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出張授業in川辺小学校

6月9日(金)は川辺小学校へ出張授業にうかがいました。

3年生みなさんの「総合的な学習の時間」をつかって、学校付近の歴史をテーマに”縄文体験”をチャレンジしてもらいました。

 

3年生ではまだ歴史の授業はまだ習っていないということで、

縄文時代小学校付近まで海があった話をするとあちこちから驚きの声が!

台地が入り組んだ地形で、坂が多い地区のみなさんだからこそ、地形と海の話もすぐ理解してくれたようです。

付近の発掘調査からみつかった縄文時代の貝塚や、人々が住んでいた竪穴住居の話も

クイズをしながら楽しく聞いてくれました。

 

その後は班ごとに「石器の用途」、「貝の種別をはじめ縄文の食糧」、「いろいろな土器」を実物に触れる体験をしました。

実際に重さや手触りを確かめてみたり、さらにはにおいを嗅いでみたり、発見したことをたくさん教えてくれました。

 

縄文人が食べた貝殻や実際に使った石器や土器などを観察する機会を得て、みなさんの住んでいる土地の歴史を身近に感じてもらえたようでとてもうれしいです。

今後もほかの小学校への出張授業を通して、春日部の良さを広めていきます。

川辺小学校のみなさんありがとうございました!

展示替の裏話

絶賛、市指定有形文化財「北条氏政の感状」を常設展示に出展中ですが、その裏話をちょこっと。 #かすかべプラスワン #博物館の裏話 #博物館の裏事情

展示のきっかけは、市の広報誌の「かすかべ今昔絵巻」の記事でした。入稿時の文章の末尾は「郷土資料館でもパネルで紹介しています」的な文章でしたが、せっかくだから「期間限定で」原本を出しちゃおう、というノリで今回の出品に至りました。こうして、郷土資料館は日々かわってゆくのです。

もう一つ。今回出品したものがあるということは、それと引替えに展示から撤収したものもあるということです。

北条氏政の感状を入れたケースには、もともと江戸時代の道中双六(レプリカ)が展示されていました。双六は残そうということになり、別のケースへ。双六を展示したケースに入っていた粕壁宿の絵図(レプリカ)が押し出されることになりました。粕壁宿の絵図(レプリカ)は、長く展示していたもので、粕壁宿の推定復元模型のジオラマと比較してみていただこうと、展示していたものです。日光道中粕壁宿を一見できる良質な資料なので惜しいのですが、仕方ありません。

ところで、資料(レプリカ)を回収したところ、うっすらと長方形の跡が!

 写真:レプリカの色落ち

展示では、くずし字の文字を解読したキャプションを資料の上においていたのですが、長い年月展示していたたため、キャプションのの跡がついてしまったようです。照明は紫外線カットのフィルター付きのもの、LEDライトを当てているのですが、レプリカとはいえ、印刷物の一種ですから、長い時間照明を当てていると色落ちしてしまうのですね。

資料館にいらっしゃるお客様から、たまに「展示室が暗い」「もっと明るくならないのか」とご意見をいただくこともあります。展示を見やすくすることは大事なのですが、私たちの努めは、資料を後世に伝えるということでもあります。今回の例で明らかなように、光に曝されると、目視できませんが資料は傷んでしまうのです。観覧される皆様もその旨、ご理解いただけると幸いです。

写真:照明をおとしています

 

【臨時休館のお知らせ】

令和5年6月10日(土)は教育センターの施設点検のため、郷土資料館は休館となります。

ご迷惑をおかけしますが、ご注意ください。

6月11日(日)は通常通り開館します。

常設展示にあの戦国大名が登場!?

市の広報紙に「北条氏政の感状」(市指定有形文化財)が紹介されたので、期間限定で常設展示に展示しています。 #かすかべプラスワン

写真:展示風景

市指定有形文化財「北条氏政の感状」は、永禄12年(1569)3月14日に多田新十郎に与えられたものです。古文書の中身については別に譲ることにしますが、春日部市としては、市内に伝わる数少ない中世(戦国時代)の古文書の原本の一つです。

おすすめは、氏政の花押(かおう)です。本文の文字は、おそらく大名の書記官にあたる家臣が書いている可能性が高いですが、花押は本人の自筆(のはず)です。

写真:氏政の花押

前近代の人たちにとって、文書に自署することは、自分自身を文書に投影させることを意味することもありました(ちょっと言い過ぎかもしれませんが)。北条氏政の感状は、まさに戦国大名北条氏政自身といえるわけです。写真では伝わらない古文書の風合いを、この機会に心ゆくまでご堪能ください。

展示期間は7月末までを予定しています。

北条氏政の感状については、こちらをご参照ください。

 

