2024年10月の記事一覧
校長室のひとりごと「世界手洗いの日」
一日ずれてしまいましたが、昨日10月15日は「世界手洗いの日」でした。
全世界で5歳の誕生日を迎えられずに命を落としてしまう子ども達は、毎年520万人と言われています。そしてそのほとんどは予防可能な病気が原因だそうです。我々生活に当たり前にある水やトイレ、食料ですが、そんな当たり前の生活が地域によっては当たり前ではなく、それらが不足し不衛生な環境や生活習慣を強いられた結果、下痢や肺炎にかかり命を落とす子ども達は、毎年150万人以上と言われています。
もし、石鹸を使って正しく手を洗うことができれば、多くの幼い命を救うことが可能で、学校にも行けない子ども達も大幅に減らすことができるそうです。自分のからだを自分で守る最も基本的で簡単でシンプルな方法が「石鹸を使った手洗い」です。そこで正しい手洗いを広めるため国際衛生年の2008年、ユニセフをはじめ各関連団体がパートナーシップ協定を締結し、10月15日を「世界手洗いの日」に定め、石鹸を使った正しい手洗いを広めるきっかけとしているそうです。
コロナ禍では、老いも若きも子ども達も、石鹸で手を洗う習慣がありましたが、最近は時間と共に減ってきたように感じます。
秋特有の空気が乾燥し感染症の心配な季節になってきました。コロナの予防のためだけではなく、自分の健康を自分で守る最もシンプルで有効な方法、石鹸で手を洗う指導の必要性を改めて感じています。
校長室のひとりごと「3年生から2年生へ」
3学期制のように長期の休み明けの切り替えではないこともあり、始業式は行わず通常の授業で後期がスタートします。この前期・後期の切り替えで、生徒会組織をはじめ学年や学級など様々な組織も新たなメンバーに入れ替わります。
先週、生徒会役員選挙が行われました。部活動では、一足先に3年生中心のチームから1.2年生中心の新チームで活動が始まっていますが、今日から生徒会活動の中心も3年生から2年生へと、バトンを受け渡したところです。
一般的に生徒会の役員は特別な存在で、どこかしら他人事のように捉えてしまう生徒も少なくありません。これは生徒会の役員だけではなく、生徒会そのものも主体的に自分事と捉え活動している生徒は、残念ながらごく一部のように感じています。全校生徒一人一人が生徒会組織の構成員だと自覚してほしいところなのですが現実にはなかなか…
先週、生徒会役員選挙を受け、生徒会は自分たちで動かす組織、自治組織であることを自覚してほしくて全校生徒に次のような話をしましました。
「今、まさにアメリカ大統領選挙の選挙活動が行われています。そのアメリカの第35代大統領だったケネディ氏の大統領就任演説での有名なフレーズを紹介します。『国家が君たちに何をしてくれるのかを問うのではなく、君たちが国家のために何ができるかを問いてほしい』というフレーズです。このフレーズの『国家』を『生徒会』『学校』に置き換えて考え、一人一人が生徒会活動に臨んでほしい」という話です。
私は校長という立場で、常に教職員組織の活性化を目指し、効果的な具体策を模索しています。「更により良い学校へ…」と上を向くのであれば、教職員組織だけではなく生徒会組織の活性化が必要です。組織の活性化に向けて後期も奮闘してまいります。
校長室のひとりごと「前期終業式」
2学期制の市内小中学校は、今日「前期終業式」を迎えます。遠い昔の自分のことを振り返ってみると、体育館での終業式を終えて教室に戻ると、担任の先生から一人ひとり「よく頑張ったね!」などと声を掛けられながら通知表が手渡されます。「どうか体育だけは5でありますように…」なんて通知表の中身にドキドキしていたことを思い出します。今生徒たちは当時の私と同じで、ソワソワ落ち着かないのだと思います。終業式という節目なだけに生徒たちには、学校生活はもちろん、4月からの生活全般を振り返ってほしいと思います。例えば「睡眠時間」「朝食の有無」「スマホの使い方」「動画の視聴時間」「休日の過ごし方」「自転車の乗り方」… もし課題があれば早速改善してほしいものです。
