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校長室のひとりごと

校長室のひとりごと「◯◯パ」

「コスパ」、費用対効果(コストパフォーマンス)の略語で、支払う費用に対する得られる効果について、費用に対して効果が大な時には「コスパが良い」などと使います。同様に「スペパ」という言葉は「スペースパフォーマンス」限られたスペース空間を有効活用する間取りやインテリアの配置などで使うようです。続いて「タイパ」です。「タイムパフォーマンス」時間の有効活用を示しますが、一説によるとZ世代の若者の間でコロナ禍に広まったと言われています。コロナ禍では学校もリモートやらオンデマンドやら自宅学習が続きました。大学では課題の動画を見る授業が増えましたが、この動画を通常再生ではなく「倍速」で視聴する方法が広まったようです。この倍速視聴を繰り返すことで内容は内容できちんと理解できているというから驚きです。授業だけではなく、録画したドラマや動画配信の映画などでも倍速視聴する人が多いそうです。調査によると全体の34%が倍速視聴の経験があり、20代女性の43%、20代男性の54%が倍速視聴をしているそうです。

 私もよく映画を動画配信で観ますが、最近の映画は、会話のない場面でも字幕が流れたり、会話のない場面でも独り言のようにナレーションが入る映画が増えたように感じます。本来映画は俳優の表情や間の取り方でさまざまな想像を巡らせることが醍醐味だと思っていましたが、最近は制作側も倍速視聴を視野に入れ、倍速でも物語が掴めるように工夫していると新聞の記事で読んだことがあります。

次は「◯◯パ」という言葉が生まれるのでしょう。

校長室のひとりごと「警察から?」

 連日のように「なりすまし」による「特殊詐欺」が報道されています。片っ端からお年寄りに「俺だよ俺…」と孫になりすまし「会社のお金を落としちゃって」「交通事故を起こしちゃって示談金が」などと騙そうとする「オレオレ詐欺」ですが、詐欺グループもずいぶん巧妙になり、警察を名乗る電話による詐欺が急増しているそうです。その手口は実在の新宿警察署を名乗り「あなたの口座から…」など不安を煽り、そのうちに「あなたが逮捕されるかもしれない」と追い打ちをかけ「在宅で事情聴取するので…」と個人情報を聞き出すという手口だそうです。今こうして文字として読めば、引っ掛かるわけはないと思ってしまいますが、以前は海外からの着信番号(+◯◯)でしたが、この新宿警察署を名乗る詐欺は、IP電話を利用して実際の03から始まる新宿警察署の番号が着信表示されるように細工するなど巧妙だそうです。

 被害に遭われた方は「そんなわけはない」と思いつつも警察からという恐怖で「つい」だそうです。実際に私の携帯電話に今、警察から電話がかかってきたらおそらく気が動転してしまいどうなるのか…

 もし、そんな電話がかかってきた場合には、相手の名前を聞き、一旦切ってから、最寄りの警察署に相談するようにと専門家は提唱しています。気をつけましょう!

 

校長室のひとりごと「ローマ字」

 今日は学年末保護者会を兼ねた今年度最後の土曜授業です。多くの保護者の皆さんの参観をお待ちしています。

 先日、ローマ字の表記について見直しを検討してきた文化審議会が今期の審議を大筋でまとめたという報道がなされました。報道の意味も理解できず、そもそも「ローマ字って何?」と問われても回答できそうもありません。そこでローマ字について調べてみました。

 初めてのローマ字は16世紀後半、室町時代だと言われています。キリスト教宣教師が外国人達に日本語を教えるために、アルファベットを使い日本語の発音を記したのが始まりだそうです。我々日本人が英語を覚えようと、カタカナでフリガナを振るようなものですかね。その後、鎖国でローマ字文化は衰退しますが19世紀に入りアメリカ人宣教師ヘボン氏がこれまでのローマ字をもとに「和英語林集成」という言わばローマ字辞典のようなものを作りました。これが「ヘボン式ローマ字」で、現在でも一般的に使われているローマ字です。

 ローマ字には「ヘボン式」意外にも「日本式」や「訓令式」などいくつか種類があるようですが、実際に使う我々一般人には馴染みもありません。そこで、今回の報道は「ヘボン式」を基本に見直そうということのようです。

