2021年4月の記事一覧
大人になる No1
昨年度、このブログで「いきいき子育て」シリーズを立ち上げ、保護者の皆様にメッセージを送りました。今年は生徒に向けて、大人になるためのヒントを発信していこうと考えています。
【感情は自分のもの Part.1】
保護者世代にヒットした、宇多田ヒカルのアルバム“ファーストラブ(First Love)”に入っている、 “Time will tell (時間がたてばわかる)”という曲があります。その曲は「泣いたって 何も変わらないって言われるけど 誰だって、そんなつもりで泣くんじゃないよね」というフレーズからはじまり、「だから今は泣きたいだけ泣いていい、もっと、もっと、もっと」で終わります。まさにそれが今回、私が生徒諸君に伝えたいことです。
うれしくて笑ったり、ワクワクしたり、ドキドキしたり、ハラハラしたり、恥ずかしかったり、緊張したり、悲しくて泣いたり、怒ったり、落ち込んだり、好きになったり嫌いになったり、申し訳ないと思ったり、うらやましいと思ったり、後悔したりと、私たちは本当に色々な感情とともに生活しています。そうした感情がないとしたら、私たちの生活はとても味気ないものになってしまうことでしょう。むしろ感情にこそ、その人らしさが表れているといえるのではないでしょうか。
自分の感情は、周りから否定されそうになっても自分で大切にしてよいし、また相手の感情も大切にしましょう、というのがアサーションという考え方です。実際、宇多田ヒカルの曲のように「泣いたって何も変わらない」と言われたり、「くよくよしたってはじまらない」などのアドバイスを受けたりすることもあるかとも思います。自分でも泣いたり、怒ったりすることを恥ずかしいと思っている人もいるかもしれません。そういうとき「泣いたって何も変わらない」といわれても、涙がでるほど悲しいという今の思いは自分のものなのだし大切にしてよい、ということを思い出してもらえたらと思います。だから「今は泣きたいだけ泣いていい、もっと、もっと、もっと」ということなのです。自分を大切にする、そして同時に相手をも大切にする、これが一番の基本だと私は思います。つづく(4月16日 校長)