2024年10月の記事一覧
校長室のひとりごと「寒露(かんろ)」
昨日の暑さに打って変わり上着が欲しくなるような涼しい一日になりそうです。そんな今日は二十四節気の「寒露(かんろ)」です。これまでの「秋分」から「寒露」、朝晩ひんやりと肌寒く草木に露が宿る秋本番の季節になった頃を指します。また秋の長雨が終わり秋晴れが続く季節でもあります。
四季、季節の移り変わりがはっきりとしており、その季節ごとに美しい景色情景を見せる日本には、カレンダーのような数字で表される一般的な暦だけではなく、二十四節気のように、その時々を美しい語句で表す暦が伝わっています。この二十四節気は「春夏秋冬」を更に6つに分け、一年を均等に24等分したものです。ちなみに24のうちいくつ言えるでしょう。無知な私はこの機会にちょっと調べてみました。春、「立春」「雨水」「啓蟄」「春分」「清明」「穀雨」。夏、「立夏」「小満」「芒種」「夏至」「小暑」「大暑」。秋、「立秋」「処暑」「白露」「秋分」「寒露」「霜降」。そして冬、「立冬」「小雪」「大雪」「冬至」「小寒」「大寒」でした。半分も言えませんでした。
この二十四節気を更に三分割した「七十二侯」という暦もあるそうです。丁度今の時期は「寒露」の中の「鴻雁来賓(こうがんきたる)」だそうです。
世界広しとはいえ漢字を上手に使い季節を表す「二十四節気」「七十二侯」などの暦があるのは日本だけ、そんな四季、季節を満喫したいと思います。
校長室のひとりごと「氷河がなくなる?」
時折り雨が混じる中でしたが、先週金曜日に予定通り無事に体育祭を行いました。平日開催ということもあり駐車場も確保できず、おまけにあいにくの天気でしたが早朝より多くの皆さんにご参観いただきました。本当にありがとうございました。
ところで、この場でも、何度となく気候変動、地球温暖化について話題にしてきましたが、今日もその関連です。地球温暖化を語る際に一般的によく出てくる話として、氷河が溶け始め、その影響で海面が上昇してしまう。日本では、まだ実害が少ないためか、一般論として聞き流してしまいがちですが、実際にモルディブやマーシャル諸島などでは既に被害が出ているとも報じられています。
今月1日、スイスでの氷河調査の結果が公表されました。それは今年に入り氷河全体の2.5%が解け過去10年間の平均を上回ったということです。調査団体によると「温暖化でこの傾向が続けばスイス氷河にとって大惨事になる。今世紀末までに完全に消滅するだろう」とコメントしています。スイスをはじめ欧州では当然日本よりもこの問題を重く受け止められており事態は深刻化しています。スイスとイタリアの氷河上の国境を変更することが両国で決まっているそうです。この国境変更では、ヨーロッパの最高峰マッターホルンの麓のスキー場などにも影響してくるそうです。
実は、この一連の氷河が解けた水が物凄い勢いで海へと流れ続ける映像を、TV報道で見ましたが、あまりにも衝撃的で恐ろしささえ感じました。確実に地球が悲鳴をあげているとも感じました。
校長室のひとりごと「体育祭」
10月というのに暑い日が続きます。今日の予想最高気温は30℃超えですが体育祭を行います。先週が川創祭だったこともあり実質1週間という限られた練習期間でしたが、生徒たちは3年生を中心に競技の練習に応援練習にと取り組んできました。
学校の雰囲気自体も、先週の「文化的」と打って変わって、合唱の歌声から応援の叫び声を張り上げ、本格的に「体育的」各色の優勝、応援賞を目指し取り組んできました。本校は若い先生方が多く生徒たちに混じって、大声を張り上げ応援したり、一緒にダンスを踊ったりと一気に「体育祭モード」の一週間でした。
今年の体育祭のスローガンは「Break the Limit ~敗北は受けつけない~」です。練習からこのスローガンのように「限界を超える」勢いですべてに全力で取り組む生徒たちの姿には関心、いや感動すら覚えるほどでした。わずか3年間の中学校生活、時にはクラス全員で互いを思いやりながら一曲の合唱を仕上げ、それを歌いきることの満足感と達成感、そして時には、今までの自分を超えるかのようにガムシャラに踊ったり、競技したり応援したり…
そんな青春の1ページとも言える貴重な時間を全校生徒で共有することの清々しさ、素晴らしさを、体育祭を通して生徒たちには経験してほしいと思っています。
そして、そんなキラキラ輝く時間を生徒たちと一緒に過ごすことができる中学校の教員という職業に就いていることの幸せを実感するとともに、これこそ教員の醍醐味だと感じています。
今日の体育祭が無事に終わりますように…
校長室のひとりごと「スズメが絶滅の危機?」
野鳥の中でも身近な存在、特に気に留めるまでもなく「チュンチュン」と街中で頻繁に見かける存在のスズメ、実は近年激減しており、その減少率は絶滅危惧種レベルだと環境省の生物多様性センター環境NGOの調査結果が公表されました。
この調査は里地、草地、農地、湿地、里山など様々な環境ごとに調査され、その里地の調査で、出現頻度が高いとされる106種の鳥類について調査すると、スズメ、ツグミなど16種の一年あたりの減少率が環境省の定める「絶滅危惧1B」「絶滅危惧II類」に匹敵する減少率だと明らかになったそうです。
その要因は様々で、気候変動による温暖化、生態系の変化による野鳥の餌となる昆虫や幼虫の減少、里山の荒廃、農地の減少などが複雑に絡み合っていると言われています。
一方、蝶々(チョウチョ)、蝶類の33%が年3・5%以上のペースで減少しているとの報告されました。
近い将来スズメを珍しがって競い合ってシャッターを切る時代がやってくるかもしれませんね。
10月になっても猛暑日だったりと、この温暖化は人間だけではなく野生の生物にも厳しい世の中になっているということでしょうか。
校長室のひとりごと「還暦の同級生」
60年前、1964年の昨日10月1日に東海道新幹線が開通しました。当時は最高時速210㌔東京―新大阪間を4時間で移動を可能にし「夢の超特急」などと呼ばれていました。高度成長期真っ只中の日本が、その経済力・技術力を世界にアピールするにふさわしい場、東京五輪の開会式が同じ年の10月10日に迫り、先に開通していた首都高速道路と、この夢の超特急の開通、そして東京五輪が日本の力を世界中にアピールしました。
還暦を迎えた東海道新幹線、現在は最高時速285㌔、東京―新大阪間が2時間21分となり60年で1時間40分短縮されました。建設中のリニアモーターカーの最高時速は500㌔、更に移動時間の短縮が見込まれています。
ところで、この60年で新幹線の車両も随分進化し、現在で6代目。騒音や空気抵抗を軽減させ乗り心地も随分と良くなりました。一方、速度が上がり、時代の流れも手伝い移動時間が短くなったことで、消えていった設備や装備も少なくありません。例えば「公衆電話」、携帯電話の普及によって2021年に公衆電話は廃止となりましたが、代わりに車内に無料WIFIを完備しています。次に「食堂車」、新幹線が博多まで開業し、最長で乗車時間が7時間を超えていたことで、食堂車が誕生しました。しかしスピードアップとともに2000年に食堂車は廃止となり、車内でのワゴン販売も昨年廃止されてしまいました。近年は飛行機のファーストクラスのような「グランクラス」と呼ばれる豪華な空間、サービスが始まっており、2026年には、完全個室が登場するそうです。
還暦を迎え、尚も進化する新幹線。同じく還暦を迎える同級生の私も、負けていられません。更なる進化(?)を目指します。