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2024年11月の記事一覧

校長室のひとりごと「冷静に見極める」

 最近の技術革新はめざましく、その技術を扱う人間側のモラルや判断力が追いついていないと実感しています。人工知能AIも日々進化を続け、人間が描いたかのような絵画、声優の声を学習させ、まるで本人のような音声を作り出す、もう何が本当で何がどうなっているのかわからない状況です。これらが悪いというつもりはありませんが、使う側の意識やモラルが追いついていなければ、技術を悪用したり、ネット上のフェイクニュースなどに翻弄されたりしてしまいます。戦時中からフェイクニュースは存在していたようですが、今は誰でも簡単に作ることができ、ネットを通して拡散させることも可能です。報道とはとても言えない間違えた内容、興味を引くために個人が作りあげたものなどです。私もこの「校長室のひとりごと」を書く際にネットを開いて話題を探したり、詳細を調べたりとインターネットを使用しています。その際、その情報が正しいものなのか、過剰すぎる表現はないかなど必ず複数のサイトを確認し、最終的には冷静に自分で判断しています。

 今やインターネットを小中学生も当たり前に閲覧しています。しかしその情報の真偽まで考えているかと言えば、そうではない場合も少なくないと感じています。SNSでも同様です。その書き込みが全て真実とは限りません。我々大人は「ちょっと待てよ」となりますが小中学生もそうとは限りません。最近話題の闇バイトも「ちょっと待てよ」と冷静な判断力があれば、おかしいと気づくものが多いと言われています。

 技術革新が進み便利になり、多くの人が簡単に使えるようになればなるほど、その使い方、使う側の冷静な判断力が必要になってきます。その危険性を学校、家庭で大人が教える必要があるとつくづく感じます。

校長室のひとりごと「77年目の今年」

 このところ、地域関連の話題が多いのですが、「地域と関わる」「地域と共生」を語るからには、この川間地域を知らなくては話になりませんよね。私は昨年の着任以来地域を歩き、本やインターネットで色々と調べたりしています。もちろん「川間中学校」についても調べる必要があると、最近は中学校について色々と過去の記録を見直しているところです。

 本校は昭和22年、旧川間村に川間中学校として誕生し今年で創立77年を迎えた地域に根ざした歴史と伝統ある学校です。そこで創立当時の記録を校長室の金庫から引っ張り出し調べたところ衝撃(?)の事実を知ってしまいました。私は平成元年より市内の中学校で勤務してきましたが、概ねどこの学校も昭和の終わりから平成の始めに生徒数が一番多く、逆に創立当時が一番少ないというパターンが一般的です。 本校の創立当時昭和22年の生徒数は257名、翌昭和23年には300名を超え、そのまた翌昭和24年には400名を超えるほどの急増でした。昭和35年には500名を超え、昭和57年には600名を…右肩上がりに生徒は増加し昭和61年には774名という規模まで膨れあがりました。しかし、それからは徐々に生徒数は減少し、昨年令和5年度には268名にまで減少しました。現在は全校生徒246名で生活しています。これが衝撃(?)の事実です。77年目にして実は初めて創立当時の生徒数を下回り過去最少人数だったのです。更に川間小学校、尾崎小学校の児童数を見ると、来年度は更に過去最少人数を塗り替えそうで、あと数年はこの状況が続きそうです。

 衝撃(?)的な事実は事実として、少ないからといって何が変わるわけでもありません。体育祭では迫力の応援を披露し、川創祭(文化祭)では一致団結した素晴らしいハーモニーの合唱を作り上げてくれました。この生徒数はハンデキャップではなく、むしろ小回りが効く強みだと捉え、これからも生徒たちのために頑張ってまいります。

