押小日誌

「きずな」の大切さ

総合的な学習の時間に「福祉」について学んでいる4年生。昨日、その4年生が、ガイドランナー講習会を行いました。ガイドランナーとは視覚に障害があるランナーの「目」となり、マラソンなどの競技を二人三脚で行う伴走者のことです。

今回お越しいただいたのは、北京パラリンピック日本代表選手で、2022年いちご一会とちぎ国体で2つの金メダルを獲得した加治佐博昭(かじさひろあき)さんと、加治佐さんのガイドランナーの豊島聡(とよしまさとし)さんです。

はじめに、加治佐さんの日常の生活の様子、目の不自由な人が生活するために必要な設備や道具などについて話を聞きました。また、どのような助けが必要なのかを丁寧にお話くださいました。そして、加治佐さんや豊島さんが行っている練習や競技の実際についても、お話をうかがいました。

ガイドランナーは、あくまでもランナーの「目」の役目であるので、競技中にリードしたり「がんばって」という声かけはしてはいけないそうです。「あと〇mで右に曲がります」「時間は〇分です」という目で見る情報のみ伝えてよいとのお話に、子どもたちも(私も)とてもおどろきでした。

 

 

休憩時間には、加治佐さんが用意してくださった、選手ユニフォームやメダルを見て、さわって、そして実際に着たり首にかけさせてもらったり。子どもたちは大喜びでした。(「日本代表」「メダリスト」がたくさん誕生しました(^^;))

 

 

 

その後、実際にガイドランナー体験をおこないました。

はじめに、加治佐さんと豊島さんが歩いたり走ったりする様子を見ました。豊島さんのガイドで加治佐さんがとてもスムーズに走っていることに児童はとても感心していました。

  

 

 

次は、ペアになり、一人はアイマスクをして視覚障害者の体験を、一人はガイドランナーの体験をします。はじめはガイド役の肩をたよりに歩きます。そしていよいよ「きずな」と呼ばれる伴走ロープ(今回ははちまきで代用)を二人でにぎり、スタートです。視覚障害者の目となる伴走者は、足下の状況や先の見通しまで細かく情報をはっきりと伝えることが大切ということを学びました。

(「右かな・・・」「あとちょっとで曲がる」ではなく、「右です」「あと1mで左90度に曲がります」とはっきり、具体的に伝えることが大切ですと教えていただきました。)

 

 

 

 

 

最後にお二人から「何か困っている人がいるかなと気付いたときは、声がかけられる・行動に移せるようになってほしい」というお話をいただきました。ロープはなくても、人と人とを結ぶきずなはとても大切であること、そして見えないことの不安や怖さを体験し、障害のある方の身になって考える大切さを学んだ機会になったと思います。

また、障害をカバーし、助け合うことで、加治佐さんと豊島さんのように自分の夢にチャレンジし続けることができる、という心の引き出しを作れたのではないかと思います。

加治佐さん、豊島さん、お忙しいところ本当にありがとうございました。