校長室から

令和7年1月7日 3学期始業式 校長の話

 新年おめでとうございます。さて、皆さんは充実した冬休みを過ごしたでしょうか。

 3年生は卒業まで2ヶ月余りとなりました。本校の学校教育目標は「より良い未来を創る人~自律と協働~」です。卒業後の皆さんがより良い我孫子を、より良い日本を、より良い世界を創る人になることを期待して、3年間の教育活動を行って来ました。あと2カ月、自律と協働をやり切ってください。

 昨年の11月から3年生全員と個人面談をしました。一人一人と話ができて、とても楽しい時間でした。自分の考えや思いを自分の言葉で語る姿に中学校3年間、義務教育9年間の成長を感じました。最後に、「中学校への要望、もっとこうして欲しいことはありませんか」という質問をしました。こう言った人がいました。「アビ中って、自主・自律の学校じゃないですか。高校でもそうしたいんですよ。中学校でもっと進めてください」。とても嬉しい言葉です。私はいつも「自律と協働」を話し、先生達は生徒主体という意識で学習や行事に取り組んできました。もちろん、これからも生徒の主体性重視でいきます。1・2年生も、3年生からのメッセージとして受け取って欲しいと思っています。

 こう言う人も多くいました。「中学校に望むことは、何もないです」「今のクラス、生活が楽しいです」。1・2年生の時は結構トラブルや事件もがありました。友達から嫌なことをされた、逆に嫌な思いをさせた等、いろいろな経験を経て人との関わり方が変わってきたと、多くの人が話してくれました。成長過程のまだまだ未熟な者同士が教室や部活で一緒に過ごすのだから、問題が起きるのは当然です。重要なのは、そこから学び、どう生かすか。3年生は、トラブルや失敗から大切な事を学んで、今があるということですかね。

 一番多かった要望は、「銀杏(ギンナン)が臭いのでなんとかならないですか」。校舎に沿って立つイチョウの巨木。樹齢は50年を越えていると思われます。1年生の理科で勉強しましたが、イチョウの木には雄と雌があります。街路樹として使うイチョウは雄の木だけだそうです。しかし、我孫子中には雌(メス)の木も有り、実を付けます。CG作戦や部活動のボランティア等で葉や実を掃除してくれた人も多くいます。実は捨てられますが、中の種は、茶わん蒸し等の料理に使われる美味しい食材です。「どうしたら良いと思いますか?」との私の問いに、ある3年生は答えました。「委員会とかボランティアで種を取り出して、食べられるようにすればいいんじゃないですか」。今まで臭くてやっかい物だった銀杏の実が、素晴らしい秋の恵みになる可能性があります。以前はPTAバザーで販売していたそうです。自由研究(探究学習)で取り組んでも良いでしょう。身近な教材です。

 何が言いたいかというと、当たり前や以前からやっていたことにとらわれず、考え方や発想を変えたり、工夫したりしたら良くなることって、いろいろありませんか。それを自分達で考えて取り組んでみることは重要です。3年生は卒業しますが、これからの社会は不透明で、明確な正解がない課題がたくさん待っています。だから、1・2年生にも言いたい。中学校生活でも、よく考えて、発想を変えたり、工夫したりしたら良くなることを見つけて取り組んでほしい。学校や生徒という制約があるが、先生が決めるばかりじゃない。みんなで考えて、アイデア出して実行してみることを意識してほしい。それが、生徒主体の学校づくりを進めることになります。

 以上、新年に当たっての私の思いです。

(植物学的には、我々がイチョウの「実」と呼んでいるのが「種子」で、「種」と呼んでいるのは「核」です。)