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【手作りおもちゃクラブ】ペーパーローリングを作ろう!

10月13日(日)に“手作りおもちゃクラブ”を開催します。

 

今回作るおもちゃは「ペーパーローリング」です。

 ペーパーローリング

郷土資料館で作るおもちゃは動力に電気を使わない、身近にある材料で手作りできるものになっています。電気を使わない遊びなんて、今日では探す方が難しいかもしれませんね。
もちろん下準備や、作るうえでのコツは必要ですが、懐かしさと手作り感満載に出来上がるおもちゃが“手作りおもちゃクラブ”のウリです♪

ペーパーローリングの遊び方はコチラ


 シュルンッと伸び縮みする剣のようでカッコイイ!
勢いよく振りすぎると、ぐにゃりと折れ曲がって壊れてしまうのですが、そのギリギリを狙うのが楽しかったりします(笑)

 

手作りおもちゃクラブは申込不要、おもちゃの材料も資料館で用意しています。
当日の午前10時30分と午後2時からの計2回開催しますので、お時間までに郷土資料館にお越しください!

 

【手作りおもちゃクラブ】
日時:令和6年10月13日(日)午前10時30分~・午後2時~
場所:春日部市郷土資料館(春日部市粕壁東3-2-15)
内容:蓄音機と紙芝居の上演
   おもちゃづくり(ペーパーローリング)
費用:無料
申込:不要(開催時間までに郷土資料館にお越しください)

 

 

考古学講座第1回目を開催しましたー慈恩寺原北遺跡の旧石器

考古学講座風景

9月28日土曜日、今年度の考古学講座が開講しました。5回連続の講座で、1日目の本日は、「考古学とは?」と「春日部のどこに遺跡があるか?」、「春日部の旧石器時代」についてお話いたしました。内容は、昨年度とほぼ同様ですので、ご興味がある方は昨年度の記事などをご参照ください。

また本日は、慈恩寺原北遺跡の石器を会場でご覧いただきました。

慈恩寺原北遺跡は、東武アーバンパークライン豊春駅の北西方向、花積(はなづみ)地区に所在します。大宮台地上に立地し、標高約17mです。

平成17年に開智学園の校舎建設に先立ち発掘調査が行われ、旧石器時代、縄文時代、古墳時代、平安時代の遺構が確認されました。

このうち旧石器時代は、関東ローム層の最下部の約3万年前の層から58点の礫、石器、剥片が出土ました。

特に興味深いのは石器に使われている石材が多様なことです。群馬県域を中心に分布するガラス質黒色安山岩(あんざんがん)、栃木県矢板市高原山(たかはらやま)産の黒曜石(こくようせき)のほか、新潟県阿賀野市笹神(ささかみ)丘陵産と推定される珪質頁岩(けいしつけつがん)、碧玉(へきぎょく)、瑪瑙(めのう)などがあり、当時の人々の活動や交流範囲の広さを示しています。

これらの石器は「慈恩寺原遺跡出土旧石器時代石器群」として、春日部市指定文化財になっています。

慈恩寺原北遺跡の旧石器

 

次回は10月26日(土曜日)、内容は「発掘調査の方法・層位学」、「春日部の縄文時代」です。本日の続きもお話ししますので、お配りしたテキストをお持ちください。

#総選挙 資料がしのぎ削る戦い「くらしのうつりかわり展」幕開けです

毎年、秋から冬にかけて恒例の小学校地域学習展「くらしのうつりかわり~なつかしのくらしの道具展~」が、本日10月8日よりはじまりましたよー

写真:くらしのうつりかわり展

今回で41回目となる「くらしのうつりかわり」展。毎年、同じような内容、同じ資料を陳列する恒例の展示です。なぜ、同じようになるのかといえば、小学校の地域学習の単元にあわせた展示だがら。学習内容は毎年そう変わるものではありません。毎年、小学3年生になる子どもたちが見に来て、社会科学習の参考にしてくれています。

ただ、飽きっぽい性格の担当者は、毎年、同じモノを作業的に並べるのが苦痛でたまりません。

が、、、今年は少し様変わり。どのあたりが変わったのか、何度かにわけて紹介します。

今日は、変更点お知らせの第一弾。今回イチオシの企画。その名も「第一回 むかしのどうぐ人気投票~展示資料、入れ替え計画~」です。

画像:資料人気投票

趣旨は、ご観覧いただいた皆様に、好きな資料、気になる資料、イチオシの資料などなど、なんでもよいので投票してもらい、展示室の人気者(ならぬ、人気モノ)を決定するものです。割とよくある企画だと思います。

