校長ブログ
校長ブログNo198 2つのニュースから感じたこと
十六夜(いざよい)(10月18日(金)撮影)
天気が不安定で朝から大雨が降ったりやんだりしましたが、昨夜もようやく8時過ぎに雲が晴れ姿を現しました。10月の満月はスーパームーンでしたが、気象条件がよくなかったものの、夜に晴れ間が広がり見ることができたのがうれしかったです。
昨夜の帰り道、心温まる出来事がありました。雨の中、国道で車を走らせていた時のことです。押しボタン式信号が赤になり停止しました。青になり横断歩道を渡る1人の学生が。すでに暗く、中学生か高校生かはわかりませんが、歩きながらじっと対向車と私の車の方を交互に見てそれぞれに頭を下げたのです。きっと自分がボタンを押したことで車に停車してもらったことがすまなかったと感じたのでしょう。登下校時や信号機のない横断歩道で停止した場合に歩行者が頭を下げてお礼を受けることはよくありますが、今回のような例は初めてで心があたたかくなる出来事でした。
さて、先週10月11日(金)は大きなニュースが2つ報道されました。
1つはドラえもんの声優大山のぶ代さんがご逝去されていたこと。もう1つはノーベル平和賞に「日本原水爆被害者団体協議会(被団協)」(以下日本被団協)の受賞が決定したことです。
大山のぶ代さん
大山のぶ代さんといえばドラえもん。ドラえもんといえば大山のぶ代さん。子供にも大人にも大人気の日本を代表する「ドラえもん」は、漫画をはじめアニメ、映画と数多くの作品がつくられています。そしてドラえもんの声は私たちの心に沁みついています。大山さんご自身がドラえもんと「一心同体」であったと言っています。大山さんは、自分の声にコンプレックスを感じ、中学校時代にいじめに遭い悩んでいたといいます。そんな大山さんを救ったのは、母親の温かい一言でした。「声が変だからといって、弱点を気にしてかばってばかりいたらもっと弱くなってしまう。声を出すような部活動をしなさい」という母の助言に従い、のぶ代さんは放送研究部に入部し、活動する中で自分の声の可能性に気づいていったそうです。弱点をプラスに変えるお母さまの考え方と努力された大山さんご自身がすばらしいと思いました。
▼教育相談室の数あるぬいぐるみの中にもドラえもんが待っています。
ノーベル平和賞
毎年10月のこの時期、さまざまな分野においてノーベル賞受賞の発表がありニュースになります。
ノーベル賞って何?(文部科学省HPより)
https://www.mext.go.jp/kids/find/kagaku/mext_0002.html
ダイナマイトを発明したスウェーデンの化学者アルフレッド・ノーベル(1833年~1896年)の遺言に基づき贈られる賞です。賞は6つの分野(物理学、化学、生理学・医学、文学、平和、そしてのちに加わった経済学)で「人類に最大の貢献をもたらした人々」に贈られます。各賞最大3名まで受賞でき、賞金・賞状・メダルが授与されます。ノーベル平和賞以外の発表と授賞式(12月10日)はスウェーデン(首都ストックホルムのストックホルム・コンサートホール会場)で、ノーベル平和賞の発表と授賞式(首都オスロのオスロ市庁舎会場)(12月10日)はノルウェーで行われます。
ノルウェーのノーベル賞委員会は2024年のノーベル平和賞を日本の団体「日本被団協」に授与することを決めました。
<受賞理由>
1 被爆者でもある広島、長崎の原爆生存者による草の根運動
2 核兵器のない世界を実現するための努力と、核兵器が二度と使われてはならないことを目撃証言を通じて示してきたこと
過去ブログNo122-3(8月6日号)とNo132-2(8月14日号)でも触れたように、唯一の被爆国日本の広島県と長崎県からのそれぞれのメッセージには大切なメッセージです。来年は、2発の米国の原子爆弾が広島と長崎の推定12万人の住民を殺害してから80年目にあたります。2学期の国語科の学習で3年生以上の学年では戦争と平和について考える教材(過去ブログNo122-2(8月6日号))を学習しました。上の写真は5年生廊下に展示してある平和教育に関する資料や図書。
5年生は教科書教材『たずねびと』の学習を通して次のような感想を述べています。
原爆で何を失ったのかもっと調べてみたい。
なぜ戦争というものができたのか疑問に思った。戦争をなくすためには他国との交流を増やす。
人の命の大切さがわかった。家族が亡くなったら...と考えてみて、家族、自分、動物などを大切にしていきたいと思った。
世界中でなぜミサイル爆弾をつくったのか。武器をなくせば戦争は起きないのか。みんなが仲良くできるのか。戦争は何のためにあるのか。戦っても人も町もなくなるだけ。うれしいことは何にも起きない。
戦争をなくすには、一人一人の相手のことを考える気持ち、命の大切さを考えることが大切だと思った。
戦争をした人に腹が立った。何も罪のない人たちを大勢失ってしまったからだ。人はなぜ戦争をするのか。自分の欲で人を傷つけることは違うと思った。
原爆で亡くなった人たちのためにも、今の人生を大切にしようと思った。
2つのニュースを通して感じたことは、子供たちも学習を通して過去の過ちから学び、幸せな未来を歩んでいってほしいことです。ドラえもんの映画で流れる歌には数々のヒット曲がありますが「ひまわりの約束」「YUME日和」「夢をかなえてドラえもん」などは子供たちの歌集にも掲載されている曲であり人気の曲です。そこには人として大切な「思いやり」そして誰もが夢をもちつづけ生活してほしい「幸せ」を願う歌ばかりです。
週末の金曜日に報道されたこの2つのニュースは大きな意味がこめられているように思います。