【 #6月2日 】 #今日は何の日?in春日部

今から378年前の正保2年(1645)6月2日(旧暦)は、江戸川が完成し通水をした日です。 #かすかべプラスワン

埼玉県と千葉県境を流れる江戸川は、江戸幕府による関東地方の河川改修の一環で開削された人工の河川です。

江戸川がいつ成立したのか。これは古くから学術的な見解がわかれる問題です。成立の年代の諸説として、寛永12年(1635)説(吉田東伍)、寛永17年(1640)説(根岸門蔵)、寛永18年(1641)説(清宮秀堅)、寛永12年起工・18年竣工説(栗原亮輔)が唱えられてきました。江戸時代前期の寛永時代の基本的な文献が少なく、参照する史料の性格の相違や、江戸川の上流と下流でも時期がずれることも説が分かれる理由の一つです。

ところで、市域の江戸川流域、かつて庄内領と呼ばれた地域には、開削当時の伝承を伝える江戸時代の記録が伝わっています。著名なものでは市指定有形文化財でもある「小流寺縁起」もその一つです。「小流寺縁起」は明暦3年(1657)に小流寺の開基・開山の由来について記した寺の縁起で、そのなかに寛永17年(1640)2月に幕府代官伊奈忠治の家来が利根川(江戸川)の改修工事のため川を見分したことが記されています。開削された時代のわずか十数年後に具体的な工事についての記述がされているため、歴史研究の世界ではよく知られた史料として扱われてきました。

また、同じく市指定有形文化財でもある元禄12年(1699)閏9月「西金野井香取神社領替地につき覚書」にも、寛永17年(1640)に「新利根川」(江戸川)の堀り替え工事が行われたことが記されています。

江戸時代の後期、地域の有力者(村役人)などに共有された手控え「庄内領三拾五ケ村高反別控帳」(郷土資料館所蔵)には、次のような記述がみえます。

庄内新田古来之事
右庄内新田之儀 寛永寅年より伊奈半重郎様御家来小嶌庄右衛門様御取立
寛永十七辰年より江戸川関宿より今上村堀迄、親野台辰より午迄三ヶ年、夫より正保二酉年六月二日新川村成就  水流し申候、正保元申年庄内領何村 名除いたし、草訳相成、戌亥慶安元子丑五ヶ年之間無年貢、其節之御役人左之通り(後略)

これによれば、庄内領の新田は、寛永15年(1638)に代官伊奈半十郎の家来小島庄右衛門によ
り取立られ、同17年(1640)から関宿から今上村(現野田市)まで江戸川が開削、「親野台」(現市内西親野井、野田市東親野井か)では開削に3か年を要した。

正保2年(1645)6月2日に江戸川が通水。同元年(1644)には「名除」(名附の誤写か)し、同3年(1646)から慶安2年(1649)の5年間(ママ)の年貢免除を経て、新田村が成立した、という。

本史料は文化年間(1804-1818)ごろに書写されたもので、記述に疑問が残る部分もありますが、他史料にも同様の記事もみえることから、19世紀の庄内領における開削・開発の記憶・伝承を記した記録といえます。江戸川の開削は、庄内領の人々にとって、自分たちが住む村の成り立ちとも関わる関心事でした。地元の人たちは、寛永17年(1640)に関宿から今上の開削が終わり、正保2年(1645)6月2日に通水をしたと考えていたようです。ほかの史料とも共通するのは寛永17年。おそらく、春日部近辺では、寛永17年ごろに江戸川が開削されたのでしょう。

そして興味深いのが、正保2年(1645)6月2日の通水。なぜこの年のこの日付なのか、十分な説明はできませんが、寛永17年の開削と同様、通水した出来事・日付を地元で脈々と伝えてきたのではないかと考えられます。別の史料では正保3年(1646)に舟渡しが命ぜられたとあるので、正保時代に江戸川は整えられたことになりましょう。

江戸川は、流通を支えた川として、自動車の物流が盛んになる戦後まで、人々の暮らしを支えてきました。

写真:昭和11~13年頃江戸川西金野井辺りポンポン船

写真は、昭和11~13年ごろの西金野井の河川敷で撮影されたもの。ポンポン船がはしっています。

郷土資料館では、現在、江戸川の開削を伝える資料を展示しています。ぜひご覧いただければと思います。

 

過去の今日は何の日?in春日部シリーズ→1月1日版3月14日版3月27日版4月28日版6月3日版6月10日版7月31日版9月16日版

【春季展示】みゅーじあむとーくを開催しました

5月20日(土)から始まった「かすかべ人物誌」展の初日、学芸員による展示解説(みゅーじあむとーく)を開催しました。 #かすかべプラスワン

午前、午後ともに多くの皆さまにお集まりいただき、徳川家康や松尾芭蕉など歴史的な著名人物の人気ぶりがうかがわれました。

写真:展示解説の様子

解説では、家康の朱印状の形式や、家康が粕壁に来ていたことを伝える後世の史料、松尾芭蕉の肖像画幅、葛飾蕉門とよばれる俳諧一派の活動について、重点的にお話しました。

とくに俳諧・文芸について紹介していることもあり、普段とはちがって、文化文芸に関心の高い皆さんにご参加いただけた模様です。

次回のみゅーじあむとーくは、6月18日(日)を予定しています。ご興味あれば、ご参集ください。

【事務職員は見た】展示はこうして作られる!