ただ、少し違うのは、その結果が次の機会に反映されることでしょうか。順位をつけて、人気モノは、次期(来年度)の展示の”センター”に陳列します。反対に、人気が得られなかったモノは、第一線の展示室から脱落し、郷土資料館の収蔵庫へ。いったん最前線から退いていただき、皆さんへのお見えはまたの機会に。というように、某アイドルグループの「総選挙」のようなやり方で、資料と資料にしのぎを削ってもらおうとする企画です。

企画のねらいはいくつかありますが、一番は、観覧者のみなさんのニーズを知る。展示の担当者が見てもらいたいといくら思って伝えたところで、皆さんのニーズとズレたままでは、結局、敷居の高い、古いくさい博物館になってしまいます。ニーズに鑑みながら、どのような資料をどのように紹介すればよいか、皆さんが郷土資料館に求めているものは何なのか、考えていきたいと思います。

もう一つは、副題の「展示資料、入れ替え計画」に関わるもの。陳腐化されがちな「くらしのうつりかわり」展を蘇らせること。コロナ禍を経て、小学校の団体見学が減り、代わりに出張授業「でばりぃ資料館」の回数が増えました。そうしたなかで、小学校地域学習向けの「くらしのうつりかわり」展は、今までとは違う役割を果たしていかなければならないと、個人的に感じています。皆さんのニーズを知ることにも関わりますが、ニーズを踏まえ、資料や展示方法を吟味、入れ替えを毎回繰り返していけば、展示の内容が次第に洗練されていくことになり、「くらしのうつりかわり」展がまた息を吹き返すことになるのではないか、と期待しています。

ただし、人気が得られなかった資料は、おはらい箱になるのではありません。郷土資料館の重要な使命として、資料を適切に保存し、後世に伝えることがあります。資料にとって、展示室という華やかな舞台に立つことは、喜ばしいことだとは思いますが、照明があてられ、体験コーナーでは不特定多数の方に触られることは、資料の保存上にはあまりよろしくありません。ですから、展示室からいったん下がることで、資料のコンディションを整えることにもなり、その資料が後世に引き継がれることにもつながっていくのです。展示から保存、保存から展示、という博物館資料のサイクルを循環させるためにも、いったん収蔵庫に下がることは何も後ろめたいことではありません。そのあたりが、「総選挙」とやらで、芸能生命をかけて勝ち負けを争うアイドルと違うところでしょうか。

資料と資料を争わせる、血も涙もない企画ですが、どんな結果になるのか、その結果が私たちの宿題にもなるはずで、楽しみでもあります。ご来館いただいた方にはどなたでもご参加いただけます。ぜひ、何度でも投票しにいらしてください。なぞとき郷土資料館も同時開催中です!

画像:チラシ

事業名:くらしのうつりかわりーなつかしのくらしの道具展ー・なぞとき郷土資料館THE THIRD MISSION

会 期:令和6年10月8日(火)~令和7年3月2日(日)

費 用:無料

【なぞとき郷土資料館The Third Mission】今年もいい“なぞ”入ってます

先日ブログにも書きました通り、今年も「なぞとき郷土資料館」を開催します。
なぞとき郷土資料館ポスター
開催期間中は郷土資料館の受付で、なぞときプリントを配布していますので、「なぞときやります」とお声がけください。

 

今年のなぞとき郷土資料館は、ちょっと優しめの「天使コース」と、天使コースクリア者のみが挑むことのできる難しめの「悪魔コース」をご用意しています!
というのも、例年「難しいけど楽しい」といったありがたいご意見も多くいただくのですが、難しさゆえにリタイアされる方もいらっしゃるため、どうにかクリアする喜びを感じていただけるよう、難易度を2段階に分けてみました。

 

「天使コース」は15~20分、「悪魔コース」は25~30分をクリア時間の目安としています。
「天使コース」のみで終了しても問題ありませんし、「天使コース」と「悪魔コース」を続けてやる時間がない方は、「天使コース」をクリアして、後日「悪魔コース」に挑んでいただいても大丈夫です!(その際は、受付で「天使コースクリア済み」とお伝えください)

 

今年も参加料なし!年齢制限なし!記念品あり!
ぜひ郷土資料館の見学がてら、なぞときにもチャレンジしてみてください!お待ちしています♪

 

なぞとき郷土資料館The Third Mission ティザームービー

 

 

