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 和文化フェスタ2024ーやったり踊りが出演しました-

 伝統芸能などの「和文化」との出会いの場を創出することを狙いに、10月27日(日)にピオニウオーク東松山で開催された”埼玉県 和文化フェスタ2024”に県指定無形民俗文化財「やったり踊り」を継承するやったり踊り保存会が出演しました。前日の26日から2日間にわたり、13団体のほか、和文化の様々な体験ができるワークショップが行われました。
 「やったり踊り」は、例年7月15日に近い土曜日の夜に大畑香取神社で祭礼が行われていますが、今回は大型商業施設の一角が会場。戸惑いもありましたが、そこは熟練された保存会のみなさん。日没間際の午後5時前からスタート、神主姿の神社総代さんを先頭に囃手と舞手による練り込みで会場舞台へ入場。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▲神社での祭礼と同様に神社総代による作法で舞が開始されました

揃いの浴衣と赤の手拭いによる鉢巻き、赤の鼻緒の草履と、観客の皆さんからはまずは装束姿に視線が集中しました。祝詞奏上の後、若衆頭からは踊りの由縁と種類、後継者について解説いただき、若衆による扇子踊りと手踊りの迫力のある演舞が披露されました。

 

 


 

 

 

 

 

 

▲身体を大きく反らし、躍動感あふれた「扇子踊り」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▲哀愁を帯びた謳い手の囃子の中、力強い演舞の「手踊り」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

地元神社と同様に、会場来場者に向けて家内安全、無病息災を祈願した手締めや神事の装飾として作られた花が配られ、和文化フェスタの目的である商業施設を会場とすることで和文化への偶然の出会いが創出され、県中央部にある東松山市においても春日部市の伝統芸能を堪能いただけました。


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大畑地区のみなさん、保存会のみなさん、貴重な日曜日のご出演、誠にありがとうございました。

春日部市史「自然史編」による『地学さんぽ講座』を開催しました!

この5月に皆さまにお知らせしました、市史の新たな刊行物「市史自然誌編」に収録した中から市内の特徴的な地形地質に焦点をあてた実地講座として「地学さんぽ」を10月26日(土)に開催しました。

 1回目は八木崎駅からほど近い春日部八幡神社の境内で3名の市史執筆者の解説と様々な観察と体験を行いました。
 紅葉にはもう少し寒暖差が必要かと思われる色づきのイチョウの葉について、竹内先生から講義いただきました。葉の形をはじめ、葉の裏に表れる脈、枝ぶりによって分類できる『生きている化石植物』。身近な植物ではあるが、実に今から1~2億年前から生息している解説には参加者一同、おどろきの声。境内参道の大イチョウをはじめ、八幡公園には葉の切れ込みの有無で3タイプのイチョウの葉が確認できました。

 

▲境内地に生育する大イチョウの葉の形を眺め見る参加者  境内と公園から拾い集めた落葉の形を比較してみました

 続いて境内に広がる埼玉県指定天然記念物である「河畔砂丘」について平社先生、小川先生から講義。国内でも愛知県と岐阜県両県にまたがる木曽川流域と埼玉県東部の利根川筋で確認される希少な地形。その中でも砂丘のメカニズムや形成の開始時期と完了した時期が浜川戸遺跡の発掘調査で得られた考古遺物で明らかにされている『浜川戸河畔砂丘』について実地見聞を行いました。境内地にいくつもの社が祀られていますが、その中でも稲荷社は砂丘の最高地点に鎮座。砂丘の高まりを利用して建立されいたという解説には古くから参拝されていた参加者も足下の砂の存在に初めて気づかされました。

 

▲八幡公園から北側稲荷社には明らかな高まりが観察できる。八幡神社から稲荷社への参道には砂地で覆われており、これが浜川戸砂丘の裾野にあたる。

その後、境内東側の浅間社へ移動。手作りで製作できる測定器を用いて市内有数の高さを誇る富士塚で班で測量してみました。視線の高さを基準に繰り返し移動、従前までは8m余りと記録されていましたが、実際に測ると12.5mと判別。いずれの班も許容範囲の値が確認することができました。


