2020年12月の記事一覧
いきいき子育て⑯ ~親は子供にとってのモデル~
子は親の言うようには育たない。親のするように育つ。親や教師は子供のモデルです
ゴミはゴミ箱へ、みんなで使う物は大切に扱う、お年寄りや身体の不自由な方に席を譲るなどということは、暮らしの中でごく基本的なこととして、自然に行われるべき事のように思われます。ところが、街の人々の姿を見ると、大人たちがこうした基本的なことが身についていない振る舞い方をよくしているのです。それを見ている子供達が同じ振る舞いをするのは当然でしょう。こうしたことは、家庭で親たちがモデルを示せば、自然と身についていくもののはずなのに…。しつけの話をすると、「うちはもう遅い」と思われる方もいるかもしれません。確かに基本的なことは、早いうちに教えておいた方が良いに越したことはありません。しかし、15歳までならば遅すぎるということはありません。人間の成長は常に可逆的です。つまり、いつでも成長できるのです。あまり難しいことは考えず、まずは自分自身が人として、子供に恥ない行いをすることが大切です。親や教師は、子供にとって最も身近なモデルなのですから。(12月7日 校長)
いきいき子育て⑮ 土曜授業も最終日
子供の良いところを増やしていきましょう
今年度当初、新型コロナウイルスの影響で全国一斉休校があったため、授業時数を確保するために、どの学校でも工夫に工夫を重ねてきました。土曜授業や夏休みの短縮もその1つです。今日は、その土曜授業の最終日。これまでのご協力ありがとうございました。さて、子供にとって大切なのは、自信と、自分を大切にすることです。自己肯定感、自己有用感などといいます。それは植物の根のようなもので、深く、広く張るほど大きく実りをもたらします。表面的なことにとらわれることなく、その子が大きく育つことを信じて、心に豊かな水や栄養を与えましょう。その水や栄養となるのが、子供の良いところを見いだし、ほめることです。叱るべきときは叱り、ほめるべきときはほめる。また親の思い通りの方向や、やり方で子供が行動しなかったとしても、その子なりの工夫や考えは守り、認めることも大切です。発達に応じて、子供に任せる部分を次第に増やしていくことで、子供は自らの成長を実感し、自信を持つことができるのです。(12月5日 校長)
いきいき子育て⑭
親として子供を評価する視点
2学期の期末テストが返却されたと思います。国語科では、書き初めも行われています。ここで、テストで何点とれたか、どんな賞を取れたかなど、平均値や他の子供との比較に目を奪われ子供を評価することは、子供たち一人一人の成長や個性の伸長のためによくありません。そういう親のもとでは、子供まで相対的な順位ばかりを気にするようになったり、幸せや充実感を人との比較に終始したり、結果に対し、自信を失ったりしがちです。親は、人との比較をすることで子供を評価するのではなく、どんなときも子供の成長を信じ、取り組みを評価するようにし、すぐに結果が出なくても、焦らず、ゆとりを持って育てたいものです。(12月4日 校長)
3年生がんばれ! ~3年生の後ろ姿に学ぼう~
散歩のついでに富士山に登る者はいない
散歩とは、時間があるときに、リラックスして、気ままに歩くものです。街の空気や景色、そして季節を感じながら歩き、心身のリフレッシュができることが、散歩の良さなのだと思います。さて、散歩に出かけ、気がついたら富士山の頂上だった、なんていうことは、ありませんよね。日本一の山に登る時は、誰でも「富士山に登ろう」と志して、様々な準備をして登るものです。生徒諸君の生活にもこれは当てはまります。ただなんとなく毎日を気ままに生活していたのでは、自分を高めたり、付けたい力をつけたりすることはできません。各教科の学習も、がんばろうと思い、具体的に取り組むことで、はじめて学力は身に付くものなのです。部活動や学級での生活にしても同じです。ただなんとなく「うまくなれたらいいなぁ」ではうまくなれません。そういう生活の仕方は、「散歩」的な生活の仕方です。具体的に「毎日集中して、素振りを100回しよう」とか、「過ごしやすいクラスにするために、自分が何をしたらよいのか」など、目標を具体的に細かく決めることで、「富士山に登る」的な生き方ができるのです。前置きが長くなりましたが、いま3年生は、朝練ではなく、朝勉をするために朝早く学校に来て、教室で勉強をし始める生徒が出始めました。これこそがまさに、目標を持ち、主体的に生きるという良い見本です。がんばっている生徒を私は全力で応援したい。1、2年生の諸君、素晴らしい先輩の後ろ姿から学ばせてもらうことは多いものです。そんな先輩もあと少しで卒業です…。(12月3日 校長)
いきいき子育て⑬
自分で考え、自分で行動できる人に育ってほしいなら
昨日は、来年の新入生とその保護者を対象とした、入学説明会を行いました。私は体育館にずっといたものですから、6年生の児童の教室での様子は分からなかったのですが、よくがんばっていたと聞いています。私が昨日一番嬉しかったことは、4時間目に新入生と入れ替わりで卒業していく3年生がしっかりと体育館の会場づくりを行ってくれたことでした。「共に中学校生活を送ることはできないが、かわいい後輩たちのために…」と、誰一人遊んでいる者、だるそうに立っている者もいず、協力して会場づくりを行ってくれました。私は、「心が育っているな…」と、保護者・地域のみなさまと、本校教職員に対し、感謝の気持ちで頭の下がる思いがしました。さて、子供の進む先の障害物を先回りしてどけたり(過保護)、一歩一歩にあれこれ指示をしたり(過干渉)するのではなく、子供が好きなもの、やる気を出せるものを見つけるまで待ち、できるだけ子供の力を信頼し、それを見守り、力づけましょう。あれこれしないで見守ることは、物を買ってやったり、何かをしてやったりするより、ずっと難しく愛情がいることです。また、親は自分が子供のために考えたことは正しいと思いがちですが、必ずしもそうとは限りません。自分の思いや考えを押しつけるのではなく、「あなたはどう思う?」と、まず子供の考えや気持ちをじっくりと聴き、しっかり受けとめてから、「自分は、親として、人生の先輩としてこう思うんだが」と、一緒に考え、一緒に学んでいく姿勢が大切です。本校の3年生の生徒達のように、子供が自分で考え、勇気を持って行動し、達成感を味わう、または失敗から学び、強くなるチャンスを子供から奪わないように気をつけましょう。(12月2日 校長)