研究授業保健体育科編 ~バレーボール~
先日行われた研究授業で、1-1・2組女子バレーボールの授業研究を行いました。
小学生の時にソフトバレーボールを経験し、中学校に上がってきてバレーボールに触れるというケースが多くありましたが、小学校時代にコロナ禍を経験した影響もあり、ソフトバレーボールを行ったと答えた生徒は学年の半数ほどでした。本来のバレーボールでの実践はバレーボール部に所属している生徒のみであり、ボールの硬さやネットの高さなど、本来の用具で取り組むことが初めての生徒が多くいました。
いざ硬いバレーボールで授業を行うとなると、「硬い」「痛い」という印象があり、なかなか触ることを躊躇してしまうものですが、1・2組の生徒は、一生懸命ボールに触れていこうという気持ちがあり、とても楽しくバレーボールをしている様子が見受けられました。
本時の研究授業は授業としては7回目であり、ウォーミングアップ・目標設定・タスクゲーム・正式なコートでゲーム・振り返りという流れで行われました。本校の研究主題である「ICTを活用した教育の探求~1人1台端末の効果的な活用で、楽しく学び、学びをさらに豊かに~」ということで、保健体育でもタブレット端末を活用して授業を展開しました。
そして、今回の研究授業のめあては、
【ねらった場所に返球して得点を取るためには、どのようにしたらよいだろうか?】でした。
前時までの授業では、【バレーボールの基本技能を身に付け、ラリーを続けるゲームを行う】ことをねらいとし、主にアンダーハンドパスやオーバーハンドパスなど基本技能の習得に力を入れて取り組みました。個人やペア、チームで練習を積み、動画を撮影して見合うなどの取り組みをする中で、自分の動きを客観的に見ることができ、技能の改善につなげていました。
そして本時では、相手チームへただ返球するだけではなく、相手チームの空いている場所に狙いを定めてボールを返球するという、少し難しいかな、と思う内容に挑戦してみました!
少し難しい内容になりますので、“体の向きは?” “ボールの高さは?”などのキーワードを挙げながら、目標を達成に向けてチームで作戦を立てます。チーム毎にオクリンクプラスに配られたカードを使用し、話し合い活動を行っています。
タスクゲームを行い、いよいよオールコートでのゲームです。
キャッチやワンバウンドを有効に活用し、ラリーを続けていきます。積極的に動く生徒が多く、チーム全体や仲間に「ナイス!」や「〇〇(名前)」、「惜しい!」など声をかけながら取り組む生徒が多かったように感じます。
ゲームの進行がスムーズで、審判の生徒や動画を撮る生徒などの行動がとても素早くできていて、日頃の授業の様子が現れていました。
ゲームが終わったら、チーム毎に振り返りを行いました。振り返りの場面では、当日のゲーム動画を見ながらあれが良かった、これが良かった、このとき私が行けたら良かったー。これ惜しかったよねーなど、チームの仲間とコミュニケーションを取る姿がたくさん見られました。
今回の授業の振り返りでは、、、
【生徒の振り返り】
・もう少しボールを高く上げられると良かった。ボールを相手コートに返すとき、体の向きを意識して取り組めた。
・前時よりパスを繋げることができた。キャッチも有効に使うことができた。
・エンドラインのところを狙ってボールを送ると相手が取りにくくなると思った。
・アンダーとオーバーを使い分けることができた。
といった内容の振り返りを行っていました。
今後もバレーボールの授業は続きます。3年間の見通しを持って、3年時には本来の形でゲームをすることができるように、今年度は基本技能の習得と、ワンバウンドやキャッチなどを使ったゲームを取り入れた授業を行いました。次時あたりからはレベルもすこしずつあげていき、本来のルールに近づけていきたいと考えています。
返球の回数も3回に近づけていったり、ワンバウンドを無くしたり、キャッチを無くしたりなど、生徒の実態に合わせてレベルアップしていきたいと思っています。
1年間を通して様々な種目に取り組んできましたが、技能の上達を目指すためには、自分自身の動きがどうなっているのかを知ることが大切になってきます。
そこで、ICTの活用が重要になってきます。
今回、谷口指導主事から「保健体育を楽しく学習するためのICTの効果的な活用方法について」ということで、お話を伺いました。
●ICTを活用し、動画や静止画を撮影することで、自分自身の動きを客観的にみることができ、根拠に基づいた修正を行うことができることから、個人やチームの仲間と対話をしながら協働的に解決することができる
●アンケート機能や多様な設問を設定することができ、授業の振り返りを充実させることで、次の授業における取組の改善に活かすことができる
●プレイだけではなく、審判など仲間の活動を援助するシーンを残すことができたり、授業内での協働する・団結する・貢献する姿を見ることができる
など、私たち自身も今まで意識していた部分からさらに深い考えを学ぶことができました。
このようにICTを効果的に使用することで、生徒自身の、上手になりたい!速くなりたい!点数をとりたい!といった意欲にもつなげることができますし、技術や技能だけではない、人の優しい部分などに触れることができると考えました。
これからも保健体育の授業において、どのように活用できるか、生徒の運動する時間を確保するために、どのような取り組みができるかなど、研修を重ねていく必要があるなと感じる1日となりました。
ご指導いただいた谷口指導主事、お忙しい中お越しいただき、ありがとうございました。 今回の研修の中でお話しいただいた点や、頂いた資料からもう一度保健体育とICTの活用について考え、今後の授業展開に活かしていきたいと思います。