 ▲班ごとに測量分担を決め、班行動。手作り測定器のおもりを垂直に垂らし、目線の高さを基準に繰り返し測量してみました。

次回は2月2日(日)。教育センターで、市内の砂丘の砂や関東周辺の火山からもたらされた関東ロームの土壌を顕微鏡で観察、火山や河川からもたらされた鉱石類の観察をとおしてミクロの世界から市内の地形の成り立ちを探ります。興味のある方はご連絡をお待ちしております。

(文化財課 739-6811)。

10月の近隣博物館・資料館の考古学情報

10月の近隣博物館・資料館の考古学情報をお届けします。(毎月28日ごろに掲載します。随時、情報を更新します。)

見学の際は、休館日等、よくご確認の上お出かけください。

 

(展示会_閉会日順)
・11月2日(土曜日)から12月1日(日曜日)まで 羽生市郷土資料館 都鳥が見た古代(パネル展)

・10月31日(木曜日)まで 神川町多目的交流施設(神川町)「鏃のうつりかわりinかみかわ」

・11月4日(月曜日・祝日)まで 松戸市立博物館(千葉県松戸市)「異形土器 縄文時代の不思議なうつわ」

・11月8日(金曜日)まで 立正大学博物館(熊谷市)令和6年度館務実習生 ミニ企画展「立正大学のDOGU-土偶ー」

・11月10日(日曜日)まで 桑都日本遺産センター 八王子博物館(東京都八王子市) 企画展「窯がつくるくらしー平安時代のしごとー」

・11月14日(木曜日)まで 国際基督教大学博物館湯浅八郎記念館(東京都三鷹市)「野川中流域の旧石器時代―ホモサピエンス 氷期の暮らし」

・11月17日(日曜日)まで 栃木県埋蔵文化財センター(栃木県下野市)巡回展「栃木の遺跡&発掘調査速報展」

・11月17日(日曜日)まで めぐろ歴史資料館(東京都目黒区) 新発掘速報展

・11月17日(日曜日)まで 千葉県立房総のむら風土記の丘資料館(千葉県印旛郡栄町) 令和6年度出土遺物公開事業 「地中からのメッセージ-旧石器・縄文・弥生-」 千葉県教育振興財団サイト