 あまり「馴染みがないローマ字」と思いながらも、今PCのキーボードで文字を綴っているのはローマ字入力(PC独特のローマ字)だったりします。難しいですね。

校長室のひとりごと「江戸しぐさ」

 皆さん「江戸しぐさ」ってご存じですか。人口が増え栄えてきた江戸時代の江戸の街で、商人のリーダーたちが「平和でみんなが暮らしやすいように」と作り上げてきたルールのようなマナーのことを「江戸しぐさ」と呼んでいます。「江戸しぐさ」が記された文献は残っておらず諸説ありますが、もともと江戸時代には「繁盛しぐさ」と呼ばれていたそうですが昭和になってから「江戸しぐさ」と命名されたそうです。では具体的にどんなマナーかと言えば、例えば「傘かしげ」、雨の日に傘を差した人同士がすれ違う際に、傘のしずくで相手を濡らさないように傘を互いの外側に傾けるマナーです。「こぶし浮かせ」、これは複数の人が一緒に座るとき一人でも多くの人が座れるように、一人一人が腰を浮かせてこぶし一つ分詰めるというマナーです。次は「肩引き」、江戸の街には多くの路地があり、そんな狭い路地で人とすれ違うときに互いに右肩を引きぶつからないようにすれ違うというマナーです。「江戸しぐさ」はこのほかにもたくさんありますが、そのどれも大勢が生活し、多くの人が行き交う江戸の街で、人々が互いに気遣い、思いやり、生活しやすくするための「江戸しぐさ」、「ちょいとごめんなすって!」なんて威勢良い江戸の暮らしぶりが浮かんできますね。

 江戸の街を生活しやすくするためのマナー「江戸しぐさ」、仮に「江戸の街」を「学校」に置き換えたなら、互いを気遣い思いやりあふれる「粋」な学校になるかもしれませんね。

 

校長室のひとりごと「なりたい職業」

「中高生のなりたい職業」なるランキングが様々な調査機関から発表されています。人を育てる教員という仕事柄、数ある調査の中でも気になるランキングです。先日発表されたランキングを紹介します。

    【男子】  【女子】

 1位 会社員    会社員

 2位 公務員    マンガ家

 3位 YouTuber          公務員

 4位 ゲーム    パティシエ

    クリエイター

 5位 ITエンジニア 薬剤師

 6位 野球選手   看護師

 7位 建築家    料理人

    教員     保育士

 昔は男子も女子も教員が上位の常連でしたが、なんとも残念です。確かに近年、全国的に教員採用試験の倍率が低下を続けています。メディアによる「ブラック教員」などの報道が影響しているのでしょうか。こんなにやりがいのある職業はないと思いながら38年が過ぎようとしています。

  

校長室のひとりごと「後世にまで」

 昨日、第78回卒業式が行われ、無事に91名の3年生が卒業していきました。本校では校舎配置の都合上、1、2年生は校舎の3階、3年生は校舎の2階に教室が配置されています。いつも元気で、笑い声に溢れていた3年生だっただけに、2階は閑散とし、空になった教室を見ると、3年生の卒業を実感し寂しい気持ちになります。

 また今年も、もうすぐ校庭の満開の季節がやってきます。そして4月、新年度になれば新入生が入学し、また新しい生活、79年目の川間中の始まりです。今日からしばらくは1年生70人、2年生84人と154人での生活が続きますが、1、2年生力を合わせて頑張っていこうと思います。

  昨日の「校長式辞」内でも少し触れましたが、14年前の昨日3月11日午後2時46分、東日本大震災が発生しました。震源に近い宮城県などでは震度7を、東京や野田でも震度5強という広い範囲が被害を受け、多くの命が奪われてしまいました。当時、野田市では昨日同様に午前中卒業式を行いました。発生当時には生徒達は皆下校していましたが、市内の小学校では保護者への引き渡し下校を行ったことを思い出します。今の中学1年生は東日本大震災後に生まれた世代、被災者や語り部だけではなく、当時を知っている者として、後世にも語り継がなくてはならない出来事だと考えています。

校長室のひとりごと「旅立ちの日」

 今日は本校にとって大切な日、そして特別なお祝いの日「卒業式」です。生徒達は小学校でも卒業式は経験していますが、校区があるので6年生は卒業しても同じメンバーがそのまま中学校に入学してきます。しかし中学校の卒業は、みな受験を通して別々の学校に進学するため、中にはもう会うことがない級友も出てきたりと、小学校とは少し違った雰囲気が中学校の卒業式にはあります。

 中学校の卒業式には「4つのお祝い」があります。一つ目のお祝いは「中学校の課程を修了した」というお祝いです。二つ目は「義務教育を終え自分で選んだステージに進む」という門出のお祝いです。三つ目は「9カ年間に渡る教育を受けさせる義務を果たした」という保護者へのお祝いです。そして四つ目は15歳と言えば昔の元服大人の仲間入りですから「15年間の子育てご苦労様でした」という保護者や家族に対するお祝いです。この4つのお祝いを広く披露するのが中学校の卒業式です。三つ目、四つ目は保護者、家族へのお祝いですが、卒業証書には一つもそのことは書かれていません。卒業生本人が家族の代表として、壇上で卒業証書を受け取ることの意味をしっかりと噛みしめ、立派に堂々と卒業生には式に参加してほしいと願っています。

