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カテゴリ:郷土資料館

【 #9月1日 】 #今日は何の日? in春日部

今から100年前、大正12年(1923)9月1日は #関東大震災 が発生した日です。春日部市域にも甚大な被害をもたらしました。 #かすかべプラスワン

#関東大震災100年 を迎えた今、郷土資料館ではミニ展示「1923.9.1関東大震災と春日部」展を開催しています。また、埼玉三大被災地とされた川口市・幸手市の郷土資料館と連携し、「埼玉の関東大震災100年を巡る」スタンプラリーを開催しています。

今回は、ミニ展示でも展示紹介する粕壁小の震災文集について、少し紹介してみましょう。

画像:表紙

粕壁小学校に遺された震災文集は、正式には「大震災記念児童文集」といいます。

粕壁尋常小学校に通う子どもたちが記した作文がつづられています。

現存するものは、第3学年、第4学年、第5学年、高等科(1・2年)の計4冊です。

1・2年生の作成(編纂)されたかどうかも定かでありません。第6学年のものはおそらくあったと思われますが、現在、その所在は不明となっています。

4冊に綴られているのは、総計402名の児童の作文です。作文は、9月1日の震災の後、10月~11月にかけて執筆されているようです。小学生が記したもので、誤字や文意が通らない部分も多く、事実関係が確定できないことも多いのですが、震災前後の粕壁町の様子を伝える、きわめて貴重な資料です。あわせて、行政文書・記録等には記述されにくい子どもたちの暮らしや心情が読み取れる史料でもあります。文集から読み取れる詳しい内容は、ミニ展示に譲りたいと思います。

さて、埼玉県や春日部市域も、震災の被害を被りました。県内の被害の中心は、県の南東部にあたり、特に川口町・幸手町・粕壁町が甚大な被害をうけ、三大被災地とされています。被害の数字は、資料により異なるようですが、当時人口5813名・1180世帯の粕壁町では、全壊305戸、半壊341戸、死傷者29名の被害がありました。建物全体のおおよそ34%が倒壊したとされています。その様子は、「粕壁町震災写真帖」に所収される写真からうかがえます。写真は「かすかべデジタル写真館」でも紹介しています。

画像:上町の家屋倒壊状況

写真から、その凄まじさがわかります。将棋倒しになった建物もあったそうです。

住まいだけでなく、家族を失い、電気や食料の供給も不十分で、東京方面の空が真っ赤に燃え、焼け出された避難民が町の中を通過し、町は混乱・・・被害の数字は東京や横浜と比較すれば些細ですが、市域も、まさに非常事態だったといえるでしょう。

先に紹介した「文集」のうち、ある男の子の作文の文末には、ひときわ大きな字で、次のメッセージが記されています。

画像:5年生の作文

「わすれるな。九月一日」

この子は、地震発生当時、東武座にいて、「しぬかくご」で逃げ、「おうらい」(現春日部大通り)の建物は「たいていつぶれ」、夜には地震や様々な「さわぎ」で眠れなかったと記しています。子どもながら、辛く苦しい経験・記憶を思い出しながら、作文を書き、最後に自分に言い聞かすようにこの言葉を記したのではないでしょうか。100年後の私たちはこの子どものメッセージをどのように受け止めればよいのか。

9月1日は防災の日です。各地で防災訓練などが行われ、春日部市郷土資料館でも「シェイクアウト埼玉」という防災訓練が実施されます。そうした訓練から、防災意識・感覚を体に染みつかせ、防災意識を高めることは大変重要なことでしょう。

春日部市は「プラスワンのあるまち」ですから、この防災訓練にプラスワン!

身近な地元の災害の歴史、もとい「わすれるな。九月一日」というメッセージから、災害・防災について、他人事ではなく、自分事として考え、そして、地域の記憶を後世に伝えていく。関東大震災100年の今日が、そのような一日になれば、100年前の先人たちも喜ぶのではないでしょうか。

ミニ展示は10月8日まで開催しています。先人たちの声にぜひ耳を傾けに来てください。

過去の今日は何の日?in春日部シリーズ→1月1日版3月14日版3月27日版、4月28日版6月2日版6月3日版6月10日版7月31日版9月16日版

過去の今日は何の日?in春日部シリーズは、のリンクからお読みいただけます。

埼玉の関東大震災100年を巡るスタンプラリー

関東大震災における #埼玉県下三大被災地 といわれた川口町、幸手町、粕壁町。 #関東大震災から100年 を迎えた今年、 #川口市 ・ #幸手市 ・ #春日部市 の #郷土資料館 が連携し、 #スタンプラリー を開催することになりました。

画像:スタンプラリー告知

この企画では、川口市立文化財センター分館郷土資料館、幸手市郷土資料館、春日部市郷土資料館の3館で開催されている関東大震災に関する展示をめぐり、スタンプをあつめると、先着100名様にオリジナルマグネットをプレゼントするものです。期間は9月1日~10月8日まで。スタンプラリーの台紙は3館で配布しています。各館の情報は下記のとおりです。

ミニ企画展「関東大震災と川口」展 チラシ.pdf

会期:令和5年9月1日(金)~10月8日(日) ※休館日:月曜日・9月19日

見学には入場料が必要です(一般100円、小・中学生50円)

企画展「あれから100年 関東大震災と幸手」展  チラシ.pdf

会期:令和5年9月1日(金)~10月9日(月・祝) ※休館日:月曜日・9月19日

ミニ展示「1923.9.1関東大震災と春日部」展 チラシ.pdf

会期:令和5年9月1日(金)~10月8日(日) ※休館日:月曜日・祝日・9月16日~19日

なお、景品はおひとりさま1つまで。景品がなくなり次第終了とさせていただいておりますので、ご了承ください。

9月1日の関東大震災100年。地元の歴史を通じて、他人事でなく、ぜひ自分事として考えていただければと思います。

 