春日部市郷土資料館では、年間4回程度の企画展を開催しています。

今回は、その作業風景を少しご紹介したいと思います。

 

展示が開催されるまでには、実はたくさんの苦労があります。

テーマを決め、構成を考え、必要な資料を集め、他館に依頼してお借りする場合などは資料運搬に伴う各種事務作業、キャプションを作り、担当者は意図をもって展示品を並べます。また、パンフレット・チラシ・ポスターを作成し、期間中の各種講座の準備もしなければなりません。

ライティング作業

また、パンフレットやキャプションを作るには、当然ながら知識の集積・研鑽も欠かせません。

研究風景

 

正直、“展示ってただ物を並べてればいいんでしょ?”と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、展示テーマ・展示品の選定はもとより、展示品の数、使用するもののサイズ、レイアウトなど、実は展示は担当者の個性が映る発表会の場でもあるのです。当館だけでなく他館においてもきっとそうだと思います。

展示のテーマに興味を持たれてお越しくださる方も多いと思いますが、そういった個性の違いも味わってみてはいかがでしょうか!

 

春日部市郷土資料館春季展示『かすかべ人物誌』は7月2日(日)まで開催中!

7月下旬には弥生時代から古墳時代をテーマにした企画展を予定しています!

ぜひ、郷土資料館に足を運んでみてください!

 

春季展示「かすかべ人物誌」はじまります

週末5月20日(土)から春季展示が始まります。 #かすかべプラスワン

春日部ゆかりの人物に焦点をあて「かすかべ人物誌」展と題した新シリーズの第一弾。

今回は、大河ドラマの主人公で話題の徳川家康、近世前期の俳人松尾芭蕉を中心とした近世の人物に焦点をあて、ゆかりの資料を展示します。

初日の5月20日(土)と6月18日(日)には、学芸員による展示解説「みゅーじあむとーく」も開催します。

ご覧ください。

画像:ポスター

展示名:春日部市郷土資料館(第67回)春季展示「かすかべ人物誌」

会 期:令和5年5月20日(土)~7月2日(日) 開館時間:9時~16時45分

会 場:春日部市郷土資料館 企画展示室(春日部市粕壁東3-2-15教育センター内)

休館日:会期中の月曜日

入場料:無料

関連事業:みゅーじあむとーく 5月20日(土)、6月18日(日)各日とも10時30分~、15時~

南桜井小学校伝統芸能クラブ“獅子舞”の練習が行われました

 5月17日(水)、南桜井小学校の6時間目の授業はクラブ活動。平成23年以降、このクラブ活動に地域の伝統芸能である、県指定無形民俗文化財『西金野井の獅子舞』を継承している西金野井獅子舞保存会から直接指導を受け、地域学習、伝承学習の機会になっています。

本日は練習2回目。4、5、6年生の計9名が伝統の舞いとササラの演奏に取組みました。特に5、6年生は前年からの経験と練習成果を生かし、早くも「辻切り」「芝舞い」の2演目を立派に舞えるようになってきました。

 

 

 

 

 

 

 

▲6年生による三匹獅子舞(辻斬り)と5年生の「芝舞い」

 今夏7月の獅子舞の祭礼、そして11月に開校150周年の式典でも舞の披露が予定されています。次世代へ着実に地域の伝統芸能が引き継がれおり、平日の貴重な時間に指導していただいている保存会の皆さまに感謝!!ありがとうございます。子供たちはクラブ活動の時間に加え、祭礼が近づく7月には香取神社拝殿で舞いを仕上げていきます。

 なお、本年は7月16日(日)に保存会の皆さまによる勇壮な三匹獅子舞と共に子供獅子が披露されますので、是非とも県指定を冠した伝統の舞いをご覧になってはいかがでしょうか。

【結果発表】春の花総選挙

5月2日で幕を閉じた「春の花*春日部」展において、ひっそりと開催していた春の花総選挙。集計作業が終わりましたので結果発表をします。 #かすかべプラスワン

画像:投票パネル

桜:20票

藤:43票

桃:15票

牡丹:8票

序盤は花見の王道「桜」勢が票を伸ばしましたが、桜が散るとともに藤が優勢になっていきました。藤のまち春日部では、市のシンボルでもある藤が根強い人気!小淵や藤塚にゆかりの深い「桃」は地元の根強い人気がありましたが、惜しくも落選(!?)。牡丹は知名度が劣り、票を伸ばすことはできませんでした。

市の公式ツイッターでも同様のアンケートをとっていましたが、そちらでは桃が最下位でした。リアル総選挙では、桃が善戦したので、展示をご覧いただき、春日部と桃の深いつながりをご理解いただけたのかもしれません。

健康ハイキングやスタンプラリーの効果もあって、例年よりも入館者は多かったのですが、投票率は伸び悩みました。投票を促す普及啓発も今後の課題です。

次回は来春の予定です。ぜひ、ご参加ください。