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2025年10月の記事一覧

校長室のひとりごと「熊」

 連日、報道されている「熊」関連のニュース、全国的に熊の目撃情報、農作物被害、人的被害が報じられています。今年の熊による人的被害はここ数年間で異例の増加ペースだそうです。専門家は、東北や北海道で記録的な少雪もあり熊の冬眠が例年より早く明けたこと、ブナの大凶作など猛暑による深刻な餌不足などが影響していると話しています。また、秋めいたとはいえ、例年より冬眠に入るのが遅く12月末まで注意が必要だとも話しています。

 先日、文部科学省は異例とも言える熊対応策を全国の学校に(教育委員会経由)通知すると報じられました。全国各地で熊の目撃情報が相次ぎ、その近隣では「休校」や保護者の車での送迎で登下校する学校も出ています。特に北海道や東北地方などでは市街地でも目撃情報があり、通常の生活ができない状況を思えば納得できる対応かもしれません。この通知は環境省の熊出没時のマニュアルを参考に「学校のゴミ集積場所は施錠する」「登下校中など熊の足跡を見つけたらすぐにその場を離れる」等が示される予定だそうです。そんな中、昨日は小学校や高校に熊が出没した映像が報じられました。幸い子ども達に被害はなかったものの心配はつきません。

 「熊なし県」の千葉県に暮らしていることもあり、どこか他人事のように捉えてしまっていましたが、近県でも目撃情報があることからも、この文部科学省の通知文に沿って生徒達に注意喚起していこうと思います。考えが甘いかもしれませんが、なんとか人間と熊と上手に共生できないものでしょうか。

校長室のひとりごと「マジックアワー」

 特に「写真」に凝っていると言うわけではありませんが、夏の「モクモク」とした積乱雲、秋なら高く線状の雲冬であれば澄み切ってキラキラ光る空など季節の特徴が現れているような空を撮影しています。最近は日の出、日の入り前後の空を撮影しています。

 「マジックアワー」という言葉をご存じでしょうか。日本語では「薄明」ですが、一般的に「マジックアワー」という言葉が使わます。このマジックアワーとは、日の出前と日の入り後のわずかな時間で、条件が整えば見ることができる朝焼けや夕焼け、オレンジ色をはじめカラフルな「魔法のような色をした空」を見ることができる、そんな時間をマジックアワーと呼んでいます。色々な色が混じった太陽の光が、大気中の小さな粒子とぶつかることで空は色々な色に見え、ちなみに青い光は空気中で拡散しやすいため昼間の空は青く、空気中の粒子が水蒸気など大きくどの色の光りも同じように混ざると「空は白く」つまり雲は白く見えます。そして朝や夕方の太陽は低い位置にあると青い光は途中で散乱しきってしまい、赤やオレンジ、黄色の光が目立ち夕焼けや朝焼けになるのだそうです。

 そして、オレンジ色だけではなく、青や紫、ピンクや赤などが混じり絶妙なグラデーションの「美しい空は」は日の出前と日の入り後の各10数分間(水平線に対し太陽が0°~6°)だけ見えるという、まさに魔法のような時間帯「マジックアワー」、皆さんも注目してみてはどうでしょう。

校長室のひとりごと「ビースト」

 米国トランプ大統領が6年ぶりに来日しました。大統領専用機「エアフォースワン」で羽田空港に到着し、都内の米軍施設に向かうため大統領専用ヘリ「マリーンワン」に乗り換え、そこから大統領専用車で皇居に入り天皇陛下と面会されたと報道されていました。もともと車好きの私が注目したのは「ビースト」と呼ばれる大統領専用車です。移動中のテロから大統領を守るため特別な装備が施されていることは知っていましたが、都内を走るビーストの窓から手を振る大統領の映像を見て一層興味が湧き詳しく調べてみました。まず、車全体が厚さ5cm を超える軍レベルの装甲板で覆われ、ロケット弾が着弾したり近くで爆発が起こっても壊れないそうです。ドアに至っては厚さ20cm、窓は12cmの防弾ガラスという徹底ぶりです。タイヤは銃弾を受けパンクしても走行可能、車内は完全密閉されており化学兵器攻撃にも耐えられ、車内には暗視カメラ、酸素ボンベ、輸血用の血液製剤も装備されているそうで、正に「走る要塞」です。ちなみに普通の自家用車が車重1〜2トンなのに対して「ビースト」は車重約9トン、燃費は2.8km/lだそうです。

 また万全を期すために「エアフォースワン」「マリーンワン」「ビースト」は各2機、2台で移動し、どちらに大統領が乗っているのかわからないように移動するそうです。そのため通常は窓をスモークにしているのですが、昨日の移動ではビーストの後部座席で手を振る大統領の姿が見られたなど、安全な日本だからこその一幕だと感じました。

校長室のひとりごと「読書の日」

 昨今、若者の読書離れが気になります。これには学校としても少々責任を感じているところです。数年前まで多くの小中学校では「読書の時間(朝読書)」をカリキュラムに取り入れていました。これをお読みの皆さんには「朝自習」の時間に読書を取り入れていた、と言えばイメージが掴めるでしょうか。毎日10分~15分でも読書に触れる時間があり、それが読書の習慣に繋がっていたことは否めません。しかし、コロナ禍頃からでしょうか、教員の時間外勤務時間の削減の動きと相まって、特に中学校では一日のカリキュラムを見直す動きが出てきました。勤務時間内に部活動の時間を確保するためです。本校も例外ではありません。そこで「朝読書」の時間をなくし、登校後、朝の諸連絡を済ませ1時間目の授業開始としています。中学校の場合は年間1015時間、週29時間、1単位時間は50分の授業を削るわけにはいきませんから、ある意味苦渋の決断と言えます。では中学生に読書は必要ないのかと言えばそうではありません。ゲームやSNS、動画など眼から入る情報ばかりの世の中だからこそ、読書により「文字」や「文章」から想像を巡らせる、読み取る力は子ども達に培ってほしい能力の一つだと考えています。

 10月27日、今日は「読書の日」です。そして11月9日までが「読書週間」でもあります。秋の夜長、子ども達に読書を勧めるのはもちろんですが、私も文字や文章の世界に浸ろうと思います。

校長室のひとりごと「君ノ高校」

 君津市にある「君ノ高校」という学校をご存じでしょうか。「君ノ高校」とは2020年に廃校となった緑豊かな君津市立亀山中学校の施設を活用して2023年11月に民間会社が開校(?)した外国人向けの体験施設です。この施設でのアクティビティは、日本の学校の伝統的習慣を取り入れ、まずは学ランとセーラー服を選んで着替え、午前中は授業体験。体育の授業では運動会さながらの「玉入れ」「パン食い競争」などを行い、筆を手に書道の授業などを行います。お昼は給食体験、割烹着を着て給食当番を体験したり、放課後には、ホウキとちりとりで掃除を体験します。最後には卒業式を行い「卒業証書」を受け取るという、日本の学校を疑似体験できる施設です。SNSなどの口コミで広がり、これまでに多くの外国人が参加しているそうです。

 成田空港でポスターを見て「君ノ高校」で実際に体験した外国人の方は「給食の揚げパンが気に入った。日本への理解が深まった」「アニメで見ていた日本の学校風景とまた違って面白かった」などと語っています。

 人口減少による少子化・過疎化など地域によって抱える問題も様々ですが、この「君ノ高校」の取り組みの原点は「地域の活性化」だそうです。これからも多くの外国人が体験することで、日本の伝統文化を正しく知ってもらうことで日本人も外国人も共に理解し合えると良いですね。