事業名:三市郷土資料館連携スタンプラリー「埼玉の関東大震災100年を巡る」

主催企画:川口市立郷土資料館・幸手市郷土資料館・春日部市郷土資料館

期 間:令和5年9月1日(金)~10月8日(日)

参加方法:各館で配布するスタンプ台紙に三館のスタンプを押す。景品は先着100名。

ミニ展示「1923.9.1関東大震災と春日部」展

まもなく、大正12年9月1日に発生した #関東大震災 から #100年 を迎えます。 #春日部市郷土資料館 では、関東大震災に関する資料を紹介するミニ展示を開催します。 #県下三大被災地

画像:展示チラシ

今回の展示は、ミニ展示なので、常設展示の一角を展示替えするごくごく小さな展示です。

埼玉県内では、川口町、幸手町、粕壁町が県下三大被災地といわれており、粕壁町を含む市域でも甚大な被害をこうむりました。被災のデータは、県の行政文書などでわかりますが、今回その実態を資料として粕壁小学校に遺された「大震災記念児童文集」を展示します。

詳しくは、後日に期しますが、上のポスターの「あゝ呪わしき大正拾弐年九月壱日 どうして此を忘れられませうか」という文は「文集」に所収される小学校高等科の生徒の文章の一節です。

今回は、この「文集」を中心に、100年前の子どもたちが接した関東大震災を詳しく紹介します。

展示は小粒でも、内容は(まあまあ)重厚(と思っています)。

関連事業も準備しています。100年前の震災から、現代の災害や防災について考える機会としていただければ幸いです。

 

事業名 ミニ展示「1923.9.1関東大震災と春日部」展

日 時 令和5年9月1日(金)~10月8日(日)

休館日 月曜日、祝日、9月16日~19日は臨時休館

主 催 春日部市郷土資料館

【令和5年夏季展示_あなのあいた壺】塚内4号墳の円筒埴輪

今回の「あなのあいた壺」展では、内牧の塚内古墳群の4号墳から出土した円筒埴輪(えんとうはにわ)も展示しています。

 

円筒埴輪(えんとうはにわ)は、古墳の墳丘に立て並べ、エリアの区画や墳丘の装飾に用いられたと考えられる埴輪です。一般的に土管状に上下は貫通しており、側面にも透孔(とうこう)と呼ばれるあながあけられます。側面には突帯(とったい)と呼ばれる粘土ひもが貼り付けられ、この本数によって、2条突帯、3条突帯・・・と呼び分けられます。また、上部が花のように開くものがあり、朝顔形埴輪と呼ばれています。

 塚内4号墳の古墳時代後期の円筒埴輪は、突帯が2本の武蔵(むさし)系のものと、突帯が3本の下総(しもうさ)系のものが発見されています。武蔵系と下総系の円筒埴輪が、同一の古墳から発見される事例は、現在のところ塚内4号墳のみで、武蔵と下総の地域の境界にあった春日部ならではの事例といえます。

 

下総系埴輪

塚内4号墳の下総系埴輪

  武蔵系埴輪

塚内4号墳の武蔵系埴輪

下総系埴輪底部

 塚内4号墳の下総系埴輪の底部

武蔵系埴輪底部

塚内4号墳の武蔵系埴輪の底部

円筒埴輪も一般的な古墳時代の土器などと同じように、粘土ひも(粘土板)を積み重ねていって形を作ります。ただし底の部分はつくらず、最下部は粘土ひも(粘土板)を輪の形に丸めただけで、容器としては使えません。

 

円筒埴輪は、現在の岡山県にあたる吉備(きび)地方で、弥生時代後期に、墓にそなえられた壺形土器とそれをのせる器台(きだい)が起源と考えられています。これらは特殊壺(とくしゅつぼ)、特殊器台(とくしゅきだい)と呼ばれています。特殊壺は底部が焼成前穿孔されているものが多く、特殊器台にも複雑な文様と、丸や三角のあながあけられます。時が進むにつれ、器台に壺をのせた形を表現した朝顔形埴輪や壺の部分を省略した円筒埴輪に変化するものと考えられています。

 

●春日部市郷土資料館 第68回企画展示

権現山遺跡発掘調査60周年記念「あなのあいた壺」権現山遺跡の底部穿孔壺と墓でつかわれた土器

会期:令和5年7月22日(土)~9月3日(日)

開館時間:午前9時から午後4時45分

休館日:毎週月曜日・祝日・8月5日(土)午後・8月6日(日)

会場:春日部市郷土資料館(春日部市粕壁東3-2-15・048-763-2455)

 

(関連イベント)

<募集中>記念講演会「権現山遺跡の底部穿孔土器と葬送祭祀」

権現山遺跡出土底部穿孔土器について、古墳時代に見られる葬送祭祀がご専門の古屋氏をお招きし、ご講演いただきます。

講師:古屋紀之氏(横浜市ふるさと歴史財団埋蔵文化財センター所長)

日時:9月2日(土)14:00~16:00

場所:教育センター視聴覚ホール

対象:定員100人(申込順)

費用:無料

申し込み:受付中です!電話(048-763-2455)、直接、電子申請のいずれか

 

<参加自由>ミュージアムトーク

企画展示会場で郷土資料館学芸員が展示解説を行います。

日時:9月3日(日)各日10:30~、15:00~(30分程度)

