イカの体のつくりはどうなっているの?! ~2年理科の授業より~
2年生の理科の授業では、イカの解剖を行いました。
ヒトの体のつくりについて学んだことをもとに、イカの体のつくりと比較してみることに、、。
2週間前には、トリの心臓(ハツ)の解剖も行ったため、生徒は手慣れた様子で解剖を行っていました。
まずは、スルメイカをじっくり観察。解剖をする上でまず大切なことは、対象物を丁寧に観察することです。じっくり見ることで、外とう膜や吸盤、目のようす、足の数、体の各部位の位置など、気づくことがたくさんあります。
「柔らかいね~」 「ぷにぷにしてる!」 「吸盤になんか硬いやつがある!」
「色素胞(イカの表面にある色素を含んだ細胞)がたくさんあってちょっと気持ち悪い~」
「(色素胞は)背中の方が多い!」 「イカと目が合った気がする!!」
「漏斗は口みたい!」 「美味しそう、、!」
ところで、イカの足の数は何本かご存知でしょうか?
正解は、、8本です!!
イカは足が8本、触腕と呼ばれる腕の代わりになるものが2本あります。足と触腕それぞれに役割があるため、形も長さも全然違います!
次に、イカの口のようすを観察します。イカの口の中には丈夫なあごがあります。「カラストンビ」という、鳥のくちばしのようなものです。中々出てこないカラストンビを、工夫しながらがんばって取り出しました。
カラストンビだけでなく、口から食道まで引っ張り出した勇者も、、!!
続いて、中のようすも観察していきます。
解剖ばさみを使って、中の内臓を傷つけないように気をつけながら切っていきます。
切った外とう膜を開くと、、、
「わ~すごい!」 「なんか膨らんでるところあるよ。」 「これ、イカ墨かな?」 「これはエラだね。」
「胃に何か入ってそう、、」 「ヒトと同じ臓器もある。」 「ヒトより臓器少ないね。」 「心臓ってこれ?」
解剖図と見比べながら、どれが何の臓器なのかを探していきます。同じ臓器でも、見た目や構造が違っているので、探すのも一苦労です。
臓器が分かったところで、いくつか実験です!
①エラを切り取って過酸化水素水(オキシドール)に入れ、青くなるか観察。
※イカの血液には、酸素とくっつくと青くなるヘモシアニンが存在している。過酸化水素水に入れると、酸素と反応して青くなる。
「エラ青くなった~!」 ※右下の青い部分がエラです。
②口から色水を通して、食道~胃~直腸までのつながりを観察。
「(色水を通して)すごい、胃まで行った!!」
③胃を切り取り、胃の内容物を観察。
「小さな甲殻類っぽいのが出てきた!」 「この子、多分魚食べてるよ!!」
「何も出てこないから、お腹すいてたのかな~。」
④内臓を外とう膜からはがし、軟甲(貝殻が退化したもの)を探す。
「軟甲かっこいい!剣みたい!」 「ほしい!」 「骨みたいだね。」 「これ本当に貝殻なの?!」
⑤目の中のレンズを取り出して、新聞紙の文字が拡大されるか観察。
「すごいきれい!」 「上手に取れた!!」 「本当だ!!拡大されている!!」
1コマの授業の中で、どれだけの学びがあったでしょうか。目を輝かせながら観察する生徒のようすを見て、これからも実物を扱う機会を大切にしたいと改めて感じました。
近隣のスーパーから、50杯越えのイカを自転車のかごに入れて連れて帰ってきた甲斐がありました!
残念ながら、今年度の2年生の解剖の授業は以上となりますが、今後も、自宅で魚を調理したり、貝の料理を作ったりすることがあったら、ぜひ、プチ解剖に挑戦し、体のつくりを観察してみてほしいです!!