“愛されて第3弾”
【なぞとき郷土資料館The Third Mission~重なるトゥー・リドル・ペーパーズ~】
期間:令和6年10月8日(火)~令和7年3月2日(日)
場所:春日部市郷土資料館(春日部市粕壁東3-2-15)
内容:なぞときプリントの配布(受付で「なぞときやります」とお声がけください)
   クリアした方には記念品をプレゼント
   自由参加
※期間中は第41回小学校地域学習展「くらしのうつりかわり」展を開催しています。合わせてご覧ください。

民俗芸能の秋季例祭ー銚子口の獅子舞ー

 赤沼の獅子舞と同じ豊野地区、古利根川上流の銚子口地区におきましても長きにわたる伝統を誇る市指定文化財「銚子口の獅子舞」が継承されています。

 現在の越谷市下間久里から赤沼へ獅子舞が伝わった亨保3年(1718)をさかのぼること21年前、元禄10年(1697)の17世紀末に伝授されました。この下間久里から市内に伝わった同系列の獅子舞として、銚子口、赤沼、東中野の3地区があり、三匹獅子の装束やお囃子、演舞について、それぞれ地域性がみられる特徴にあります。
 広報かすかべ7月号でもご紹介したとおり、現在、銚子口獅子舞保存会、そして地区では若手舞手の育成に重点が置かれ、市内でも初めて女性舞手による三匹獅子が今夏の例祭で披露されました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▲女性の舞手による迫力の演舞が今夏に披露されました

 

 

 

 

 

 

 

 

▲祭礼の締めでは五穀豊穣と家内安全を祈願した「弊かがりの舞」。幣束によるお祓いが受けられます

 

 

 時代の流れ、社会状況の変化に伴う伝統芸能の後継者不足は、本市でも各地区での課題となっています。是非、例祭を現地で一人でも多くの方が現地でご覧いただき、郷土春日部の伝統の舞を応援いただきますよう、お願いいたします。

祭礼日時:10月20日(日)午後2時から

場所:銚子口香取神社(銚子口1361)

民俗芸能の秋季例祭ー赤沼の獅子舞ー

  実りの秋、五穀豊穣に感謝をささげる秋季例祭が市内各所で行われます。

 市の指定文化財「赤沼の獅子舞」を継承する赤沼民俗文化財保存会からは下記のような楽しく賑わいのある”チラシ”が届きましたので、併せてお知らせいたします。

日 時:10月20日(日)13時から
場 所:赤沼香取神社(赤沼770)


 秋季の祭礼では、享保3年(1718)に越谷市下間久里から伝承された伝統の三匹獅子舞に加え、「稲荷(とうか)の舞」、「さかなつり」、「鬼退治」、「種まき」など、豊作を祈願、感謝を由縁とし、ユーモラスに満ちた神楽の奉納も見どころです。また、豊野小学校に通う児童による子ども獅子、そして女性3名が太夫獅子、中獅子、牝獅子の三匹獅子を担うという、後継者の継承では新たな取り組みの成果が披露されます。

 穏やかで過ごしやすい秋の休日を郷土の伝統芸能の心地よい音色と伝統の舞をご覧になってはいかがでしょうか。

#ハルカイト 見学のススメ(1) #社会科見学 でご活用ください

今年8月にオープンした「ハルカイト」(大凧文化交流センター)。数回にわけて、展示の見どころを紹介します。 #かすかべプラスワン

まずは、何と言っても「大凧あげ」。毎年5月3日・5日に西宝珠花地区で行われる大凧あげは、もはや春日部の代名詞、一大観光イベントにもなっていますが、宝珠花の大凧揚げは、市指定無形民俗文化財、国選択の無形民俗文化財「関東の大凧揚げ習俗」の一つにもなっている、地域がはぐくんできた文化遺産でもあるのです。

2階の大凧文化展示室では、床面にはみ出さんばかりに貼られた、実寸大の大凧のシートをはじめ、大凧揚げの起源や歴史、大凧づくりの過程を模型や資料・パネルで紹介しています。

写真:ハルカイト大凧文化展示室

ところで、埼玉県内の小学校4年生の社会科学習では、県内の伝統・文化や特色のある地域を学ぶ単元が設けられています。春日部市の社会科副読本では川越の川越まつりや蔵造りのまちが教材として取り上げられていますが、県内の市町村では、「春日部の大凧あげ」がテーマや教材として取り上げられることもあるそうです。ハルカイトの大凧文化展示室は、その課題に応えられる、もっとも相応しい施設といえるのではないでしょうか。

市内には、巷で注目されている防災施設・首都圏外郭放水路(龍Q館)もありますので、防災学習で首都圏外郭放水路を見学したのち、県内の伝統・文化を学ぶため、ぜひハルカイトをご利用いただく、そんなルートでの社会科見学をぜひご計画ください。