場所:郷土資料館企画展示室

費用:無料

申し込み:不要です!時間までに、企画展示室へお越しください。

【令和5年夏季展示_あなのあいた壺】浅間下遺跡の墓に使われた土器

今回の展示では、主役は権現山遺跡の古墳時代前期の底部穿孔土器ですが、「墓に使われた土器」として浅間下遺跡の縄文時代中期の深鉢を展示しています。

浅間下遺跡航空写真(埼玉県立さきたま史跡の博物館所提供)

浅間下遺跡航空写真(中央やや下の水色シートが写っている部分が浅間下遺跡、右側は江戸川、左上は神明貝塚、(埼玉県立さきたま史跡の博物館提供))

浅間下遺跡は、春日部市の北東部、西親野井の江戸川堤防沿いに位置します。千葉県からのびる宝珠花台地に立地します。遺跡の東側を流れる江戸川は近世に開削された河川で、もとは野田市側からの台地が続いていましたが、台地部分を掘削し、谷が接続されて一つの河川となりました。浅間下遺跡は、現在の堤防の下や、河川敷まで広がっている可能性があります。遺跡の標高は約10mです。西には、谷をはさんで縄文時代後期の国指定史跡、神明貝塚が立地しています。

浅間下遺跡では、これまで4回の発掘調査が行われています。縄文時代中期(約4500年前)の竪穴建物跡や小竪穴状遺構、縄文時代後期の竪穴建物跡、平安時代の竪穴建物跡、中世から近世の溝などが発見されています。

 

 浅間下遺跡の土器の破片をしきつめた墓(埼玉県立さきたま史跡の博物館提供)

浅間下遺跡の土器の破片をしきつめた墓(埼玉県立さきたま史跡の博物館提供)

浅間下遺跡では、地面に穴をほり、床面に土器の破片をしきつめた縄文時代中期の墓が発見されています。しきつめられてた土器は、復元すると底部を欠いた2個体の土器になりました。2つの土器の破片はモザイク状にしかれています。この遺構は小竪穴状遺構を墓に転用したものと推定されています。浅間下遺跡の第4次発掘調査では小竪穴状遺構37基が確認されています。小竪穴状遺構は、下総台地で多く発見されており、一般的に竪穴建物が円状に分布する環状集落では、竪穴建物の円よりも内側に作られます。食料を保管する貯蔵穴として利用されたものが多いようです。

 

 

 浅間下遺跡出土大木9式(埼玉県立さきたま史跡の博物館所蔵・提供)

土器をしきつめた墓から発見された大木9式土器(埼玉県立さきたま史跡の博物館所蔵・提供)

浅間下遺跡出土土器1展開写真(埼玉県立さきたま史跡の博物館提供)

大木9式土器の展開写真(埼玉県立さきたま史跡の博物館提供)

 

浅間下遺跡出土加曽利E式土器(埼玉県立さきたま史跡の博物館所蔵・提供)

土器をしきつめた墓から発見された加曽利E式土器(埼玉県立さきたま史跡の博物館所蔵・提供)

浅間下遺跡出土土器2展開写真(埼玉県立さきたま史跡の博物館提供)

加曽利E式土器の展開写真(埼玉県立さきたま史跡の博物館提供)

 

浅間下遺跡で発見された墓の跡にしかれていた土器は、東北地方の大木9式と関東地方の加曽利E式の土器で、東北地方と関東地方の土器型式の同時性を示しています。大木式は、大木囲貝塚(宮城県七ヶ浜町)で出土した土器をもとに設定されました。大木7a~10式が縄文時代中期に位置付けられています。加曽利E式は、加曽利貝塚(千葉県千葉市)のE地点で出土した土器をもとに設定された、関東一円の代表的な縄文時代中期の土器型式です。なお、2点とも底部の破片は確認できませんでした。

 

●春日部市郷土資料館 第68回企画展示

権現山遺跡発掘調査60周年記念「あなのあいた壺」権現山遺跡の底部穿孔壺と墓でつかわれた土器

会期:令和5年7月22日(土)~9月3日(日)

開館時間:午前9時から午後4時45分

休館日:毎週月曜日・祝日・8月5日(土)午後・8月6日(日)

会場:春日部市郷土資料館(春日部市粕壁東3-2-15・048-763-2455)

 

(関連イベント)

<募集中>記念講演会「権現山遺跡の底部穿孔土器と葬送祭祀」

権現山遺跡出土底部穿孔土器について、古墳時代に見られる葬送祭祀がご専門の古屋氏をお招きし、ご講演いただきます。

講師:古屋紀之氏(横浜市ふるさと歴史財団埋蔵文化財センター所長)

日時:9月2日(土)14:00~16:00

場所:教育センター視聴覚ホール

対象:定員100人(申込順)

費用:無料

申し込み:受付中です!電話(048-763-2455)、直接、電子申請のいずれか

 

<参加自由>ミュージアムトーク

企画展示会場で郷土資料館学芸員が展示解説を行います。

日時:9月3日(日)各日10:30~、15:00~(30分程度)

場所:郷土資料館企画展示室

費用:無料

申し込み:不要です!時間までに、企画展示室へお越しください。

郷土資料館体験ワークショップを開催しました

令和5年8月20日(日)の午前と午後各1回ずつ、郷土資料館体験ワークショップ「ストロー弓矢を作ろう」を開催しました。

体験ワークショップは、①蓄音機の上演、②春日部に伝わる伝説の紙芝居の上演、③おもちゃ作りの3本立てです!

作るおもちゃの種類によって、所要時間は40分から1時間程度となっています。

 

蓄音機の上演(午前)

蓄音機の上演(午後)

今日のワークショップは夏休みということもあってか、通常よりもたくさんの子どもたちが集まってくれました!