さて、今日の終業式のなかでも生徒たちに話そうと思っていますが、校長として学校全体の前期を振り返ってみると、まずは「順調」な前期だったと感じています。走り幅跳びを例にすれば、4月から夏休みまで、助走を開始し十分にスピードに乗ることができました。そして9月から今日まで、川創祭(文化祭)や体育祭で力強く踏み切ることができた前期でした。そして後期は、この力強い踏切を生かし、どこまで距離を延ばすことができるか、そして3月の学年末の着地する地点はどこになるのか、今から楽しみでなりません。来週から始まる後期の学校生活に期待したいと思います。
※保護者の皆さん、成績だけにとらわれず、前期の良いところ、前期に頑張ったことを褒めてあげましょう。
校長室のひとりごと「体育」と「スポーツ」
10月14日は「スポーツの日」。この「スポーツの日」2019年までは「体育の日」と呼んでいました。2000年にハッピーマンデー法が制定されたことで、現在の10月の第2月曜日が「体育の日」となり毎年三連休になりましたがハッピーマンデー法の施行以前は、今日10月10日が「体育の日」でした。こちらの方が馴染み深いかもしれませんね。なぜ10月10日が「体育の日」だったかというと、1964年の東京五輪の開会式の日を記念してのことです。この10月10日、気象統計的に晴れの特異日だったためと言われています。余談ですが、1964年以前、10月の第一土曜日「スポーツの日」があったそうです。
今、佐賀県で開催されているのは「国民スポーツ大会」です。昨年までの「国民体育大会(国体)」が、今年の第78回大会から「国民スポーツ大会(国スポ)」と変更されました。
「体育の日がスポーツの日」に、「国体が国スポ」へと変更されたことは、個人的に大歓迎です。むしろもっと早く変更すべきだとも感じています。と言うのも「体育」とは教育用語で様々なスポーツを利用した「心身の健全な発育発達」が目的です。ですから「体育」と「スポーツ」を曖昧に横並びかのように使ってきたことが間違いだったのだと思います。体育からスポーツへと名称変更したのは「体を鍛えよう」から「スポーツを楽しもう」、そして純粋にスポーツとして各競技を競い合おうという「スポーツの日」「国民スポーツ大会」本来の目的に合った名称になったというわけです。
日本スポーツ界は長年、この曖昧な横並びの考えから、部活動など学校体育を基礎に位置付けられていたこともあり世界の強豪国に遅れをとっていました。しかし近年、体育とスポーツを区別したことで、専門的に競技力向上を目的としたジュニアスポーツの隆盛が、強豪国と肩を並べるようになったのでしょう。
校長室のひとりごと「氷河がなくなる?②」
ヨーロッパ氷河の融解が進んでいるという話をしてきましたが、その続編です。
地球温暖化により急激に氷河が解け出した結果、発見された人や物もここ数年で増加しているそうです。ヨーロッパの最高峰の一つマッターホルンでは氷河に沿って歩いていた登山家により37年前に行方不明となっていたドイツ人登山家の遺体が発見されました。温暖化により長い年月氷河に閉じ込められてきた遺体が、氷の表面が解け始めたことで、偶然発見されたものです。この他にも1942年、放牧の世話中に行方不明になっていた夫婦の遺体、1968年に墜落した飛行機の残骸、1979年に行方不明になっていた英国人登山家の遺体、1970年に嵐に巻き込まれ行方不明になっていた日本人登山家2名の遺体など、氷河が解け出したことで発見されているそうです。また第二次世界大戦中の軍服を着ている身元が明らかになっていない遺体や野生動物の遺体などが発見されているそうです。