校長室のひとりごと「努力」

 教員がよく使う呪文のような言葉の一つに「努力」という言葉があります。

 部活動顧問、学級担任として第一線で生徒たちと関わっていた頃は、一切迷いもせず「努力は報われる」と生徒に呪文(?)を唱えていたものです。

 多くのスポーツ選手は「努力」について名言を残しています。例えば世界のホームラン王「王貞治」氏は「努力は必ず報われる。もし報われない努力があるとすれば、それはまだ努力と呼べない」と残しています。また、サッカーのメッシ選手は「努力は報われる?そうじゃないだろ、報われるまで努力するんだ」と述べています。一方でフィギュアスケート「羽生結弦選手」は「努力はウソをつく。でも無駄にはならない」。他にも「努力は報われるとは限らない」「努力が報われるのであれば、みんなメダリストになっている」…… などと残しています。 陸上競技の「為末 大」氏は「一流のアスリートは、そもそも努力を努力だと思っていない」と著書に綴っています。いったい「努力」って何なのでしょう?

 以前、全校生徒に「努力は必ず報われる。しかし、自分が思っている形で報われるかどうかは別の話。仮に努力したのに報われなかったと感じていても、その努力は違う形で自分の力になっているはずです。これからも惜しまず努力できる人になってほしい」と話したことがあります。

 歳を重ねるにつれ、私自信「努力は報われる」と思っていますし、一方で「努力しても報われないこともある」とも思っています。

 先ほどの「為末大」氏は「現在の日本は、努力しても報われないと感じる人間が多数派を占める社会になっているように思う」とも記しています。

 中学生という成長段階においては、どのパターンで「努力」という言葉を投げかけるかが問題です。中学生は全てが経験全てが勉強です。何事にもガムシャラに取り組める人間、そして惜しまず努力できる人間になって欲しいと切に願っています。

 

校長室のひとりごと「地域に関わる」

 土曜日に「川間地区ふれあいの広場」が行われました。川間地区社会福祉協議会が主催し規模も大きく地域にとって大切な行事です。こういった地域行事では中学校や小学校も発表団体として、吹奏楽部などが招待されることが少なくありません。この「ふれあいの広場」も同様で、これまで本校は吹奏楽部、特設郷土芸能部が出演していましたが、今年は「次世代の地域を担う中学生には、もっと地域に目を向け、地域の一員として自覚を持って欲しい」とわがまま言って運営団体の一つに加えていただきました。事前の会議、前日の会場準備、当日の司会進行、受付、接待、商品販売などの各ブースに分かれて生徒たちは地域の方々に混じってお手伝いさせていただきました。生徒からは「色々な発表を通して地域の文化や伝統を知ることができた」「初めての経験でしたが優しく教えていただき一緒に活動していて楽しかった」などの声が聞かれました。

 また、会場にいる私にたくさんの方が声をかけてくれました。「中学生が優しく案内してくれ嬉しかった」「元気な中学生と一緒にいて、こっちまで元気になりました」「いつもの決まった面々に中学生が加わり、みんな笑顔が増え若返ったように感じました。とっても楽しかった」「孫(中学生)が笑顔で手伝っているのを見て泣けてきました」など数えきれないほどの言葉をいただきました。

 会を終え生徒たちに「地域の一員だと自覚できましたか?みんなは、この先どこの高校に行こうとも、大人になってもどこに住もうとも、いつまで経っても故郷はここ川間地区だということを忘れないで欲しい。10年、20年30年先に、みんながこの「ふれあいの広場」を運営していて欲しい」と話しました。社会福祉協議会など運営に携わった皆さんには「生徒がお世話になりました。日頃学校では見せない「優しさ」「気遣い」「笑顔」を見ることができました。本当に良い経験ができました。ありがとうございました。」とお礼を述べました。

 今年の「ふれあいの広場」は多くの笑顔にあふれ「育てよう川間の絆」というスローガンに近づけたと感じて、ホッコリと温かい気持ちの一日でした。

校長室のひとりごと「振替休業」

いつもアクセスいただきありがとうございます。

土曜日の「ふれあいの広場」が全校登校日だったため、今日は振替休業になります。

この「校長室のひとりごと」もお休みします。

今後ともよろしくお願いしますね。

校長室のひとりごと「全国調査によると」

 令和5年度実施の「問題行動.不登校等生徒指導上の諸問題に関する調査」の結果が公表されました。この調査は文部科学省が毎年実施しており、全国の公立私立全ての小中高校、特別支援学校を対象とした調査で、その結果をもとに各学校で生徒指導上の諸問題への取り組みをより充実させ、未然防止、再発防止に役立てることを目的に行なわれているものです。

