校長室から

校長室から

令和6年4月5日 1学期始業式 校長の話

 いよいよ今日から令和6年度が始まりました。2年生・3年生の皆さん、進級おめでとうございます。

2年生は、1年生が入学すると先輩になります。1年前のことを思い出し、いろいろなことを優しく教えてあげてください。3年生は最上級生。学校行事や部活動をリードして、我孫子中学校の顔となっていきます。大いに期待しています。

  

 さて、私からは、今年1年間心に留めてほしい、心掛けてほしい「3つの気持ち」について話します。

この3つを心掛けることで、友達関係がより良くなったり、自分を成長させたりすることにつながります。

 まず、一つ目は「違いを認める」ということです。ここまで聞いて、去年と同じ話だと思った3年生いますか?大切なことだから再び話します。2年生は1年前の始業式に出ていないから、この話は聞いていません。

 一つ目は「違いを認める」。人はそれぞれ違う気持ちや考えを持っています。当然、自分と意見が合わない人がいます。それは、当たり前のことととらえましょう。そこで「対話」が必要になります。対話することでお互いの違いや立場を理解し、考えが変わったり、もっと良い考えを生み出したりすることができます。

  二つ目は、「広い心で接する」ということです。具体的には、他の人の欠点を責め立てないこと、謝った人を許しましょう、ということです。誰だって失敗をします。やろうとしてもできないこともあります。また、時には悪いことをする人もいるかもしれません。しかし、心からの「ごめんなさい」があったら、許しましょう。逆に、悪いことをしたら素直に謝りましょう。

  三つ目は、「自分事として取り組む」ということです。難しい言葉で「主体性」と言います。自分には関係ないと思わず、自分の事として考え、行動するということです。自分の部活に課題はありませんか。これから始まる新しい学級で課題が見つかるかもしれません。いや、きっと問題は起こるでしょう。先生がなんとかしてくれる、ではなく、自分達で課題に気づき、改善しようとすること、それが「自分事」です。友達関係のいざこざも相手のせいにせず、自分達で解決しようとすることです。

 ここまでは、去年と同じ話です。ここからは違います。

  2・3年生とも、この後に新クラス編成が発表されます。ドキドキしますね。シミュレーションします。発表されて、自分のクラスとメンバーがわかりました。しかし、よく知っている子がいません。担任が決まりました。なんだか話しにくそうな人です。家に帰って家族に言います。「最悪~」。ここからが運命の分かれ道です。「来週行きたくないなぁ」となるか、「まあなんとかなるでしょう」。どっちの気持ちになるか、ではなく、どっちの気持ちにするか、で大きく変わってきます。

 先日、転出したある先生が、我々職員に最後の挨拶で次のように話しました。

 「私は柏市で生まれ育ち、柏の教員になりたかったんです。でも、我孫子の教員になりました。『正直、なんでだ 

よー』と思いました。しかし、我孫子中で5年間勤務して、今は最初の学校が我孫子中で本当に良かったと思っています。」

 さあ、この先生は誰でしょう? そう、上川先生です。英語の先生だから、英語のことわざでこう言うでしょう。  

       Home is where you make it.   その気になれば、そこが我が家だ

 日本にも同じような諺があります。その通り、「住めば都」です。「どんなところでも住み慣れるとそこが居心地よく感じられる」ということです。

 みんなが居心地よいクラスになるかは、皆さん次第です。そして、誰一人取り残さず、みんなが安心して生活するためには、先ほどの3つの心掛け必要です。

 「違いを認める」「広い心で接する」「自分事として取り組む」。これから1年間、この3つについて、心にとめて生活して欲しいと思います。

令和6年3月13日 令和5年度 第77回卒業式 校長式辞 

   式 辞

 柔らかな春の日差しに、校庭の木々の芽も膨らみ始め、自然の息吹を感じる頃となりました。

 本日は、我孫子市副市長、青木 章 様、我孫子市教育委員会教育委員、新山訓代 様 はじめ、御来賓の皆様、そして、多くの保護者の皆様のご列席をいただき、第77回卒業証書授与式を行えることは、この上ない喜びです。

 

  3年生の皆さん、卒業おめでとうございます。 

今、卒業証書を受け取り、どんな思いを抱いているでしょうか?その卒業証書は、学校で様々なことを学んだ証です。たとえ学校に来られなくても、いろいろ考えたり、悩んだりした3年間の証です。