・11月24日(日曜日)まで 埼玉県立嵐山史跡の博物館(嵐山町)ほか 比企歴史の丘巡回文化財展「比企の縄文時代ー縄文時代の道具」

・11月24日(日曜日)まで 群馬県立歴史博物館(群馬県高崎市) 第111回企画展「弥生人は二度死ぬー再葬墓ってなに?ー」

・11月24日(日曜日)まで 行田市郷土博物館(行田市) 第37回企画展「布をまとう―古代人の衣(ころも)―」

・11月24日(日曜日)まで 谷田部郷土資料館(茨城県つくば市) 巡回企画展「中根・金田台地区の遺跡」

・11月24日(日曜日)まで 山梨県立考古博物館(山梨県甲府市) 特別展「縄文時代の不思議な道具」

・12月1日(日曜日)まで 埼玉県立さきたま史跡の博物館(行田市) 令和6年度 企画展「古墳時代の装い-おしゃれな古代人-」

・12月1日(日曜日)まで 観音塚考古資料館(群馬県高崎市)令和6年度 第36回企画展「地方から見た律令国家成立前夜 - 群馬の7世紀史を考える -」

・12月1日(日曜日)まで 大田区立郷土博物館(東京都大田区)「矢を放て!~関東の弓矢、1万年~」

・12月8日(日曜日)まで 東京国立博物館(東京都台東区)挂甲の武人国宝指定50周年記念 特別展「はにわ」

・12月8日(日曜日)まで 北区飛鳥山博物館(東京都北区)秋期企画展「台所(キッチン)の考古学-食にまつわる道具の歴史-」

・12月8日(日曜日)まで あつぎ郷土博物館(神奈川県厚木市) 特別展「ドグウ集まれ!」

・12月15日(日曜日)まで 草加市歴史民俗資料館(草加市) 秋季企画展 「古墳時代の草加地域」

・12月15日(日曜日)まで 市原歴史博物館(千葉県市原市) 令和6年度特別展「旅するはにわ-房総の埴輪にみる地域間交流-」

・12月15日(日曜日)まで 常陸大宮市歴史民俗資料館(茨城県常陸大宮市)令和6年度企画展「弥生の墓」

・12月22日(日曜日)まで 国立近代美術館(東京都千代田区)「ハニワと土偶の近代 」

・12月22日(日曜日)まで 本庄早稲田の杜ミュージアム(本庄市)「埴輪ー本庄とその周辺地域における埴輪の導入から終焉まで」

・12月27日(金曜日)まで 石岡市立ふるさと歴史館 (茨城県石岡市) 第38回企画展 「舟塚山古墳の埴輪」

・1月26日(日曜日)まで 岩槻郷土資料館(さいたま市岩槻区)「ミミズク土偶の世界 ~埼玉のミミズク土偶大集合~」

・3月2日(日曜日)まで 千葉市立加曽利貝塚博物館(千葉県千葉市) 令和6年度企画展示 加曽利貝塚E地点・B地点発掘100周年記念「あれもEこれもE―加曽利E式土器(総括編)―」

 

(現地見学会)
・11月16日(土曜日)真福寺貝塚(さいたま市岩槻区)さいたま市教育委員会
・11月17日(日曜日)伊奈氏屋敷跡(裏門跡)(伊奈町)伊奈町教育委員会
・11月20日(水曜日)・23日(土曜日・祝日) 午王山遺跡(和光市)和光市教育委員会

 

(講演会)

・11月16日(土曜日)奈良文化財研究所 一橋大学一橋講堂(東京都千代田区)第15回東京講演会「奈文研、食に挑む―ヒトは何をどのように食べてきたのか?―」(要申込) 奈良文化財研究所

・12月7日(土曜日)プリミエール酒々井文化ホール(千葉県酒々井町) 史跡墨古沢遺跡国史跡指定5周年記念講演会「墨古沢遺跡」(要申込) 酒々井町教育委員会

#常設展 #展示替 しました #奥の細道 #松尾芭蕉

常設展の「粕壁宿と町の人びと」のコーナーの展示資料を入れ替えました。 #かすかべプラスワン

写真:奥の細道の展示

ご存じの通り、松尾芭蕉は、紀行文「奥の細道」を執筆するために、元禄2年(1689) 3月27日の明け方、江戸深川を出立し、弟子の河合曽良(かわい そら)とともに春日部に宿泊しています。

日光道中や宿場町の町歩き、散策をされる方のなかには、芭蕉の足跡をたどって、街道を踏破されている方もおり、芭蕉と春日部(粕壁)の関わりを詳しく知りたい方が多く、芭蕉に関する展示やガイダンスは非常にニーズが高いものとなっています。

郷土資料館では、芭蕉の図像(肖像)や様々な彼の作品(版本)を所蔵していますが、肝心の芭蕉の代表的な紀行文「奥の細道」がありませんでした。「奥の細道」には、春日部(粕壁)は登場しませんが、日光道中や宿場町の歴史を紹介する当館の常設展示に、芭蕉の紹介や「奥の細道」を展示することは、長年の課題となっていました。

今回、複製本を入手することが叶い、念願の「奥の細道」を展示することになりました。地方文書ばかりで散漫な展示ですが、展示がギュッと引き締まった感じがして、春日部の歴史がより立体的になりました(※個人の意見です)。

ぜひご覧ください。

五穀豊穣を感謝する秋季例祭が行われました~獅子舞の公開~

 ようやく半袖から秋の装いへと衣替えし、木々が色づきだしたという便りが各地から聞かれるようになった今日この頃、市内南部、豊野地区の赤沼と銚子口で江戸時代前半から伝承されている市指定無形民俗文化財の獅子舞が10月20日(日)にそれぞれの郷社にて公開されました。
 赤沼神社の境内では「赤沼の獅子舞」が公開され、伝統の三匹獅子の勇壮な舞に加え、7名の児童による子ども獅子が愛らしく披露されました。また、収穫祭にちなみ『稲荷(とうか)の舞』、『魚釣り』などの神楽も舞われ、地域一帯となった秋祭りとなりました。