ワークショップで使用している蓄音機は100年ほど前に使われていたもので、今や貴重な一品。みなさん耳を傾けて、懐かしく珍しい音色を楽しんでいました!

 

紙芝居朗読

本日の紙芝居は西金野井に伝わる伝説「江戸川を流れてきた獅子」です。みんな静かにしっかりと聞いてくれましたね♪

 

おもちゃ制作風景(午前)

おもちゃ制作風景(午後)

おもちゃは「ストロー弓矢」を作りました。ストロー弓矢は今年の新作おもちゃです!

ご家庭にある材料で簡単に作れます!今回は頑丈に作るために、弓の部分に分厚いラップの芯を使いましたが、ご家庭ではキッチンペーパーやトイレットペーパーの芯で代用可能です。

郷土資料館の企画展示室で土器をたくさん並べているので、ちょっと縄文時代や弥生時代を意識して“狩り体験”♪

おもちゃ遊び風景

よーく狙って・・・ドヒュンッ!

かなり勢いよく飛びます!

 

缶バッジづくり

最後におまけの缶バッジづくり体験!

これが結構人気です♪毎回異なる絵柄をしているのでリピーターの子も喜んでくれます。

 

本日も暑い中お越しくださりありがとうございました!

次回の体験ワークショップは10月に開催予定です。詳しくは広報誌等でご覧ください。

お待ちしています!

 

体験講座みて!さわって!dokidoki音楽づくりを開催しました

8月12日(土)、春日部市郷土資料館恒例の体験講座「みて!さわって!dokidoki音楽づくり」を開催しました。

 

この講座は、国立歴史民俗博物館の中村耕作先生と國學院大學栃木短期大学の早川冨美子先生のご協力により、毎年夏休みに、郷土資料館で開催しており、今年で3回目になります。

縄文土器を観察し、文様のパターンやイメージなどをみたりさわったりしながら、縄文時代にも存在した自然素材を使って音で表し、グループで音楽を作る講座です。

中村先生と土器

縄文土器と中村先生

 

当日は、縄文時代の衣装を着て講座にのぞみました。

縄文時代の衣装

縄文時代の衣装

 

はじめに、時代の長さを紙の長さで表した年表で、縄文時代がいかに長い時代かをみんなで確認しました。

年表を見ている様子

時代の長さを表した年表

 

その後、資料館の展示室で、竪穴住居模型や春日部の貝塚、縄文土器の展示を見学し、縄文時代について学びました。

展示室見学

展示室見学

 

講座会場に戻り、音楽づくりに使う自然素材を選びました。

縄文時代にもあった自然素材1

縄文時代にあった自然素材2 

用意された自然素材

 

早川先生に音の出し方や音楽の作り方をおしえてもらいました。

早川先生に音楽を教えてもらっている様子

音楽の作り方を教えてもらっている様子

 

また実際の縄文土器をみて、文様の付け方を観察し、縄文を実際に粘土につけてみました。

もようの付け方をまねしている様子

縄文を粘土につけいている様子

 

最後にグループで2回音楽を作り、発表しました。

みんなの前で発表

音楽を発表している様子

 

縄文土器をみながら、縄文時代にもあった自然素材を使って音を出してみるという、一風変わった講座でしたが、いかがだったでしょうか?

参加していただいたみなさん、ありがとうございました。

昨年度のものですが、講座の様子は下の動画でもみられますのでご覧ください。

 

【令和5年夏季展示_あなのあいた壺】杉戸町豊明神社古墳の底部穿孔壺

今回の「あなのあいた壺」では、周辺の底部穿孔壺形土器として、杉戸町豊明神社古墳で発見された底部穿孔壺形土器をお借りしています。

杉戸町大塚の豊明神社では、平成6年(1994)、擁壁(ようへき)工事などの際に古墳時代前期の底部穿孔土器が採集されたことにより、神社の敷地が古墳時代前期の方形周溝墓のような墳丘墓、あるいは古墳であると指摘され、「豊明神社古墳」と呼ばれるようになりました。

豊明神社古墳の底部穿孔壺(杉戸町教育委員会提供)

豊明神社古墳出土底部穿孔土器(杉戸町教育委員会所蔵・提供)

豊明神社古墳底部穿孔壺の穴(杉戸町教育委員会所蔵)

豊明神社古墳出土底部穿孔土器の穴(杉戸町教育委員会所蔵・提供)

はじめに採集された穿孔土器は、高さ28cm、底径6.6cmの首から上を失った壺で、底面に焼成前穿孔されています。

杉戸町豊明神社古墳底部穿孔壺破片1(杉戸町教育委員会所蔵)

豊明神社古墳出土底部穿孔土器片1(杉戸町教育委員会所蔵)

杉戸町豊明神社古墳底部穿孔壺破片2(杉戸町教育委員会所蔵)

豊明神社古墳出土底部穿孔土器片2(杉戸町教育委員会所蔵)

杉戸町豊明神社古墳底部穿孔壺破片3(杉戸町教育委員会所蔵)

豊明神社古墳出土底部穿孔土器片3(杉戸町教育委員会所蔵)

杉戸町豊明神社古墳底部穿孔壺破片4(杉戸町教育委員会所蔵)

豊明神社古墳出土底部穿孔土器片4(杉戸町教育委員会所蔵)

豊明神社古墳では、ほかに4点の焼成前底部穿孔がみられる底部の土器片が採集されています。権現山遺跡と同じように複数の底部穿孔土器が存在していることがわかります。

 

杉戸町豊明神社古墳遠景(杉戸町教育委員会提供)

 杉戸町豊明神社古墳(杉戸町教育委員会提供)

