ほごログ
市内各所で伝統芸能ー市指定無形民俗文化財ーが公開されました
7月14日(日)には、榎、赤沼、銚子口の3地区で伝統芸能が公開されました。
榎地区では、榎の囃子神楽が公開、午前の小雨の中、地区の役員さんによる辻切りが行われ、集会所に戻ると神楽の奉納へ。
▲狐役と大太鼓は江戸川小中学校の5年生が担当、4年生で経験した神楽の授業がきっかけで今夏の祭礼に参加してくれました。授業で指導を受けた保存会のみなさんと肩を並べ堂々とした太鼓の打ち鳴らしでした。
保存会の皆さんが週一度、江戸川小中学校へ神楽の指導に対応されている中、5年生の二人が例祭に参加してくれました。昨年、4年生時に学校での授業を契機に囃子と神楽に興味を抱いてくれたようで、本日は大太鼓を担当。もう一人は授業で覚えた大黒天を堂々と演じてくれました。
この例祭では、神楽の演目は小学生と高校生が演じてくれました。長年の学校での授業での指導が実りつつあるようです。
赤沼地区では、赤沼の獅子舞が公開されました。今夏は子ども獅子を担う小学生が11名と、大きく増えたところも見どころです。昨年秋に地元豊野小学校開校150周年で舞ったことが契機?と社中会長も手応えを感じていたようで、地区の皆さまも愛らしい子ども三匹獅子に期待が高まっていました。また、祭礼冒頭の庭入では天狗役を先頭に奉納舞の場を清める所作がありましたが、さまざまと検証した結果、『猿田彦』に行き着きました。衣装の新調も相まって新たな役が加わりました。
▲衣装や面の修繕を契機に「天狗?」検証を重ねた結果、『猿田彦』と解釈したという。また、今夏も女性による女獅子が活躍。激しさの中でも優雅な舞には拍手喝采。近いうちに三匹獅子を女子が担う機会がありそうだ。
また、三匹獅子のうち、女獅子(めじし)には女性が加わり、激しい演舞の中、女獅子らしい優雅さを兼ねそなえる舞が披露されました。
▲赤沼の特徴である子ども獅子。今夏は小学生1年生から総勢11名が愛らしい獅子舞を披露してくれました。高学年、そして中学生、高校生になっても継承に期待したい。また、祭礼の終盤には迫力ある「弓くぐり」。降雨で室内での公開となったが、見事に弓の弦を通過してくれました。
そして例祭最後には五穀豊穣を祈願する「弓くぐり」が舞われ、通常は境内地であるものの、降雨のため集会場室内と限られた空間の中で太夫獅子が見事に弓をくぐり抜け、秋の豊作が占われました。
銚子口地区では、銚子口の獅子舞が公開されました。今夏の見どころは、元禄10年(1697)の伝承以来初めて三匹獅子の太夫、中、女獅子を女性が担う三匹獅子です。これまで三匹のうち、一役を女性が担ってきた経緯はありますが、練習を重ね三匹獅子の奉納となりました。祭礼開始の午後2時には雨が止み、急遽、境内地での公開へと変更されましたが、天狗を先頭に庭入りから、出端では女獅子が、中獅子の舞では中獅子が、さんぎりの舞では太夫獅子が、それぞれの一演目を堂々と演舞され、地区の皆さんからも盛大な拍手をいただきました。
▲天狗を先頭に三匹獅子が境内を清める「天狗の舞」と女獅子による「出端の舞」と中獅子の「中獅子の舞」に転換するタイミングもスムーズに。優雅な演舞に地域の皆さまからも大きな拍手をいただきました。
▲祭礼の締めは「弊がかりの舞」。天候が回復し、境内での奉納舞となったため、コロナ後、初めての獅子頭の被り直し。女性3人から急遽、若衆の出番になったが、同世代の息のあった勇壮な舞が披露され、御幣によって「家内安全」「五穀豊穣」が祈願された。
伝統芸能に携わる皆さんが長年にわたって守り・悩まれてきた伝統や慣例が時代の流れと共に、継承を第一に受容されてきました。今秋の祭礼でもさらなる伝統の舞の継承に向けた活躍が期待されます。
7月21日(日曜日)には、西金野井地区の香取神社で県指定無形民俗文化財の西金野井の獅子舞が公開されます。南桜井小学校の児童が練習を重ね、保存会の皆さんともども、江戸時代から継承される伝統の舞を是非ともご覧ください。