太夫獅子の出端

稲荷の舞

 

▲赤沼の獅子舞の代名詞「太夫獅子の出端」は躍動感あふれた舞。「稲荷(とうか)の舞」ではいたずら狐が子供をさらう場面。毎回、会場からは笑いと拍手喝采。今秋のお子さんは終始笑顔できつねにも怖がらず将来の舞手候補かも!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▲小学生から幼稚園まで7名の児童による子ども獅子。見事に練習の成果を発揮してくれました。12月からは銚子口の獅子舞とともに地元豊野小学校での「獅子舞授業」も開始されます。

銚子口香取神社では「銚子口の獅子舞」が公開されました。天狗を先頭に境内前をお清めされた後、三匹獅子、さらには秋の収穫に感謝する『弓くぐりの舞』が披露、太夫獅子が見事に大竹に荒縄で作られた大弓を飛びくくることができました。最後には地域全体と祭礼に参加された方々への無病息災を祈願した『弊かがり』によって締めくくられました。

天狗の舞

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

太夫獅子による弓くぐり

弓くぐり2

▲長さ2.8mあまりの竹を荒縄でしならせた弓をくぐる様は迫力満点。今秋の収穫に感謝する舞である。

 

 

 

 

 

 

 

 

▲祭礼の締めは太夫による「弊かがり」御幣によるお祓いで無病息災を祈願してくれます。

 

 両団体には年明け2月に中央公民館の舞台上で獅子舞を披露いただく、「第12回春日部市民俗芸能公開事業」にも出演が決定しております。両団体の兄弟獅子の共演も久しぶりとなりますので、乞うご期待ください。

【臨時休館のお知らせ】10月26日(土)午後、27日(日)

令和6年10月27日(日)は、教育センターが衆議院議員総選挙の投票所として利用されます。そのため、準備を含め下記の日程で郷土資料館は休館となります。ご理解とご協力のほど、よろしくお願いいたします。

〈臨時休館日〉

令和6年10月26日(土)午後

令和6年10月27日(日)終日

※令和6年10月28日(月)は通常の休館日となります。

桜川小学校の3年生が郷土資料館を見学しました

令和6年10月18日(金)に桜川小学校の3年生が郷土資料館を見学しました。

 

今日は楽しい社会科見学の日だそうです!市役所新庁舎、郷土資料館、豊野工業団地(バスの中から見学)、折原果樹園と1日かけて回るとのことで、大喜びの様子♪

 

郷土資料館では、常設展示室、企画展示室、鉄道高架PR展示室を紹介しました。
常設展示室では、縄文時代の竪穴建物の模型や、江戸時代の粕壁宿の模型をみながら学芸委の解説を聞きました。

常設展示室見学風景

縄文時代の人は何を食べていたのか、どういう暮らしをしていたのか、模型の中にある食材や道具などから探っていきました。
衣服がシカなどの動物の皮で作られていることなど知らないことがいっぱいでしたね!

 

企画展示室見学風景

企画展示室では、約80年くらい前の民具について解説を受けました。
現在、企画展示室では「くらしのうつりかわり」展を開催しており、多くの民具が展示されています。
今年は、「むかしのどうぐ人気投票」を行っており、児童たちにも任意で参加してもらいました。それが功を奏してか、投票のために道具の名前に注目する子もチラホラ。普段は民具の外見だけに注目する子が多いのですが、参加型になると展示の見方も変わるようです

 

鉄道高架PR展示室見学風景

鉄道高架PR展示室では、県鉄道高架建設事務所の職員の方に解説をしていただきました。
鉄道の高架化は、鉄道を高い位置に設置して暮らしを便利にする事業です。いわゆる“開かずの踏切”が春日部にも存在しており、児童たちもその存在は知っている様子。そういった身近な問題の解決から、駅周辺の活性化など児童の視点からもわかりやすく解説してもらいました。