 豊明神社古墳は、権現山遺跡からは直線距離で北西に約6km、中川低地の自然堤防上に立地します。この自然堤防は北東から南西にのびており、古墳時代当時、現在の渡良瀬川にあたる河川が、古利根川の方向へ流れていたことにより形成された自然堤防と推定できます。

この自然堤防の上流方面には、弥生時代の須釜(すがま)遺跡(春日部市倉常)、下流方面には古墳時代前期の東上(ひがしかみ)遺跡(杉戸町本郷)があり、遅くとも古墳時代前期には自然堤防上で人々が生活していたことがわかります。

 

 

●春日部市郷土資料館 第68回企画展示

権現山遺跡発掘調査60周年記念「あなのあいた壺」権現山遺跡の底部穿孔壺と墓でつかわれた土器

会期:令和5年7月22日(土)~9月3日(日)

開館時間:午前9時から午後4時45分

休館日:毎週月曜日・祝日・8月5日(土)午後・8月6日(日)

会場:春日部市郷土資料館(春日部市粕壁東3-2-15・048-763-2455)

 

(関連イベント)

<募集中>記念講演会「権現山遺跡の底部穿孔土器と葬送祭祀」

権現山遺跡出土底部穿孔土器について、古墳時代に見られる葬送祭祀がご専門の古屋氏をお招きし、ご講演いただきます。

講師:古屋紀之氏(横浜市ふるさと歴史財団埋蔵文化財センター所長)

日時:9月2日(土)14:00~16:00

場所:教育センター視聴覚ホール

対象:定員100人(申込順)

費用:無料

申し込み:受付中です!電話(048-763-2455)、直接、電子申請のいずれか

 

<参加自由>ミュージアムトーク

企画展示会場で郷土資料館学芸員が展示解説を行います。

日時:8月19日(土)、9月3日(日)各日10:30~、15:00~(30分程度)

場所:郷土資料館企画展示室

費用:無料

申し込み:不要です!時間までに、企画展示室へお越しください。

【体験ワークショップ】ストロー弓矢を作ろう!

8月20日(日)に体験ワークショップを開催します。

体験ワークショップでは、蓄音機の上演、紙芝居、昔のおもちゃづくりをします。

今回作る昔のおもちゃは「ストロー弓矢」です。

ストロー弓矢

ストロー弓矢は今年の新作おもちゃです!

 

今夏、郷土資料館では土器をたくさんならべた企画展示を開催しています。縄文時代や弥生時代には、イノシシやシカなどの動物を狩っていました。そこで、ワークショップでもちょっとした“狩り体験”ということで今回のおもちゃを作成してみました!

ストロー弓矢で的あて!

楽しく遊べるように的も用意してあります!

みんなうまく当てられるでしょうか♪

 

ワークショップは申し込み不要、おもちゃの材料は資料館で用意しています。

当日の午前10時30分と午後2時からの計2回開催しますので、お時間までに郷土資料館にお越しください!

 

【体験ワークショップ】

日時:令和5年8月20日(日)午前10時30分~・午後2時~

場所:春日部市郷土資料館(春日部市粕壁東3-2-15)

内容:蓄音機と紙芝居の上演

   おもちゃづくり(ストロー弓矢)

費用:無料

申込:不要(開催時間までに郷土資料館にお越しください)

【令和5年夏季展示_あなのあいた壺】野田市宮前遺跡の底部穿孔壺

野田市宮前遺跡の方形周溝墓(野田市教育委員会提供)

宮前遺跡第1号方形周溝墓(野田市教育委員会提供)

今回の展示では、おとなりの野田市より、宮前遺跡で発見された底部穿孔壺形土器をお借りし展示しています。

宮前遺跡は、権現山遺跡からは、直線距離で南東に約10㎞、下総台地上に立地します。古墳時代前期の7基の方形周溝墓が確認され、このうち第1号方形周溝墓から2点の焼成後穿孔された底部穿孔壺形土器が出土しています。

いずれも口縁部は、粘土を帯状に用いて段をつくり出す複合口縁で、高さは約34㎝と約40㎝、土器の表面が赤彩されています。穿孔は、外側から打ち欠くようにあけられています。底面ではなく、胴部の最下方にあけているようです。周辺地域での同様なあなのあけ方として千葉県松戸市の富山遺跡で発見された底部穿孔壺形土器が挙げられます。(松戸市立博物館2021『古墳時代のマジカルワールド』)

 

宮前遺跡の底部穿孔壺1(野田市教育委員会所蔵)

宮前遺跡1号方形周溝墓の底部穿孔壺1(野田市教育委員会所蔵)

宮前遺跡の底部穿孔壺1のあな(野田市教育委員会所蔵)

宮前遺跡1号方形周溝墓の底部穿孔壺1のあな

宮前遺跡の底部穿孔壺2(野田市教育委員会所蔵)

宮前遺跡1号方形周溝墓の底部穿孔壺2(野田市教育委員会所蔵)

宮前遺跡の底部穿孔壺2のあな(野田市教育委員会所蔵)

 宮前遺跡1号方形周溝墓の底部穿孔壺2のあな

 野田市域では、この宮前遺跡のほかにも、堤台松山(つつみだいまつやま)遺跡、桜台高崎家前(さくらだいたかさきけまえ)遺跡で古墳時代前期の底部穿孔壺形土器が発見されています。特に堤台松山遺跡は、権現山遺跡から直線距離で南東に約3㎞の位置に所在し、2基の方形周溝墓が発見されています。権現山遺跡と同じく、「方形周溝墓」という用語が誕生する前に調査された遺跡です。

 

