◆第3回校内授業研究会(第5学年 体育科)
<指導者>
〇埼玉大学教育学部附属小学校 教諭 首藤 祐太朗 様
<研究授業について>
〇 第5学年1組 体育
「パス!ラン!タッチダウン!全員主役のフラッグフットボール」
「上がる!回る!下りる!全員が自分のやりたい技ができるようになる鉄棒運動」
〇 指導の手立て
・児童と教師が一緒に作成する学習計画
・学習形態の工夫
【フラッグフットボール】 ①感覚づくりの運動
②スキルアップタイム
③メインゲーム
【鉄棒運動】 ①感覚づくりの運動
②挑戦して楽しむ
③できる技(できるようになった技)で楽しむ
・課題提示の仕方の工夫 ①学習の最初と最後に既習内容の確認
②児童が自分たちに必要な学習は何かを自身で確認
③学習する上で「必要感」が生じる課題・めあての提示
・全員が取り組みやすいルールの工夫
・チームづくり・グループづくり
①チームリーダーは全員の推薦で選出
②リーダーと教師が一緒になってチームづくり
③鉄棒運動のグループは同じ技に挑戦する人同士で構成
・教材・教具の工夫 ①学習掲示板・学習カード
②作戦カード
<授業記録>
【鉄棒運動】
1.めあてを確認し、鉄棒の感覚づくり。
2.等質グループで、もう少しでできそうな技へ挑戦する。
【フラッグフットボール】
3.本時のねらいを確認する。
4.メインゲームをする。
①ルールの確認
②審判の確認
③モデルゲーム
④ゲーム前作戦会議
⑤メインゲーム
5.本時の学習の振り返りを行い、次時の学習課題をつかむ。
<指導講評より>
〇埼玉大学教育学部附属小学校 教諭 首藤 祐太朗 様 から
≪本時の授業に対する参会者の質問への回答を通じて≫
・体力向上のために必要なことは?
⇒授業の充実
気力の向上は体力の向上
・授業の組み合わせについて
⇒器械運動とボール運動は時間配分的に難しい
・鉄棒のグルーピングについて
⇒担任の補助がよかった。
信頼関係が不可欠(児童の了解を得ながら行う)
男女のグルーピングだと、補助がしづらい可能性もあるので、配慮は必要。
・運動が苦手な児童へのアプローチは?
⇒技能の低い児童の頑張りで勝敗が変わってくる。
その子のプレーにどれだけの価値を与えられるかが大切。
・逆さ感覚を身につけさせるには?
⇒器械運動は感覚を養うことが大切。
布団干しなどをやることの価値を児童に伝えていく。「こういう感覚を身につけましょう」
・フラッグフットボールの競技特性は?
⇒学ばせたいことが明確である。
戦術学習であり、思考・判断・表現を見ることができる。
自分たちで考えたことが表現できるか。
・長いパスや短いパスを織り交ぜさせて攻撃するには?
⇒人数の選択が重要
できる限りチームに協力できたという感触を与えたい。
始めは3人、慣れてきたら5人へ。
人口密度によって空間を生み出す動きや作戦が変わってくる。
・試合中にもめ事が起きた場合の対処は?
⇒もめる経験は大切。
『学びに向かう人間性』が具体的なのは体育だけ。
「どこでもめたんですか?」と教師がみんなに問う。
そこで、児童の課題を見つける力や折り合いをつける力を育てる。
規則を工夫(ルールの調整)し、納得感をもたせて次につなげていく。