 公表された結果は、不登校や長期欠席、高等学校の中途退学など項目は多岐にわたっていますが、その幾つかを紹介します。

 まず「いじめ」についてです。全国の小中高校、特別支援学校でいじめと認知した件数の合計です。全国で732,668件で昨年度比プラス50,620件の7、4%増でした。また、この件数において77、5%は既に解消済みという結果です。この結果に対して文部科学省は、いじめ自体の件数が増えたというより、いじめの定義の浸透により軽微なものもいじめと捉えるようになったことで件数は増えていると分析しています。

 次に「不登校」については、全国小中学校で346,482人で前年比15、9%増加しています。この増加の原因の一つには、児童生徒の休養を重要視する「義務教育段階における教育の機会確保に関する法律」が認知され始めたことが影響していると文部科学省は分析しています。

 調査の結果が出たからというわけではなく、本校でも引き続き、生徒一人一人に目を向け「いじめ」に対するアンテナを張り巡らせ早期発見、早期対応を心がけていきます。また不登校についても、家庭との連携を密にしながら心のケアを含め丁寧に個々の改善策を考えていこうと思います。

校長室のひとりごと「条例の地域がら」

 少し前の話ですが、山形県の6月議会で面白い(?)条例が可決されました。それは「山形県笑いで健康づくり推進条例」です。具体的には毎月8日を「県民笑いで健康づくり推進の日」と定めたり、「一日一回は笑いましょう」というような条例です。一般的に笑うことが健康に良いと言われていますが、山形県では独自に県民を対象に調査した結果、声を出して笑う頻度が高い人ほど死亡リスクが低かったという結果だったことから、県民に笑うことで明るい健康的な生活を送ってもらおうと考えられた条例だそうです。

 他にも面白い(?)条例はないかと調べてみれば、全国各地に面白い(?)その土地特有の条例がいくつもあることがわかりました。

 宮城県石巻市の、マンガと触れ合うことで市の活性化を目指そうとする「石巻市マンガアイランド条例」、和歌山県みなべ町の特産品で健康になろうという「紀州南高梅使用のおにぎり及び梅干しの普及に関する条例」、岡山県井原市では屋外照明は夜10時以降消灯することを推奨する「美しい星空を守る光害防止条例」、秋田県横手市の豪雪を逆手にとった「雪と仲良く暮らす条例」、兵庫県多可町の一日に一回は人を褒めたり感謝の意を表すことで明るい社会づくりを目指そうという「一日ひと褒め条例」、埼玉県草加市の「草加せんべいの普及促進条例」など探せば実にたくさんあるものです。いずれもその土地土地の特徴があり各自治体の工夫がなされた条例ですね。

 皆さんが暮らす地域にはどんな条例があるでしょうか。

校長室のひとりごと「ふれあいの広場」

 9日(土)は、本校体育館を会場に「川間地区ふれあいの広場」が行われます。この「ふれあいの広場」とは、「育てよう川間の絆」をスローガンに今年で24回目となる川間地区社会福祉協議会主催の地域のお祭りです。小学生、中学生、高校生の音楽的な発表や、郷土芸能、リズム体操、舞踊など親世代、祖父母世代など年齢や世代を越えた地域の方々が集まり、楽しいひと時を共有する学校にとっても大切な地域行事の一つです。

 これまで中学校は「ふれあいの広場」に会場として体育館をお貸しし、一部の生徒が発表団体の一人として参加するという立ち位置での関わりでしたが、次世代の川間地区を担う中学生が「お客様」で良いのか?地域の一員だとういう自覚を育むためにも、生徒一人一人が主体的に関わることはできないかと、関係の皆さんに無理なお願いをし、今回は3年生が発表だけではなく運営側の一員としてお手伝いさせていただくことになりました。