モニター釘付けの児童

自由見学の時間には、モニターに釘付けになる児童の姿も(笑)

 

今日は雨が降ったりやんだりとはっきりしないお天気ですが、きっとどんな天気でも楽しめてしまうでしょう!
そんな風に思わせてくれる、元気いっぱいの桜川小3年生でした!
ぜひまた来てください♪

#ハルカイト 見学のススメ(2) 大型 #民具 目白押し

前回の記事に引き続き、ハルカイト(大凧文化交流センター)の見どころをご紹介。

第2弾は、地域の歴史民俗を紹介する展示室。

郷土資料館は狭く、展示スペースが限られていますので、特に歴史時代のパートでは立体的な資料が少なく、よく言えばコンパクト。悪く言えば迫力に欠ける展示です。仮に立体物を展示すると、資料1点だけで終わってしまうから、仕方なく、こじんまりとした展示をしています。反対にいえば、大型の民具があっても、展示できない、日の目を見る事がないということです。

そうした課題もあり、ハルカイトの展示では、郷土資料館では展示しづらい大型の民具をいくつも展示してみました。

その一例が、これです。

写真:タコ

 資料の名称は「タコ」。大人4人を棒をもち、地面をドスン、ドスンをたたく道具です。堤防やあぜ道、土間などの地固めで使ったものです。下吉妻地区で使用されていたものです。次の道具も同じ用途で使われたものです。

写真:ジギョウツキ

名前は「ジギョウツキ」。赤沼地区で使用されていたものです。

「ジギョウ」とは「ジンギョウ」ともいい、漢字では「地形」と書くようです。地形とは、国語辞典では地固めのことを指しますが、地元では水塚(みづか)などの地固めした土地のことを「ジンギョウ」と呼ぶようです(松伏町史資料2『民具』)。

本来は、前の「タコ」と同様に立てて使うものなので、立てて展示したかったのですが、資料の高さが314cmもあり、天井にぶつかってしまうため、残念ながら寝かせて展示です。

いずれも、市民の皆様から寄贈されながらも、長く別置された倉庫に保管されていて、なかなか日の目を見ることがなかった資料です。中川低地の県東部地域で特徴的な水塚(みづか)、あるいは堤防などを築造するのに使われた、特色ある資料といえるでしょう。

ほかにも、郷土資料館では、お目見えできない迫力ある民具が並んでいますので、ぜひ民具マニアの方も、そうでない方も、ご覧いただければ幸いです。

【 #10月15日 】 #今日は何の日? in春日部

今から70年前、昭和29年(1954)10月15日は 市の広報誌が発行された日です。 #かすかべプラスワン

今は「広報かすかべ」と呼んでる市報のはじまりの話。当時は「春日部市政だより」という名称でした。創刊号は、瓦版のような一枚摺り物。もちろんモノクロです。創刊号の紙面はこれです(広報誌縮刷版より)。

画像:春日部市政だより創刊号

(旧)春日部市が誕生が誕生したのは、昭和29年7月1日のこと。紙面の冒頭には、山口宏市長の「市政だより発刊に際して」のあいさつ。小見出しには「田園都市の建設を念願」とあります。

当時の市の人口は3万人余り。かつて宿場町だった粕壁の市街地から少し離れると農村=田園風景が広がるまちでした。それを「田園都市」と言い当てているのでしょう。合併直後は、財政・課税上の問題もあったようで、「本格的な建設に入るのは来年度」と断ったうえで、「学校を相互に結ぶ幹線道路の建設」を掲げ、「生成的な田園都市」を目指すと述べています。

現在の「広報かすかべ」は、市政・制度や諸事業の予定をお知らせする記事が大半を占めていますが、紙面は、市制施行後3か月を経た創刊号ということもあり、議会や様々な事業の報告、各種組織や委員会の構成員の報告など、市民に対して市政をフィードバックする記事が多いのが特徴です。裏面には、市章が決定したこと、東京で開催された全国地方自治綜合大会にて、大畑の「ミロク踊り」(やったり踊り)が三等に入賞したこと、ミス春日部が決まったこと、などを報じています。