●春日部市郷土資料館 第68回企画展示

権現山遺跡発掘調査60周年記念「あなのあいた壺」権現山遺跡の底部穿孔壺と墓でつかわれた土器

会期:令和5年7月22日(土)~9月3日(日)

開館時間:午前9時から午後4時45分

休館日:毎週月曜日・祝日・8月5日(土)午後・8月6日(日)

会場:春日部市郷土資料館(春日部市粕壁東3-2-15・048-763-2455)

 

(関連イベント)

<募集中>記念講演会「権現山遺跡の底部穿孔土器と葬送祭祀」

権現山遺跡出土底部穿孔土器について、古墳時代に見られる葬送祭祀がご専門の古屋氏をお招きし、ご講演いただきます。

講師:古屋紀之氏(横浜市ふるさと歴史財団埋蔵文化財センター所長)

日時:9月2日(土)14:00~16:00

場所:教育センター視聴覚ホール

対象:定員100人(申込順)

費用:無料

申し込み:受付中です!電話(048-763-2455)、直接、電子申請のいずれか

 

<参加自由>ミュージアムトーク

企画展示会場で郷土資料館学芸員が展示解説を行います。

日時:8月19日(土)、9月3日(日)各日10:30~、15:00~(30分程度)

場所:郷土資料館企画展示室

費用:無料

申し込み:不要です!時間までに、企画展示室へお越しください。

博物館実習6日目資料調書・ディスカッション

本日は資料調書・整理と実習を振り返ったディスカッションを行いました。

午前は資料調書・整理をしました。

まず初めに資料整理と簡単な情報を書き出す作業をしました。紙が脆くなっているものや、結んである紐を解くと元に戻せなさそうな資料が多くあったので慎重に作業しました。

写真:箱を見ている

次に調書の封筒を筆記する作業をしました。

資料の絵や写真をよく見て情報を細かく記入します。資料と向き合う時間が楽しく、集中を欠かずに作業出来ました。

写真:封筒を書いているところ

 

最後に実習を振り返ったディスカッションを行いました。

写真:みんなが座っている

1日ずつ実習を振り返りました。また、5日間を振り返って春日部市郷土資料館をよりよくするにはどうすればいいのかを討論しました。初日も同じ内容で討論しましたが、今日の方が学芸員視点的に成長したと感じた討論でした。5日間で様々な学芸員が日々行っている業務を体験させてもらいました。とても良い学習であったとともに、この経験を忘れず邁進して行きたいです。

今年度の実習生による「ほごログ」はこれで最後ですが、8月12日体験講座と9月2日の第68回企画展示記念講演会にも参加します。残り僅かになりましたが、最後まで気を抜かずに頑張りたいです。

(令和5年度実習生)

博物館実習5日目・資料整理、教材研究

本日は市内の資料保管施設での資料整理、権現山遺跡の見学、教材研究を行いました。

午前は資料が収蔵されている施設に行き、今後展示に使われる予定の資料を運びました。昔の消火器から水車(みずぐるま)まで様々な資料が収蔵されていました。見たことのない資料がいくつもあり、どんな使われ方をしていたのかと思わず考えてしまいました。

写真:資料を運ぶ様子

その後、権現山遺跡に行きました。今は涼しげで気持ちのいい公園になっていました。ここから出土した穿孔(せんこう)土器は資料館に展示されているので、ぜひじっくりとみてみたいと思います。

写真:鬼塚さん説明風景

 

午後は教材研究を行いました。

様々な教科の教科書から、資料を活用できそうな単元を探して活用法を考えました。理科や数学など、一見歴史資料と遠い関係にありそうな教科も、みんなで頭を捻って案を出していました。今日考えたものが、実際に使われる機会があればうれしく思います。

 写真:教材研究、作業風景

 

実習も後半に差し掛かってきました。残りの日も気を引き締めてしっかりと学んでいきたいと思います。

(令和5年度実習生)

博物館実習4日目・他館見学

本日は、他館見学として、草加市立歴史民俗資料館と八潮市立資料館の見学を行いました。

 

午前は草加市立歴史民俗資料館を見学しました。

非常に丁寧に解説をして頂き、小学生の利用者が多く、実際に触れて体験することが出来る展示方法を行っていることや、パネルの制作にも力を入れていることが分かりました。

写真:草加市立歴史民俗資料館で展示の解説を受けている様子

 

午後に見学した八潮市立資料館では、古民家やマイクロフィルムの資料等、あまり触れたことがない資料についても詳しくお話を伺いました。また、水害や藍染に関する展示スペースからは、地域の特色を強く感じました。

皆、積極的に質問をしており、有意義で学びの多い時間を過ごすことが出来ました。

 写真:八潮市立資料館で展示の解説を受けている様子

二つの資料館を見学したことで、地域について伝えるために意識していることや展示方法ついて学ぶことが出来ました。

 

実習もほぼ折り返しとなりました。残りの実習も一生懸命取り組んでいきたいと思います。

 

(令和5年度博物館実習生)

博物館実習3日目・資料取扱い実習

本日は資料の取扱いについて学びました。

午前は掛軸と巻物。学校の授業で実際に触ったことがある人も多かったようですが、持ち方や注意する点などはその時々によるため、慎重に扱わなければなりません。

実際に扱ってみると、しまい方の手順を飛ばしてしまったり、うまく巻けなかったりとなかなか難しく、皆真剣に手元を観察していました。

写真:掛軸取扱い実習の様子

午後は考古資料、今回は資料を外に持ち出す想定で土器の梱包を行いました。

まずは梱包に必要な綿布団を用意します。そして、それを使って土器を包んでいくのですが、土器の形はものによってさまざま。大きいものもあれば、小さいものもあります。それらに合わせて適切な梱包方法を考え、丁寧に包んでいきます。

梱包・運送の際、どんな状態だと資料を傷つけてしまうのか、想像力の必要な作業であると思いました。

写真:土器梱包の様子

実習はまだまだ続きます。楽しみながらしっかり学んでいきたいと思います。

(令和5年度実習生)

実習2日目はワークショップと教材研究を行いました!