そして、展示を見学するだけでなく、来館の思い出に写真も撮れます。

写真:大凧揚げ記念写真

こちらは、担当の職員がひねりにひねって出したアイデア、トリックアートで体験する大凧揚げです。手元の縄は本物の縄を使用しており、とても臨場感のある仕上がりになっています。子どもだけでなく、大人の方もはしゃいで記念撮影をされ、好評のようです。

大凧あげは、毎年5月3日・5日の2日間限定のイベントなので、年間を通じて春日部の大凧あげの魅力を発信することは、なかなか厳しい状況にありました。しかし、ハルカイトがオープンしましたから、これでもう、年がら年中、大凧あげ。いつでもその魅力に接することができるようになりました。

子どもだけでなく、大人も楽しめる展示となっています。ぜひ、ふるってご来館ください。

9月の近隣博物館・資料館の考古学情報

9月の近隣博物館・資料館の考古学情報をお届けします。(毎月28日ごろに掲載します。随時、情報を更新します。)

見学の際は、休館日等、よくご確認の上お出かけください。

(展示会_閉会日順)
・10月28日(月曜日)まで 松伏町役場 都鳥が見た古代(パネル展)

・10月31日(木曜日)まで 神川町多目的交流施設(神川町)「鏃のうつりかわりinかみかわ」

・11月4日(月曜日・祝日)まで 松戸市立博物館「異形土器 縄文時代の不思議なうつわ」

・11月8日(金曜日)まで 立正大学博物館(熊谷市)令和6年度館務実習生 ミニ企画展「立正大学のDOGU-土偶ー」

・11月14日(木曜日)まで 国際基督教大学博物館湯浅八郎記念館(東京都三鷹市)「野川中流域の旧石器時代―ホモサピエンス 氷期の暮らし」

・11月17日(日曜日)まで 栃木県埋蔵文化財センター(栃木県下野市)巡回展「栃木の遺跡&発掘調査速報展」

・11月24日(日曜日)まで 埼玉県立嵐山史跡の博物館(嵐山町)ほか 比企歴史の丘巡回文化財展「比企の縄文時代ー縄文時代の道具」

・11月24日(日曜日)まで 群馬県立歴史博物館(群馬県高崎市) 第111回企画展「弥生人は二度死ぬー再葬墓ってなに?ー」

・10月12日(土曜日)から11月24日まで(日曜日) 行田市郷土博物館 第37回企画展「布をまとう―古代人の衣(ころも)―」

・11月24日(日曜日)まで 谷田部郷土資料館(茨城県つくば市) 巡回企画展「中根・金田台地区の遺跡」

・12月1日(日曜日)まで 埼玉県立さきたま史跡の博物館(行田市) 令和6年度 企画展「古墳時代の装い-おしゃれな古代人-」

・12月1日(日曜日)まで 観音塚考古資料館(群馬県高崎市)令和6年度 第36回企画展「地方から見た律令国家成立前夜 - 群馬の7世紀史を考える -」

・12月1日(日曜日)まで 大田区立郷土博物館(東京都大田区)「矢を放て!~関東の弓矢、1万年~」

・10月16日(水曜日)から12月8日(日曜日)まで 東京国立博物館(東京都台東区)挂甲の武人国宝指定50周年記念 
特別展「はにわ」

・12月22日(日曜日)まで 国立近代美術館(東京都千代田区)「ハニワと土偶の近代 」

・10月12日(土曜日)から12月22日(日曜日)まで 本庄早稲田の杜ミュージアム(本庄市)「埴輪ー本庄とその周辺地域における埴輪の導入から終焉まで」

 ・10月19日(土曜日)から12月15日(日曜日)まで 草加市歴史民俗資料館 秋季企画展 「古墳時代の草加地域」

 

(現地見学会)

・10月19日(土曜日)山野貝塚(千葉県袖ケ浦市)袖ケ浦市教育委員会

・11月16日(土曜日)真福寺貝塚(さいたま市岩槻区)さいたま市教育委員会

 

レファレンスがレファレンスを生む

春日部市内の様々なことについて、郷土資料館にお問い合わせいただくことがあります。これに的確にお応えするのも郷土資料館の一つの役割。いわゆるレファレンス(情報探し)です。 #かすかべプラスワン

先日、春日部市内の小学校・中学校・義務教育学校の校歌について調べている方から、調べ方などについてお問い合わせいただきました。昔のことだけでなく、今・現在のことも尋ねられられることもしばしばあります。今のことを理解するためには、歴史を紐解く必要があるわけですから。今と歴史はつながっていると実感させられます。

