飯中 Now
大人になれなかった弟たちへ
先日、このブログで「命は何よりも大切」ということを書きました。昨日、いつものように教室の様子を観て回っていると、1年生は国語の授業で、「大人になれなかった弟たちに」という作品を学習していました。作者は俳優であり作家でもあり、私が子供の頃に焼肉のたれのCMに出ていた、米倉斉加年さんという人です。内容は、戦争中の作者自身の体験を書いたものです。作者が国民学校(現在の小学校)4年生だったときに弟ヒロユキが生まれる。父は戦争に行き不在であった。戦争が激しくなり空襲を受け、防空壕(ぼうくうごう)で毎晩暮らす生活の中で、日本は食料が不足し、作者の母は、自分が食べる分を作者に与えていたが、満足に食べない為に母は母乳が出なくなってしまった。乳児であるヒロユキは乳を飲むしかないにも関わらず、時々にしか配給されないヒロユキの為のミルクを、甘いものが欲しい作者は盗み飲みしてしまう。そんな作者を母は叱ることはなかった。さらに空襲がひどくなり母は疎開を決心する。疎開先でも食べるものと交換に持っていた着物を出さねばならず、やがて着物も無くなり、そしてヒロユキは栄養失調で亡くなる。母はヒロユキが死んだ際にも気丈に振る舞い、涙を見せなかったが、ヒロユキを小さな棺に入れるとき、棺が小さすぎてヒロユキの亡骸が納まらなかった。母は、ヒロユキがほとんど乳を飲むことができなかったにも関わらず、「大きくなっていたんだね」と言い、それまで決して涙を見せなかった母が初めて泣いた。終戦の約半月前のことだった。という内容である。2、3年生も国語の授業で学習したことを覚えているだろう。この作品を国語の授業とは違う観点で私は君達に考えてもらいたい。生きたくても生きることのできなかった小さな弟、戦争で食べるものがなく、お腹をすかし、ミルクを盗み飲んでしまった幼少の作者を、母親は責めることなどできなかったであろうこと。そして、子を思う悲しいまでの親の愛。私たちは、平和で豊かな時代に生まれ育ったことの幸せを噛みしめ、命ある限り感謝の心を忘れずに精一杯生きなければならないということを強く言いたい。飯中生はみな賢くて優しい、いい子たちばかりだ。たまには失敗もするけれど、失敗を糧にまたより良く成長していってほしい。今日はこのブログのシリーズのタイトル「大人になる」とは真逆のタイトルの作品を通して、みんなに考えてもらいました。ありがとう、元気出していきましょう。(9月16日 校長)
大人になる No47
【 こんな生徒はいませんか…君の勉強法は大丈夫? 】
3年生は今日、東部地区学力テストを行いました。東部地区の15市町の3年生が受験するので、その成績は、高校入試に向けての参考になるものです。さて、3年生に限ったことではありませんが、次のような生徒はいないでしょうか…。
テレビやゲームばかりで勉強をちっともしない…という訳ではなく、日頃から授業中は真面目にノートをとり、宿題はきちんとやり、週に2日ほど塾にも通っている。試験前にはそれなりに計画も立てて準備をしている。ところが成績は上がるどころか3年生になってからはジワジワと下がってきている!…そんなAさんが、担任の先生に相談に行きました。
Aさん:…という訳なんです。勉強は一応それなりにしているんです。でも、ちっとも効果が現われないんです…
先生 :勉強の成果というのはすぐには現れないからねぇ。
Aさん:やっぱり私、頭が悪いんでしょうか!?
先生 :いやいや、すぐそんなふうに考えちゃダメだよ。ふだんはどんな勉強をしているの?
Aさん:普段は宿題と英語の予習程度です。やりとり帳を書いて、宿題をして、英語の新しい単語を全部ノートに書いて意味を調べていると夜遅くなっちゃって…。でも、週に2日は塾に行ってます。
先生 :英語と数学だっけ?
Aさん:はい。
先生 :どんな塾なの?
Aさん:宿題がけっこうたくさん出て、それを何とかやって行きます。その答え合わせをしながら説明もしてくれるんですけど、量が多いし塾の先生はしゃべるのが速くて付いていくのが精一杯って感じなんです。でも、なんとか黒板は全部写してます。
先生 :ふ一ん、そうなんだ…。で、試験前の勉強はどんなやり方をしているの?
Aさん:授業中に書いたノートを見ながら「まとめノート」を作っています。色ペンとかも使って、ポイントをきれいにまとめています。
先生 :それで、試験に間に合うの?
