生徒もいると思います。いじめや暴力等は絶対に許しませんが、成長過程の生徒の集まりである学級や部活等で問題が起きるのは、むしろ普通です。そこで悩み、対話し、気持ちを伝え合うことを通して問題解決するプロセスこそ学校における学びです。なるべく自律的に生徒同士で解決することを目指しますが、必要に応じて教師も深く浅く関わって参ります。
全学年とも、今日の学級懇談において、成果や課題、冬休みの過ごし方等について話をしますので、家庭で話題にし、会話をして欲しいと思います。
生徒が成長する上では、「自己肯定感」がとても大切です。我々教師は、授業などの教育活動を通じて、生徒の力を伸ばし、認め褒めることで自己肯定感を醸成したいと考えます。さらに、逞しく成長するには、精神的に強く折れにくい心も必要です。そのためには、鍛えることも重要であり、励まし、時に厳しく指導することもあります。具体的には下記の場合等です。
・リーダーとしての働きが求められる時。
・その子が持っている力に比べ、明らかに低い目標や行動の時。
・やるべきことから逃げようとしている時。
・嘘をついたり、他人のせいにしている時。
学校の教育活動や教師の指導について、ご理解願いますが、確かめたいこと等ありましたら直接に学級担任や部活顧問に連絡を、それが難しい場合は、学年主任や生徒指導主任、養護教諭、心の相談員、スクールカウンセラー、教頭、校長でも結構です。共に子供達の成長を支えるパートナーとして考えていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
それでは、良い年末・年始をお迎えください。
駅伝部壮行会
校長からタスキを渡されました。
10月15日の大会当日、自分の区間を走り切った選手の皆さんは、自分のことを誇りに思ってください。将来、子供や孫にまで自慢できるくらいすごいことなのです。
そして、私から言うことは先週の音楽発表会壮行会と同じです。
「今、持っている力を発揮してください。」「練習どおりにやってください。」本番にいつも通りの力を出すことが大切です。先日の葛南駅伝大会で、力を発揮できなかった人にとっては、その経験を生かして取り組むチャンスです。
その為に、私からのアドバイスは2つ。1つ目は、楽しむこと。笑顔で走りましょう。2つ目は、「私はできる」と声に出すこと。友達同士で「お前ならできる、絶対大丈夫」と、声に魂を込めて、心に届けましょう。
大会後には、「楽しかったです。」「自分の力を出すことができました。」と報告してくれることを期待しています。頑張ってください。
2学期 始業式
朝、登校する皆さんのマスク越しの明るい顔を見ながら、挨拶を交わすことができて本当に嬉しく思いました。
充実した夏休みを過ごすことはできたでしょうか。
4月から皆さんと生活する中で、私が我孫子中で一番素晴らしいと思っていることは、「優しい子が多い」ということです。この「優しさ」は我孫子中学校の宝だと思っています。
そこで、私が体験した1学期の優しい場面ベスト3を挙げます。第3位。校長室の前の廊下で、2年生に「さようなら」「気を付けて帰りましょう」と私が声を掛けたら、「さようなら」だけでなく、「ありがとございます。」や「はい、気を付けます。」と返してくる子が多かったこと。感謝の気持ちが表せる優しい子だと思います。第2位。校長室の前を、しゃべりながら通っていた1年生が、急に口に人差し指を当てながら「職員室だからシー」と友達に向かって呼びかけたこと。職員室では先生達が仕事をしていて、校長室にはお客様がいらっしゃっています。職員室前は静かにと配慮ができるのは、優しい子です。第1位。3年生の古都体験学習で、私が朝起きて部屋を出たら、3年生の男子が、「校長先生、よく眠れましたか」と気遣ってくれて、感動したこと。こんなことを言ってくれる優しい中学生は、我孫中にしかいません。2学期も、皆さんの優しさが溢れる学校であって欲しいと思っています。