実は、校歌について調べていらっしゃる方は、庄和地区市民大学のグループの自由課題に取り組まれている方で、市内の校歌にどのようなことが歌われているのか、を調査されているそうです。校歌には、地域の名所・旧跡や自然的な景観が詠みこまれていますが、とくに「富士山」に着目して、市内の浅間信仰にも派生して、様々なことを調べていらっしゃるそうです。そうした観点から校歌を捉えてみるということ、非常に興味深く感じました。

さて、今回は、資料の利用について相談のためご来館いただきました。「学校の校歌ができたころ、かつて校舎から富士山がみえたに違いない。それを証明するために、学校の周りに建物が少ないころの写真を提供してほしい」とのご相談でした。

思い当たるものはいくつかあるのですが、さしあたり、次の写真を提供させていただきました。いずれも昭和45年(1970)に撮影されたものです。

ほごログの読者の方から、画像が小さいというご意見もいただいているので、今回はめいいっぱい大きな画像で掲載します。拡大してご覧いただくのはスマホをスワイプしてください。ちなみ、右クリックでダウンロードもできます(利用は個人で楽しむ範囲でお願いします)。

まずは、豊春小学校。写真の上に横断する道は現在の県道2号(かつての国道16号)です。

写真:昭和45年豊春小

校舎はかつての木造校舎。道沿いに大きな池がみえます。古隅田川の旧流路沿いにあたるようです。これだけ大きな池なので名前もあることでしょう。ご存じの方がおられましたら教えてください。

次は、幸松小学校です。

写真:昭和45年幸松小学校

 こちらも、かつての木造校舎。円形の体育館は、今も幸松小のシンボルです。

もう一つの円形の体育館といえば、武里小学校。

 写真:昭和45年武里小学校

こちらも、かつての木造校舎がみえます。

いずれも、周辺がまだ住宅地として開発される直前であることがわかります。

白黒ですが、もう少し俯瞰した写真をみれば、さらにその状況がよくわかります。

写真:昭和45年武里小学校の周辺

写真の中央が武里小学校。左上には武里中学校がみえます。注目されたいのは、小学校の東側(右側)の敷地。Dの字を逆さにしたような形で田んぼが広がっています。いまや戸建て住宅が立ち並ぶ備後西の住宅街となっていますが、それは、この写真の少し後のことのようです。

いずれも本邦初公開の写真です。とくにカラー写真は当時はまだ少なかったのでとても貴重な写真となります。

ご来館いただいた方に、これらの写真を提供したところ、大変喜んでいただきました。

校歌・富士山・富士浅間信仰の調査は、記録としてまとめられると聞いています。成果がまとまりましたら、まとめたものを郷土資料館にご提供いただけますと幸いです。なぜなら、次のレファレンスにつながるからです。

そうして、レファレンスは次のレファレンスに続いていくのです。私たち学芸員は、資料と資料、そして資料や歴史と人をつなぐ「コンシェルジュ」といったところでしょうか。またのご利用をお待ちしております。

#民具 のクリーニングをしました

暑い盛りも過ぎたようなので、民具のクリーニングをしました。今回の民具は、今夏に寄贈を受けた桐下駄の製作用具です。 #かすかべプラスワン

写真:クリーニング

寄贈を受けた桐下駄製作道具は、埼玉県立民俗文化センター編『埼玉の桐細工』(1987年)に報告されているもので、桐下駄製作の職人さんが亡くなられた後、使用されず保管されていたものです。

寄贈されて直ぐに展示、というわけにはなかなかいきません。資料の活用の前に、一つ一つ調書をとって整理を進めることになりますが、さらに、その前にクリーニングを行います。

たとえば、このカンナ。

写真:カンナの写真

よってよくみると・・・

写真:白い斑点

白い斑点が。カビなのかもしれません。水洗いをして、よーく陰干しをして除去しました。

つぎは、木製の道具。

写真:木製の道具

おそらく、ゲタを製作するときのカタ(型)や作業の台なのだろうと思われます。

ゴキブリの卵の跡や埃もついていましたので、水洗いしましたが、裏をみると・・・

写真:木製の道具裏面

虫に喰われて、大きく破損しています。

こういった脆弱なものは丁寧にクリーニングをしました。

クリーニングをするなかで、大正時代の墨書のあるものがありましたので、古くは大正時代から桐下駄製造をされていたお宅であることがわかりました。

今後は、『埼玉の桐細工』などを参照しながら、調書をとっていくことになります。

 

それにしても、桐箪笥や桐箱のみならず、桐下駄製作まで。春日部は本当に「桐のまち」だったこと、実感いたしました。