学校の様子

生命(いのち)の安全教育推進事業「性教育授業・講演会」

講師にen代表 性教育アドバイザーで助産師である高野しのぶ様をお招きし、性教育授業・講演会を開催しました。

高野しのぶ様

高野様は「全ての子どもが性教育を受ける社会に」という思いのもと、2019年より、横浜市の小中学生を中心に、性教育についての授業を開始されました。2024年には、もっと多くの人に性教育を広めたいと、市民病院を退職し独立。横浜から日本の性教育を変える「en」を設立し、日本各地で精力的に性教育授業を行っておられます。

 

発達段階に応じた配慮と理解と関心の違いのため、学年を分け内容を変えて講演をいただきました。

思春期初期である1年生は体の変化や好奇心が芽生える時期です。性に関する正しい知識を学び安心して生活できるように、性教育の基礎や他者との距離感、自他の境界線についてなどを教えていただきました。

自分の「境界線」について、実演を交えて考えました。相手との関係性により、許せる距離感が異なるもの。また、それより近づいてくる相手にははっきりと意思を伝えることを学びました。

 

 現代では身近なSNSで気をつけなければいけないこと、犯罪に巻き込まれる可能性については、具体例を挙げて教えていただきました。

 

 生理の正しい知識について改めて解説いただきました。生理は体が大人に近づいているサインであり、うまく付き合っていかなければいけないもの。PMS(月経前症候群)について知らない人もいれば、悩んでいる人も少なくありません。自他を思いやるために、まずはPMSの症状や自分の状態を理解し、対策や対処をしていくことで生活のしやすさは格段に変わります。

LGBTQのジェンダーと性的指向・性自認の多様性について理解することは、自分と他者を尊重する第一歩になります。からかったり否定するのではなく、相手の多様性を尊重する姿勢が大切です。

 

2年生は、恋愛や性的関心がより高まる発達の時期です。自他のからだを思いやり、人間関係としての性にも注目し、さらに良い関係でいられる交際についてみんなで考えました。

 

3年生は、卒業と同時に義務教育が終了し、自らの責任で社会の中で様々な人と関わっていくことになります。

性的行為に関するリスクやトラブル、自他を尊重、生命の責任など、行動選択に伴う様々な可能性について深く考えるきっかけをいただきました。

1~3年生の講演の最後には、生命誕生の瞬間を動画で視聴しました。

3億分の1の生命の奇跡、生命の重み、今の自分が存在する感謝を実感し、生徒たちは静かに見入っていました。

 

1~3年生の講演後、職員・保護者に向けてもご講演いただきました。


性は触れてはいけないタブーではなく、「自他の心と体を大切にすること」でもあります。そして、性に関するリテラシーを正しく身につけ、困ったときはすぐに相談できる環境があることが大切です。性や人間関係に向き合っていくことがこれからの子どもたちに必要なのだと改めて感じました。
本日ご講演いただきました高野様、心より感謝申し上げます。