2024年12月の記事一覧
校長室のひとりごと「探究学習」
中学校では、国語や数学などの各教科の学習以外に「総合的な学習の時間」という授業があります。この「総合的な学習の時間」中学1年生は年間50時間、2、3年生は年間70時間(週2時間)割り当てられています。これまでどこの学校でも手探りで進めてきたというのが実際のところですが、昨今の技術革新や少子化、雇用体系の変化、価値観の多様化などの背景から、改めて「総合的な学習の時間」が注目を集めています。「総合的な学習の時間」は言い換えると「探究学習」であり、予測不能なこの時代、自分と社会をつなぐ上で重要な資質や能力を培うものです。高等学校では今この探究学習に一層力を入れています。大学の入試方法も変化し、この「探究」の成果を評価する「総合型選抜」を実施する大学も増えてきていることからも伺えます。
探究とは、興味や関心を突き詰めていくことですが、仮にこの興味関心を「探究の種」とします。この種に水をやり、時には肥料をあげることで芽が出て「探究の木」が育ちます。この水や肥料に当たるのが「書籍やインターネット、これまで学んできたこと」などです。そして探究を進めることで「探究の木」は大きく逞しく育ち結果として「探究の実」をつけるわけです。この一連の学習が探究学習ですが、仮に木が思うように育たず実をつけなくてもそれはそれで良いのです。大切なのは「探究の種」を探し、その種をまき「探究の木」を育てようとすることです。
言葉では簡単ですが、いざとなると「どの種にしようか?」でつまづいてしまうところが、この探究学習の難しいところです。
校長室のひとりごと「お茶会を・・・」
かれこれ数十年続けている毎朝のルーティンがあります。それは毎朝起きて一番にコーヒーをたて、朝のニュースを見ながらゆっくりとそのコーヒーを2杯飲むことです。別にコーヒー通ではありませんが、仮に朝早くから用事がある日でも、このコーヒーを飲む至福の時間を逆算し早起きするようにしています。そんなコーヒーについて気になる記事を見つけました。
このところの空気の乾燥で星が綺麗に見えますね。ちょうど今は三日月の隣に金星がよく見えます。
ところでコーヒーやお茶は成分には発がんを抑制したり、血中コレステロールを低下させ、虫歯を防ぐなど多くの作用がこれまで知られてきました。抗酸化・抗炎症作用があり、動脈硬化などの予防に良いとされている「ポリフェノール」、一般に赤ワインやチョコレートが有名ですが、日本人のポリフェノール摂取源で一番多いのがコーヒー、次いでお茶だそうです。1日に3から4杯ほどコーヒーを飲む人は、1杯未満の人に比べ循環器疾患、糖尿病、死亡リスクが低いことが分かっているそうです。
また、高齢者2万4千人を対象にお茶の摂取量と対人交流の多さ、残っている歯の本数を調査したところ、お茶を4杯以上飲む人は飲まない人に比べ平均1、6本歯が多く残っており、1ヶ月に10人以上の知人に会う人は、誰にも会わない人に比べ2、6本多く残っているという結果が発表されています。
私の場合は、毎朝一人でコーヒーを味わっているのですが、これらの記事によるといわゆる「お茶会」と呼ばれるような何人かで集まり、コーヒーやお茶を会話と共に楽しむことが健康につながるということでしょう。
校長室のひとりごと「学校もデジタル化」
近年、学校もデジタル化が進んでいます。子ども達は「GIGAスクール構想」による一人一台端末を活用した授業に日々取り組んでいます。また授業以外の場面でも業務のスリム化を目指し先生方の仕事もデジタル化が進んでいます。学校から家庭への配布物や欠席連絡なども、デジタル配信サービスを利用し直接配信するなど以前と変化しています。