1942年に家畜の放牧中に行方不明になっていた夫婦の娘(79歳)さんは「こんなことがあるなんて」「生きている間に再び両親に会えてとてもうれしい」と語っていたそうです。
いずれも冷凍で保存されてきたため当時の様子をうかがい知ることができるタイムマシンのようだと専門家は注目しており、様々な研究材料にもなっているそうです。
校長室のひとりごと「寒露(かんろ)」
昨日の暑さに打って変わり上着が欲しくなるような涼しい一日になりそうです。そんな今日は二十四節気の「寒露(かんろ)」です。これまでの「秋分」から「寒露」、朝晩ひんやりと肌寒く草木に露が宿る秋本番の季節になった頃を指します。また秋の長雨が終わり秋晴れが続く季節でもあります。
四季、季節の移り変わりがはっきりとしており、その季節ごとに美しい景色情景を見せる日本には、カレンダーのような数字で表される一般的な暦だけではなく、二十四節気のように、その時々を美しい語句で表す暦が伝わっています。この二十四節気は「春夏秋冬」を更に6つに分け、一年を均等に24等分したものです。ちなみに24のうちいくつ言えるでしょう。無知な私はこの機会にちょっと調べてみました。春、「立春」「雨水」「啓蟄」「春分」「清明」「穀雨」。夏、「立夏」「小満」「芒種」「夏至」「小暑」「大暑」。秋、「立秋」「処暑」「白露」「秋分」「寒露」「霜降」。そして冬、「立冬」「小雪」「大雪」「冬至」「小寒」「大寒」でした。半分も言えませんでした。
この二十四節気を更に三分割した「七十二侯」という暦もあるそうです。丁度今の時期は「寒露」の中の「鴻雁来賓(こうがんきたる)」だそうです。
世界広しとはいえ漢字を上手に使い季節を表す「二十四節気」「七十二侯」などの暦があるのは日本だけ、そんな四季、季節を満喫したいと思います。
校長室のひとりごと「氷河がなくなる?」
時折り雨が混じる中でしたが、先週金曜日に予定通り無事に体育祭を行いました。平日開催ということもあり駐車場も確保できず、おまけにあいにくの天気でしたが早朝より多くの皆さんにご参観いただきました。本当にありがとうございました。
ところで、この場でも、何度となく気候変動、地球温暖化について話題にしてきましたが、今日もその関連です。地球温暖化を語る際に一般的によく出てくる話として、氷河が溶け始め、その影響で海面が上昇してしまう。日本では、まだ実害が少ないためか、一般論として聞き流してしまいがちですが、実際にモルディブやマーシャル諸島などでは既に被害が出ているとも報じられています。
今月1日、スイスでの氷河調査の結果が公表されました。それは今年に入り氷河全体の2.5%が解け過去10年間の平均を上回ったということです。調査団体によると「温暖化でこの傾向が続けばスイス氷河にとって大惨事になる。今世紀末までに完全に消滅するだろう」とコメントしています。スイスをはじめ欧州では当然日本よりもこの問題を重く受け止められており事態は深刻化しています。スイスとイタリアの氷河上の国境を変更することが両国で決まっているそうです。この国境変更では、ヨーロッパの最高峰マッターホルンの麓のスキー場などにも影響してくるそうです。
実は、この一連の氷河が解けた水が物凄い勢いで海へと流れ続ける映像を、TV報道で見ましたが、あまりにも衝撃的で恐ろしささえ感じました。確実に地球が悲鳴をあげているとも感じました。
校長室のひとりごと「体育祭」
10月というのに暑い日が続きます。今日の予想最高気温は30℃超えですが体育祭を行います。先週が川創祭だったこともあり実質1週間という限られた練習期間でしたが、生徒たちは3年生を中心に競技の練習に応援練習にと取り組んできました。
学校の雰囲気自体も、先週の「文化的」と打って変わって、合唱の歌声から応援の叫び声を張り上げ、本格的に「体育的」各色の優勝、応援賞を目指し取り組んできました。本校は若い先生方が多く生徒たちに混じって、大声を張り上げ応援したり、一緒にダンスを踊ったりと一気に「体育祭モード」の一週間でした。
