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2024年12月の記事一覧

校長室のひとりごと「右手?左手?」

 突然ですが、皆さんはどちらの手でスマホを持ちますか。右手ですか、それとも左手ですか。ちなみに私は右利きですが、当たり前のように左手でスマホを持ちます。もう何十年もそうしています。ですから、ズボンの左ポケットに入れるのが定位置です。しかし、この利き手と逆の手でスマホを持つことが、どうやら「昭和世代」の特徴らしいのです。そう言えばZ世代の息子や娘は右手(利き手)でスマホを持っています。そもそも携帯電話が普及し始めたのは平成の時代、それまで電話といえば「固定電話」、それも昭和はダイヤル式だったりしました。その名残りで、右手でダイヤルを回し左手で受話器を持つことが習慣となっていました。また、電話口でペンを持ちメモするのも右手、受話器を利き手ではない左手で持つことが染み付いているためだと言われています。Z世代はそもそもダイヤルやボタンをプッシュする経験がないため、自然と操作しやすい利き手を使う習慣があるようです。おまけにZ世代の息子や娘を観察すると文字を入力する際も、ほとんどの操作をスマホを持っている手の親指で完結しています。ちなみに私は左手でスマホを持ち、右手で操作、つまり両手を駆使してスマホの操作をしています。こんなところでも「昭和世代は年寄り扱いされるのか(?)」と悔しくて右手でスマホを持ち親指で操作してやろうと意気込んでみても、できないばかりか違和感の塊です。仕方ないので今まで通り左手でスマホを持ち、せめて左手の親指だけで操作できるよう現在特訓中です。

皆さんはどちらの手で持ちますか?

校長室のひとりごと「日本式学校教育②」

 今、一本の日本のドキュメンタリー映画が海外で話題になっています。この映画を見た各国の教育関係者の評価は次の通りです。

 フィンランドでは「コミュニティづくりの教科書。自分たちの教育を見直す場になった」。アメリカは「自分たちのことは自分たちでやるということを学ぶ、最高の見本」。ドイツは「日本人は小さい頃から周りと協力する意識が自然と身についている。だから地震がきても慌てず、コロナ中もうまく対応できたのだろう」。ギリシャは「日本の子どもたちの責任感がすごい。小さな子どもを信頼する先生もすごい」などと高評価を得ています。

 この映画はイギリス人の父と日本人の母を持つ「山崎エマ監督」が手掛けたドキュメンタリーです。監督自身は日本の公立小学校に通い、その後インターナショナルスクールへ。卒業後はアメリカの大学に通ってきました。そんな監督自身が周りから評価され自分の強みと感じている「自分のことは自分でやる」「時間を守る」などの習慣は、日本の小学校で学び身につけたことであり、日本人の原点は小学校にあると考えたそうです。その日本の小学校の様子を世界中に紹介したいと日本の公立小学校で1年間、150日、700時間にも及ぶ撮影で出来上がった「小学校〜それは小さな社会〜」という映画です。実は予告編は見ましたが、まだ私も見ていません。ぜひ近々見たいと思っています。最後にこの映画のキャッチコピーを紹介します。

「6歳児は世界どこでも同じようだけれど、12歳になる頃には日本の子どもは“日本人“になっている」

校長室のひとりごと「日本式学校教育」①

 現行の学習指導要領では「全ての児童生徒の可能性を引き出す個別最適な学びと協働的な学びの一体化」を目指すことが「令和の日本型教育」だと記されています。似ている言葉で混乱しそうですが、今日は諸外国から注目を集めている「日本式学校教育」について書いてみます。

 2016年エジプト首相が来日の際に訪れた小学校の様子に衝撃を受け5年前よりエジプトの学校で「日本式学校教育」を取り入れ始め、今やその「日本式学校教育」は中東各地に広がりを見せているそうです。ではその「日本式学校教育」とは何なのか、例えば「全員で分担して掃除をする」「話し合い活動で問題を解決する」「日直や給食当番」など、我々日本人がこれまで当たり前に経験してきたことをまとめて「日本式学校教育」と読んでいます。特に「特別活動」特活と言われる話し合い活動等は社会性を身につけるのに大いに役立っているとエジプトカイロの小学校の校長先生は話しています。またエジプトでは「掃除は社会階層の低い人がやること」という意識があり導入当時は保護者から疑問視する意見も少なくなかったようですが、今では「子供が家でも整理整頓するようになった」と評価する保護者が大半だそうです。

 現在エジプトで「日本式学校教育」を取り入れているのは51校ですが、入学希望者は定員の5倍の人気で、今後「日本式学校教育」を取り入れた学校を増やしていく方針だそうです。日本人として誇らしい気持ちになる話ですよね。

校長室のひとりごと「下の名前」

 入学式では新入生一人ひとりの名前を呼び、呼ばれた新入生は「ハイ」と元気に返事をします。卒業式では、卒業生一人ひとりを呼名し卒業証書を手渡します。学校ではこのように入学から卒業までの間、何回も生徒の名前を呼ぶ機会があるものです。入学式や卒業式などフルネームで呼ぶ機会は教師にとって特別なもので、絶対に失敗しちゃいけないタイミングでもあり、とても緊張するものです。そんな教師にとって、最近の名前の読み方が難しすぎて悩みの種です。

 先日、今年に生まれた子どもの名前ランキングなるものが発表されました。年々初見では下の名前を読めなくなってきており、比較的キラキラネームに慣れている教師である私にも手強い名前もあります。

男の子 1位「陽翔(はると)」2位「凪(なぎ)」3位「朝陽(あさひ)」4位「暖(だん、はる)」5位「陽向(ひなた)」です。そして女の子では1位「紬(つむぎ)」2位「翠(すい)」3位「凛(りん)」4位「陽葵(ひまり)」5位「芽依(めい)」でした。近年のグローバル化を背景に、英語でも表記、呼びやすい名前が増えているそうです。

校長室のひとりごと「年賀状じまい」

 今年はいつまでも暑い日が続き、やっと秋が訪れたかと思えば、すぐに冬の寒さ、どうも季節感がうまく掴めないまま、12月も中旬です。物価の高騰の影響か、X‘mas商戦も以前ほど激戦ではないように感じます。また、以前であれば師走の声を聞けば「そろそろ書き始めるか」と年賀状が気になるはずなのですが、今年は少し違います。今年も年賀状の受付が始まりましたが、最近の「年賀状離れ」の影響か、年賀状に関連するCMやメディアの報道も少なくなっているように感じます。

 年末年始の風物詩でもある「年賀状」、SNSやメールの普及など時代の変化とともにその在り方も変わってきました。相手との関係を壊すことなく年賀状のやり取りをやめる人も増えてきていることから「年賀状じまい」という新しい文化(?)も生まれています。以前は「年賀状」とネットで検索すれば来年の干支にちなんだ文例集やイラスト関連のサイトばかりでしたが、今は「年賀状じまい文例集」なども目につきます。

 平安貴族が遠方への「年始の挨拶回り」に代わって手紙を届けたという起源を持ち、江戸時代には飛脚の台頭から庶民にも広まった歴史を持つ「年賀状文化」なだけに「年賀状じまい」は少し寂しい気がしますが、これが時代の流れ、社会の変化ということなのでしょうか。