こういったデジタル化により、保護者から「困る」という声を聞くことがあります。以前は当たり前だった「連絡網」の存在です。個人情報保護の観点で「連絡網」を作っていない学校がほとんどです。学校から急な連絡があれば、連絡網の先頭の家庭に連絡し、家庭から家庭へと電話連絡していましたが、今は学校から、学年、学級などの特定のグループへの一斉にデジタル配信を直接家庭にしているため家庭と家庭のつながりの希薄化は否めません。何より我が子の学級に誰がいるのかさえ親はわからない状況です。最近は子どもが直接スマホで連絡を取り合うため親は「誰とどこへ」行ったのかわかりません。仮に「◯◯くんの家」と言って出ていったとしても、仲の良い「ママ友」ならともかく、基本的に親同士は連絡先を互いに知りません。昔は「息子がお世話になっているみたいで…」「いいえこちらこそいつも仲良くしていただいて、もう直ぐ帰しますのでご心配なさらずに」なんて連絡網で探し固定電話に架電することで家庭同志、親同士の関係を築いてたものです。現在連絡先はほとんど携帯電話、子供同士の連絡もスマホや携帯電話。結果として親同士の関係に変化が生じているのかもしれません。
校長室のひとりごと「お酢を飲む?」
突然ですが、皆さんは「柔軟性」がある方ですか?柔軟性と言ってもなぞなぞに強いなど脳や考え方の柔軟性ではなく、いわゆる体前屈など身体的な柔軟性です。幼い頃からありとあらゆるスポーツに挑戦してきた私にとって「柔軟性」は大きな課題でした。スポーツ選手にしては体が硬かったので「お酢を飲めば柔軟性が増す」なんて都市伝説に頼り実際に何度か試してみたりもしました。もちろん変化は認められず、挙げ句の果てには「体は硬い方が跳ね返りが強く瞬発力系のスポーツには向いている」などの、これまた都市伝説に食いつき安心したりと… 一流になれなかったのはそんな精神的甘さだったかもしれませんね。
前置きが長くなりましたが「体が柔軟な人より硬い人の方が死亡リスクが高い」と、あるブラジルの調査の結果をスポーツ医学専門誌を通して発表しました。調査は46歳から65歳までの男女を対象に、肩や膝など関節の可動域を点数化したもので、13年余りの追跡調査も行ったそうです。その結果ですが、男女ともに体が硬い人グループは体の柔軟な人グループよりも死亡リスクが高く、女性では⒋78倍、男性で⒈87倍のリスクだそうです。
この調査では、調査対象者が途中から運動を始め柔軟性を高めたり、そもそも個人差もあるため、まだまだ調査は道半ばだと言われています。
ケガの予防ということであれば、体が硬い人より柔軟な人の方がリスクは少ないのは確かです。今後も「お酢を飲む」のではなく日々のストレッチなど柔軟性を高めていこうと思いました。
校長室のひとりごと「闇バイト」
首都圏で相次いでいる闇バイトによる強盗事件が後を絶ちません。治安が良いと言われてきた日本の世の中はどうなってしまったのでしょうか。こう連日のように近隣での強盗事件の報道があれば他人事でいられず、恐怖すら感じずにはいられません。「強盗殺人、強盗傷害致死」事件のように金銭が絡み人の命を殺めてしまった場合「死刑もしくわ無期懲役」、殺人や致死でなくても「強盗傷害」であれば最低でも「懲役6年以上」という量刑です。それを知っての犯行なのでしょうか。
実際に闇バイトによる住居侵入未遂事件で逮捕起訴されたある女性被告がインタビューに応じた記事を読みました。「彼氏とお揃いの物を買ったり旅行に行ったりするお金が欲しかった」と動機を語り、SNSで闇バイトに応募し事件当日まで内容は知らされず、当日になって初対面の共犯者と落ち合い主犯格からSNSで指示を受けたそうです。この女性被告は「被害者に癒えることのない傷を負わせてしまい悔やんでも悔やみきれない」と、また「SNSに頼らないで。メッセージが来てもボタンを絶対に押さないで。ボタンひとつで人生が変わる」「過去に戻れるなら誰かに相談すれば良かった」と警鐘を鳴らすと共に後悔の念を語っています。
今回インタビューを受けたことについて「自分が話すことで闇バイトに手を染める人が減って欲しかった」と語っています。
そもそも怪しいSNSに誰も反応せず応募する人がいなくなれば闇バイト自体がなくなるはず、子供まで一人一台スマホを持つ時代だからこその犯罪なのかもしれませんね。