 過日行われたか家庭科の研究大会での3年生の家庭科の授業では、「地域の一員として」「地域と協働して」とキーワードのもと「自ら工夫し創造する」ことを目的とし、その具体的方法を話し合う授業でした。そしてその実践の場が「ふれあいの広場」なのです。今回の「ふれあいの広場」に向け生徒の代表は運営側の一員として社会福祉協議会の皆さんと実行委員会を組織し、中学生の関わり方について話し合いを進めてきました。

 当日、地域の皆さんの発表を楽しみにしているのは勿論ですが、運営側の一員として手伝う生徒たちを見ることも楽しみにしています。

 


※  9日(土)の午前中は、PTAバザーも同時に実施します。ぜひお立ち寄りください。

校長室のひとりごと「自分の言葉でアウトプット」

 過日、本校を会場として「関東甲信越地区中学校技術家庭科研究大会」が行われました。(様子は本HPにアップしています)当日は3年生の家庭科授業をモデルとし集まった家庭科教育の専門家の皆さんに参観いただきました。最後に助言者の千葉大学准教授の先生に講評をいただきましたが、その准教授のある言葉にハッとさせられました。「グループの話し合いでは積極的に皆自分の意見を発表し合い素晴らしかった。でも最後の「振り返り」をノートに書く際に、素晴らしい発表をしていた男子が1行しか書いていなかったことが残念でした」という一言です。

 各学校は「主体的で対話的な深い学び」を目指し授業改善に取り組んでいます。その基本は「アウトプット」です。授業で新たに学んだことを「インプット」だとすれば、インプットした内容を自分なりに噛み砕きながら理解する。そして、まとめとして「アウトプット」することで授業の理解が定着した力になるものです。その定着が次の授業につながり主体的な学びのサイクルを形成します。「アウトプット」とは、自分の言葉で今回のように文字や文章にしたり、声に出して発表したり仲間に説明することを指します。今回は家庭科の授業でしたが、日頃から各教科の授業において、1番肝心な「アウトプット」が十分になされていないため習慣付いていないのだと反省させられました。1単位時間は50分。教師はこの50分が勝負です。「少しでも…」と考えれば考えるほど、まとめ「振り返り」の時間が足りなくなり「アウトプット」の時間を十分に確保できなくなってしまいます。改めて先生方で「アウトプット」の時間の確保をお願いしました。

 そう言えば、かのアインシュタイン博士は「6歳の子どもに説明できなければ理解したとは言えない」と名言を残しています。

 家庭科の研究大会、本校にとって大切なことに気付かされた有意義な研究大会でした。

校長室のひとりごと「行事は人を育てる、平常日課は学力を向上させる」

 11月の第一土曜日(今年は2日でした)は「のだ教育の日」、それに合わせて11月は「学力向上月間」でもあります。本校でもこの11月、落ち着いて学習に取り組み学力向上を図りたいところです。

 私は常々「行事は人を育てる」ために必要だと考えており、一方「平常日課が学力を向上させる」のだと考えています。この行事と平常日課のバランスが大切でどちらかに偏ってしまっては義務教育の目的、目標に近づくことはできません。近年、中学校では「何もない日」そもそも平常日課(時間割通り)の日が少なくなってきています。4月からスケジュール帳で振り返ってみても、3学年揃って1週間平常日課が続いたのは、7月にわずか1回しかありませんでした。では「学力向上月間」の11月はどうかと言えば、連日の「教育相談」のための短縮日課で始まり、7日は「野教研(市の教員の研究会)」のため給食後下校、次の週には「定期テスト」、その次の週は「市長と話そう集会」3年生の「思春期講演会」、1年生の「環境教育」2年生の「主権者教育」などの市主催の出前授業など、11月も例外ではなく連日何かがあり、校長室の行事予定の黒板もぎっしりです。生徒たちも落ち着いて計画的に学習を進めるのも一苦労です。一方で、業務改善に迫られている教員も同様です。平常日課ではなく何かがあるということは、そのために授業とは別に計画を立てたり、時には特別に指導をしたりと準備をしなくてはなりません。

 先生方には授業に集中し、生徒たちには、その授業を主体的に受け学習に取り組んでほしいと思います。