  さて、卒業生の皆さんに尋ねます。中学校の3年間で、得たもの、手に入れたもの中で一番価値のあるものは何ですか。毎日受けた授業。その授業を通じて身に付けた新しい知識や技能でしょうか。初めて本格的に取組んだスポーツや文化活動。その部活動で培った体力やあきらめない気持ちでしょうか。

 こう答える人もいるでしょう。3年間で得た最も価値のあるもの、それは「友達です」と。

  昨年の11月から、3年生全員と面接を行いました。自分の長所や得意教科、趣味、卒業後の進路等を話す中で、友達に感謝しているという生徒が多くいました。

「友達に励まされて、合唱の声がだんだん大きく出せるようになりました」。「友達がいたから部活動を最後まで続けることができました」。

 人間は弱い生き物で、苦しいことや苦手なことから逃げたくなります。でも友達と一緒なら頑張ることができます。みんなで決めた目標ならば、努力することもできます。先生に怒られるよりも、友達に励ましてもらった方がずっとやる気が出ることは間違いありません。

 校長面接で、こう言っている人もいました。「友達に教えてもらって問題が解けました」。「勉強を僕がわかるように教えてくれました」。学校は、教室は、みんなで学習するところで、先生からだけでなく友達から教えてもらうことはとても大切な学び方です。私も仕事をする中でわからないことを他の先生達に訊きます。いろいろな人の意見を聴いて、考えて判断することもしばしばです。人に尋ねることは、自分で考えることにつながります。

  3年生は卒業して、それぞれの道(路)に進みます。我孫子中には、小学校が同じだったり、この周辺に住んでいて価値観が似ていたり、あなたのことを知っている、理解してくれる人が多くいました。しかし、進学する高校は全く知らない人ばかり、我孫子を離れる、千葉県を離れる人もいます。きっと雰囲気も違うでしょう。そして、考え方や価値観が違う人と関わる機会が多くなります。戸惑うこともあるでしょう。しかし、初めての人、自分とちょっと違う人との出会いを恐れないでください。違う価値観の人と付き合うことは、自分の窓を開いて、広い世界を知るチャンスです。「人はこんなふうに考えるのか」「あの人の見方は全く違うな」「すごい経験談で驚いた」等、たくさんの刺激を得ることができます。また、相手の話に心動かされた時は、「自分はここに感動する人間だったのか」という発見もあります。人と話すことは相手を知ることでもあり、今まで知らなかった自分自身を知ることにもなります。

 そこで大切なのは、「他人は自分とは違う」という認識です。だから、相手を否定せずに、歩み寄ることもしてみてください。違う価値観に触れることから新しい発想も生まれます。

  私の友達観も話しておきましょう。私は、誠実に向き合ってくれる人はみんな友達だと思っています。我孫子中の先生達はもちろん、PTA役員の方々、失礼ながら来賓の方々も。相手の方はそう思ってないかもしれませんが、私が思うことは自由です。友達が少ないと悩んでいる人がいたら、私のように一方的に友達だと思っていれば、悩みは軽減します。

 更に言えば、生徒の皆さんにも友達の感覚を持っています。もちろん、教師と生徒という立場や役割の違いはあります。でも、互いに尊重できる関係においては友達です。今日は、教師として生徒を祝福する気持ちと、友達と別れる寂しい気持ちが入り混じっています。

  皆さんには、本校で学んだことを生かして欲しいと願っています。数年後にいろいろな職業に就くでしょう。しかし、人工知能AIの普及によって将来的に無くなる職業もあると言われています。校長面接では、料理人になりたい、保育士になりたい、医療系の仕事に就きたい、という目標を語る人が多くいました。また、人の役に立つ仕事がしたいという人も多くいました。これらの仕事はAIに奪われることはないと思います。料理も保育も医療も、人の役に立つ仕事も、相手のことを考えて、人と関わる仕事だからです。友達と話すこと、人から学ぶこと、時に気持ちがすれ違っても、人と関わる良い経験になります。それは、仕事でなくても、豊かな人生を送ることにつながると思います。

 ちなみに、教師の仕事も学習を教えるばかりでなく、児童生徒の人間的な成長に関わる仕事であり、AIにはできません。この中から、我孫子市内の小中学校の教師になる人が現れる期待もしています。

  地球上に80億人以上の人がいる中で、皆さんと共に過ごしたことは奇跡であり、出会いに感謝します。またいつか会いましょう。それまで元気で

 

  保護者の皆様、お子様のご卒業、誠におめでとうございます。これまでの本校の教育活動への、ご理解とご協力に深く感謝致します。

  結びになりますが、卒業生がそれぞれの幸せの形を自分の力で見つけることを、そして、ご家族のご健康とご多幸をお祈りして、式辞と致します。

 

