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校長ブログNo116 おうい雲よ!

7月26日に開幕したパリ2024オリンピック大会も今日で1週間を迎えます。序盤からメダルラッシュに沸く日本。歴史的競技の馬術では92年ぶりのメダル獲得。そして東京2020大会から始まった新種目スケートボードでは男女共に金メダルを獲得。幅広い種目で各国の選手が全力で取り組む姿に目を見張るとともに、アスリートならではのたくさんの汗と涙に感動させられます。「今年の夏は特別です。」と過去ブログでも書きましたが、月替わりでカレンダーをめくるとき、「7月が終わり今日から8月だ!」と時の流れをはっきりと意識させられます。オリンピックは4年に1度ですが、各地では伝統的な夏祭りや盆踊り、花火大会などが繰り広げられています。まさに日本の夏、世界の夏です。さて、8月のカレンダーには、異名月で「葉月(はづき)」、8月1日の欄には「八朔(はっさく)」と書かれています。

鉛筆葉月鉛筆(ウェザーニューズ2021年8月1日付より引用)

一般的には、木の葉の紅葉が進み、葉が落ちる月、「葉落ち月(はおちづき)」が略されたものといわれています。 また、稲の穂を張る月、すなわち「穂張り月(ほはりづき)」が略されたという説、初めて雁が渡ってくる月であることから「初来月(はつきづき)」を略して「葉月」と呼んだ説などがあります。

▼横芝光町図書館の花壇(芙蓉(ふよう)をはじめとする夏の花が美しく咲いています。)

また、同図書館2階ギャラリーでは企画展が催されています。

https://www.library.yokoshibahikari.chiba.jp/gallery.html#gal01

児童の作品から 夏の風情を感じる俳句をいくつか紹介します。

夏まつり 大きなおみこし おどってる

夏まつり ぼうしをかぶった チョコバナナ

りんごあめ おこりんぼうの おじょうさん

網やぶれ 金魚すくいの 落としあな

夏の夜 空に咲いた 花畑

めんつゆで 泳ぐそうめん 上手だな

セミたちが声を合わせて歌ってる

鉛筆八朔(はっさく)鉛筆

「八朔」とは「八月の朔日(ついたちのこと)」に行われる風習をさします。「朔(さく)」という言葉は日常生活ではほとんど使いませんが、「朔日(さくじつ)」は「朔日(ついたち)」とも読みます。

1 果物の名前

「はっさく」と聞いてまず思い浮かぶのはあの丸い黄色いミカンのようなものですが、旧暦の8月1日は、現在の暦では2024年の9月3日にあたるそうです。ちょうどその頃から「はっさく」が食べられるようになる頃といったことで名付けられたとあります。(明治19年頃)現代では冬の旬の食べ物ですが、夏の終わりに食べられるようになるとはどんな味覚だったのでしょうね。

2 朔(さく)とは

つまり「朔(さく)」は、月の最初の日を表し、「物事の始まり」を意味します。そのため、人名(読み方として「さく」や「はじめ」)でも使われることが多く、特に「令和」=「新しい時代の始まり」にちなみ名付ける人も増えているそうです。

3 豊作祈願の願いを込めて

9月上旬頃、ちょうど稲がたわわに実り収穫を迎える頃。収穫できる喜び、そして無事に実りをいただけるようにと、田の神様に、「田の実」の豊作祈願をする日となりました。

▼写真は7月初めに2年生生活科学習「学区探検」(学校からしおさい公園方面へ)で一緒に歩いたときの風景。シラサギも飛び交っていました。 

4 徳川家康の江戸入府 

歴史上では、八朔(8月1日)は、1590年(天正18年)に初めて徳川家康が江戸に入府した日とされ、江戸幕府にとって重要な日とされていました。

7月の終わり頃から夕方になると雷雨が増えてきました。空を見上げると今日もいろいろな雲が浮かんでいます。夏というとモクモクとわく入道雲(積乱雲)が思い浮かびますが、こんな雲もあるんですねぇ。ひつじ雲でしょうか。雲の高さによって形や色も異なるなんておもしろいですね。

昔、学校で習った『雲』山村暮鳥(群馬県出身の詩人・児童文学者 1884(明治17年)‐1924(大正13年))の詩を思い出します。(この詩は山村氏が逝去した翌年出版された詩集『雲』に収められています。)冒頭の「雲」の詩の中から一部を紹介。

雲 丘の上で としよりと こどもと うっとりと雲を ながめている

おなじく おうい雲よ ゆうゆうと 馬鹿にのんきそうじゃないか どこまでゆくんだ ずっと磐城平(いわきだいら)の方までゆくんか

ある時 雲もまた自分のようだ 自分のように すっかり途方にくれているのだ あまりにあまりにひろすぎる涯のない蒼空なので おう老子よ こんなときだ にこにことして ひょっこりとでてきませんか