 昭和22年の創立以来、1万人を超える先輩達から脈々と受け継いだ歴史と伝統を、今度は1.2年生達に託す時が来たわけです。卒業しても、いつまでも後輩達の憧れの先輩でいてほしいと思います。

校長室のひとりごと「春の訪れ?」

三寒四温とはよく言ったもので、週末の雪も春に向けた準備の一つだったと感じます。

「猫の日」に合わせて、我が家では3匹のネコを飼っていると紹介しましたが、これも近づく春のせいか躍動(?)する機会が増えてきたようです。猫同士のじゃれ合いで騒がしいのなんの…猫の聴覚は人間の4倍とも言われており、特に高い音、虫の羽ばたきなどの高周波も聞き分けるそうです。一方で雷や打ち上げ花火、物を落とすような突発的な大きな音に怯えるそうで、確かに我が家の猫もその通りです。また男性の低い声は動物の唸り声を連想するため、男性より高い声の女性に懐くことが多いそうです。こういった猫の習性から、ゆったりと透き通るような高音の「クラッシック音楽」が猫を癒す!という説があります。あるサイトでは「ロック音楽」も好むと紹介されています。猫の心拍数は運動後の人間くらい(150〜180)で、ロックのビートとシンクロするためだそうです。このようなことから猫専用の音楽を作っている人もいるというから驚きです。えっ?ところで試したのか?って話ですが、音楽を選んでいるうちに疲れたのか猫たちが落ち着いてしまうため、まだ試せていません。こういうところも気まぐれな猫ならではなんでしょう。

 明日は卒業式です。なんとか天気も大丈夫そうで一安心です。

 

校長室のひとりごと「魔法の言葉」

 想像してみてください。例えば、比較的混んでいる電車に乗りましたが詰めればもう一人くらいは座れそうです。乗ってきたあなたに気づき何人かが席を詰めてあなたが座れるスペースを空けてくれました。あなたはその席に座りますが、そのときどのような言葉を口にしますか?例えば、道を歩いていてハンカチを落としてしまいました。自分では気がつきませんでしたが、後ろから「落としましたよ」とハンカチを手に駆け寄ってくれた人に、どのような言葉かけをしますか?例えば、飲食店で店を出る際にスマホをテーブルに置き忘れてしまいました。店員さんが慌てて「忘れてますよ」とスマホを持ってきてくれました。その店員さんにどのような声をかけをしますか?

 三つの例で考えてもらいましたが「何も言わず頭を下げるだけ」と言う人もいるかもしれませんが、ほとんどの人は「○○○○○」という5文字を口にするでしょう。皆さんの5文字はどちらでしょうか。「すみません」「ありがとう」・・・

 つい「すみません」と言ってしまいがちですが、やはり「ありがとう」を選びたいものです。人は「ありがとう」と言われれば嫌な気持ちにはなりません。むしろうれしくなるものです。人をうれしくさせる力がある美しい日本語「ありがとう」。そんな「ありがとう」が飛び交う社会になれば良いなと思っています。

校長室のひとりごと「不易流行」

 年度末を迎え、今は来年度の日程やカリキュラムなど来年度の様々なことを決めたり調整したりしています。過去のこととなりつつあるコロナ禍の余波は学校にたくさん残っています。行事の精選・縮小、地域交流の自粛、部活動時間の短縮、リモート学習…もちろんこれらはコロナだけではなく、教員の業務改善や社会全体の変化も影響しています。一方でコロナの余韻は悪いことだけではなく、昭和から続く古い体制を見直す機会にもなり、学校教育は大きな転換期を迎えています。

 この大きな転換期に私が校長として常に意識していること、それは「不易流行」です。「不易」とはどんなに社会や時代が変化しても変わらないこと、変えてはならないこと。「流行」とは社会や時代の変化に合わせて変わること、変えなくてはならないことです。コロナ禍では、感染拡大防止が最優先だったため、様々なことをいわば削ってきました。そしてコロナ禍が明けた今、削ってきた何を戻して、何をそのままにするか、単にコロナ禍前に戻すわけには行きません。生徒達はもちろん先生方も若返りコロナ禍前の学校の様子を知らない先生もたくさんいます。

「生徒にとって」必要なことは削らず、むしろ手厚く時間を割いて、逆に削っても影響ないものは過去にとらわれず削るなど形を変えていくことがこれからの学校には必要だと思います。