             令和6年3月13日   我孫子市立我孫子中学校  校長  鈴木与志実

令和6年1月9日 3学期始業式 校長の話 

 改めまして、皆さん新年おめでとうございます。

 皆さんと会えて、たいへん嬉しく思います。元日から石川県能登半島で最大震度7という巨大地震がありました。多くの方が亡くなり、今も数万人が避難生活を送っています。日本は地震大国で、ここでもいつ巨大地震が起きるかもしれません。こうして、生徒の皆さんと先生達が無事に再会できたことは、たいへん「有難い」ことです。

 地震や津波、火事の映像を見ていると心が痛み、気持ちが落ち込んできます。「新年、おめでとう」と言って良いのかさえ、迷っていました。しかし、1月3日、お笑い芸人のやす子さんのコメントを聞き、考え直すことができました。やす子さんは元自衛隊員であり、災害派遣の経験もあるかもしれません。「私たちができることは何?」の質問に、次のように答えました。

 「日常を送れる方はいつも通り日常を楽しむことですかね。あとは募金とかでしょうか。自家用車で支援に行くと 道が混み、緊急車両の邪魔で助かる命も助からなくなるので、今みんながいる場所で精いっぱい生きるのが大切かも」。

 それでは、亡くなられた方のご冥福を祈り、黙とうを捧げたいと思います。

 

 2つ目の話です。

 新年が始まりました。元旦に目標を立てたでしょうか?私は新しい学校目標を考えました。今までは、「社会の変化に主体的に対応し…」から始まりましたが、全く逆に、みんなが社会を変えるという意味にしました。これは皆さんへの提案です。「『より良い未来を創る人』の育成」。3年生の皆さん、もう関係ないと思わないでください。卒業した後のメッセージでもあります。世界は大きく変わっています。例えば、気候変動。昨年の夏は地球沸騰と言われる程暑くなりました。この傾向は続き、2030年までに具体的な対策をしないと気候変動の暴走を止められなくなると言われています。各地で紛争は続き、世界平和も達成されていません。地震や台風等、自然災害への対策も必要でしょう。上の世代がつくった社会に合わせるのではなく、皆さんの世代がより良い未来の社会を創っていって欲しい、そのための力を身に付けて欲しいと強く思っています。

 その一つが、やはり「自律」です。自分で考えて、判断して、行動する。

 もう一つも毎度おなじみ「協働」です。人はみんな違い、考えは一人ひとり違います。その違いを乗り越えて、共通の目的や目標に向かって協力する。

 難しいようですが、そんなことはありません。具体例を挙げます。

「自律」の具体例…

  〇 委員会や係の仕事、掃除等、自分のやるべきことを確実に行う。

  〇 この問題わからないから教えて、と友達に尋ねる。頼られたら、もちろん教える。

 〇トラブルは自分達で解決する。もちろん相談は受けますし、いじめは許しません。ただし、先生や親がいつもなん  

  とかしてくれると思わないことです。卒業したら、我々は傍にいません。今、学んでください。

「協働」の具体例…

 〇お互いの違いと存在を認め、誰とでも生活できる。

 〇グループやペア学習で、お互いの考えを聴き合う。

 〇A案とB案が対立したら、妥協できるA-2案やどちらも損をしないC案で合意する。

 このように、誰一人外すことなく、みんなが生活できる学級・学校を創ろうとすることが大切です。それを学校外にも広げれば、日本は過ごしやすい国になります。もっと大きく広がれば世界平和に繋がるでしょう。私は本気で、皆さんに未来を託そうと思って、提案しています。考えや意見があれば、ぜひください。

 

 最後に3つ目の話です。

 2学期の終業式では、表彰が多くあり、予定以上に時間がかかりました。これも、みんなが部活等、いろいろな活動に一生懸命に取り組んだ成果です。3年生の代だけでなく、2年生に主軸が移った新人戦でも、多くの部が活躍しました。たとえ、県大会に出場しなくても、市内大会で1回戦を勝った、試合に出られるようになった、苦手なサーブが入るようになった、タイムを縮めた等、一人ひとりに成長があったと思います。それこそ、努力したことの証です。