丸山鼎市議会議長は、市政だよりの発刊を「その行政を市民に周知せしめ、市民の声を取り入れて、所謂民主的行政の運営を図るべく、即ち役所と市民のつながりとしての役割が極めて大なるもの」と位置付けています。春日部の市政について周知する媒体として、期待されていたことがうかがえるでしょう。

担当者が個人的に面白いと思えたのは、市政だよりの題字です。「春日部市政だより」の文字、「春」「部」「市」「政」はとても美しい草書体です。揮毫した人が誰なのかわかりませんが、非常に格式高い題字だと思います。いかに親しみをもって手に取ってもらえるか、工夫を重ねている現在の広報誌では考えられない題字といえましょう。ちなみに、草書体の題字は次号の第2号(昭和29年11月18日発行)で早くも楷書体に替わり、幻の題字となりました。昭和29年度は創刊号~4号、30年度は5号~10号、31年度は11・12号、32年度は13・14号と発行回数もまばらでしたが、昭和33年度の第15号(昭和33年4月10日発行)から「毎月1回・10日発行」となります。「春日部市政だより」は、第70号(昭和37年11月10日発行)を記念し、「広報かすかべ」に改称し、「紙面の刷新改変をはかる」ことになりました。当時の発行部数は、7500部と記されています。

広報誌(市政だより)のバックナンバーは創刊号に関わらず、広報かすかべの縮刷版でご覧いただけます。図書館や市政情報室などに配架しています。

ちなみに縮刷版は、昭和46年(1971)7月に発行されました。縮刷版の田中市長のあいさつ文には「新庁舎も完成し、進展する社会に即応して、なお一層の施策の充実を期するときにあたり、この17年間における市政のできごとの要約版ともいうべき「広報かすかべ縮刷版」を発刊することとした」とあります。当時、流行の最先端となる旧市庁舎(二代目市庁舎)の完成を記念して、市政が「躍進」するなかで、過去を顧みる試みがなされたといえるでしょう。しかし、縮刷版をみると、原本が破けているもの(第16号など)もあり、昭和46年当時、古い資料が処分されつつあり、17年間の市政をふりかえる(広報誌のバックナンバーを集める)ことが困難であったことがうかがえます。

「温故知新」とは使い古された言葉ですが、過去を顧みて、新しい道を切り拓くことは、70年経ち、新しい庁舎での業務が始まった今にも求められている、と感じるのは私だけでしょうか。

過去の今日は何の日?in春日部シリーズ→1月1日版3月14日版3月27日版4月1日版4月28日版6月2日版6月3日版6月10日版7月31日版9月1日版9月16日版11月25日版

過去の今日は何の日?in春日部シリーズは、上のリンクからお読みいただけます。

郷土資料館【手作りおもちゃクラブ】を開催しました

令和6年10月13日(日) の午前と午後各1回ずつ、郷土資料館手作りおもちゃクラブ「ペーパーローリングを作ろう!」を開催しました。

 

蓄音機上演風景

まずは蓄音機の上演から。
使用している蓄音機は100年ほど前に使われていたもので、電気を使わず、ゼンマイで動きます。

 

紙芝居の読み聞かせ

紙芝居の読み聞かせは「蛇女房」という鶴の恩返しにも似たお話です。この日作ったおもちゃも見ようによっては蛇のようにみえるかも?

 

おもちゃ作り風景

おもちゃ作りでは「ペーパーローリング」を作りました。40年くらい前には、お祭りの屋台で大ヒットしていたようです!

シュルシュルッという音も心地よく、自然に戻ってくるので何度でも遊べるのがうれしいおもちゃです♪

 

缶バッジ作り

最後はおみやげの缶バッジ作りをしておしまいです。
実はこのバッジマシン、来てくれたこどもたちに喜んでもらうべく、毎度他課から借りてきています(笑)
今日も喜んでもらえたようで何よりです!

 

次回の手作りおもちゃクラブは11月10日(日)と14日(木)に開催予定です。
詳しくは広報紙等に掲載いたします。それぞれ別のおもちゃを作る予定なので、ぜひ楽しみにしていてください!