Aさん:テストの前の日にやっとまとめ終わる…っていう感じです。先生、私、試験勉強をしている時は、けっこう頭に入っているなぁって思ってて、でも問題用紙が配られると、いきなり頭の中が真っ白ってことがよくあるんですけど…。
先生 :なるほど。Aさん、君の勉強の仕方の問題点がわかってきたぞ…
さて、生徒諸君!このAさんの勉強方法で改善すべき点は何だと思いますか…。まずは自分で、次に友達と考えてみてください。自分(たち)なりの答えが持てたら担任の先生や教科等の先生に聞いてみましょう。そして、自分の勉強方法で改善すべき点はないかを定期的に見つめ直すきっかけにしてみましょう。(9月15日 校長)
大人になる No46
ニュースを見聞きした生徒もいると思います、東京の小学6年生の児童が尊い命を自ら断ってしまったそうです。真実はこれから徐々に明らかになって行くのでしょうが、ニュースの内容を見る限り、学校で配られたタブレットでのいじめが原因と報じられています。自ら命を絶ってしまった児童はどんなに辛かったことか。文章では表現しきれません。そして、児童のご家族はどんな思いでいるのか、考えただけで胸が苦しくなります。この件で私は、2つのことを諸君に強く言いたい。
1つめとして、自ら命を断つことは絶対にしてはいけない。辛かったら誰かに助けを求めてほしい。先生、友達、家族、カウンセラー、誰でもいいから話をしてください、頼ってください。この世でたった1つの命、それはかけがえのない大切なもの。生きたくても生きれずに病気で亡くなる人もいる。76年前、国や家族など大切なもののために戦争で命を落とした兵隊さんもいた。死んでしまった者は二度と帰ってはこない。残された者の悲しみが薄れることはない。私達は命ある限り、精一杯生きなければならないのです。学校に来ることが辛いのならば、来なくても構わない。とにかく命を最優先に考えなさい。だから修学旅行も新人戦も合唱祭もすべて中止にしたのだ。私もはじめ迷いはあったが、命より大切なものはない、という原点に返って考えたとき、もう何の迷いもありませんでした。時計を戻せても判断が変わることはありません。1つめ、自ら命を断ってはいけない。
2つめ、心にブレーキを持ち、行動をコントロールすることができるようになりなさい。これまで何度もSNSの使い方を指導されてきましたよね。その時その場では分かっても、時と場が変わればすぐに忘れ、不適切な使い方をしたり、いじめに加担したりしてしまう。先日も、2年生の家庭科の授業で、夏休みのお弁当作りの報告会を行っていたところ、分散登校で自宅からリモートでつながっていた生徒達がチャットを使って次々に文字で意見や感想を寄せたそうだ。便利な機能で、はじめ感心していたそうだが、途中、一人の生徒から報告内容をばかにするような発言が出たとたん、多くの生徒が一斉に次から次へと中傷に加担するコメントを寄せたそうだ。家庭科担当の先生から、その時その場で指導を受け、生徒たちはSNSの怖さを実感として気づかされ、反省していたと聞いた。私は今回のニュースを知ったとき、家庭科の先生から聞いたことを思い出し、ハッとさせられた。本校の生徒達は、暴力のいじめはしないだろう、しかし、言葉や態度で心を傷つける暴力は、いつ起こってもおかしくない状況だ。心のブレーキの定期点検を忘れてはいけない。(9月14日 校長)
学校は嬉しいところ
学校はいろんな人がいて嬉しい
学校はいろんなことがあって嬉しい
学校はやっぱり嬉しいところ
今日からまた、みんなで楽しく過ごします。感染には気をつけてね。(9月13日 校長)
生徒のワクチン接種について
本校では、生徒のワクチン接種について出欠席の管理上、担任はワクチン接種を行ったかどうかを知る必要があります(出席停止とします)。また、理科室前の掲示板には、「細菌とウィルスの違いとワクチンについて」という内容の掲示物があります。養護教諭や保健体育科の教員は、保健教育として「ワクチンとは何か」について指導をします。保健体育の授業や部活動の指導をはじめ、全教職員は教育活動を行う上で、生徒の健康観察をする責務があり、発熱をはじめとする体調不良の生徒に対し、ワクチン接種直後の副反応なのかどうかを本人に確認する必要もあります。巷のニュースでは、ワクチン接種の有無について生徒に尋ねたことに対し、いじめや差別を助長する可能性があると報じられていますが、本校では、ワクチンの接種は、インフルエンザワクチンと同様、あくまでも個人の判断に基づくものであり、ワクチン接種を済ませた生徒、予約中の生徒、予約がまだできていない生徒、御家族または本人の考えに基づき接種しない生徒、それぞれの者がおり、「そのどれもが正しい判断である」という指導をこれまでも、そしてこれからもしていきます。従いまして、生徒のワクチン接種の有無について、会話で取り上げることをタブー視するような対応はしません。(9月11日 校長)