 私も夏の総体からいろいろな部の応援に行きました。千葉県内各地だけでなく、県外遠くも行きましたが、一生懸命な姿にいつも感動し、試合展開にわくわく・ドキドキしました。ただし、みんなはお互いの試合や発表会などを見ていないことがとても残念です。そこで、友達がどんな感じだったのか、少し写真や動画で紹介します。新年のスタートにあたり、お互いに元気やエネルギーをもらえたら良いと思います。

【スライド上映】

 

令和5年12月4日 2学期末保護者会 全体会 校長挨拶

 本日は、保護者会への出席、ありがとうございます。

 また、日頃よりの本校教育活動へのご理解・ご協力に感謝いたします。

  

 2学期を振り返ると、まず9月16日に予定された体育祭でしたが、体調不良の生徒が多いために延期しました。結果的に多くの3年生が参加できるようになったことが一番良かったと思っています。また、10日間延期したことで猛暑が少し和らぎ、熱中症になる生徒が無かったことは幸いでした。16日より後の土日には部活動の多くの大会が計画されていたことで体育祭が平日開催になり、参観できなかった保護者の方には申し訳ありませんでした。 

 なお、地球規模の気候変動の影響で、来年度以降も猛烈な暑さが予想されます。生徒の安全と健康を優先に考える と、今年のように9月下旬の平日開催も一つの案と考えています。雨天順延の場合も給食対応できること等から近隣市でも平日開催の学校が増えており、本校も検討していることをご理解願います。

 10月のPTAバザーでは、3年目のキッチン・カーだけでなく、社会福祉協議会等の販売も復活しました。役員やボランティアの方々の運営に感謝します。この日の午前中は、授業参観に加え、初めて「自由研究発表会」を実施しました。1学期に計画し、夏休み等に探求した自由研究について各クラス3人の代表生徒が発表しました。教科もいろいろ個性豊かな探求学習について、学年を越えて学び合うことができました。午後は、昨年に引き続き「アビ☆フェス 生徒発表会」を開催しました。演劇部や吹奏楽部、合唱部、特設合唱団、英語スピーチ、そして100年に一度のチャンスで本校に回ってきた北方領土視察事業の報告、他にも有志の生徒が特技のダンスや歌を披露しました。また、「我孫子三小健康クラブ」に『ペタンク体験』を依頼し、地域の方々とふれあう機会ともなりました。これらは、自分から手を挙げた生徒スタッフがPTAや外部団体と協力して運営する新しい学びの形態となっています。

 11月には合唱コンクールが柏市民文化会館で行われ、ステージ上で美しいハーモニーを響かせました。特に3年生の歌声は、どのクラスが最優秀賞になってもおかしくない程のレベルの高さでした。

 このように、どの活動にも生徒が「楽しく、一生懸命に取り組む」ところが、本校の素晴らしい点です。昨日は、演劇部が市の「平和の集い」において上演し、戦争のむなしさや平和の尊さを伝えました。涙を流す市民の方もいました。

 陸上部が全国大会や関東大会に進み、東葛駅伝優勝や昨日の関東駅伝で準優勝、野球部の県新人戦3位、女子剣道部が県新人ベスト8等、多くの部が成果を上げています。上位大会に進めば、費用がかかります。また、バスケットボール部のユニフォームの規定変更により、今までの物が使えないということも起きています。これらにより生徒活動後援会費が当初の予算では足りなくなり、急遽寄付を集めることになりました。皆様のご理解ご協力に感謝いたします。

  

 さて、3年生は卒業まで約4カ月足らず、進路選択が迫ってきています。いろいろな高校や就職など進む道は別々ですが、我孫子中で学び、経験したことを生かして欲しいと思います。

 2年生は、新生徒会役員や委員会が決まり、学校の中心としての活動が始まっています。3年生に向けて一人ひとりの成長に大きな期待をしています。

 1年生は入学から8カ月が経ち、中学校のリズムに上手く対応できた子もいれば、学習や生活、友人関係において悩んでいる生徒もいると思います。いじめや暴力等は絶対に許しませんが、成長過程の生徒の集まりである学級や部活等で問題が起きるのは、むしろ普通です。そこで悩み、対話し、気持ちを伝え合うことを通して問題解決するプロセスこそ学校における学びです。「トラブルを解決するのは先生ではなく生徒自身である」を前提に進めます。もちろん、必要に応じて教師も関わって参ります。

 学校の教育活動や教師の指導について、ご理解願いますが、確かめたいことなどありましたら直接に学級担任や部活顧問に連絡願います。それが難しい場合は、学年主任や生徒指導主任、養護教諭、心の相談員、スクールカウンセラー、管理職でも結構です。子供達の成長を支えるパートナーとして共に考えていきたいと思いますので、よろしくお願いします。

