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小淵山観音院仁王門『新編図録春日部の歴史』からのご紹介32

 小渕地区にある小淵山観音院(こぶちざんかんのんいん)では、春日部市指定文化財の仁王門が参詣者を出迎えてくれます。元禄2年(1689)に建てられたといわれる、お寺の門としては市内で最も古い建造物です。

仁王門は、正面から見ると、4本の柱によって三つの柱の間がつくられるので「三間(さんげん)」、そのうち一つの間が通路となることから「一戸(いっこ)」となっています。また2階部分に回廊(かいろう)が巡る門を「楼門(ろうもん)」と分類するので、これらをまとめて「三間一戸形式の楼門」と呼ばれます。
仁王門の屋根は、現在は瓦葺きですが、創建当初は茅葺き(かやぶき)でした。また、門の内部には鐘(かね)がつるされ、鐘楼(しょうろう:鐘つき堂)の役割もありました。

平成23年の東日本大震災で、仁王門に柱のゆがみなどが生じたため、平成25~26年度に半解体をし、修理工事を行いました。修理工事では、ジャッキアップをして鉄骨の仮柱を設置し、ゆがみを直しました。また柱の最も下の痛みがひどい部分を、根継ぎ(ねつぎ)という方法で、新しい部材に交換しました。

お正月の三ヶ日には境内がライトアップされます。小淵山観音院に初詣にお出かけの際は、ぜひ仁王門もじっくりとご覧ください。

*小淵山観音院は、寺の名前を示す際は地名の「小」ではなく、「小」という漢字を使用します。

「小渕山観音院仁王門」『新編 図録 春日部の歴史』106ページ
小渕山観音院仁王門