学校の様子

市議会傍聴&視聴 その2

 おおぐろの森中学校では先日、生徒総会が行われました。その中で、生徒たちがそれぞれの考えを基に全校の場で発言し、意見交換する姿がありました。では、このような場は学校の中だけでしょうか?

 日本では国会や県議会、市議会でそれぞれの考えを共有し、それぞれの自治体をより良くするための会議が行われています。本日はおおぐろの森中学校の代表生徒43名が実際に流山市議会議場に向かい、学校に残っている生徒もインターネット中継を見ながら、自身が住んでいる流山市のこれからについて、傍聴や視聴をして考えました。

 

 ここで社会科の視点から話をします。 

 

「地方自治は、民主主義の学校である」

 ~イギリスの法学者・歴史学者・政治家 ジェームズ・ブライス~

 地方政治は行政のトップである首長と政策を決定する議員を住民が直接選ぶ、二元代表制という制度が使われています。そのため、地方自治は住民からの意見が反映されやすい、民主主義の理想的な姿といえます。また、自分たちが住む身近な地域の課題を知り、解決方法を模索する中で、民主主義を実践的に学ぶことができます。以上の理由から「地方自治は、民主主義の学校である」と言われています。
 しかし、現在の地方自治はどうなっているのでしょうか?地方創生政策が始まり、10年が経ちますが、地方の人口減や東京への一極集中の流れは変わっておらず、地方自治は厳しい状況にあります。流山市においては、人口が増加している自治体ですが、今後も増え続けるでしょうか?同じ世代の移住者が増えたことで学校で、子どもの受け入れが限界になるといった新たな問題も生じるなど、様々な問題を抱えていたようです。
 また、昨今よく話題になるのが若い世代の政治離れです。政治に対して興味関心を示さない若い世代が増えていることが問題視されています。流山市においても、昨年行われた流山市長・市議会議員選挙において、18~34歳の人たちの投票率は30%未満という状況です。2016年から公職選挙法が改正され、選挙権が18歳以上に引き下げられました。しかし、多くの人たちが選挙という政治参加、意見表明の権利を放棄している状況にあります。
 本校では、このような状況を憂い、若い世代の人たちが国や社会の問題を自分の問題として捉え、自ら考え、自ら判断し、行動できる自律した生徒の育成のために、議会傍聴及び視聴を行いました。

 

【議会を傍聴する様子】

 

 

【教室で議会中継を視聴する様子】

 

 本校職員の曲師教諭が市議会についての事前授業をしている様子です。中学生は、議会や政治について知る機会が少ないと思います。全クラス一斉配信で「議会とは何か」を伝えました。

 開校3年目になる本校では、毎年、議会傍聴を行ってきました。議会傍聴を通し、生徒から「市議会のことがわかった」「貴重な経験をすることができた」「流山市の市政についてわかった」という声がありました。普段見られないものを見る事が出来、とても有意義な時間になったと思います。

 

【坂巻議長、近藤副議長、井崎市長、石原副市長、田中教育長との交流】

 

 

 議会傍聴後、子ども達は議場に入らせていただき、二元代表制の代表的な方々と交流する貴重な時間をとっていただきました。交流の中で、坂巻議長、近藤副議長、石原副市長、田中教育長からお言葉をいただきました。坂巻議長からは「流山市は女性が副議長を務めています。今後も女性が様々なところで活躍する社会を目指していきたい」。近藤副議長からは「市議会では、28名の議員が市民の声を集め、行政の長である市長が政策を行っています。地方自治では、この二元代表制がとても大切です」。石原副市長からは「21年も副市長をやっているが、中学生と話す機会はあまりないので新鮮でした。今後も頑張ってください」。田中教育長からは「今後ともおおぐろの森中学校から様々な特色ある教育活動や取り組みを発信してほしい」。というお話をいただきました。

 また、生徒から様々な質問をし、お答えいただきました。

 

 本校では、政治に対して興味・関心を持ち、国や社会の問題を自分の問題として捉え、自ら考え、自ら判断し、行動できる「自律」した生徒の育成を目指しています。今後も変化する時代に対応できるよう、新たな視点で社会に通用する取組みにチャレンジし、積極的に情報発信をしていこうと思います。今後ともよろしくお願いいたします。