 最後に、日頃に来校された折り、校内で生徒からさわやかな挨拶は受けているでしょうか。学校評価が始まっています。厳しく挨拶などを評価してください。

 この後の学級懇談もよろしくお願いします。

令和5年9月1日 2学期始業式 校長の話

 7月から夏休み中の部活動では、「楽しく、一生懸命」に取り組む姿がどの会場でも見ることができ、とても嬉しく感じました。運動部では、自分の力を発揮できた人、悔しさを味わった人もいたでしょう。パソコン部の発表会、演劇部の公演、吹奏楽部や合唱部のコンクール等でも、一生懸命にやったからこそ感じられることがありました。

 部活動以外でも、英語スピーチコンテスト出場者、平和派遣で広島市を訪問した2人、北方領土視察派遣により北海道で学んできた4人も良い経験になったと思います

  今日から始まる2学期、皆さんに充実した日々を送って欲しいと思っています。授業で学び合い、行事を自分達でつくり、生徒会活動を盛り上げ、部活動を楽しく。友達や先輩・後輩と活動することが多くなります。そこで大切なのが、「コミュニケーション」の力です。コミュニケーションとは「気持ちや考えを伝え合うこと。情報を受け取り合うこと」。会話や対話を交わすことです。良いことには「いいね」「凄いね」と認め、讃える。「こうやったら上手くいくのでは」とアドバイスする、「次はできるよ」と励ます、「ありがとう」や「ごめんね」等の声を掛け合うことです。 

  

 では、コミュニケーションの第一歩は何でしょうか?そう、挨拶ですね。挨拶は目的・ゴールではありません。目を合わせて挨拶することは相手の存在を認めること、相手を尊重(リスペクト)する態度の1番目です。

 体育祭では本校独自の賞『さわやか杯』があり、相手よりも先に、笑顔で、大きな声で挨拶をした団に賞を与えます。ここで、皆さんに問います。挨拶で順位をつけることに疑問を感じる人はいないでしょうか?実は私、昨年4月に我孫子中に赴任してきて疑問に思いました。しかし、「これをきっかけに挨拶を盛んにしようという取り組み」と説明されて、やってみようかという気持ちに変わりました。ただし、この賞をとることもゴールではありません。体育祭が終わった後でもさわやかな挨拶が続いていることが望ましい姿であり、それが目指すべきゴールです。

  私は、教育委員会で働いていた期間がありました。いろいろな小中学校を訪問する機会があり、主に授業を見学しましたが、授業以外で児童生徒と挨拶も交わしました。よく挨拶する学校とそうでもない学校があるのが実態です。児童生徒がその学校の先生に挨拶するのは、当たり前でしょう。教育委員会のような外部の訪問者、保護者、工事業者の人、高校の校長先生もよく訪れます。そんな外部の方々にさわやかな挨拶ができて本物だと思います。実は私の中で、よく挨拶できる学校ランキングがありました。我孫子中は、市内6校中、…残念ながら1位ではありませんでした。では、1位の学校はどんな挨拶をするか。その中学校の生徒は視野が広く、あいさつに迷いがありません。私が訪問して駐車場で車を降りると、10m以上離れたその学校の生徒が私の存在に気づき、大きな声で挨拶をくれました。私がどこの誰かなんで関係ない、学校に来た人はみんな関係者だから迷わず挨拶をするのです。もちろん廊下ですれ違う子も迷わずあいさつしてくれました。

 これと似たことを今年の県大会で応援に行った時も経験しました。たまたま近くにいた学校の生徒が迷わず私に挨拶してくれました。さすが県大会出場校だと感心しました。「視野が広く、迷いなく挨拶ができる。」は、本校が目指すべき挨拶の姿、レベルではないでしょうか?

 私はさらに友達同士の挨拶が重要だと思っています。互いの存在を認め、相手を尊重することになります。友達同士ですから、「おはよー」とか「おーす」「やあ」「よう」など、いろいろでしょう。まずは挨拶、そして会話へとコミュニケーションは進みます。さらに授業において、「ここがわからないから教えて」「いいよ」という会話が盛んに行われるようになると、コミュニケーションは益々深まっていくのではないでしょうか。

  

 もちろん、今年の体育祭では『さわやか杯』を決めます。しかし、いつか「校長先生、我孫子中の体育祭に『さわやか杯』は必要ないです。皆いつでもさわやかな挨拶できますから。」と皆さんから意見が出ることを期待しています。