実習2日目は、お子様向けワークショップの補助と見学、そして小学校の教科書を用いた教材研究を行いました。

 

ワークショップでは、紙芝居「牛島の藤の伝説」の上演を3人ずつに分かれて行いました。紙芝居の読み聞かせは初めての経験でしたが、子どもたちは興味津々な様子で聞いてくれて、やりがいを感じました。おもちゃ作りにも楽しく参加していただき、無事にワークショップを終えることが出来ました。

また、蓄音機の上演を見学させていただきました。私自身、レコードから流れる音楽を生で聞く初めての経験だったので非常に印象に残りました。

 写真:紙芝居の様子

写真:おもちゃ作り体験の様子

教材研究では、小学校の全科目の教科書をじっくりと読み、博物館所蔵の資料と関連付ける方法を個人で考えまとめました。中には、アイディアの出づらい科目もあり、苦戦する場面もありました。博物館が学校と連携することにより、学びの幅を広げる博学連携の難しさを実感しました。

 

(令和5年度博物館実習生)

【臨時休館のお知らせ】8月5日(土)午後、6日(日)

令和5年8月6日(日)は、教育センターが埼玉県知事選挙の投票所として利用されます。そのため、準備を含め下記の日程で郷土資料館は休館となります。ご理解とご協力のほど、よろしくお願いいたします。

〈臨時休館日〉

令和5年8月5日(土)午後

令和5年8月6日(日)終日

※令和5年8月7日(月)は通常の休館日となります。

実習1日目「オリエンテーション」

令和5年度の博物館実習が始まりました。今年度は6人の実習生が参加しています。

 

初日の今日は、オリエンテーションを行いました。

午前中は、館内や収蔵庫の見学を行い、展示の仕方や展示内容、収蔵庫での保管法の工夫等を説明していただきました。常設展示では、春日部市のあゆみを知ることができ、来館者の方々に人気がある竪穴式住居や宿場町の模型も見ることができました。

また、初めて入った収蔵庫では、ドアの内側に網戸があること、書物の保管には中性紙の封筒が使われていることを学びました。スペースいっぱいに資料が置かれている光景は驚きでした。

写真:収蔵庫

 

午後は、まず明日行われる子ども向けのワークショップの準備を行いました。紙芝居の練習やペーパーローリングの作り方の確認をしました。明日は子どもたちが喜んでくれるように頑張りたいです。

写真:おもちゃの製作

写真:紙芝居の練習

その後は、博物館についてのディスカッションとして、理想の博物館や春日部市郷土資料館のメリット・デメリットについて意見を交わしました。理想の博物館としては、「学芸員が研究できる環境が整った館」や「自分の地域を知ることができる館」という意見が出ました。春日部市郷土資料館のメリットは「竪穴式住居が子どもにも印象深い」、「狭いスペースをうまく利用して展示している」という意見があり、デメリットとしては「パネルと展示物の順路に少しばらつきがある」、「パネルによって文字が読みづらいところがあった」という意見がありました。様々な意見が出て、とても有意義な時間になりました。

 

実習は計8日間あるので、体調には気をつけながら、たくさんの学びを得ていきたいと思います。

(令和5年度実習生)

【令和5年夏季展示_あなのあいた壺】展示解説講座をおこないました

展示解説講座

本日は展示解説講座を開催し、30名の方にご来館いただきました。誠にありがとうございました。

展示解説講座では、一口に底にあなが開いているといっても、土器として焼かれる前にあなをあける焼成前穿孔(しょうせいぜんせんこう)と焼成後穿孔(しょうせいごせんこう)があることや、権現山遺跡の底部穿孔壺は、土器を横から見た時の形が2種類ある話などをしました。また「底にあなをあける」行為は、考古学では「非実用的なものとするため」といった説明がされますが、だれもが納得するような理由はまだ解明されていないことなどをお話ししました。展示後は、展示室で実物をみながら、解説をさせていただきました。

いただいた感想では、昔の人にも死者に対する深い思いがあったのではないか、穿孔壺のあなは壺にたましいが残らないようにあけたのではないか、などのご意見をいただきました。なぜ、あなをあけたのかについては、ぜひ皆さんも悩んでいただければと思います。

 

さて、展示の関連イベントは、このあとミュージアムトークと記念講演会が予定されています。どうぞご参加ください。

(関連イベント)

<募集中>記念講演会「権現山遺跡の底部穿孔土器と葬送祭祀」

権現山遺跡出土底部穿孔土器について、古墳時代に見られる葬送祭祀がご専門の古屋氏をお招きし、ご講演いただきます。

講師:古屋紀之氏(横浜市ふるさと歴史財団埋蔵文化財センター所長)

日時:9月2日(土)14:00~16:00

場所:教育センター視聴覚ホール

対象:定員100人(申込順)

費用:無料

申し込み:受付中です!電話(048-763-2455)、直接、電子申請のいずれか

 

<参加自由>ミュージアムトーク

企画展示会場で郷土資料館学芸員が展示解説を行います。

日時:8月19日(土)、9月3日(日)各日10:30~、15:00~(30分程度)

