2024年12月の記事一覧
校長室のひとりごと「年賀状じまい」
今年はいつまでも暑い日が続き、やっと秋が訪れたかと思えば、すぐに冬の寒さ、どうも季節感がうまく掴めないまま、12月も中旬です。物価の高騰の影響か、X‘mas商戦も以前ほど激戦ではないように感じます。また、以前であれば師走の声を聞けば「そろそろ書き始めるか」と年賀状が気になるはずなのですが、今年は少し違います。今年も年賀状の受付が始まりましたが、最近の「年賀状離れ」の影響か、年賀状に関連するCMやメディアの報道も少なくなっているように感じます。
年末年始の風物詩でもある「年賀状」、SNSやメールの普及など時代の変化とともにその在り方も変わってきました。相手との関係を壊すことなく年賀状のやり取りをやめる人も増えてきていることから「年賀状じまい」という新しい文化(?)も生まれています。以前は「年賀状」とネットで検索すれば来年の干支にちなんだ文例集やイラスト関連のサイトばかりでしたが、今は「年賀状じまい文例集」なども目につきます。
平安貴族が遠方への「年始の挨拶回り」に代わって手紙を届けたという起源を持ち、江戸時代には飛脚の台頭から庶民にも広まった歴史を持つ「年賀状文化」なだけに「年賀状じまい」は少し寂しい気がしますが、これが時代の流れ、社会の変化ということなのでしょうか。
校長室のひとりごと「金」
漢字一文字で世相を表す「今年の漢字」が昨日漢字能力検定協会により発表されました。京都清水寺の舞台で大筆で豪快に書き発表される、あれです。もうご存知の方も多いと思いますが、今年の漢字は「金」に決定しました。「金」はこれで5回目、過去には2021年、2016年、2012年、2000年も「金」が今年の漢字に選ばれました。と、ここで「金」の5回の共通点がお分かりですか。そうです、いずれも五輪イヤーで日本選手が活躍した年なんです。
この「今年の漢字」の始まりは1995年、その年の1月には阪神淡路大震災が発生したこともあり、漢字は「震」でした。「今年の漢字」をもとにその年を振り返ってみます。
1998年 毒入りカレー事件 「毒」
2001年 アメリカ同時多発テロ事件 「戦」
2002年 北朝鮮拉致被害者帰国 「帰」
2010年 記録的猛暑 「暑」
2015年 消費税引き上げ 「税」
2019年 新元号 令和 「令」
2020年 新型コロナ蔓延 「密」 という年がありました。
あと二週間で2025年の幕開けですね。来年はどんな一年になり、どんな漢字が「今年の漢字」に選ばれるのでしょうか。
校長室のひとりごと「鈴木貫太郎翁」
皆さんは「鈴木貫太郎」という名前をご存知でしょうか。
ここ野田市(関宿)の偉人として名前を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。「鈴木貫太郎(敬称は省略します)」は戦時下の1945年に総理大臣になり、終戦直後までの約4ヶ月間総理大臣を務め「戦争を終わらせた総理大臣」として知られています。この程度の知識しか私はありませんでしたが、やはり野田市に住み野田市で働く者として、今一度「鈴木貫太郎」のことを正しく知ろうと思い、鈴木貫太郎のお孫さんの著書を読むことにしました。「正しく知ろう」と書きましたが、この鈴木貫太郎がポツダム宣言の受諾を断ったから広島、長崎に原爆を落とされたのではないか、など史実に誤って伝わる部分もあるため「本当のところはどうなのか」という興味が湧いたためです。今回「祖父、鈴木貫太郎」というお孫さんの著書を読んでいます。家族として、そばで見てきたこと、家族しか知らないことなどが書かれた本のページが進むにつれて、改めて鈴木貫太郎の偉大さが伝わってきました。戦乱の中勃発した「ニ・ニ六事件」では実際に事件の標的の一人となり4発の銃弾を浴び、奇跡的に命を取り留めたこと、もともと海軍の軍人で多くの実績を上げてきたこと、そして何より「戦争継続だ」と軍部も国民までも欺き、昭和天皇との関係やお考えを悟り終戦への道を模索していたことなど、読めば読むほど、現代日本があるのも鈴木貫太郎のおかげであり、彼が長年望んでいたことなのだと感じました。
鈴木貫太郎記念館は現在修復中ですが、完成の折にはぜひ足を運びたいと思います。
校長室のひとりごと「過去から未来を探る」
羊の「ドリー」を覚えていますか?当時の最先端技術を結集させ1996年に誕生した羊のクローン「ドリー」です。このクローン羊の誕生は大きな話題となりました。それ以来遺伝子学は飛躍的に進み、今では実際にペットの犬のクローンを誕生させるなどの事例が報道されています。
ところで「絶滅した動物を現代に甦らせる」と言えば、映画の世界でCGを駆使しまるで本当に恐竜が蘇ったかのように描かれたりしています。「絶滅した動物を現代に甦らせる」、実際にそんな研究が進んでいることはあまり知られていませんが、地球温暖化により溶け始めた永久凍土の中からは様々な物が冷凍保存状態で発見されています。マンモスも良い保存状態で発見されていますが、そのマンモスの遺体のDNAを採取し「マンモス復活プロジェクト」なるものが進められているそうです。研究の進行度合いや、マンモスがいつ蘇るのかなどはまだ先の話ですが、近い将来動物園でマンモスが見られる日が来るかもしれません。
この「マンモス復活プロジェクト」は、単に甦らせることだけが目的ではなく、現在絶滅の危機にある他の動物の絶滅防止、氷河期に生息した生きたマンモスを調べることで、気候変動に関する研究を進めるといった、その先を見据えているそうです。絶滅したマンモスが地球を救う救世主になる日は遠くないかもしれませんね。
校長室のひとりごと「探究の種を探す」
昨日に続き探究学習について、具体的にはどういう学習なのか幾つか例を挙げてみます。ある女子高生たちは先輩たちから引き継いだものも加えた40万枚以上の撮影した雲の写真をもとに探究学習を進めました。雲の形や種類、組み合わせによって天気が予想できる、という結果を受け全国総合文化祭の自然科学部門で文部科学大臣賞に輝きました。誰しもが一度は空を見上げたことがある「雲」、この女子高生たちも同様です。ただ色々な雲の形や種類に興味を持ち「何でだろう」という「探究の種」を見つけたことが探究の実をつけたのです。
他にも、「地域の特産物を全国に広めるにはどうすれば良いか」「空き家問題」「地球温暖化」「シャッター商店街からの脱出」「スズメの急激な減少理由」「お祭りの衰退化」「AIの効果的な活用」などなど大人でも感心してしまうほどの身近な「探究の種」を見つけ探究の木を育てた例がたくさんあります。また実際に空き家問題について、自治体や不動産屋さんと連携し「高校生カフェ」をオープンしたという「探究の実」をつけた例もあります。
本校でも「野田市の活性化」「今後の豆バス」「防災と高齢化」など素晴らしい探究学習が続いています。
こういった身近な課題を解決する力が、これからの社会に求められる「生きる力」だということでしょう。