今年の体育祭のスローガンは「Break the Limit ~敗北は受けつけない~」です。練習からこのスローガンのように「限界を超える」勢いですべてに全力で取り組む生徒たちの姿には関心、いや感動すら覚えるほどでした。わずか3年間の中学校生活、時にはクラス全員で互いを思いやりながら一曲の合唱を仕上げ、それを歌いきることの満足感と達成感、そして時には、今までの自分を超えるかのようにガムシャラに踊ったり、競技したり応援したり…
そんな青春の1ページとも言える貴重な時間を全校生徒で共有することの清々しさ、素晴らしさを、体育祭を通して生徒たちには経験してほしいと思っています。
そして、そんなキラキラ輝く時間を生徒たちと一緒に過ごすことができる中学校の教員という職業に就いていることの幸せを実感するとともに、これこそ教員の醍醐味だと感じています。
今日の体育祭が無事に終わりますように…
校長室のひとりごと「スズメが絶滅の危機?」
野鳥の中でも身近な存在、特に気に留めるまでもなく「チュンチュン」と街中で頻繁に見かける存在のスズメ、実は近年激減しており、その減少率は絶滅危惧種レベルだと環境省の生物多様性センター環境NGOの調査結果が公表されました。
この調査は里地、草地、農地、湿地、里山など様々な環境ごとに調査され、その里地の調査で、出現頻度が高いとされる106種の鳥類について調査すると、スズメ、ツグミなど16種の一年あたりの減少率が環境省の定める「絶滅危惧1B」「絶滅危惧II類」に匹敵する減少率だと明らかになったそうです。
その要因は様々で、気候変動による温暖化、生態系の変化による野鳥の餌となる昆虫や幼虫の減少、里山の荒廃、農地の減少などが複雑に絡み合っていると言われています。
一方、蝶々(チョウチョ)、蝶類の33%が年3・5%以上のペースで減少しているとの報告されました。
近い将来スズメを珍しがって競い合ってシャッターを切る時代がやってくるかもしれませんね。
10月になっても猛暑日だったりと、この温暖化は人間だけではなく野生の生物にも厳しい世の中になっているということでしょうか。
校長室のひとりごと「還暦の同級生」
60年前、1964年の昨日10月1日に東海道新幹線が開通しました。当時は最高時速210㌔東京―新大阪間を4時間で移動を可能にし「夢の超特急」などと呼ばれていました。高度成長期真っ只中の日本が、その経済力・技術力を世界にアピールするにふさわしい場、東京五輪の開会式が同じ年の10月10日に迫り、先に開通していた首都高速道路と、この夢の超特急の開通、そして東京五輪が日本の力を世界中にアピールしました。
還暦を迎えた東海道新幹線、現在は最高時速285㌔、東京―新大阪間が2時間21分となり60年で1時間40分短縮されました。建設中のリニアモーターカーの最高時速は500㌔、更に移動時間の短縮が見込まれています。
ところで、この60年で新幹線の車両も随分進化し、現在で6代目。騒音や空気抵抗を軽減させ乗り心地も随分と良くなりました。一方、速度が上がり、時代の流れも手伝い移動時間が短くなったことで、消えていった設備や装備も少なくありません。例えば「公衆電話」、携帯電話の普及によって2021年に公衆電話は廃止となりましたが、代わりに車内に無料WIFIを完備しています。次に「食堂車」、新幹線が博多まで開業し、最長で乗車時間が7時間を超えていたことで、食堂車が誕生しました。しかしスピードアップとともに2000年に食堂車は廃止となり、車内でのワゴン販売も昨年廃止されてしまいました。近年は飛行機のファーストクラスのような「グランクラス」と呼ばれる豪華な空間、サービスが始まっており、2026年には、完全個室が登場するそうです。
還暦を迎え、尚も進化する新幹線。同じく還暦を迎える同級生の私も、負けていられません。更なる進化(?)を目指します。