場所:郷土資料館企画展示室

費用:無料

申し込み:不要です!時間までに、企画展示室へお越しください。

【令和5年夏季展示_あなのあいた壺】昭和38年4月5日埼玉新聞の記事

権現山遺跡の第1次調査は、昭和38年4月2日から4日に行われました。埼玉新聞の取材を受け、翌4月5日には、旧大滝村(現・秩父市)三十場(みそば)で調査された遺跡と合わせ、紙面に大きく掲載されました。

記事では「底にあながあけられている」ことは明記されていませんが、「ハニワ(埴輪)ツボ」と表現され、実用のものではなく、埴輪のように祭祀に使われたものだと書かれています。

また、米島や西親野井、松伏町の築比地(ついひじ・記事中の「ついへじ」は誤り)、杉戸町豊岡でも遺跡が発見されていることが書かれており、これは米島は米島貝塚、西親野井は神明貝塚、杉戸町豊岡は目沼浅間塚古墳(めぬませんげんづか古墳)の調査を示しています。松伏町築比地の「昨年石オノ」との記述はどの遺跡かわかりませんが、築比地地区では、昭和29年(1954)に、栄光院貝塚の調査が行われています。

昭和38年4月5日埼玉新聞

昭和38年4月5日埼玉新聞

 

(記事全文)

考古資料各地からぞくぞく 庄和村から発掘 土器など原型のままで

 北葛庄和村で古墳時代の土器多数がほとんど原型のまま発掘され、考古学研究に貴重な資料がそろったと関係者を喜ばせている。出土したのは同村中野通称”権現山台地”で、同所農業、横川四郎さん(五五)ら六人の所有地六千平方メートルを畑にするため、さる三月末からブルドーザーでけずりとっていたところ、地表下一メートル前後のところから土器数個が出てきたので工事関係者が同村葛飾中、横川好富教諭(二五)=国学院大日本史学専攻=に連絡、国学院大の学生と同中学生数人の協力を得て、三日から現場の下調べをかねて出土品をとり集めた。

 この結果四日までに土器と什(じゅう)器など二十余点がみつかったが、土器、什器とも素焼きのウツワで、大きいのは直径一〇センチ、平均七、八センチあり、ほとんど原型のまま出土した。同教諭はこれを県文化財保護委の柳田敏司係長にみせたが、土器は三、四世紀の古墳時代(今から千五、六百年前)のもので、土器のうちハニワ(埴輪)ツボは当時の住民が祭し(祀)用に使ったものと推定され、県下では松山についで二度目の出土器だという。

 この近くの同村米島と西親野井では、さきに縄文(じょうもん)土器、松伏村築比地(ついへじ)では昨年石オノ、杉戸町豊岡では数年前に前方後円墳が発掘されており、住民がいたので、このほかにも考古学の資料が出土するのではないかと期待されている。

(昭和38年4月5日埼玉新聞)

 

<開催中>春日部市郷土資料館 第68回企画展示

権現山遺跡発掘調査60周年記念「あなのあいた壺」権現山遺跡の底部穿孔壺と墓でつかわれた土器

会期:令和5年7月22日(土)~9月3日(日)

開館時間:午前9時から午後4時45分

休館日:毎週月曜日・祝日・8月5日(土)午後・8月6日(日)

会場:春日部市郷土資料館(春日部市粕壁東3-2-15・048-763-2455)

 

(関連イベント)

<募集中>記念講演会「権現山遺跡の底部穿孔土器と葬送祭祀」

権現山遺跡出土底部穿孔土器について、古墳時代に見られる葬送祭祀がご専門の古屋氏をお招きし、ご講演いただきます。

講師:古屋紀之氏(横浜市ふるさと歴史財団埋蔵文化財センター所長)

日時:9月2日(土)14:00~16:00

場所:教育センター視聴覚ホール

対象:定員100人(申込順)

費用:無料

申し込み:受付中です!電話(048-763-2455)、直接、電子申請のいずれか

 

<参加自由>ミュージアムトーク

企画展示会場で郷土資料館学芸員が展示解説を行います。

日時:8月19日(土)、9月3日(日)各日10:30~、15:00~(30分程度)

場所:郷土資料館企画展示室

費用:無料

申し込み:不要です!時間までに、企画展示室へお越しください。

 

【体験ワークショップ】ペーパーローリングを作ろう!

7月30日(日)に体験ワークショップを開催します。

体験ワークショップでは、蓄音機の上演、紙芝居、昔のおもちゃづくりをします。

今回作る昔のおもちゃは「ペーパーローリング」です。

 

ペーパーローリング

昨年度の最後(令和5年1月)のワークショップで作ったおもちゃもペーパーローリングだったのですが、今年度は初回で作ることにしました。

というのも、ペーパーローリングは1980年代頃にお祭りや縁日で販売され大流行した商品とのことで、“お祭り”といえば“夏”という安直な発想から、この時期に作ってみようと思いました!

ペーパーローリング遊び方

私も子供のころ、「不思議なおもちゃだなぁ~」と思いながらよく遊びました。

部屋の照明から垂れ下がっている紐を狙って“シュッ”っと。この感覚、今の子どもたち果たして伝わるでしょうか(笑)

 

簡単な作りなのに、ついついハマって遊んでしまうペーパーローリング!

一緒に作って遊んでみましょう♪

 

申し込み不要、おもちゃの材料は資料館で用意しています。

当日の午前10時30分と午後2時からの計2回開催しますので、お時間までに郷土資料館にお越しください!

 

【体験ワークショップ】

日時:令和5年7月30日(日)午前10時30分~・午後2時~

場所:春日部市郷土資料館(春日部市粕壁東3-2-15)

内容:蓄音機と紙芝居の上演

   昔のおもちゃづくり(ペーパーローリング)

費用:無料

申込:不要(開催時間までに郷土資料館にお越しください)