さて、1学期は「自律」ということで話をしてきました。自律とは、「自分で考え、自分で決めて、自分で行動すること」です。2学期は、それに加えて、「きょうどう」をお願いしたい。クラスや部活動、学校は共同生活です。でも、私が皆にやって欲しい「きょうどう」は、この「共同」できなくて、こっちの「協働」です。見たことある人もいるでしょう。これは、「考えや意見の違いを乗り越えて、目標達成のために協力すること」です。「自律」と「協働」はセットになって力を発揮します。2学期には、体育祭等の大きな行事もあります。行事だけでなく、普段の授業や日常の学校生活において、人によって考えや意見が違うのは当たり前です。「対話」や「話し合い」をすることで、自分には思いつかなかった点に気づいたり、より良い方法を考え出したりすることも可能です。人との摩擦を恐れず、本気で人と関わり、違いを乗り越え、協力する。それが、皆に頑張って欲しい「自律」と「協働」です。
我孫子中の主役は生徒のみんなです。先生達は主役であるみんなの意見や話に耳を傾けたいと思います。例えば、「夏休みの部活動の練習は、暑い日中を避けて早朝練習にしたい」という考えを持った子がいました。ぜひ、顧問の先生に意見して欲しいと思います。顧問の先生にも考えがあったり、都合があったり、その通りになるかはわかりませんが、意見をすること、対話すること自体が大切なことです。学級が良くなるような意見や考えがあったら、どんどん提案してください。また、3密を防いだり、換気をしたりといったコロナ感染症対策は指示されなくても自分達でできるはずです。自分達でできることは先生を頼らず、支持を待たずに自分でやってください。
始業式(校長式辞)
新2年生・3年生の皆さん、進級おめでとうございます。
2年生は、1年生が入学すると後輩ができます。1年前のことを思い出し、いろいろなことを優しく教えてあげてください。
3年生は最上級生になりました。学校行事や部活動をリードして、我孫子中学校の顔となっていきます。大いに期待しています。
さて、私から、今年1年間心がけてほしい3つの「気持ち」について話します。
この3つを心がけることで、友達関係がより良く、深くなったり、自分を成長させたりすることにつながります。
もし、メモをとる人がいたら嬉しいです。いつか生活記録帳に書いてきてくれたらもっと嬉しいです。ぜひ、私に見せに校長室に来たり、担任の先生に意見を聞かせたりしてください。
一つ目は「違いを認める」ということです。人はそれぞれ違う気持ちや考えを持っています。当然、自分と意見が合わない人がいます。それは、当たり前のことととらえましょう。そこで「対話」が必要になります。対話することでお互いの違いや立場を理解し、その意見をもらったり、折り合いをつけたり、もっと良い考えを生み出したりすることができます。
二つ目は、「広い心で接する」ということです。具体的には、他の人の欠点を責め立てないこと、謝った人を許しましょう、ということです。誰だって失敗をします。やろうとしてもできないこともあります。そういう人を責めないようにしましょう。また、時には悪いことをする人もいるかもしれません。しかし、心からの「ごめんなさい」があったら、許しましょう。逆に、悪いことをしたら素直に謝りましょう。
三つ目は、「自分事として取り組む」ということです。難しい言葉で「主体性」と言います。自分には関係ないと思わず、自分事として考え、行動するということです。近くに目を向けてみましょう。学級や部活の課題はありませんか。先生がやってくれる、ではなく、自分で課題に気づき、より良くしようとすることが自分事として取り組むということです。友達関係のことを人のせいにせず、自分を振り返り、自分たちで解決しようとすることです。
「違いを認める」「広い心で接する」「自分事として取り組む」。これから1年間、この3つについて、心にとめて生活して欲しいと思います。
到達度テストがありました!
今日・明日と、1・2年生は到達度テスト、3年生は実力テストが行われます。校庭の景色も銀杏の葉が色づきはじめ、木々も冬の準備に入りました。
今日から1・2年生は到達度テスト、3年生 は実力テストが始まりました。テストが終わ ると2021年も終わりに近づきます。 一つ一つ大切に問題を解いて、力を発揮し てほしいです! |
|